甲子園参加者必見!ナワバリバトルのブキランキング:望月もちのイカがだろうか【第7回】

望月もち

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「第5回スプラトゥーン甲子園」の地区予選大会まで2ヵ月を切り、大会に向けての活動が増えつつある「スプラトゥーン2」。

ガチルールとは違い、普段プレイすることの少ないであろう「ナワバリバトル」での大会ということで、「どのように戦えばいいかわからない」と考えるプレイヤーは多いはず。

そこで今回は、僕が主観で選んだ「ナワバリバトルのブキ評価ランキング」と、スプラトゥーン甲子園で勝つための練習方法や、当日意識しておくべきここだけの話をお届けしたいと思う。

スプラトゥーンをプレイする方や大会観戦する方に向けて、この記事を通じて役に立てれば幸いだ。

望月もち的ナワバリバトルのブキ評価ランキング!

  • ナワバリバトル
  • 追加ギアパワー:オフ
  • 第5回スプラトゥーン甲子園で使用される8ステージ

以上を前提とし、「第5回スプラトゥーン甲子園」において、どれだけ結果を残すことができるポテンシャルを持っているかを、理論値、実戦値、ユーザー主催大会の実績などから導き出した。

SランクからEランクまでの6段階評価とし、左右差はないので、注意して見ていただきたい。

出典:TierMaker

Sランク

ほぼすべてのチームで採用されることになる、いわゆるトップメタ。対策は必須であり、このブキをどのように活かせるか、対策できるかでそのままチームの強さが決まると言える。

L3リールガン

メインウェポンの性能、「カーリングボム」による機動力の高さ、「イカスフィア」の回転率の高さ、どれをとっても高水準な超高性能ブキ。

相手と対面する性能もさることながら、特筆すべきは塗り性能の高さ。自分自身で塗りを広げることができるため、味方に塗り枠を必要とせず、2人がL3リールガンを採用するチーム編成も多い。

また、カーリングボムを活かした相手陣地に侵入する動きも強く、相手に倒されてしまう状況でもイカスフィアで生き残ることができるため、安定感と爆発力を兼ね備えたブキになっている。

あらゆる状況に強い反面、常に最善手を選び続けることで真価を発揮するため、使い手の技量が試される。

※上記のL3リールガンのツイートは前作「スプラトゥーン」のもの

Aランク

Sランクほどではないが、数多くのチームで採用されることになる、環境上位のブキ。

Sランクと同じく対策は必須。また、他のチームと被ることが多いので、この枠のブキを使う場合は、他の使い手にはない強みが求められることが多い。

シャープマーカーネオ

ナワバリバトルで猛威を振るい続けてきたシャープマーカーネオはAランクに。

高い塗り性能に、味方の戦闘をカバーできる「クイックボム」。スペシャルウェポンの「キューバンボムピッチャー」は一気に塗りを広げることができ、味方のサポートにおいて優秀なブキでありながら、ときには試合を決定づけるエースの立ち位置にもなることができるブキだ。

しかし、L3リールガンの増加により一方的に倒されてしまうことが増えたり、チームの塗り枠としてライバルが増えてきてしまったため、個人的にはAランクの中でも下の方だと考えている。

シャープマーカーネオの評価については、僕のブログで詳しく解説しているので、そちらを合わせて読んでほしい。

N-ZAP89

トッププレイヤーの開拓により、評価を大きく上げたブキ。高い塗り性能を持ちながら、機動力の高さを活かして自身も戦闘に参加できる点が強み。

特に撃ち歩きが速く、射程もそれなりに兼ね備えているのは、シャープマーカーネオにない強みと言えるだろう。

また、スペシャルウェポンの「マルチミサイル」は、クイックボムやキューバンボムピッチャーよりも素早く、かつ正確に味方の戦闘のカバーに入ることができ、イカスフィアでどんどん押し上げていく立ち回りととても相性が良い。

このブキのように、かつて評価が低かったブキが、プレイヤーの開拓により数を増やすというのは、対人戦ゲームならではの魅力だと思う。

L3リールガンD

L3リールガンをより攻めに特化させたブキ。「クイックボム」も「ジェットパック」も、ニュートラルゲーム(試合中、状況有利/不利が存在しない時間。均衡状態)から1キルをもぎとる性能がとても高く、チームの攻撃の要としての活躍が期待される。

L3リールガンと同時に採用されることも多く、L3リールガンDと思い戦闘を始めたら、実はL3リールガンの方でイカスフィアで倒されてしまう……なんてこともあるので、相手にする場合は注意しておこう。

パブロ・ヒュー

Sランクと迷ったが、使い手の少なさと難易度の高さからAランクに置いた。理論値に関しては全ブキでもトップクラスの性能を持っており、大会でも優勝を目指すならほぼ確実に当たると予想されるので、事前に対策を練っておくことをオススメする。

機動力の高いフデ移動や瞬間的な塗り性能など、メインウェポンの性能がずば抜けて高く、「イカスフィア」を発動し続けることで、常に相手に圧力をかけることが可能になっている。

また、サブウェポンの「トラップ」は、スプラトゥーン甲子園のルールと相性が最高に良い。

ナワバリバトルは他のルールと違い、相手陣地に侵入することでアドバンテージを稼ぐことができるのだが、侵入ルートにトラップを仕掛けておくことで、気づかない間に相手が抜けてくることを阻止することができるからだ。

状況報告が難しいオフライン大会であっても、トラップのセンサーにより相手の位置を目視することができるため、確実に意思疎通を図ることができる。

「5、6人目の味方」として、チームの安定感を底上げしてくれることだろう。

スプラチャージャーコラボ/スプラスコープコラボ

後方から味方を支援する、いわゆる後衛枠。その中で頭一つ抜けた性能を持っていると考えている。

チャージャー種でありながら高い塗り性能を持ち、必要な場面では「キューバンボムピッチャー」で瞬間的な爆発力も発揮できる。

1本先取の大会において、スペシャルウェポンの抱え落ちを狙うことのできる確定1発の攻撃はとても重要であり、対戦環境にいるブキの中では最も射程が長く、かつ1撃で相手を落とすことができるメインウェポンを持ちながら、ナワバリバトルで求められる基本的な性能が搭載されている……と言えば、その強みがわかるだろうか。

また、チャージャー種はイカスフィアへの被ダメージ補正が1.3倍になるため、後衛枠の中でもイカスフィアに対して強いというのも長所の1つだ。

バケットスロッシャーデコ

第3回大会から使用され続けており、スプラトゥーン2において最も性能が高いブキの1つと言える。

攻撃力や射程、発生の速さなど高い性能を持つメインウェポンに、戦闘と塗りを同時並行することができる「スプリンクラー」。

高いメインウェポンを活かした攻めをサポートする「イカスフィア」など、安定感抜群なブキになっている。

ただ、今年はイカスフィアを高い回転率で使用することのできるL3リールガンやパブロ・ヒューが環境上位を占めているため、メインウェポンの練度がこれまで以上に求められるだろう。

スクリュースロッシャーベッチュー

バケットスロッシャーデコと同じく、攻めのスロッシャーとして採用されることが多い。

「タンサンボム」は塗りを広げながら攻撃することができ、メインウェポンと合わせて、地形を無視した攻撃で攻めることができる。

バケットスロッシャーデコのプレイヤーが、ステージや相手の編成によって持ち替えるブキとして選ばれることが多いのではないだろうか。

ただ今年はイカスフィアが多く、機動力が心もとなく対抗策が少ないこのブキは、少し向かい風か。

Aランクの中でも下の方に位置するのではないかと考えている。

オーバーフロッシャーデコ

N-ZAP89のように、ユーザーの開拓によって評価が上がっているブキ。

シャープマーカーネオがイカスフィアに弱かったり、射程の短さに困る場面が多く、同じ「キューバンボムピッチャー」を持ちながら、弱点を克服した性能がオーバーフロッシャーデコにはあると思っている。

メインウェポンは全弾命中するとそのまま相手を倒すことができるため、ラッキーキルをとれることもあり、1本先取の大会では実力差を覆す要素になりかねない、という強みもあるのではないだろうか。

欠点は、機動力もなければ相手に囲まれてしまうと何もできずに倒されてしまうブキなので、一朝一夕で扱える代物ではないこと。

エクスプロッシャーカスタム

「スプラチャージャーコラボ」と並んで採用されることの多い、後衛枠の1つ。

前線の戦闘にカバーに入る性能に関しては、後衛枠の中でも抜けたものを持っており、今年はイカスフィアによる抜けが多いため、事前にイカスフィア持ちの位置を特定できる「ポイントセンサー」は優秀なサブウェポンと言えるだろう。

ただ、イカスフィアで抜けてきた相手を食い止めるのも後衛枠であるエクスプロッシャーカスタムになりやすいので、地力の高さはこれまで以上に求められるのではないだろうか。

スプラスピナー

「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」から採用されることが増えてきた、塗り枠の1つ。

やはりシャープマーカーネオに代わって採用されることが多く、N-ZAP89で説明した「マルチミサイル」を持ち、かつ「クイックボム」でのカバーの速さが強み。

射程もほどほどに長く、自身の対面性能も高いので、攻めっ気のある味方に合わせるなら、スプラスピナーが選ばれることも多くなるだろう。

※上記のスプラスピナーのツイートは前作「スプラトゥーン」のもの

クーゲルシュライバー・ヒュー

環境上位で採用される後衛枠の1つ。

メインウェポンの性能の高さが長所で、後衛枠の中では攻撃に振り切った性能をしている。「ジャンプビーコン」で前線の復帰をサポートしながら、「アメフラシ」で味方に有利な状況を作り上げることができ、チームに居れば助かる存在になるだろう。

ただ、現状はスプラチャージャーコラボとエクスプロッシャーカスタムといった他の後衛枠が数を増やしているような印象を受ける。

塗り性能の低さ、サブ/スペシャルの爆発力の無さなどがその要因なのかもしれないし、ガチルールと違い、相手の対応をしなくても勝利条件を満たすことができるため、ナワバリバトルでの運用は少し難しいか。

キャンピングシェルターカーモ

メインウェポンのパージを活かして、前線で注目を集め、味方のカバーでキルを発生させるムーブが純粋に強力。

サブウェポンの「トラップ」はパブロ・ヒューの欄で挙げた理由と同じ強さを持ち、パージで集めた注目を活かして連続キルを狙うことのできる「ウルトラハンコ」は、大会シーンにおいて普段以上の強さを発揮するだろうと睨んでいる。

「コンブトラック」など、一部のステージではステージ構造と噛み合い、より性能を活かしきることができるため、採用される数以上の存在感を示すブキになるだろう。

Bランク

ここからは各ランク帯の意図を挙げさせてもらう。

Sランク、Aランクには劣るものの、チームの軸としての活躍がじゅうぶんに見込まれる。

他のチームとの差別化を生む要素になりやすいので、ランク以上に重要な役割が求められる、チームの色が出る部分と言えるだろう。

潜伏から強気にキルを狙うことができ、専用の対策を必要とさせる「スプラローラー」や、イカスフィアに対して強く、一部ステージではマルチミサイルを発動させるだけの奇妙な存在と化した「14式竹筒銃・甲」など。

Cランク

上位ランク帯のブキの役割と被りがちではあるが、ステージや編成によってはワンチャンスあるランク帯。

特定のステージでだけ採用するプレイヤーがいることもあり、開拓次第では上位ランクに後れを取らない性能を持つ。

弾の速度が速くなるアップデートにより、相手のスペシャルウェポンを抱え落とす性能が高い「ノーチラス47」や、瞬間的な火力がとても高く、NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2では敢闘賞のNorishio選手(@mIntorotoon3)が使用していた「カーボンローラーデコ」など。

D/Eランク

上位ランク帯の下位互換になりがちで、基本的には採用されることは少ない。

だが使用するメリットもあり、対戦相手としての経験の少なさから、情報を掴まれてしまう前に倒してしまう、いわゆる初見殺しの強みを持っている。1本先取の大会においてはじゅうぶんな強みと考えていいだろう。

今は環境の最上位に位置する「パブロ・ヒュー」も、かつてはこの枠に位置していたブキだった。

癖の強いブキが多いので、採用する際は弱点をカバーするための専用の編成を組む必要があるが、決して性能が高いわけではないブキで勝ちを目指し工夫するのも、対人戦ゲームの魅力のはず。

スプラトゥーン甲子園で勝つために必要な知識

スプラトゥーン甲子園は、他のユーザー主催大会と違う点が多い。たとえばこれまでの記事でも再三述べているが、オフライン大会は流れや雰囲気が及ぼす影響が大きく、メンタル面での強さも求められる……など。

そこで今回は、スプラトゥーン甲子園で勝つために役立つ知識などをお届けしていこうと思う。

本番と普段のプレイ環境を合わせる

スプラトゥーン甲子園は、読者の方が普段プレイする環境と違う点が多い。1つずつ挙げていくと、以下のとおりになる。

座るのはドラム缶のような、背もたれのない椅子

普段、ゲーミングチェアなどに座ってプレイしている方は、バランスが取りづらく少しやりづらく感じるかもしれない。

深く座りすぎたりしないように、少しずつ練習しておくといいだろう。

知り合いのプレイヤーはスプラトゥーン甲子園に向けて、週刊誌を積み重ねて疑似的に椅子を作り上げていた(さすがに僕はそこまでしなかった)。

コントローラーはプロコンを有線接続

コントローラーはNintendo Switch Proコントローラーの有線接続で、振動はオンとなっている。当日困惑しているプレイヤーがとても多いので、今の段階から知っておいてほしい。

有線接続の上、何らかの機材が取り付けられている影響で、コントローラーがとても重く感じてしまうのだ。

また、普段は振動オフでプレイしていたため、当日振動のせいで操作しづらく感じたという事案も聞いている。

こちらも今の段階から矯正することのできる部分。今年はどうなるかわからないが、意識しておいて損はないだろう。

通話による報告ができない

これも意外に気づきにくい部分。当日は無線機器の使用が制限されているので、当然だが通話による報告などはできない。

その中で連携を取るための方法は2つあり、1つは「大きな声で直接報告をする」ことだが、これは正直オススメできない。

というのも、大会は超大盛り上がりの歓声の中で開催されている。その中で声を出しても聞こえづらく、余計集中を乱してしまうことに繋がる。

僕がおすすめしたいのは、「普段から通話による報告をせず、ゲーム内の要素だけで意思疎通をとる」というもの。

スプラトゥーンでは、試合中に十字キーの上下を押すことで「カモン!」「ナイス!」「やられた!」のサインを送ることができる機能がある。

これを駆使して、「カモン=相手と戦闘しているからカバーに来てほしい」「ナイス=相手が自陣に抜けているから確認してほしい」など、事前に打ち合わせしておくことで、報告が無くても連携を取ることがじゅうぶんに可能になる。

是非とも試していただきたい。

大会期間中に個人的な対策がしやすい

これもスプラトゥーン甲子園ならではの知識。

大会開催の2週間ほど前から、大会の当選チームが公式Twitterで公開されるのだが、当選したプレイヤーはTwitterで報告していることが多く、検索することである程度予測できる。

その中に、この記事の前半で挙げたブキ性能ランクのCランクやDランクに位置するブキの使い手がいた場合、対策をせずに挑んでしまうと情報の差で負けてしまうことに。

そうならないためにも、他にそのブキを使っているプレイヤーに練習に付き合ってもらったりと、個人に向けた対策を練り上げることが大事になる。

このような戦略は他の対戦ゲームでも行われているものであり、決して軽く見ることのできない要素だろう。

体調を整えておくことが大事

地区予選に向けて、住んでいる地域から遠征するプレイヤーも多いのがスプラトゥーン甲子園。

学生プレイヤーなどは夜行バスなど、肉体的な負担が大きい方法で遠征することもあるだろう。

スプラトゥーン甲子園は、丸々1日を使って開催される大会であるため、どうしても大会中に疲労がたまり、集中が乱れてしまうことも多い。

あらかじめトレーニングをしておいて、移動+当日の疲労を乗り切れるように体調を整えておくことも、大会に向けた練習の1つと言えるだろう。

これはかつて僕が経験したことであり、夜行バスで関東地区大会に遠征した際、寝不足と疲労でプレイに集中できなかったことがあったため、今後参加するプレイヤーは同じ目に遭わないことを祈る。


イカがだろうか。

今回は「スプラトゥーン2」における、ナワバリバトルのブキ評価ランキングと、スプラトゥーン甲子園に向けて役立つ知識を書かせていただいた。

来月はいよいよ第5回スプラトゥーン甲子園の近畿地区が開催されるということで、次回はナワバリバトルの知識や、ステージ攻略をお届けしたいと思う。

プレイヤーとしてもライターとしてもこれからのスプラトゥーン2の盛り上がりが非常に楽しみである。少しでもその発展に携われるのであれば光栄に思う。

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記者プロフィール
望月もち
「スプラトゥーン2」プレイヤー兼、フリーランスのゲームライター。
ジャンルを問わず、20年以上ゲームをプレイし続けている、ゲーム一筋の人生を送っています。選手、ゲームライター、配信者など、多方面からゲームを盛り上げることを目標に活動中。

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