eBASEBALLプロリーグ明日開幕!解説者とプロ選手の見どころを紹介

ハル飯田

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明日11月3日に開幕を迎える実況パワフルプロ野球(以下、パワプロ)を用いたeスポーツリーグ「eBASEBALL プロリーグ」。

本稿では同リーグの解説者である筆者と現役プロリーガーが見どころポイントを紹介する。

パワプロユーザーながら対戦モードには馴染みがないという方も、プロ野球好きでオフシーズンも野球を楽しみたいという方からこのゲームを初めて見る方まで、本記事を片手に観戦を楽しんでいただきたい。

パワプロ能力の見方

他のゲームでの「キャラ性能」と言える部分であるパワプロの選手能力の見方を紹介しておこう。

現実のプロ野球での成績を元に能力が査定されており、時速表示の球速と4段階評価の弾道以外は1~100の100段階評価。一定値ごとに設定されたアルファベットによるランクが目安になっている。

投手

  • 適正:大きく表示されてる起用法なら最大限能力を発揮できる
  • 球速:ストレートの最高球速
  • コントロール:数値が高いと狙ったところに投げやすく、失投が出づらい
  • スタミナ:投球などで徐々に減少し、尽きると他の能力が下がる
  • 変化球:表示されている変化球を投げることが可能で、数値が高いほど大きく変化する
  • 特殊能力:所持している能力が条件下で効果を発揮する

野手

  • 弾道:高いと打球に角度が付きやすい
  • ミート:高いほど打撃時のカーソルが大きくなり当てやすくなる
  • パワー:打球を遠くに飛ばす能力
  • 走力:足の速さ。走塁と守備に影響
  • 肩力:高いほど速いボールで送球できる
  • 守備:守備時の動きの良さに影響し、不得意なポジションでは下がる
  • 捕球:この数値が高いほど守備時にミスをしづらい
  • 特殊能力:所持している能力が条件下で効果を発揮する

これらの基礎能力、特殊能力は一部が試合画面にも表示され、その特徴や効果については随時解説されるのでイメージだけでも把握していただければじゅうぶんだ。一歩踏み込むならば「投手では球速、野手ではパワーが特に重視される傾向がある」ことも覚えておいてほしい。

パワプロ操作のポイント

シンプルで誰でも楽しめる操作が魅力のパワプロだが、プロリーグで使用されるトッププレイヤー用の設定では特別な精密さが求められる。ここからは一見すると伝わりづらいパワプロの対戦における操作ポイントを紹介する。

繊細な感覚と継続した正確性が問われる投球システム

対CPU戦やオンライン対戦との最大の違いは、投球時に自分が狙っているコースが表示されないこと。プレイヤーは積み重ねた指先の感覚を頼りにスティックを傾けることでコーナーにボールを投げ分けている。

変化球がどの程度曲がるかも練習の積み重ねで把握しており、まさに熟練の技と言えるだろう。

そして、繊細な操作に加えて投球のカギを握るのは「ナイスピッチ」システム。投球モーション中にボタンを完璧なタイミングで入力すると「ナイスピッチ」になり、狙いどおりのコースに威力やキレが増したボールが投げ込める仕組みだ。

逆にナイスピッチを出し損ねると投球コースが甘くなり、特に球速が増す「全力ストレート」を投げミスした場合はど真ん中付近への失投になりやすいリスクを背負っていることも併せて紹介しておく。

投球時はこの「高いナイスピッチ率」と「精密なコントロール」がカギを握っている。

反応速度と一瞬の見極めがカギを握る打撃

ベーシックな操作設定では有効になっている打撃アシスト「ロックオン」なしの設定で挑む打撃は操作の正確さはもちろん、現代のプロ野球では160km/h近いストレートを投げ込む投手も増えたこともあり非常に素早い反応が求められるようになっている。

例を挙げると160km/hのストレート(ナイスピッチ)は着弾点が表示されてから約20フレームでバッターの手元に到達する。これを引っ張って打つならば更に早いタイミングでカーソルを合わせ、しかもその間に「ストレートか変化球か」「ストライクかボールか」を判断してスイングしなければならない。

単純に反応速度で比較すると(実際にバットを振る動作とボタンを押すモーションとでは運動としての難易度の違いはあれど)現実の野球で言う140km/h前後の球を打ち返すのに近い反射神経が求められている。

そんな打撃の華はやはりホームラン。しかも、打った瞬間にアングルが変わる「確定ホームラン」は完璧な打撃の証拠で、見る側だけでなくプレイヤーにとっても最高の快感だ。

FPSのようにキーコンフィグやスティック感度を変更することができないパワプロの打撃は独特な操作感。トッププレイヤーの滑らかかつ正確なカーソル移動は要注目ポイントだ。

状況によって刻一刻と変化する能力を操る采配術

パワプロでお馴染みの要素と言えば特殊能力。ヒットが出やすい「アベレージヒッター」や変化球の曲がり始めが遅くなる「キレ〇」など、とても全ての効果を紹介しきれないほど多彩な能力が実装されている。

中でも、負けている場面で打撃が向上する「逆境〇」や、特定の場面でパワーがAになる「意外性」など、状況によって大きく能力が変化する能力は戦況を大きく左右するので画面上の表示どおりの能力ではないことを理解しておくとプレイヤーの戦術も予想しやすいだろう。

選手の調子も試合ごとに絶好調から絶不調まで変化するので、毎試合ベストな編成は異なる。プレイヤーは1番打者に「併殺」持ちを入れるなど最大限その戦力を活かせるよう工夫を重ねており、随所に登場する「パワプロならでは」の采配にも注目してほしい。

現役プロに聞いた見どころ!

以上のポイントを踏まえて、ここからは今年のプロリーグに参戦する現役プレイヤーに対して行った「見どころ」アンケートの結果を紹介する。

今回は昨年Aクラス入りを果たした各チームから代表して1名の継続契約選手に以下の質問に回答していただいた。

  • Q1:あなたの思う「eBASEBALL プロリーグの見どころ」は?
  • Q2:その理由や更なる見どころポイントは?
  • Q3:これから初めてeBASEBALL プロリーグを観戦する方へのメッセージ

広島東洋カープ倉前俊英選手

A1:
ハイレベルなナイスピッチ率を打ち砕く打撃をする瞬間。

A2:
観ていて一番わかりやすく、自信を持って最高の球を投げたのにも関わらず完璧に打ち返す打撃は相手を動揺させることもできます。

ビハインドの中逆転をする瞬間のドラマと、支え合うチーム4人の様子にも注目してください。

A3:
今年は広島での交流戦開催もあり広島ファンの熱い声援を背に戦うことができます。チーム一丸、日本一を目指して頑張っていきます。応援よろしくお願いいたします。

北海道日本ハムファイターズ木滑達也選手

A1:
野球の面白さが短時間で伝わる「スピード」「演出」「個性」。

A2:

  • スピード
    • 投球や打球に対する一瞬の判断力をぜひ見てほしい
    • 試合展開が早く、観ていて飽きない構成
  •  演出
    • ホームランを打ったときはファインプレーの演出が鮮やか・わかりやすい
    • 球場の細かい部分や、選手の表情が特徴がよく出ていて面白い
  •  個性
    • 球団、選手1人1人によってプレースタイルが変わってくる
    • 投球でかわす人、ホームラン狙い、小技を仕掛ける人などさまざま

A3:
プロ野球のシーズンは終わってしまいましたが、もう1つのプロ野球の2年目がこれから開幕します。eBASEBALL プロリーグをとおして、野球の楽しさ、パワプロの楽しさを野球ファンに魅せていきたいです。

走攻守、ファイターズらしい全力プレーで王者を目指して驀進していきますので、みなさまの応援よろしくお願いいたします。

読売ジャイアンツ舘野弘樹選手

A1:
短時間で野球の面白さが詰まった試合を見られること。そして、チーム戦ならではの一体感。

A2:
パワプロはリアルの野球に比べて展開が早いためとっかかりやすい。

打者と投手の駆け引きがあり、三振やホームランの魅力があり、リアル野球と変わらず1球も見過ごせない面白さがあります。

確定ホームラン演出による派手さ、基本的には個人で楽しむゲームではあるが、チーム戦のため試合中のチームでの作戦会議やパフォーマンスも魅力です。

A3:
リアル野球のジャイアンツがセ・リーグを優勝したように、我々eBASEBALL プロリーグのジャイアンツも頂点を勝ち取れるように精一杯戦い抜きます。

福岡ソフトバンクホークス加賀谷颯太選手

A1:
最もスポーツに近いeスポーツであるところ。

A2:
実在する「野球」というスポーツをゲームにしたものなので、「ゲームはまったくわからない、でも野球はわかる、好き」という人が見ても楽しめるのがこのeBASEBALL プロリーグだと思っています。

また、eBASEBALL プロリーグが行われる期間はプロ野球のオフシーズンになりますので、「今年もプロ野球が終わってしまった」という方にはぜひ見てもらいたいと思っています。

見どころはたくさんありますが、一番は私たちプロプレイヤーの本気度です。最初は「たかがゲームでしょ?」という気持ちで見ていただいて構いません。そんな「たかがゲーム」を「もうひとつのプロ野球」と認めてもらえるように私たちは全力でプレイし、eBASEBALL プロリーグ、パワプロの魅力を伝えていきたいと思います。

A3:
パワプロとは言ってもルールは実際の野球と同じです。試合時間も20分程度ですので、短い時間で「プロ野球」をお楽しみいただけます。

私個人の意気込みとして、ペナントレース2位となってしまった福岡ソフトバンクホークスをeBASEBALL プロリーグではリーグ優勝、そして日本一に導きたいと思います。ご声援よろしくお願いいたします!

横浜DeNAベイスターズ河合祐哉選手

A1:
高校野球より速く、見てて飽きないテンポの良さ。

A2:
見た目は2頭身のキャラクターながら解説を務めるプロ野球OBの方も本物の野球みたいと驚くほど緻密な野球を、ハイテンポで繰り広げるから!

A3:
是非一度ご覧下さい!!

そして、横浜DeNAベイスターズの河合を応援してください。よろしくお願いいたします。

埼玉西武ライオンズ 緒方寛海選手

A1:
オフシーズンにも本格的な野球を楽しめるところ。

A2:
かわいらしくデフォルメされたキャラクターですが、挙動や球場の雰囲気は現実の野球を忠実に再現していて、見ている方からするとプロ野球観戦に限りなく近いと思います。

操作は簡単なように見えて非常に繊細で、プロならではの技術や対戦相手同士のハイレベルな駆け引きをお楽しみいただけると思います。

A3:
野球が好きな方ならもちろん、野球を知らない方にもパワプロの対戦の面白さ、熱量は感じ取ってもらえるかと思います。

私たちは野球、パワプロが大好きでこのゲームをプレイしています。心から楽しんでプレイする姿、それ故に溢れ出る様々な感情、ハイレベルな戦い。その全てを是非みなさんの目で、一度でいいのでご覧になってください。必ず退屈させないとお約束いたします。


2019年度のeBASEBALLプロリーグは11月3日に開幕する。プロプレイヤーによる紹介の通りプロ野球さながらでハイテンポかつ技術の詰まった対戦と、チーム戦ならではの空気感も見どころの1つ。

アンケート回答からも読み取れるが、パワプロ愛を胸に本リーグに挑む選手は現役高校生プロや他ゲームとの二刀流選手、球団職員まで個性派ぞろいでもある。こうした「選手のパーソナリティ」もスポーツらしい一面と言えるだろう。

現実のプロ野球はライオンズとジャイアンツがリーグ優勝を飾ったものの、日本シリーズはリーグ2位からCSを勝ち上がったホークスが制しV3を達成した。

果たして今年の「もう1つのプロ野球」はどのようなドラマと結末を描くのか。試合会場や配信で彼らのプレーを応援していただきたい。

ⓒNippon Professional Baseball / ⓒKonami Digital Entertainment
一般社団法人日本野球機構承認
日本プロ野球名球会公認
日本プロ野球OBクラブ公認
プロ野球フランチャイズ球場公認
ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2017年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
データ提供:共同通信デジタル™
データは(株)共同通信デジタルが独自に収集したものであり、公式記録とは異なる場合があります。
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記者プロフィール
ハル飯田
関西を拠点に活動するフリーライター。コンシューマー機のeスポーツシーンを得意分野にしており、スポーツとゲームが好きすぎてスポーツゲーム「パワプロ」のプロリーグでは解説者も担当。

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