素朴なイケメン竹内ジョンの70%はネモ成分(前編):倉持由香のゲーマー交遊録【第9回】

倉持由香

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第5回のゲストのネモ選手と同じアミューズ所属の竹内ジョン選手。現在21歳という若さながら、今年のCapcom Pro Tour(以下、CPT)では好成績が続いており、着実にポイントを獲得しています。今回はこの竹内ジョン選手に、プロゲーマーになるまでの経緯や先輩ネモさんとの関係までをみっちり聞いてきました。

倉持:この連載恒例の質問からインタビューを始めたいと思います! ジョンくんは何をインタビューで聞かれたらうれしいですか?

竹内ジョン:
僕はゲームのことを話すのが得意というか、逆にゲーム以外のことで話せることはあまりないと思うので、今やってるストVのことだと答えやすいですね。

他には、最近やってる趣味の話題なども話しやすいです。

倉持:最近やってる趣味って、なんですか?

竹内ジョン:
イラストですね。

倉持:そうだ! ツイッターでよくアップしてるよね。ジョンくんの名前の由来ってなに? 格ゲープレイヤーWikiではあだ名って見たんだけど……。

竹内ジョン:
「竹内」が本名で、「ジョン」があだ名です。高校時代にクラスのレクリエーションみたいなものをやったんですね。そのとき、みんなの名前を覚えるために、自己紹介が終わったあとにあだ名をつける流れになったんです。

それで付いたあだ名です。ジョンっぽいからって(笑)。

倉持:確かにハーフ感あるもんね。ハーフではないんだよね?

竹内ジョン:
完全に日本人です(笑)。

倉持:色白なのと、顔立ちが整っているからハーフの印象があるのかな。髪は天然パーマ?

竹内ジョン:
これは天然パーマですね。

倉持:なんか、おしゃれパーマっぽい感じだよね。いい感じの天然具合。

竹内ジョン:
ありがとうございます(笑)。

 

倉持:きっと、いろんな要素が合わさってジョンなんだろうね。ということは、高校のときはずっと「ジョン」って呼ばれてたの?

竹内ジョン:
そうですね、全然「ジョン」じゃないのに(笑)。

倉持:本名は公開してるの?

竹内ジョン:
はい、竹内亮太っていいます。

倉持:ゲーマーって、「りょうた」とか「りょう」多い気がする!(笑) かずのこ選手とかナウマン選手とか。確かに「りょうた」って言われたらりょうた感もあるなあ。だけど、ジョン感もある(笑)。

竹内ジョン:
どっちもあるんですね(笑)。

ダッドリーでウル4をプレイするも大会シーンへはスト5から

倉持:そういった経緯で、ジョンって名前でゲーム始めたんだよね。最初に触ったタイトルってなに?「ウルトラストリートファイターIV」(以下、ウル4)?

竹内ジョン:
ウル4ですね。コンボがかっこいいから、キャラはずっとダッドリーを使ってました。

倉持:ウル4を始めたきっかけは? ゲーセンに行ってたの?

竹内ジョン:
ウル4は、ゲーセンよりも先に友だちの家でプレイしてました。

最初はスマブラとかマリオカートをやってたんですけど、友だちからストリートファイターの新作が出てるからやってみようぜっていうのから始まって。しばらく友だちの家で遊んでいたんですけど、ゲーセンで腕試ししてみようぜってなってからはアーケードでやってましたね。

倉持:どこのゲーセンで?

竹内ジョン:
池袋のGiGOでやってました。

倉持:PP(プレイヤーポイント)ってどれくらい?

竹内ジョン:
最終的にはマスターまでいきました。

倉持:強い! 大会に出たりとかはしてたの?

竹内ジョン:
池袋のゲーセン内での大会に出たぐらいですけど、出るのも遅かったし、あまり積極的には参加してないですね。

倉持:ということは、本格的に大会に出るようになったのは、「ストリートファイターV」(以下、スト5)から?

竹内ジョン:
大会はそうですね。

大手所属のメリット!? ジムで整った1日を

倉持:ジョンくんの1日のスケジュールを教えてください。

竹内ジョン:
割と夜に偏っちゃうことがあるんですけど……。

倉持:大丈夫! 今までインタビューしてきたゲーマーも、だいたいそんな感じだから(笑)。

竹内ジョン:
でも最近、ジムに通い始めたんですよ。

倉持:それは偉い! じゃあ、ジムに行ってる日の1日のパターンを教えてくれますか。

竹内ジョン:
朝の8:00から9:00ぐらいに起きて、その後は動画を見たり、趣味のイラストとかやったりとかですね。

お昼過ぎぐらいからは、ファミ通の対戦会があるときには参加します。夕方ぐらいに切り上げて、ジムへ行って、20:00ぐらいに帰ってくるパターンかな。夜はまた好きなことやって、だいたい24:00ぐらいには寝ます。

ジムがある日は、かなりきれいに整った1日になりますね(笑)。

倉持:じゃあ、ジムがない日のパターンを(笑)。

竹内ジョン:
ジムがない日は、お昼12:00ぐらいに起床です(笑)。ファミ通の対戦会には、行くとしても夕方ぐらいからになります。21:00から22:00ぐらいに帰ってきて、お風呂入って、好きなことやって、気がつくと深夜3:00から4:00ぐらいになっちゃって。日が昇る前に寝る……っていうパターンです(笑)。

倉持:ゲーマー特有の生活リズムだね(笑)。ジムは誰かに誘われて行ってるの?

竹内ジョン:
ジムは所属しているアミューズの方からおすすめされました。

倉持:どこどこのジムがいいよ、って感じで?

竹内ジョン:
実は、アミューズ本社の地下にジムがあるんです!

倉持:えぇ!? これが大手事務所か……。すごい!

竹内ジョン:
割安で利用できるので、使わせてもらってます。

倉持:それはありがたいね。筋肉はついてきた?(笑)

竹内ジョン:
ジムへ通い始めたのが1ヵ月ぐらい前からなので、これからです。行くたびに、筋肉痛になります(笑)。

大工からの気象予報士からの棋士からのプロゲーマー

倉持:学生時代は部活はやってたの?

竹内ジョン:
高校の時は漫画研究部に入ってました。

倉持:その頃からイラストを描いてたんだね。あんまり体育会系ではなかったんだ。

竹内ジョン:
そうですね。でも、中学まではサッカー部にいましたよ。

倉持:確かにサッカーしてそうかも! 爽やかな感じ!

竹内ジョン:
そのときは体力に自信あったんですけど、今はもう……。

倉持:部活やめたら一気に体力落ちちゃうよね。海外遠征のためにも体力は必要だと思うので、ジムはがんばってください! 格ゲー以外の趣味は、イラストだよね? ツイッターでお題を募集してたりするのを見ます。イラストは、デジタルで描いてるの?

竹内ジョン:
そうですね、いわゆる液タブ(液晶ペンタブレット)を使って描いてます。

倉持:どこのメーカーのもの?

竹内ジョン:
UGEEのものです。かなり高機能で重宝してます!

倉持:ジョンくんはデザイン系の学校に行ってたんだっけ?

竹内ジョン:
そうです。もともとデザイン系の学校に通ってました。でも、小さい頃から夢がころころ変わってます。

倉持:ころころ変わってたんだ。具体的にどんな夢があったの?

竹内ジョン:
小さい頃は、大工さんになりたかったんです。

倉持:ジョ、ジョンくんが大工さん!?

竹内ジョン:
家を建てたいという志を持ってたんです。ところが、親に買ってもらった天気の本がすごく面白くて、小学生の低学年ぐらいの頃から、気象予報士に夢が変わりました。

そのあとは、将棋のプロとかにも憧れました。

倉持:プロ棋士! かっこいいね。将棋は好きだったの?

竹内ジョン:
好きだったけど、本当に下手でした……。将棋会館みたいなところに1回だけ行ったことがあるんですけど、年下の子にぼこぼこにやられて、悲しくなっちゃってやめました。

倉持:くそー!! 上手くなって見返すぞ! とはならなかったんだ(笑)。

竹内ジョン:
ここまでぼこぼこにされるんだったら、無理だなと。でも、絵はずっと好きだったので、学校もデザイン系に進みました。なんなら、ゲームよりも前に絵はやってたので。

倉持:デザイン系の学校に進学したってことは、仕事もそっちのほうでやりたいと思ってたの?

竹内ジョン:
そうですね。その頃はデザイン系の仕事をやりたいって思ってました。でも、いつの間にかゲームを……。

竹内ジョンの体は70%がネモ成分

倉持:ジョンくんがプロゲーマーになったきっかけは?

竹内ジョン:
デザイン系の学校に通っている期間にもゲームはやってて、スト5が出てハマりました。

2016年の「TOPANGAチャリティーカップ」という大会に出たんですが、この大会でふ〜どさんやハイタニさんを倒して、「うぉぉ!」って叫んでたのが録画されてたんです。それが海外勢に気に入られたこともあって、海外の大会にも出場するようになりました。

こういった活動の中で、プロゲーマーとしてのモチベーションがかなり出てきて、目指すようになりました。そのときに、プロ契約の話が来ました。

倉持:何歳のときの話?

竹内ジョン:
19歳ですね。

倉持:19歳ぐらいだと、きっと「契約……?」ってなるよね。

竹内ジョン:
そうですね。お金の話も出てきたので、これはどうしようかなと。しかも、この連絡が来たのはツイッターのDMだったんですよね。

倉持:さすがに、どうしようかなってなっちゃうよね。

竹内ジョン:
何もわかってない僕1人だと、話をうまく進められないと思ったので、ネモさんに相談してみました。ネモさんからのアドバイスは、「マネージャーをつけたほうがいい」って言われました。それで、あるマネージャーの方を紹介してもらったんですけど、結局この話は流れちゃいました。

プロを目指しつつ、仕事を探している最中だったのが去年だったんですが、EVO Japan 2018で準優勝という結果を出すことができました。ちょうどそのタイミングで、ネモさんがTeam Liquidに加入することが決まって、ネモさんの推薦で僕もプロになれました。

プロを目指すようになってからは、かなりネモさんにお世話になってます!

倉持:たくさんプロ選手がいる中で、ネモさんに相談しようと思ったのはなぜですか?

竹内ジョン:
ネモさんは、自分からスポンサーを獲得しに行ってたプロ選手なので、このあたりの事情に詳しいだろうと思って聞きに行きました。

倉持:もともと、仲は良かったの?

竹内ジョン:
当時は一緒にご飯に行く感じではなく、知り合いぐらいでした。でも、思い切って相談してみたら、親身に教えてくれました。

倉持:ネモさんのジョンくんへの愛情はすごいよね。溺愛してるもん(笑)。

竹内ジョン:溺愛……、されてます(笑)。

倉持:ツイッターを見ていると、ネモさんの息子かな? ってぐらい(笑)。「ジョンくんとご飯です」「ジョンくんがんばれ! ジョンくんよくやった!」ってこまめにつぶやいてるし(笑)。

竹内ジョン:
でも、ほんとありがたいです。

倉持:ネモさんにインタビューしたときは、「対戦で負けた若者はもう来なくなっちゃうことも多いけど、ジョンはしっかり食らいついてきた!」みたいなことを言ってました。こういうやる気があるところが、かわいがりポイントなんだろうね。ジョンくんから見て、ネモさんはどんな人ですか?

竹内ジョン:
いろんな面倒を見てくれる頼れる先輩です。僕は気象の本だとか、将棋が強い子たちに影響されて育ってきたんですけど、その中でもネモさんの影響というか、僕の体に占める割合は相当大きいですね。

倉持:ジョンくんの体のほとんどをネモさんが占めてるんだ(笑)。何%ぐらい?

竹内ジョン:
僕の体の70%ぐらいはネモさん成分ですかね(笑)。年上の格ゲーマーの方にはいろんなことを教えてもらいます。僕はあまり旅慣れてないので、海外大会に行くときも忘れ物しちゃったり、しくじっちゃうことが多いんですけど、ネモさんはそのたびにちゃんと教えてくれます。格ゲーのこともネモさんに聞いてます。

倉持:ゲームに対しての考え方とかも教わってるんだね。

竹内ジョン:
はい、なので今はかなりネモさんに影響されています。

倉持:ツイッターを見てても、ネモさんとジョンくんの関係性はすごくいいなって思ってるよ。そういえば、海外に移動中の写真とか見るとメガネをしているけど、普段はメガネなの?

竹内ジョン:
そうなんです。昔から目が悪くて。でも、人と会うときなどは、できるだけコンタクトレンズにしてますね。特に最近は人前に出ることが多くなったので、最近は見た目にも意識してます。

倉持:メガネキャラでいこうとは思わなかったの?

竹内ジョン:
それはなかったですね(笑)。メガネキャラでもよかったかな。

倉持:ツイッターでのメガネ写真見ると、似合うなって思うよ。

竹内ジョン:
自分の中では、メガネをかけるとおっさんになるなって思ってます。

倉持:でも、コンタクトレンズでゲーム画面を見てると、コンタクトが外れたりしない?

竹内ジョン:
ずっと見てると疲れてくることはあるんですけど、メガネじゃないとゲームできないとまでは思ったことはないです。

倉持:私の場合、コンタクトでゲームしてるとポロっと外れちゃうんだよね。まばたきしないから(笑)。

竹内ジョン:
僕もザンギエフ戦とか、バーディー戦のときはずっと画面見て待ってるんで、めっちゃ目が乾きますね。

(後編に続く)

写真・大塚まり

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記者プロフィール
倉持由香
ゲームに本気で取り組む100cmのもっちりヒップ、尻職人グラドルゲーマー。14歳でゲーム配信者デビューをし、格ゲーマーとの交流が深い。自宅のゲーミングスペースにはPCやゲーム機に加え、雀卓も完備。ストVでの使用キャラは、レインボー・ミカ。

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