よしもとゲーミングプロ選抜大会GGXrdRev2部門大会レポート 優勝者インタビューも掲載
去る5月20日(日)、秋葉原e-sports SQUARE AKIHABARAにおいて、よしもとゲーミング主催によるプロ選抜大会「GUILTY GEAR Xrd REV 2(以下、GGXrdRe2)」部門が開催された。未来のプロゲーマーが生まれた貴重なイベントでもある本大会の様子を取材。
EVOサポート権を手にするのは誰だ!?
本大会の優勝者には、よしもとゲーミングによる「EVO2018サポート権」、つまりEVO会場のラスベガスまでの渡航費や宿泊費、そのほか費用が免除される。プレイヤーにとって願ってもない機会ともあり、遠征組を含む全国各地のプレイヤーが参加した。
あくまでもプロプレイヤー候補の選抜大会のため、参加条件は「企業からのスポンサードを受けていないこと」だったが、大会には高ランクのプレイヤーが出そろい、プロ顔負けのハイレベルな試合が繰り広げられた。
大会参加者は61名、ルールは2セット先取(キャラ変え有り)のシングルイリミネーションで行われた。注目のプレイヤーは賽[sai]準優勝者でもあるザディ選手(レイヴン)、EVO経験もあり強豪カイ使いであるりおん選手(カイ)とあいん選手(カイ)、複数のキャラクターを使いこなすシャロン選手(梅喧、ミリア)、若手最強とも噂されるティーワイ選手(スレイヤー)などのほか、最高ランクである”闘神”プレイヤーの姿も多く見られた。
本大会は家庭用を使用していたこともあり、普段ゲームセンターではあまり見られない強豪プレイヤーが多く参戦していたのが印象的だった。特に一回戦でTAKA選手を下して勝ち上がってきたほしやん選手(カイ)は、強豪ポチョムキン使いのコンソメ選手も退けGグループ1位抜けとなった。
また、扱いの難しいクム・へヒョンをPS4用パッドで操るNFB選手は、もっとも勝ち上がるのが厳しいと言われたHグループを勝ち上がり、ベスト8へとコマを進めた。
ベスト8トーナメントから名試合続々
ベスト8で最も注目の試合となったのが、ほしやん選手(カイ)vsNFB選手(クム・へヒョン)の一戦だろう。両名とも家庭用を主にプレイしており、現役のゲーセンプレイヤーをなぎ倒してここまで勝ち上がってきただけあって、一戦目からハイレベルな攻防となった。
1ラウンド目からどちらも譲らない展開になったが、NFB選手の「対空ずらし空中隼おとし→黄色ロマンキャンセル→ほしやん選手の出したしゃがみHSをかわすために再度黄色ロマンキャンセル→ジャンプD」という最も美しい飛び込みを決めて流れを作ったNFB選手が勝利。名試合となった二人には試合後、客席からも大きな拍手が沸き起こった。
決勝戦は古参vsニューカマーの組み合わせに
ベスト4に勝ち上がったのはザディ選手(レイヴン)、かるん選手(紗夢)、NFB選手(クム・へヒョン)、てれさ選手(紗夢)の4名の選手。かるん選手、てれさ選手の紗夢はどちらも勢いのあるプレイを得意とするだけに、ザディ選手、NFB選手にはプレッシャーのかかる組み合わせとなった。
準決勝の結果二人の紗夢が倒され、決勝戦はザディ選手(レイヴン)vsNFB選手(クム・へヒョン)という組み合わせに決定。ザディ選手は古参プレイヤーならではの安定した手堅い立ち回りと、ここ一番で思い切りの良いプレイが特徴。
一方NFB選手は準決勝でてれさ選手に追い込まれながらも、苦しい試合展開を制して勝ち上がった“今日一番持っている”プレイヤー。普段は対戦したことがあまりない二人に会場からの注目が集まった。
注目の決勝戦。試合は「ここにされたい(レイヴンの必殺技)」を立ち回りで置きながらきっかけを作り、起き攻めをループさせて一気にダメージを奪うレイヴン。一方ここにされたいをかいくぐってなんとか触ってダウンを奪いたいクムという展開になるが、ペースを握らせないままザディ選手が1セットを先取。優勝へ王手をかける。
2試合目も流れは変わらず、クムの攻めを前ダッシュの無敵やここにされたいで捌きながらダメージを奪っていくザディが先取。最後はしゃがみHSから単発確認で覚醒必殺技フェアツヴァイ・フェルトを決めて、NFB選手に1ラウンドも許すことなくザディ選手が見事優勝に輝いた。
表彰式では優勝賞品として株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー 家永氏より「EVO2018サポート権」とよしもとゲーミングのユニフォームが手渡された。
ザディ選手に優勝直後の独占インタビュー
──:優勝おめでとうございます! まずは今の率直な感想をお願いします。
ザディ:
素直に嬉しいです。実は会場に来てから野試合したときは調子が悪くて手応えもなかったのですが、あいんまんやナゲさんとかまろしさんとか含めて、身近な人たちに調子を戻すために練習に付き合ってもらって、それが試合の後半になるにつれて今まで通りに動けるようになったのが今日の優勝につながりました。
──:対戦相手で一番きつい相手は誰でしたか?
ザディ:
ティーワイさんですね。レイヴンvsスレイヤーの相性があまりよくなくて、あの試合に関しては運も味方に付けましたね。
──:あの試合だけいつもの様子見のスタイルから前に出るスタイルに一気に変えていきましたよね。
ザディ:
スレイヤー相手にはリスクを犯してでも前に出て殴り合わないとリスク・リターンが合わないし、ゲージ差でも負けてしまうのでぶっこみました。
──:いつもは違う戦い方なんですか?
ザディ:
最初はいつもどおり針投げて様子見しながら戦っていたのですが、それだけでは全然勝てなくて。相手にもよるのですが、ティーワイさんやTAKAさんみたいな前に出てくるスレイヤーには下がっていると負けちゃうからこっちから殴り合いにしました。
──:決勝の相手は家庭用勢でもあるNFB選手のクムでしたがいかがでしたか。
ザディ:
レアなプレイヤーだったのですが、ネット対戦でかなり強いプレイヤーとして有名な人というのは知っていました。クムに関しては普段からまろしさんと対戦していたので、レイヴン使いの中でもクム戦には自信ありました。
──:ザディさんのホームゲーセンはどこでしょうか。
ザディ:
東海大学前のPLAY-ICというゲーセンでやっています。週末はみんな集まってくれて、がぞうくんとかあいんまんとか強い人も来てくれますね。
──:強さを保つポイントはどこでしょう。
ザディ:
自分の場合はトレーニングモード(以下、トレモ)ですね。対戦しなくてもトレモだけでまかなえるものが増えてきているので、まずトレモをすること。レイヴンというキャラ自体がコンボ精度を求められるので、自分のプレイに自信を持ってやれることですね。実践の中でこの状況は失敗するな、というときに切り替えるためにもトレモが必要です。今回の大会でも咄嗟に妥協コンボにするなどトレモが活きました。
──:今回よしもと代表として行くわけですがそれについてはいかがですか。
ザディ:
ギルティを長いことやってきて、過去こういった試みがなかったのも知っているので嬉しいですね。ギルティの面白さをもっと伝えていきたいと思います。レイヴンのキャラの良さも(笑)。
──:去年のEVOはどこまで行ったのですか。
ザディ:
去年のEVOは9位タイです。おみとさんとかずのこさんに負けました。
──:では、今年の目標は?
ザディ:
もう優勝でしょう! 優勝したい!
──:最後に、応援してくれている人たちにメッセージをお願いします。
ザディ:
EVOで優勝して格好いいところを見せたいので、全力でがんばります!!
──:がんばってください! ありがとうございました。
まだまだ続くよしもとゲーミングによるプロ選抜大会
大会後には6月24日(日)に新作「ブレイブルー クロスタッグバトル」によるプロ選抜大会が開催される旨も告知され、EVO2018に向けてさらなるバックアップを行っていくよしもとゲーミング。プロ選抜大会には未発表のタイトルもあるとのことで、EVOに参加することを考えているプレイヤーはこれからの発表にも注目しておこう。新たなよしもと専属のプロゲーマーが誕生する日もそう遠くない話になりそうだ。
■EVO Japan 2018 大会レポート
格闘ゲームの祭典である「EVO」が2018年、遂に日本で開催された(1月26〜28日、池袋サンシャインシティ文化会館、秋葉原UDX アキバ・スクエア)。その名も「Evolution Championship Series: Japan 2018」。こちらの記事では、記者が体験した「EVO Japan」について詳細に伝えている。