さすが部長!声優e-Sports部の前田佳織里はゲームも食も振れ幅がすごい

WPJ編集部

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2019年に声優eスポーツ部を発足し、部長として活動をしている前田佳織里さん。昨年11月には第1回目のオフラインイベントを開催し、ファンとPUBGを通じて交流した。

検索で「前田佳織里」と入力すると「fps」がサジェストされる彼女のゲーマーとしての素顔は、声優とはまた違うガチな一面を持っていた。

ごはんにねるねるねるね、コンポタにコアラのマーチの驚愕の味覚!?

――私の前田さんの印象は、「ごはんにねるねるねるね」「コーンポタージュにコアラのマーチ」の普通じゃない味覚の持ち主なんですが(笑)。

前田:
ねるねるねるねはともかく、コーンポタージュにコアラのマーチはよく知ってますね。もともと、クルトンが入ってますし、コアラのマーチを足すのは私的には普通ですよ(笑)。

――あまり味がイメージできないんですが、実食してみて「あり」なんですか?

前田:
なし寄りのありでした(笑)。

ねるねるねるねとごはんは、ちょっと甘酸っぱくて、ザクザクとした食感がいいですね。上京したての頃は、料理じゃなくてねるねるねるねごはんをよく作ってました。

――これをおいしいと言ってくれる仲間はいるんですか?

前田:
なかなかいないですね。唯一、同じ事務所の田野アサミさんだけは理解してくれて、「やっぱりアミューズは違うな」と思いました(笑)。

――お酒はもともとお好きなんですか?

前田:
お父さんの家系がお酒好きで、20歳になったときは記念に父と2人でお酒を飲みました。そのときがすごく楽しかったので、お酒も好きになりましたね。

番組でも毎回おいしい食事とお酒をいただいてます。

――「古畑前田のえにし酒」を見るまでは、そんなに飲まない方なのかと思ってました。

前田:
そうですね。最近、ファンの方からいただくプレゼントにお酒が増えてきて、自宅が酒屋状態です(笑)。番組を通じて私のパーソナルな部分を知っていただけているのはうれしいですね。ですが、今年の目標は女子力を上げたいです!

どうぶつの森に始まり今や青軸キーボードでPUBGをプレイ

――ここからはゲームのトピックを聞かせてください。前田さんのゲームとの出会いは?

前田:
小学生の頃に、NINTENDO64で遊んだ「どうぶつの森」が最初のゲームだったと思います。「ピカチュウげんきでちゅう」もプレイした記憶があります。ただ、当時は自宅にゲーム機がなかったので、プレイは友だちの家でやってました。

子供ながらにキャラクターとの関係を大切にしようという気持ちが芽生えて、そういう意味では人間的な基礎はゲームを通じて学んだと思います。

――その後、いろんなゲームに触れてきたと思いますが、これまでで一番ハマったゲームはなんですか?

前田:
「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア リマスタード」(以下、CoDリマスター)ですね。海外で開発された音ゲーにもハマりました。

――最初に触れた「どうぶつの森」からCoDまでの振れ幅がすごいですね。この間はどういった感じでゲームをされてたんですか?

前田:
基本は友だちの家で細々とやる程度でした。その反動なのか、上京して自宅にゲーム機を導入できるようになってからはゲームに触れる時間が増えて、こんなゲームもあるのか!? という感じでいろんなタイトルをプレイしましたね。

プレイ中にめっちゃ叫びはしますが、バイオハザードシリーズのようなホラーゲームも遊びます!

――ある程度自由にゲームができるようになったのはわかるんですが、それでもFPSは敷居が高いように思うんですが。

前田:
地元にゲーマー女子の友だちがいるんですけど、CoDはその子におすすめしてもらいました。プレイ開始直後はわけがわからなかったんですけど、その子がいろいろ親身に教えてくれたこともあって、ハマりましたね。

――FPSは「エイムや操作がうまくいかない」「画面酔いする」などのあるあるがありますが、前田さんはどうでしたか?

前田:
画面酔いはありましたね。で、対処法をその子に教えてもらったんですよ。

画面に十字でテープを貼って、交差する真ん中に赤い点を描いてプレイするというものです。この赤い点を意識しながらプレイすると、画面酔いがなくなりました。

最初は操作もうまくいかなかったですが、CoDリマスターには「殉教」という倒された際にグレネードを落とすPerkがあって、その巻き添えでよく敵をやっつけてました(笑)。

――CoDリマスターでは、最初から対戦に行きましたか?

前田:
最初の頃はBOT撃ちで練習してて、ベテランレベルでもある程度倒せるようになってからですね、対戦に行ったのは。それでも対戦では立ち回りが全然違うので、こてんぱんにやられました。

なので、上手い友だちの立ち回りを見て研究しましたよ。マップの違いによるというのもありますからね。

――前田さんの名前を検索窓に入力すると、「FPS」がサジェストされますよね。

前田:
ありがたいことに、お仕事でゲームをさせていただく機会も増えてきて、ファンの方からおすすめのFPSを教えていただくこともあります。そういう意味でFPSをゲーマーとしての認知が広がっているのかもしれないです。

――最近は「見るゲーム」としてゲーム実況動画も人気ですが、こういったコンテンツは視聴しますか?

前田:
声優e-Sports部のお話をいただくまで、私はPUBGのプレイ経験がなかったんです。しかも、PCでのプレイと聞いて、自分なりにいろいろ調べました。そのときに巡り合ったのが、DeToNatorのSHAKA選手の動画で、立ち回り方や神プレイの数々をよく見てますね。ほかにも、恭ちゃんさんの動画もよく見ます。

お2人の動画は上手いだけでなく、コンテンツとして面白いのでつい見ちゃいますね。

――PCでのゲームプレイは、すぐに慣れましたか?

前田:
もともとPS4でパッドを使ったプレイがメインだったので、最初は慣れなかったです。移動するにしても、ゲーム中は画面を見ているので手元が見れないから感覚に慣れるまでに時間が必要でした。

ですが、ゲーミングキーボードのメカニカルなカチカチ感はすごく好きです。ちなみに、キーボードは青軸派なんですよ(笑)。打鍵音がちょっとうるさいですが、やっぱりあのタッチが最高なんですよね。

――前田さんのFPSでのプレイスタイルについて教えていただけますか?

前田:
サブマシンガンで突っ込んでいって、(私が悪くて倒されても)「うわぁーなんで!」って叫ぶタイプです(笑)。どうしても自分で前に出て、切り開くタイプのプレイをしがちですね。

逆に遠距離タイプの武器の扱いはちょっと苦手です。これが今の課題で、扱える武器の幅を広げたいんですよ。そうすることで、組めるプレイヤーが増えると思うので。

――現実世界の前田さんの性格と、ゲーム内でのプレイスタイルはイコールですか?

前田:
いや、全然違いますね。普段の私はあまり怒ることがないんですけど、ゲームでは倒されると怒りますから(笑)。「絶対許さない!」ってなるのですが、向かっていったらまた倒されるみたいな。

――対戦ゲームではボイスチャット(以下、ボイチャ)を利用することが一般的ですが、声優なので「あれ、もしや前田さん?」みたいなことにはならないですか?

前田:
ボイチャの音声で特定されたことはないですね。なぜだかわからないんですけど、PUBGでボイチャすると、インド人にめちゃくちゃ話しかけられるんですよ(笑)。そういう意味では、インド人の方は前田佳織里であることがわかってるから、話しかけてくるんですかね(笑)。

相棒の田中音緒ちゃんとはいいバランス関係

――2019年に声優e-Sports部が発足したわけですが、その時点で「eスポーツ」はご存じでしたか?

前田:
声優e-Sports部の話をいただいた時点では、eスポーツ=海外のイメージが強かったんです。友だちから教えてもらって、League of Legendsが世界的なeスポーツの代表タイトルなのは聞いてましたし、Faker選手のことを知っていたのもあって。

その波が日本にも本格的にやって来て、声優でグループになるのは面白いなと思いましたね。

――初期メンバーの一員として声を掛けられてますが、最初に話を聞いたときの感想は?

前田:
私は声優e-Sports部の部長なんですが、話が来たときは「私が部長?」って感じでした。だって、これまで部活動で部長をやったことがないわけですから(笑)。

ですが、これまで好きでやってきたゲームが題材ですし、私たちの活動でよりeスポーツに興味を持ってくれる方が増えるのはうれしいので、間口を広げるようなことができればいいなと思ってます。

――現在は、田中音緒さんと2人で活動されてますが、田中さんとはもともと交流はあったんでしょうか?

前田:
音緒ちゃんとは、「オフロコ」というドラマCDでご一緒させていただいて、そのときにゲーム好きであることは聞いてました。ただ、私と同じで音緒ちゃんもPCでのゲームプレイは未経験でした。なので、まずはPCでの操作に慣れて、スキルアップを目指すプロセスを踏むことにしたんです。

そこで、プロゲーマーの方にお願いして、基礎的な部分からマンツーマンで教えていただきました。特に役に立ったのは立ち回りに関してです。

――前田さんから見た、ゲーム内での田中さんはどんな感じですか?

前田:
ちゃんと判断して、意見を言ってくれるので助かる場面があります。私は判断に迷う状況のときは周りを見てしまうことが多いんですが、音緒ちゃんは「ここはこうしよう」とパシッと意見をくれますね。それによって、立ち回りの役割分担もはっきりして、ゲーム展開がうまくいくこともよくあります。

すごく努力家でもあるので、相棒としては最高ですね。

――実際の田中さんはどういう性格の方なんですか?

前田:
音緒ちゃんはサバサバした性格だと思います。これはゲーマーにとってはいい方向に働いていると感じていて、ミスをしてもプレイ中は引きずらないんですよね。

逆にプレイ後はちゃんと振り返りをして反省するので、その点も素晴らしいと思います。

――練習も田中さんと2人でやってるんですか?

前田:
オフラインで顔を合わせてする機会はそんなにないんですが、Discordを使ってオンラインでは2人でよく練習しますよ。細かい情報共有なんかは、LINEを使ってコミュニケーションしてますね。

――前田さんは、PUBG以外のバトロワ系タイトルはプレイしますか?

前田:
フォートナイトはプレイしますね。2019年11月に「eファンタジー」というeスポーツイベントでフォートナイトの対戦をしたんですが、なんと優勝することができました! そのときにバックパックをいただいんですが、これは今も愛用してます(笑)。

第1回は伝説の神イベ、第2回はネモとのコラボもあり!?

――2019年に実施された声優e-Sports部の第1回イベントですが、実際にやってみていかがでしたか?
前田:
PUBGを含め、他のゲームもやるのかなと思っていたんですが、実際にはPUBGのみでした。ですが、ファンの方を交えてプレイするのが楽しくて、結果的にはいい着地になりましたね。

――来場されたファンの方は、PUBG経験ありの方が多かったという印象ですか?

前田:
初めての方もいましたね。ですが、「会場で一緒にプレイできるチャンスがあるかも!?」と思って、PUBGを事前に練習してきてくれる方も多かったんですよ。eスポーツの間口を広げるという意味では、いいイベントだったと思います。

実際、イベント終了後に運営の方がアンケート調査をされたそうですが、私たちと一緒にゲームプレイができる数少ない機会だったこともあり、ポジティブな意見が多かったそうです。私もイベント後にエゴサしてみたんですが、「伝説の神イベント」と書かれていたぐらいです(笑)。

――自宅でのプレイとは違って、人前でプレイすることになったと思いますが、緊張はしました?

前田:
私はあまり緊張しないタイプなので、このイベントでもいつもどおりのプレイができましたね。初めてプレイする来場者の方もいらっしゃったので、プレイ自体はわからない人をカバーできるように立ち回ることを心がけました。

この立ち回りは、SHAKA選手の動画で学んだことが役立ちました! これが功を奏して、結構いい順位までいきましたよ。

――現在、声優e-Sports部は前田さんと田中さんの2人体制ですが、今後部員を増やす予定は?

前田:
はい、先ほど教えていただいたのですが、今オーディションをしている最中だそうです。個人的には遠距離武器が得意な部員がほしいんですが、ゲームを楽しんでやってくれる方が入ってくださるといいですね。

――新メンバーは何人ぐらい増えますか?

前田:
人数はまだ決まっていないそうですが、複数の新メンバーが3月ぐらいに発表されるそうです。

――声優e-Sports部として、チャレンジしたいゲームジャンルやタイトルはありますか?

前田:
さきほど話に出たスマブラSPやフォートナイト、スマホタイトルだと「第五人格」はやってみたいですね。ジャンルで言うと、格闘ゲームにも興味あります。

――格ゲーといえば、前田さんが所属されているアミューズには、ネモ選手と竹内ジョン選手がいらっしゃいますが、交流とかはありますか?

前田:
同じ事務所とはいえ、意外と交流がないんですよ。でも、プロの方には話を聞いてみたいんですし、イベントでコラボもしてみたいです!

――次回のイベントの予定は?

前田:
具体的な日程はこれからなんですが、第2回は東京でイベント開催をできたらと思ってます。

今後の計画としては、新メンバーが加入してからYouTubeチャンネルを開設します。このチャンネルでは、まずはフォートナイトかApex Legendsをやっていきたいと思ってますので、こちらにもご注目ください!

――第2回でこういうことしてみたいという部長の思いは?

前田:
初回はPUBGのみだったので、ゲームのバリエーションを増やしてみたいです。PUBGというゲームの特性上、初めての方だと地上に降り立った瞬間に倒されてしまうこともあって、ゲームを楽しむ前に終わっちゃうんですよね。

ですので、例えば「ぷよぷよ」のような幅広い層の方にも対戦の面白さを伝えられるゲームも入れていきたいです。

――最後にファンの方にひと言お願いします。

前田:
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。私自身も好きなゲームを通じてファンの方と交流していきたいですし、老若男女問わず、eスポーツの盛り上げに貢献できればいいなと考えています。声優e-Sports部は、これからも活動の幅を広げて行きますので、応援をよろしくお願いいたします!

写真・大塚まり

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「ゲームプレイに対する肯定を」「ゲーム観戦に熱狂を」「ゲームに、もっと市民権を」
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