J1N1が注目する2019年本当にアツいeスポーツゲームTop5

【この記事は約5分で読めます】
WELLPLAYED JOURNALの読者さん、ごきげんよう。
私は普段「ゲーマー日日新聞」という独立ゲームメディアで記事を書いているJ1N1という者だ。
ゲーマー日日新聞で一番読まれているコンテンツはゲーム批評で、私自身もゲームを作品の目線で論じることを得意としている。WELLPLAYED JOURNALでは、選手やチームなど「人」に対するインタビューやコラムが多いから、ゲーム作品も掘り下げたいと考えた彼らに私が呼ばれたわけである。
さて、本題だ。ズバリ今回は2019年、本当に注目するべきアツいeスポーツゲームタイトルを5本紹介する。常に目まぐるしく”話題作”が変化するこの業界で、前もって人気になりそうな作品を知っておけば、そのタイトルを実際に遊ぶにせよ、観戦するにせよいろいろと役立つはずである。
今すぐ遊べる編
リーグ・オブ・レジェンド
- 開発元:Riot Games
- ステータス:サービス中
- https://jp.leagueoflegends.com/ja/
この業界における「徹○の部屋」とか「の○自慢」に匹敵するご長寿タイトル、それが「リーグ・オブ・レジェンド」(以下、LoL)である。2009年から本格的にサービスを開始して約10年。アジア圏から北米、欧州に至るまで、その人気は衰えるところを知らない。
ゲーム内容はいわゆる「DotA系」とか「MOBA」と呼ばれるもの。1チーム5人で組み、プレイヤーは141体のチャンピオン(※)から1体を選ぶ。後はお互いが各ポジションをカバーしつつ、相手の陣地に攻め入ったり、中立のモンスターを先に倒すのが目的となる。

チャンピオンはそろそろ142体になる予定
esportsタイトル数多しと言えど、LoLほどチームプレイが奥深い作品を私は知らない。5つの役割と、140体のチャンピオンの組合せ、その上で新しい戦略や環境への適応。これらの要素によって、プレイヤーやチームごとの特色も現れやすく、それ故にゲームは遊んでいないがプロシーンの観戦は続けているという、通称「観戦勢」も多い。
ゲームデザインの下地が「Star Craft」や「Warcraft 3」といった歴史の長いゲームや、そのMODから作られている上に、とにかくアップデートが頻繁に行われることで、極めてボリュームが多い点がLoLの特徴である。新しいチャンピオン、アイテム、ルール、スキン、諸々の調整、それらが2週間に1度デリバリーされるというのは驚異的で、1年も経過すれば半分ぐらい別のゲームになってしまうほど。
フォートナイト
- 開発元:Epic Games
- ステータス:サービス中
- https://www.epicgames.com/fortnite/ja/home
普段全然ゲームを遊ばないという人であっても、TOKIOのCMで知っているという人が多い「フォートナイト」。早くも登録ユーザー数が2億人を超えるなど、数あるバトロワ系タイトルの中でも、この作品の勢いは群を抜いている。
ルールは単純。100人が同時に広大なマップへ展開し、最後の1人になるまで生き延びれば勝ち。ここまでは「PUBG」などのバトロワと呼ばれるジャンルの作品と同じだが、フォートナイトには建物を作って攻撃を防いだり、相手の高所に立てるという建築要素がある。
だがフォートナイトがここまで流行った理由は、プレイヤーが血みどろの殺し合いを行う大地にある。何とこのマップ、アップデートの度にクレーターができたり雪原が発生したりと、さながら「Sim City」のように変化している。こんなゲームはバトロワ系どころか、他のeスポーツタイトルでもそうめったにない。

シーズン1ではこうだったマップが……

シーズン8現在はこんなマップに
こうしたスケールの大きな変更、膨大な追加要素、そして世界的に著名なDJ「mashmello」がライブするなどハチャメチャなイベント、それらがフォートナイトの定義を広げ、その分あらゆる人種や年齢のプレイヤーを引き込み続けている。
期待の新作編
DOOM Eternal
- 開発元:id Software
- ステータス:2019年ローンチ予定
- https://bethesda.net/ja/game/doom
アリーナ系FPSは死んだのか!? いいや! No! Nein! 無論そんなことはない、斜めに向かってうさぎ跳びをする主人公、そしてすべてを破砕するロケットランチャーの爆音を差し置いて、いったい何がeスポーツなのか。
この退廃の現代で、あの「DOOM」が「Eternal(=永遠)」の名を冠して復活する。DOOMはFPSというゲームジャンルを一躍メジャーなものへ引き上げた作品であり、同作を手がけたid Softwareはアリーナ系FPSの代表的作品「Quake」も作っている。無論、この「DOOM Eternal」にもマルチプレイは搭載予定であり、巨匠の手によって懐かしのアリーナ系FPSの戦場が復活するのである。

この画像は前作「DOOM」
そもそも、アリーナ系FPSとはなんぞやという方もいるやもしれないが、原初の対人FPSなだけにルールは至極シンプル。敵より多く敵を倒す、以上。ただし、武器は戦場が現地調達しなければならず、拾える武器も癖の強いものばかり。移動速度も現代的なFPSに比べても数倍早く、立ち回りだけでなく純粋に撃ち合いの精度が問われるゲームルールだ。
バトロワのような新しいeスポーツも悪くはないが、たまにはクラシックなFPSも遊びたい。そういった需要をDOOM Eternalは満たしてくれるだろう。
Spellbreak
- 開発元:Epic Games
- ステータス:アルファテスト中
- https://www.epicgames.com/store/ja/product/spellbreak/home
フォートナイトによって世界的な成功を収めたEpic Gamesだが、既に新しいゲーム「Spellbreak」の開発に動いていることは日本ではあまり知られていない。この目まぐるしくコンテンツが入れ替わるeスポーツ業界では、素早く次の手を打ったEpicの判断は英断と言えるだろう。
そのSpellbreakだが、簡単に説明すると「魔法で戦うバトロワ」である。魔法で戦うと言っても、基本的には「カーソルで敵を狙って撃つシューティングゲーム」という部分はフォートナイトと何も変わらず、ファンタジーな世界観がベースのTPSだと考えてもらえばいい。
だがSpellbreakの特徴は、そういったバトロワタイトルに共通する撃ち合いに加えて、透明化したりジャンプする魔法「ルーン」が存在することや、自分のステータスや魔法を強化できる「アミュレット」や「クラス」にある。こうした諸々の要素をフィールドから広い、自分独自の「ビルド」と呼ばれる組み合わせをカスタマイズしていくことが、Spellbreakにおける戦い方だ。
すでにバトロワは飽きてきた、というゲーマーの方にとっても、Spellbreakは問題なく楽しんでいただける可能性に満ちている。未だアルファテスト中ゆえに粗も目立つが、Epic Gamesが今後の展開を見据えているeスポーツタイトルとしても、要注目の作品だ。
DOTA AUTO CHESS
- 開発元:Drodo Studio
- ステータス:MOD版はリリース済み
- https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?l=japanese&id=1613886175
今年の頭からにわかにコアゲーマーの間で話題に登るようになったタイトル、それが「DOTA AUTO CHESS」だ。ユーザーメイドのMOD(改造データ)にも関わらず、同時接続者が20万人を突破しており、その勢いは目を見張るところがある。
この作品のルールは非常に斬新だが、シンプルだ。まずプレイヤーは最初に限られたゴールドを使って、無作為に5つ選ばれたコマの中から、好きなコマを購入する。そして数十秒経過すると、相手プレイヤーが購入したコマと戦うのだが、このときコマが完全に自動で移動したりスキルを使うので、実質プレイヤーはコマを購入するときだけ操作すれば良い。
重要なのがコマを3体集めると合体するというシステム。合体したコマは極めて強力だが、無作為に選ばれる手札の中で同名コマを3つ集めるのはかなり運が絡む。そこで、あえて何も購入せずターンを過ごしたり、コストを払ってもう一度手札を引き直すといった選択肢も取りうる。
こうした、ランダムの中から3つ集めるシステムになぞらえて、本作は「麻雀のようなゲーム」とよく紹介される。ちなみに、タイトルにある「Dota」も「Chess」もほとんど関係ないので、この2つを知らない人でもまったく問題なく楽しめる。
ルールはシンプル、難しい操作も不要、ほど良い運要素&戦略要素、こういった要素が複雑に絡み合い、本作はとにかく中毒性が高い。しかも、完全無料で遊ぶことができる。
本作最大の課題は、最初遊ぶためにSteamをインストールし、「Dota 2」をダウンロードし、その上で「DOTA AUTO CHESS」をSteamワークショップからダウンロードするという、相当に煩雑な手順を踏むことだが、同作の開発チームDrodo Studioはスマートフォン向けのローンチを進めている。
つまり、半年も経たないうちに本作に何百時間もなげうってしまう、私のような中毒者が続出しかねないということである。くれぐれも、これを読んでいる読者は己を律して遊ぶように。
冒頭にも述べたとおり、eスポーツ業界はとにかく目まぐるしく変化する。主流となるゲームタイトル(競技)は1年で入れ替わり、同じタイトルであってもルールからコンテンツまで別物になっていることも珍しくない。その千変万化ぶりこそ、他ならぬこの業界の醍醐味であり、同時に難しさでもある。
eスポーツとくれば、真っ先に連想されるのは選手や配信者などのパーソン(人)であり、その次に売上などを示すデータだと思う。ここWELLPLAYED JOURNALにおいても、パーソンについての記事が大部分を占めている。
とはいえ、パーソンにせよデータにせよ、これらが依拠するものはコンテンツ、すなわちゲームだ。2019年、今後どのような素晴らしいゲームがパーソンをひきつけ、それがデータへ反映されているのか。この記事が、それを示す一助となれば幸いである。
(C)2019 Riot Games, Inc. All rights reserved. Riot Games, League of Legends and PvP.net are trademarks, services marks, or registered trademarks of Riot Games, Inc.
(C)2019, Epic Games, Inc.
(C)2019 Bethesda Softworks LLC, a ZeniMax Media company. Bethesda, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. DOOM Eternal, id, id Software and related logos are registered trademarks or trademarks of id Software LLC in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.
(C)DRODO STUDIO