昼夜逆転で成長するLoL日本トップランナーEviとCeros勝利のロジック【後編】

WPJ編集部

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LJL屈指の強豪DFMの対抗馬は?

――お2人はユーザーからの投票の結果、2018 All-Star Eventに参加されますが、どんなイベントになりそうですか?

Ceros:
今年のAll-Starは、お祭りって感じですかね。

去年は競技性を強めたいという方針だったみたいで、イベントの雰囲気は毎年異なります。

なので気楽と言えば気楽なんですけど、各国のトップスターが参加するので、その人たちと一緒にゲームができるのは楽しみなことです。

――国内の他のチームとの交流ってあるものなんですか?

Evi:
僕はEnty(※)と仲が良くて、もう8~9年くらいの付き合いかな。

もともと別のゲームをきっかけに知り合って、ずっとゲームを一緒にやってきて、今お互いにLoLでプロをやっているというのは不思議な感じがします。

「C9」(※)という1対1の対戦ゲームで、その頃も2人ともかなりトップに近いレベルでした。

※Enty:Unsold Stuff GamingのSupport

※C9:オンラインバトルアクションRPG「C9 (Continent of the Ninth)」

Ceros:
試合会場の控室ではいろいろな人と話しますね。LoLの話が多いですけど、プロゲーマーだからって世間話をしないわけではないですし。

――次のLJLはどんなシーズンになりそうか予想できますか?

Ceros:
新しい選手とかもでてくるでしょうし、正直読めないところではあります。

Evi:
ただ、俺らが負ける気は正直しないですね。

Ceros:
メンバーの加入とか新チームの結成とかもあると思いますが、結局は5人でチームを組んでやるゲームなので、どれだけ意思の疎通ができるかも重要になってきますから。

観る初心者、やる初心者に向けて

――そこがLoLの魅力だと思います。その魅力をもっと楽しむにはどういうところに注目すればいいのか、選手として思うところはありますか?

Evi:
試合中、選手はping(※)を使ってチーム内でやり取りするんですよ。

メッセージをやり取りしているわけではないんですけど、それで情報共有をしているんです。

それを見てもらうと、チーム内でどんな会話がされているのかが透けて見えてきて面白いんじゃないかなと思います。

※ping:仲間と意思疎通を図るために簡易的なコミュニケーション手段。いくつか種類があり、敵の発見などを仲間に知らせることなどに用いられる。

Ceros:
初心者だと分かりづらいってどうしてもあるんですけど、選手はいろんなことを考えていて、戦術面でも戦っているんです。

まったくキルが起きていないところでも、高度な争いが起きていることもあります。

知識がないとすべてを理解するのは難しいかもしれないですが、選手はそういったところに力を入れてので、ぜひ目を向けてみてほしいです。新しい発見とか面白さを知ってもらえると思います。

――観るだけにとどまらず、プレイし始める人も多いかと思います。どうやって上達していくのがいいとか、プロなりアドバイスとか持論を教えてください。

Evi:
僕は、好きなチャンプを見つけてほしいです。

とりあえず触ってみて、直感的に楽しいと感じるチャンプを探してみるのが楽しめるようになる近道じゃないかと。

Ceros:
esportsの競技として見られることが多いですけど、ゲームですから初心者は何も考えずに楽しんでほしいです。

今、プロの選手になっている人たちも、最初からプロを目指していたわけではなくて、遊んでたらうまくなったという人が多いんじゃないでしょうか?

LoLのいいところは、初心者からプロプレイヤーまで、それぞれ違った楽しみがあることなんです。

――インタビューの冒頭で、辛いことが多かったとおっしゃっていましたが、その中にも楽しいこととかやりがいがある?

Ceros:
辛い練習の中に楽しい部分もありますし、その先にある大会の最中はとにかく楽しいです。

あと、最近は大会がオフラインで開かれるようになって、ファンの方と直接顔を合わせる機会が増えてきました。

ファンの声援を直接聞けるのは何よりもうれしいです。

アスリート並のコンディション管理

――このゲーミングハウスで日々練習しているんですよね。生活が昼夜逆転しているという話を聞きました(笑)。

Evi:
さっき寝てさっき起きました(笑)。

Ceros:
シーズン中は13:00起床、寝るのは4:00とか5:00くらいです。

Evi:
起きたらまずはミーティングをして、準備をしたらそこからはずっと練習。食事以外は基本的にずっとゲームしています。

――ゲーミングチームって、練習メニューに運動を取り入れてるところもあると思うのですが、あれって意味あるんですかね?

Ceros:
もちろん意味ありますよ。海外のチームだったらそれが当たり前ですね。

まったく運動しない状態だと、単純に不健康ですし、健康な方が絶対にパフォーマンスが良くなりますから。

Evi:
縄跳びで体を起こすのはよくやりますね。

Ceros:
健康の重要さは、海外に行くと特に実感します。移動での疲労のたまり具合が違うんですよ。

――運動以外でパフォーマンスを維持するためにやってることってありますか?

Evi:
やっぱり食生活ですね。

人間ってお腹の中にご飯が残っている状態とそうでない状態では、集中力に差があるんですよ。

何か食べてしまうと、脳に血液を送るエネルギーを、食べ物を消化するために使ってしまうので、ベストな状態ではないんです。

なので僕は、消化の負担を減らしてベストなパフォーマンスを出せるように、朝ごはんはフルーツグラノーラとかバナナみたいなゆっくり消化できるもの、練習の合間はゼリーだけで済ましています。

――そこまで徹底しているとは……。アスリート思考ですね。

Evi:
食後の30分~1時間は食べたものの消化の時間に当てるために練習はしないとか、そういう考えに基づいてパフォーマンスを管理しています。

――そういった積み重ねが強さに出ているのでしょうか。選手寿命を延ばす効果もありそうです。

Ceros:
何歳までやれるかとかは考えたことないですね。

もし、技術が落ちてもそれが年齢のせいなのかは分からないですし。

Evi:
僕の感覚としては、25歳くらいまでは成長できそうな気がしてますけど、そこから先は本当に未知です。

Ceros:
格闘ゲームやFPSみたいな他のジャンルで、僕らより年上の方たちが活躍されているので、プロゲーマーの選手寿命は意外と長いかもしれないです。もちろん人によると思いますけど。

――では、何歳になったら引退しようって考えることもないですか?

Ceros:
そうですね。

Evi:
僕は下手になったらやめようかなって思ってます(笑)。

Ceros:
それってどういう基準で決めるの?

Evi:
もう俺より上手い人が出てきたらだよ。

Ceros:
それってだいぶ長くやることになるんじゃない?

Evi:
2年はできるなって思ってるけど、どうだろう。

でも、それってたぶん感覚的に分かる時がくるんだと思います。それ以上プロで上手くなっていけるかどうかが。

その先のことはそうなったときに考えればいいと思っていて、解説になったり、ストリーマーになったり、就職したり、いろいろな選択肢があるんだろうな。


練習のため昼夜逆転の生活サイクルにしているところ、無理を聞いてもらい午前中に実施した今回のインタビュー。くれぐれもEvi選手がただ単に朝に弱い人だというわけではないことはご理解いただきたい。

そんなルーズな人間が、食べ物の消化を考えての食事制限や運動を続けられるはずがない。

すべては、LoLの世界で勝つこと。そのためだけに彼らは今を生きているのだ。

写真・大塚まり

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記者プロフィール
WPJ編集部
「ゲームプレイに対する肯定を」「ゲーム観戦に熱狂を」「ゲームに、もっと市民権を」
このゲームを続けてよかった!と本気で思う人が一人でも多く生まれるように。
ゲームが生み出す熱量を、サッカー、野球と同じようにメジャースポーツ同様に世の中へもっと広めたい。
本気で毎日そのことを考えている会社の編集部。

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