プライベートを聞いてわかったマゴの恋愛LPが低かった件(前編):倉持由香のゲーマー交遊録【第2回】

倉持由香

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私、倉持由香が1人のゲーマーとして、気になることを選手の方々にあれこれ聞いていくこの連載。第2回目は、かれこれ10年以上の交流があるマゴ選手です。

今年のEVOでも13位という好成績を残したマゴ選手ですが、第1回目でインタビューしたジョビン選手の師匠的存在でもある方です。Capcom Cup 2018を目前に控えた中でのインタビューでしたが、結局話し込んじゃって2時間以上のロングインタビューになりました。そのすべてを記事にしたので、ゆっくりとお楽しみください!

2D神は好きなアニメ・漫画を聞くと喜ぶ

倉持由香(以下、倉持):連載第2回目のインタビューなんですが、まず初めに「なにを質問されたら格ゲーマーはうれしいのか?」っていうことを聞かせてもらえますか。

マゴ:
え? それは格ゲーマー全般に対して? それとも、オレがってこと?

倉持:マゴしぃがですね。

マゴ:
そりゃ、「好きな漫画やアニメはなんですか?」ですよ(笑)。

倉持:格ゲーのことじゃないじゃん! さすが、2D神だなぁ。

マゴ:
格ゲーのこと聞かれても、うれしいとかはないかな。

倉持:じゃあ、格ゲー以外のことを聞かれたほうが、マゴしぃとしてはうれしいってこと?

マゴ:
うーん、みんなそうなんじゃないかな。おそらく、格ゲー以外のことですごいなといってもらえるほうがうれしいと思う。格ゲーですごいっていうのは、ある意味、当たり前だからね。

もちろん、オレが「この人は強い」と思っているプレイヤーにほめられるとうれしいけど、インタビューされるときって、基本的には一般の方の目線になってくると思うから、それだったらオレだけじゃなくても、他のプレイヤーみんなすごいよ、っていうね(笑)。

倉持:ということは、「今期の気になっているアニメは?」とかのほうがいいんですね。今後の参考にします!(笑)ちなみに、なにかありますか?

マゴ:
オレの場合、時期によってアニメをすごく見るときと、漫画をすごく読むときがあって、今は漫画なんだよね。最近は「キングダム」を全巻大人買いしたんだけど、まぁ当然の如く最高に面白かったよね! 最近読んだ他の漫画で言えば、「ピアノの森」が面白かったね。なにかあるたびに泣いていたし、なんなら最後のほうはずっと泣きっぱなしだったし(笑)。

倉持:「キングダム」の武将はだれが好きなの?

マゴ:
ここで王騎とか言っちゃうと、「こいつ浅いな」とか思われそうだよね(笑)。いや、もちろん、めちゃくちゃかっこいいんだけど。それ以外で言うのであれば、桓騎はかなり好きかな。

倉持:仮に、キングダムの格ゲーが出たら、桓騎を使いますか?

マゴ:
そうだね。でも、格ゲーの場合は動かしてみないとわからない部分があるから。桓騎がダサいモーションとかだったらいやだし(笑)。

倉持:マゴしいが格ゲーでキャラを選ぶ基準はなんですか? 割とキャラ変をしているイメージなんですが。

マゴ:
そうだね。格ゲー歴と共に変わってきた部分はあるね。最初はシンプルに強いキャラを使ってたのね。だけど、格ゲーの知識や経験がついてきたときに、勝つことに加えて面白味を求めるようになってきて、動きの幅があるキャラを使うようになったね。

あとは、見た目でいうと中国拳法の動きが好きだから、フェイロンとか神月かりんをよく使うかな。

弟子のジョビンとは形だけの師弟関係!?

マゴ:
そういや、第1回目はジョビンだったんだよね? ジョビンは格ゲーのことをほめたほうがうれしいタイプじゃないかな。あるいは、お笑いのこと。格闘技のことは、ほめられてもうれしくないと思う。それは、ジョビンのいちばんすごい部分だから。その人のいちばんすごい部分をほめても、喜ばないんじゃないかと思うね。

倉持:ジョビンさんが、マゴしぃの弟子になった経緯はなんですか?

マゴ:
ノリだよね(笑)。ジョビンがよしもとゲーミングに所属してから、フランスの大会に来てたんだ。そのときに、「いろんな大会に出てみたものの、自分(ジョビン)の実力が足らない」という相談を受けたのが始まりかな。それで、教えてくださいみたいな流れになったんだよね。

ちょうどそのころ、自分でも配信でなにか新しいことできないかな、と考えていたときだったから、じゃあ配信を通じて教えるのもアリかなと思ったんだよね。で、実際に配信で教えるという形になったんだけど、まったく教えてない(笑)。

倉持:えっ! でも、先日の「YUBIWAZA」で、マゴ師匠を訪ねるみたいな企画やってましたよね?

マゴ:
そうなんだけど……。対戦会とかで、ちょこちょこ教えることはあっても、こまめに連絡を取り合って師匠と弟子みたいに教えるみたいなことはないかな。おそらく、ジョビンは(師弟関係が)形だけあればいいタイプなんじゃないかな(笑)。

倉持:意外と薄っぺらいんだ(笑)。実は次に聞く質問が「師匠から見たジョビンの未熟なところは?」なんですけど……。

マゴ:
ゲームに対する熱意が足らない(笑)。

倉持:でも、ジョビンさんはインタビューの中で、「これが最後の挑戦」だと熱く語ってましたけど……。

マゴ:
オレから見たらだけど、すべてをかけて望んでいるとはいいがたいかな。というか、そんな接してないからわかんないんだよ(笑)。でも、最近は10先で強いプレイヤーを倒してるのはすごいね。

倉持:パウエル戦を勝てば、大晦日にマゴしぃと対戦ですよね。

マゴ:
っていう話だけど、あんまりやりたくないんだよ(笑)。

倉持:確か、ネモさんがいい始めたんでしたっけ?

マゴ:
そうそう。ネモが「今年の相手見つかったな!よかったね!」って、いきなり騒ぎ始めて本当に困ってた(笑)。

そもそも、2017年のネモ戦も最初はやるつもりなかったんだけど、「やるとしたら、誰がいい?」ってウチの社長(豊田、ハンドルネームは「にゃん師」)に聞かれて、「やるとしたら、ネモかな?」って答えたのね。それで、ネモにオファーを出したらしく、ネモも断ればいいものを承諾してくれちゃったみたいで(笑)。

これも2018年で4回目。1年目は自分でやりたいっていい出したんだけど、2年目はときど選手とでお互いにやるか! となったんだよね。それで、3年目はさっき話したとおりで、4年目の今年はまったくやる気がないという感じ(笑)。ただ、ジョビンとやることになったらなったで、全力で臨もうと思ってる。その代わり、今年が最後の年末の10先という形で。というのも、Capcom Cupが終わってからの話なので、割とキツイんだよね。

倉持:確かに、ひと段落させてよとなりますよね。

マゴ:
そうだね。(10先を)やるとなったら、ある程度準備も必要だし。年末年始ぐらいは、ゆっくりしたいよ!

目覚めのYouTubeと驚きの食生活

倉持:年末年始はなにして過ごす予定です?

マゴ:
家に引きこもってると思う。この期間は、ゲームもあまりやらないんじゃないかな。そもそも、格ゲー以外ほとんどゲームをしないんだよね。ソーシャルゲームとかも。ただ、パワプロは一時期かなりプレイしたね。課金もそれなりに、それなりに、、、したけども。

倉持:パワプロの課金はおいくら万円?

マゴ:
あまり大きな声ではいえないけど、1年ぐらいやって、大体100万円ぐらいかな。金額だけ聞くとかなりだけど、ゲームと漫画、アニメ以外に趣味がないし、ゲームセンターに行かなくなってからはあまりお金を使う場所がなかったから、趣味に使うお金としては……まぁ(笑)。食事とかも「おいしいものを食べたい!」みたいなことは特には思わないから、お金がかからない人なんだ。

倉持:普段の食事はどんな感じ?

マゴ:
一番多いのは、カップ麺とおにぎり2つ。

倉持:その割に太ってないよね?

マゴ:
食べる回数が少ないからかな。1日1.5食とかだし。ただ、ボスのカフェオレはよく飲むよ。

倉持:大会とかがないときは、どんな生活リズムなんですか?

マゴ:
答えづらい質問してくるね(笑)。いや、オレもかっこよく答えたいのよ。8:00に起床してジョギング、その後はジムみたいな。でも、いえない(笑)。だいたい、お昼12:00前後に起きて、YouTube見るよね。

倉持:寝起きのYouTube……。何を見るの?

マゴ:
割といろんなのを見るけど、YouTuberの動画とかが多いかな。HIKAKINさんとかはじめしゃちょーさんの動画はもちろんとして、他の方のも。最近、個人的に面白いなと思ってるのは、ヒカルさんとラファエルさんの動画かな。

あ! もちろん、ゲーム関連動画は当然だけど見てるからね!

倉持:ということは、夕方ぐらいから対戦会を始める感じですか?

マゴ:
そうだね、夕方から22:00~23:00ぐらいまではほぼ毎日やってます。

倉持:で、帰宅してカップ麺とおにぎり?

マゴ:
だいたいのパターンいっていい? 最寄り駅の松屋で食べるまたはテイクアウトするか、近くのコンビニでペヤングとツナマヨと鮭のおにぎりを買うだね。

帰宅したら、とりあえずゲームのトレーニングモードを起動しつつ、格ゲーチェッカーを開いて適当な配信を探して見る。板ザンとかだいこくのはよく見てて、こくじんさんのもたまに見るかな。でも、ジョビンの配信は見ないね。

倉持:見てあげてよ、師匠なのに!(笑)

マゴ:
いやいや、オレだって見たいよ! でも、オレが見ないのには理由があるの。というのも、マイクが良くないのか、話してる内容がほとんど聞こえないんだよ。マイクの性能なのか、位置の問題なのかはわからないけど、よく聞こえないんだよね。そうなると、見たくても見る気が起きないっていうね……。

倉持:ジョビンさんに、マイク付きのヘッドセットをあげたくなってきました。

VISION時代はゲーセン店内で焼き肉も!?

倉持:格ゲー歴は長いですが、これまで一番やり込んだゲームと言えばどれですか?

マゴ:
一番やり込んだといえば、スト4になると思う。でも、一番好きなのはといわれると、「CAPCOM VS. SNK 2」か「THE KING OF FIGHTERS XI」かな。どちらかはちょっと選べない。

倉持:それはVISION時代?

マゴ:
いや、もっと前の話だね。オレが格ゲーで全国大会に出るようになったのは、「CAPCOM VS. SNK 2」だから、そういう意味では思い入れのあるゲームだね。このタイトルがなければ、ここまでゲームはやってなかったと思う。

倉持:VISIONでは何年ぐらい働いてたんですか?
※神奈川県横浜市にあったゲームセンター「Gamer’s VISION」。総師範KSKがオーナーだった。

マゴ:
2008年ぐらいから、3~4年間じゃないかな。シフトは週4~5だったけど、基本的には毎日行ってたね。仕事じゃないときは、常連の人とトランプやったり、モンハンをプレイしたりしてた。最初は店長に怒られたけど、「モンハンは面白い、いっしょにやろう!」と説得して、最終的には店長もいっしょに遊んでたね(笑)。

倉持:VISIONの店員として働きながらも、対戦もしてよかったんですか?

マゴ:
そうだね。格ゲーはほとんどの人の場合、対戦相手がいなければ面白くないから。VISIONの場合は、対戦相手は強いかもしれないけど、来店すればだれかいるというのもよかったよね。

でも、一般層には受け入れられず、身内との対戦中だけだけど、対戦中に騒いだりする妖怪みたいな常連だけが増える結果に(笑)。最後のほうは、開店中ではないんだけど、ホットプレートを持ち込んで焼き肉やってる人もいたっけ。そんなゲーセン、初見の人が見たら、二度と来なくなるよね(笑)。

倉持:いろんな人からVISIONの話を聞くたびに、すごいところだったんだなと思うんですよね。

ときどは自切り、ネモは縮毛矯正のゲーマーヘアスタイル事情

倉持:インタビュー前に、昔の闘劇魂のパンフレットなどを読み返したんですが、いくつかのビックマウスコメントがありますが、あれは求められてたからなんですか?

マゴ:
オレは中学や高校時代にイキってたとか、ヤンキーでしたみたいなことはまったくなくて、むしろ真面目に私立高校へ行ってたぐらいなんだよね。でも、人を楽しませるのは、もともと好きっていうのはあったんだ。ゲームに没頭していく中で、大会の壇上に上がったり、インタビューを受けることになるんだけど、そのときに思ったんだよね。これって、それを見た人を楽しませる、1つのショータイムなんじゃないかって。

インタビューに普通に受け答えしてもありきたりの内容になっちゃうし、お金を出してパンフレットを買ってくれたお客さんがちょっとでも笑ったり、印象に残るようにと思ってやってた。知らない人から見たら、完全にヤバい人なんだけどね(笑)。でも、あとで当時の記事とかを見た人に聞いてみると、かなり好評だったらしいから、やってよかったなって。

倉持:完全にマゴしぃだけイかれてる発言なんですよね(笑)。時間があるときに、アルカディアや闘劇魂のパンフレットを見返るのは面白いんですよ。ネモさんの髪型も今とぜんぜん違って、長いんですよね。

マゴ:
そうそう! ネモは縮毛矯正してたから、なんかちょっと不自然だったでしょう。

倉持:なんか、おかっぱみたいな感じでしたよね。

マゴ:
どっかの部族かなみたいな(笑)。ネモは、昔は見た目とかはあまり気にしないタイプだったんだよね。そこから、大学デビューして外見に気を配り始めたのかな。

倉持:ときどさんも昔は、「バーバーときど」だったんですよね?

マゴ:
いや、あいつにはビックリしたね。VISIONでいっしょに働き始めたときに、「お前、マジで髪型やばいね。どこで切ってもらってんの」って聞いたら、自分で切ってるって。自切りときどだったんだよ。

その話をしてたら、別の同僚が「オレも自切りっす」ってヤツがいたんだけど、そいつは普通の髪型だったの。それを聞いたときどは、「今度、オレの髪切って」って頼んでた(笑)。

倉持:美容院に行くという選択肢がなかったのかな?

マゴ:
ときどは、むだなことにお金を使うのが嫌いなんじゃないかな。そもそも、節約が趣味なんだと思う。だから、当時は髪はじゃまにならなければどんなスタイルでもいい的な考えだったんだろうね。

倉持:最近はちゃんとされてますよね。

マゴ:
メディアに出る機会も多いだろうから、さすがに自切りはね。ときどとボンちゃんは、同じ美容室じゃないかな。オレも以前はそこに行ってた時期もあったしね。

倉持:プロゲーマーの方は、メディアでの露出が急激に増えてますよね。

マゴ:
そうだね、だからこそ見栄えは大事かなって。でも、日本プロゲーマーの第一人者でもあるウメハラの最近は……ちょっと……(笑)。

倉持:ウメさんは一時期、美顔スチーマーを持ち歩いてたのに。

マゴ:
プロゲーマーたるもの、メディアに出る機会も増えてきてるから、マジでこういうの大事っていってたよね。

倉持:顔にコロコロする、美顔ローラーみたいなのも持ってたよね!

マゴ:
そうそう。ほかにも、ジムに通ったり、化粧水とか乳液にもこだわってた。

倉持:女子より気を使ってたよね。

マゴ:
そうなんだよ! で、それが今どうなってるかなんだけど、下はスウェット、靴はクロックス、上はCygames BeastのTシャツという、なんともコメントし難いテンプレートで対戦会とかに現れる(笑)。

倉持:ウメさん、どうして……。

マゴ:
オレらに対して、「これからは、見た目を気にしたほうがいいぞ」とアドバイスをくれた時期があって、そのときはウメハラもキレイめ路線でやってたんだよ。それをオレ、ときど、ボンちゃんの3人で聞いて「そうだよな」って納得して、ウメハラに紹介してもらった美容室に行くようになったのね。

実際、オレたち3人はそういう部分に気を遣ってよかったなって思うことが今でもあるんだけど、そのアドバイスをくれたウメハラの髪型はここ数年変わってないよね。ものすごく大自然。多分、ワックスも数年はつけてないじゃないかな(笑)。

倉持:そういえばウメさんは、どぐらさんの結婚パーティーにもTシャツで来てましたよね。格ゲーマーって、すごい。

マゴ:
このへんのブレのなさが、ウメハラらしさでもあるよね。ある意味、安心感すらある。でも、オレらへのアドバイスのあとだったから、ビックリはしたね(笑)。

(後編に続く)

写真・大塚まり

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記者プロフィール
倉持由香
ゲームに本気で取り組む100cmのもっちりヒップ、尻職人グラドルゲーマー。14歳でゲーム配信者デビューをし、格ゲーマーとの交流が深い。自宅のゲーミングスペースにはPCやゲーム機に加え、雀卓も完備。ストVでの使用キャラは、レインボー・ミカ。

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