格ゲー好きなら「ゲーミングお嬢様」を読まずに年は越せない

Mako(WPJ編集部)

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EVO Japan 2019で無名のパキスタン人がめちゃくちゃ強かったり、大物プロゲーマーがグラビアアイドルと結婚したり、今年もニュースが多かった格ゲー界隈。

1年を締めくくる12月に話題をさらったのは、とある漫画だった。その名も「ゲーミングお嬢様」

本稿では作者の大@nani氏に本作の誕生から今後について話を聞いた。

身の回りの格ゲー勢発言がきっかけ

本作を描こうと思ったきっかけは、10月に大@nani氏がTwitterで発表した「身の回りの格ゲー勢の発言まとめ」だ。

「身の回りの発言まとめ」というインターネットミームが流行し、自身でもメモしていたネタワードを元に作ってみたところ、予想以上の反響があり、漫画の制作に踏み切ったという。

こうした経緯を経て、「クソわよッッ!!」「お排泄物ですわよッッ!!」といった強烈に印象に残るセリフが生まれたというわけだ。

また、随所に散りばめられた格ゲーネタは、わかる人にはわかる系のものが多く、筆者もすべてを拾いきれてはいない。気になったワードを「○○○+格ゲー」と検索すると元ネタにたどり着くことがあるので、格ゲー知識を高めて「昔から知ってたマウント」を取りたい人にはぜひ読んでほしい。

追って公開された第2話では、主人公である祥龍院隆子のライバルも登場。格ゲーお嬢様以外のゲーミングお嬢様も存在しているようなので、今後の展開もかなり気になるところである。

処女作で8,000RTの大ヒット!今後は他ジャンルも描かれる?

本作がはじめて描いた漫画だという大@nani氏。第1話の完成を知らせたTweetは8,000を超えるリツイートがされており、処女作でいきなり話題をさらうという華々しいデビューを飾った。

以下では作者の大@nani氏に行った、インタビューの模様を掲載する。

――「ゲーミングお嬢様」を描くに至った経緯を教えてください。

大@nani:
もともとは、いわゆる女子3バカの日常ものの漫画を書きたい、という構想がありましたわ。ですがそもそも漫画は書いたことはない、画力もない、と二の足を踏んでいましたわ。

自分の考えたネタが面白いかどうかもわからなかったので、とりあえずネタだけメモり続けるという日々でしたわ。

最初のきっかけは、10月の初旬に「身の回りの発言まとめ」というミームが流行ったことですわ。漫画のネタに使えそうなワードなどを逐一メモっておいたのですが、それをもとに自分でも作ってみましたわ。

その結果、予想以上の反響を受けて、その中で好評だったネタがいわゆる「クソわよ」系の格ゲーお嬢様ネタで、これはイケるなと確信しましたわ。

さらにバズりたいがためにかなりのネタストックを消費した末に、「最初から漫画描けばいいのでは?」と描き始めたのが10月24日ですわ。漫画を描くのは初めてで、何一つわかりませんでしたが、気合でネームを2日間かけて仕上げ、見るに堪えない画力ですがなんとか完成しましたわ。

――格ゲーやeスポーツシーンに詳しくないと出てこない発想だと思いますが、昔からプレイしたり観戦したりしているのでしょうか?

大@nani:
昔から対戦ゲームが好きでしたので、さまざまなジャンルのゲームをプレイしましたわ。

よくプレイしていたのは格ゲー、MOBA、FPS、TPS、RTSなどですわ。

特に、プロシーンをチェックしているのは格ゲーと「リーグ・オブ・レジェンド」(LoL)ですわ。大きな大会はだいたい見ていると思いますわ。

――作中の試合のシーンは、ご自身の実体験や見聞きしたものがベースとなっているのでしょうか?

大@nani:
試合シーンに関しては、プロゲーマーのハイライトシーンから着想を得て描いていますわ。もしくは、自分が面白そうだなと思ったシチュエーションを書いていますわ。

「背水の逆転劇」のような強烈なインパクトのあるシーンよりかは、格ゲーマーであれば思わず共感するようなシーンを狙っていますわ。

「必要のない起き攻め昇龍で“わからせる”」は、ほとんどの格ゲーマーが“知っている”ことだと思いますわ。いわゆる、“理解”る人には“理解”るようなシーンですわね。

――周りの友人なども格ゲープレイヤーが多いのでしょうか?

大@nani:
最初は格ゲーから知り合った友人のお嬢様が多いですが、だいたいの格ゲーマーって、格ゲーじゃなくても、対戦できればなんでもいい、というところがありますわ。

ですので、格ゲーマーが多いというよりはゲーマーの友人お嬢様が多い、ということになりますわ。

――格ゲー以外のeスポーツ系タイトルやジャンルにも詳しいですか?

大@nani:
基本的には格ゲーとLoLが詳しいと思いますわ。

ですが、ある程度他のジャンルも触ってはいるので、そこそこ語れる程度はあると思いますわ。

レースゲー、FPS、TCG、少し外れますが麻雀やギャンブルの構想も練ってはいますわ。

――注目や応援をしている格ゲープレイヤーは誰かいますか?

大@nani:
因縁のライバル、ネモさんと板橋ザンギエフさんのマッチアップはいつも楽しみにしていますわ。

隆子様と転子様のコスプレをしてガチ10先キメてもらいたいですわね。

――第2話でライバルの蹴子が登場しましたが、第1話では格ゲー以外のお嬢様の存在が語られています。第3話以降で登場するのでしょうか? 明かせる範囲で今後の展望を教えてください。

大@nani:
基本の流れとしては、隆子様、転子様、蹴子様を主軸に、さまざまなジャンルのゲームをプレイしていく、というスタイルになると思いますわ。

「ゲーミングお嬢様」は、所謂一話完結の「こち亀」方式で作っていけたらうれしいですわ。

つまり、ゲーミングお嬢様は「こちら聖閣東芸夢学園ゲーミングお嬢様部」みたいなもんですわ。

――投げキャラは嫌いですか?

大@nani:
○ンギエフは顔すら見たくありませんですわね。

作中でも投げキャラへの憎しみが……

――読者のみなさんへメッセージがあればお願いします!

大@nani:
いつも感想コメントやファンアートに感謝していますわ。すべて目を通させてもらっていますわ。ありがとうございます。

ここまで見て頂けるとは夢にも思ってはいませんでしたわ。本当にうれしい限りですわ。

画力も向上させたいですわね。お排泄物画力から、そこそこ画力ぐらいまでは成長したいですわ。版権元から怒られない程度に、ネタの続く限り描いていきたいと思いますわ。これからもよろしくお願いいたしますわ。


ちなみに、現在第3話の執筆作業らしく、その内容は格ゲーではなくLoLで戦うことになるようだ。

2019年内に投稿できるか怪しくなってきたという残念なお知らせではあるが、ゲーマーならその内容には興味がそそられる! 引き続き要チェック!

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記者プロフィール
Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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