【ソウルキャリバー6編】ふーひセレクト!EVO2019注目選手

ふーひ

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20年以上の歴史を持つソウルキャリバーシリーズ。このタイトルのEVO Japan2019で実況解説を務めた私(ふーひ)が、EVO2019で注目するべき選手を6名紹介!

さらに、これまでのソウルキャリバーの歴史から、EVO2019の見どころも合わせて教えます。

これまでのEVOと2019年のソウルキャリバーシーン

ソウルキャリバーは前回のEVO開催が2012年なので、今年は実に7年ぶり。EVO2012では、フランスが強いイメージを持たれていた中、日本のデコポン選手が悲願の優勝を果たしました。

しかし、今年開催されたEVO Japan2019ではフランスのKeev選手が優勝しており、準優勝者もシンガポールのShen Chan選手なので、日本の選手がトップ争いに加われない結果に終わっています。

ただ、EVO Japan2019のトップ8に日本選手が4名、韓国選手が1名入っており、決してフランスの選手だけが強いわけではないです。アジア最強を決める大会SEA Major 2019ではタイ、台湾、日本、マレーシア、シンガポールで予選が行われますが、日本予選のTokyo Battle Stageでは日本のしわぽん(しわ)選手が優勝し、タイ予選のThaiger Uppercut X SEA Majorでも日本の神園選手が優勝しており、日本の選手の実力はかなりついています。

このように、どこの国が一強とは言えない状態でEVO2019を迎えるので、選手もファンも心待ちにしているのではないでしょうか。

ゆっとと

ゆっとと選手は中高生くらいの年齢からソウルキャリバー5をプレイしていて、当時も大会で勝ち残るほど強かったので、補導されないように母親と、今でもソウルキャリバーをやり込んでいる姉と一緒に大会会場に訪れていたようです。当時からeスポーツに対して理解があるってすごいことですよね。

そして他のプレイヤーからは「ずっと昔からプレイしていたような立ち回りをする選手」と実力を認められています。最近だと、2019年3月に行われたSOULCALIBUR VI The WEAPON MASTERで優勝していて、しわぽん選手が優勝したTokyo Battle Stageでも2位という結果を残しています。ちなみに、WEAPON MASTERで優勝した際には、公式からソウルキャリバーの面白さを世界に伝える「剣術指南役」の称号が与えられています。

でも、EVO Japan2019では壇上に上がる前に負けてしまったんですよ、これは本人もかなり悔しかったと思います。そんな彼が今回のEVOでどこまで通用するのか楽しみですね。

彼はキャラ対策を考えるのが得意で、その対策法を知りたがっている人は多いです。メインキャラのヴォルド以外も使い込んでいるので、キャラ別最強プレイヤーを挙げるときにゆっとと選手の名前が複数回出てきてもおかしくはないです。

ソウルキャリバーには、敵の正面を向いている状態と背中を向けている状態(背向け)があるんですが、基本的に背向け状態は弱い(不自由)とされてます。でもヴォルドは逆で、自ら背向け状態になれることに加えて、背向け状態で出せる技の数が多いという特殊なキャラです。

ゆっとと選手が大会でヴォルド以外を使用しているのは見たことがないので、おそらくEVOではヴォルドを出してくるんじゃないかなと思ってます。ゆっとと選手は、海外の大会に参加するのは今回が初らしいので、世界にどれだけ通用するか楽しみですね。

しわぽん(しわ)

しわぽん選手はソウルキャリバー6から本格的にプレイし始めていて、先ほど紹介したアジアリーグの日本予選であるTokyo Battle Stageで優勝した選手でもあります。ソウルキャリバー6から始めた新規プレイヤーの中では、しわぽん選手が一番良い結果を残しています。

メインキャラはバランスの良いソフィーティア・アレクサンドルを使用していて、使いやすい小技を中心にダメージを稼ぐ戦闘スタイル。元々プレイしていたバーチャファイターでも小技メインのキャラを使用していたらしく、ソウルキャリバーをプレイする際に友人からソフィーティア・アレクサンドルをおすすめされたようですね。

しわぽん選手は守りの上手さもあって、なかなか崩せないことで有名。優勝した大会のTokyo Batlle Stageで本人は「死ぬかと思った」と言っていましたが、対戦内容を見る限り安定していました(笑)。

彼は普段物静かなほうですが、優勝したときはもう満面の笑みを見せてくれて、こんな素敵な笑い方をするんだなと驚きました。もしEVOで優勝したらどんな笑顔を見せてくれるのか楽しみです!

しわぽん選手は優勝候補の1人だとも考えているので、大会序盤で負けるのは想像できないかな。

たもねぎ

ここまでで紹介してきたゆっとと選手としわぽん選手とは違い、たもねぎ選手はソウルキャリバーを長くプレイしているベテラン選手の1人。ソウルキャリバー6の発売前大会であるSOULCALIBUR VI Battle Prologue in Nakanoで優勝していて、EVO Japan2019でも5位タイという結果を残しています。私が個人的に、EVOでの対戦を見たいと思っている選手でもあります。

たもねぎ選手は、複雑な派生攻撃を使える真喜志(まきし)というキャラをメインに使用していて、状況による立ち位置の管理が上手いです。真喜志は近距離攻撃が主体なのですが、対戦中にたまるソウルゲージが1本あれば、ゲージを使って中距離から強力な攻撃を繰り出すことができます。

この状態になると、たもねぎ選手の間合い管理の上手さが光ります。特に、通常時よりも伸びたリーチを活かしたスカ確(※)に注目してほしいですね。2戦目以降の相手に対する対応力も彼の武器なので、1戦目との動きの変化にも注目です!

これまでの大会では真喜志以外を使用しているところは見たことがないので、EVOでも彼の真喜志が見れると思います。ソウルキャリバー界隈から「レジェンド・キャリバー」とも呼ばれる彼が、EVO2019でどんな結果を残してくれるのか楽しみです。

※相手の技の空振りによって生じたスキに攻撃を入れること

神園

神園選手はProGamersWorldに所属しているプロゲーマーで、ソウルキャリバー以外にもいろんな格闘ゲームのプレイ経験を持つ選手。

今は私がソウルキャリバーの実況解説を担当させていただいてますが、私の前は神園選手が担当することもあったんですよ! 実況解説もハイレベルなのですが選手としての実力もじゅうぶんで、アジアリーグ予選のTokyo Battle Stageで3位という結果を残しています。

明るく陽気な彼ですが、EVO Japan2019で早い段階で海外の選手に負けてしまったときに、悔しすぎて泣いてしまったそうです。それまでは実況解説をメインに活動していたんですが、この敗北をきっかけに選手としても本腰を入れると決めたようですね。実力を持ったベテランプレイヤーの選手復帰はめずらしいので、これから大会でどんな活躍を見せてくれるか楽しみです。

彼は対戦相手を揺さぶるのが得意で、相手を動かしてカウンターで技を差し込んだり、連続攻撃のスキをついて攻撃を当てたりとロジカルな戦い方が特徴です。神園選手が使う成美那(ソン・ミナ)というキャラは遠距離戦を得意としているのですが、得意ではない近距戦でも戦える策を用意しているのも神園選手の強みですね。

ただ最近はエイミも使うようになっていて、相手によってぶつけるキャラを使い分けていると予想してます。なので、EVO2019では成美那(ソン・ミナ)とエイミの両方を見ることができると思います。

神園選手は以前からどんな対戦にも真剣に取り組む選手でしたが、EVO Japan2019での敗北以降、より真剣に取り組むようになったと感じています。今回のEVOでの活躍に期待ですね!

Shen Chan

EVO2012で優勝したデコポン選手と決勝戦で対戦し、惜しくも負けてしまったシンガポールのShen Chan選手は外せません。彼はEVO2012だけでなく、EVO Japan2019でも準優勝という結果になっていて、かなり悔しい思いをしているはずです。

これは私の想像ですが、EVOという大きな舞台で2連続で準優勝なので、3度目の正直ではないですが、おそらくEVO2019では大きな思いを掲げて挑むんじゃないかなと思ってます。

Shen Chan選手は、相手の攻撃を弾くガードインパクトがとても上手くて、メインで使用しているセルバンテスというキャラの性能ともマッチしているんですよ。

セルバンテスは、ガードインパクト(相手の攻撃を弾き返すシステム)を成功させた後、特定の攻撃を当てるとより強力なコンボを叩きこむことができます。でも、相手はこの攻撃に対してガードインパクトで返すことができます。しかし、セルバンテスはこのガードインパクトを突破できる技も持っているので、攻撃を弾いた敵に対して2択を迫れるんです。そして、Shen Chan選手はこの2択の仕掛け方がとても上手いんです!

この攻め方はかなり見ていて面白いので、EVOでは注目して観戦してほしいポイントですね。

Keev

最後に紹介するのが、現状最強とも言われているフランスのKeev選手です。彼はEVO Japan2019で優勝していますが、EVO2012では日本のデコポン選手が優勝しているので、EVO最強の座を日本から取り返すためにかなり気合を入れているんじゃないかな。

彼が使っているナイトメアというキャラは、発生が早い技を持たないかわりに、それぞれの技が強力という特徴があります。なので、キャラへの対策をしてくる上位プレイヤーとの対戦になるほど、扱いが難しくなる性能だと言えますね。それでも、Keev選手の使うナイトメアにはそんな弱点が存在していないかのように、強力な技をきれいに当ててくるので、もう誰がKeevを止められるんだという(笑)。

EVO Japan2019の戦いを見るかぎりだと、間違いなくKeev選手が最強でした。あの戦いから半年が経った今、他の選手がKeev選手にどう立ち向かうのか楽しみですね。そしてこのKeev選手は、私が考える優勝候補の1人です。

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記者プロフィール
ふーひ
ウェルプレイド所属のMC・実況解説者。
ゲームイベントの場において、公式大会・ユーザーコミュニティ問わず実況をしています。
得意なジャンルは格闘・対戦アクションゲーム。
イベント運営やコミュニティスタッフとしても活動中。

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