esports専門会社の目指す世界

谷田優也

はじめに

※この記事はNoteからの転載です。

ウェルプレイド株式会社代表取締役/CEOの谷田です。ストリートファイターのプレイヤーネームはアカホシといいます。ウェルプレイドのロゴが赤い星なのは、阪神タイガースの赤星選手が好きなことから由来しています。メインキャラはザンギエフで、スーパーストリートファイター4AEでは、家庭用ポイントランキングアジア4位くらいまで真面目にやっていました。

さて、2018年に入り、何度目かのesports元年が訪れていると言われています。今年、明らかにesportsという言葉を聞くことが増えたと思いませんか?

オリンピックの前哨戦と言われる、今年8月にジャカルタで行われたアジア競技会にも、エキシビジョンではありますが6タイトルほどesportsのタイトルが採択されました。

2019年には茨城国体にてウイイレが採用されることが決定したりと、ゲーム業界の枠を超えて話題になることが増えてきました。

esportsって何?から、今どういう状況なの?と、さまざまな方面の方からお問い合わせやご相談をいただく機会が増えてきましたので、今現在現場ではどんな事が起こっているのか。直近起きている話題のトピックスを専門会社としてはどのように捉えているのか。

また、国内esports専門会社は日頃どのようなビジネスとして取り組んでいるのか、なぜウェルプレイドという会社を立ち上げたのかといったきっかけなんかを、お話できればと思います。

ウェルプレイドは、谷田と高尾という2名の共同代表で会社を経営しております。役割としては経営全体を見て大きな方向性や文化の方針を決める空気づくりや、表に出て情報発信を行う立場を谷田が、ゲームメーカー様を中心に、さまざまな企画を制作するにあたり、クオリティを守る責任者を高尾が務めています。

何をするのか/しているのか

我々は、「ゲームを続ける理由をゲームの外に作る」プロ集団です。

我々の得意な領域は、イベント企画・大会運営・番組制作・コンサルティングが中心となります。具体的には、

  • なぜ、その大会を行う必要があるのか?
  • 作成する番組のゴールはなにか?
  • 大会運営の中で、ユーザーが一番気にするポイントはどこか?
  • ストレスになる部分はどんなところか?

といった、プレイヤーがゲームを継続するために必要な施策をメーカーのプロモーションチームの方や、開発チームの方と一緒に思想を共有し、ゴールを設計するところまでご一緒させていただきます。

ともに作り上げた思想をもとに、目指すゴールがあれば施策や企画がブレることも少なくなります。また、目線の統一ができることで良かったことも、悪かったこともともに良い振り返りと、次に繋げる施策の提案も良いものになると信じています。

国内esportsが人気になってきたと思う理由

海外で流行っていたのが、2018年になってそれが浸透してきてなんとなく話題になってきた。とは実は思っていません。

複合的に理由はあると思いますが、私自身が現場で体験して最も実感しているesportsが必要だと思われてきた理由は、

  • 良質なゲームが毎年大量に出過ぎている
  • 視聴型コンテンツの強烈な充実(Netflix、Amazonビデオ、Apple MusicやSpotify)

などの事情が大きな要因になっているのではないかと思っています。

これらの環境が取り巻く中、ユーザーが毎日消費することができる可処分時間の取り合いになっているのは言わずもがなです。こうした環境下でゲーム市場に目を向けると、日本の家庭用ゲーム市場は約4,000億円、モバイルゲームにおいてはその3倍の規模があるともいわれています。

ビジネスとして大きな市場となっていることはこの数字からもわかりますが、ビジネスの成否は良質なゲームにより多くのユーザーを長く滞在させることが重要になってきます。

そのゲームを継続するためには、ゲームを続ける理由や目的を設定する必要があり、そのための選択肢の1つとして定期的なゲームの全国大会や、その大会を視聴コンテンツが求められてきたのだと思っています。そこで、コアユーザーであればあるほどゲームを続け活躍する場所が必要であり、ライトユーザーはゲームをスタートするきっかけにもなる。こういった施策が必要になってきているのです。

また、1日にゲームをプレイできる本数は、平均2本もないといわれており毎日大量の良質なゲームが出ている中、そのゲームをプレイしないけどそのゲームのファンであるというユーザーも出てきました。

そういったゲームファンに対しても、コンテンツを継続的に提供する選択肢として、生放送や動画によるコンテンツ視聴環境(ゲーム大会の生放送)などが同時に求められるようになってきました。

このような環境の中で、大会運営をするためのルールや大会をより見やすくするための番組制作といった部分のノウハウを持つ会社が必要になると判断しました。

弊社はそこのプロフェッショナル集団になるべく会社を設立しました。

我々が目指す世界

「ゲームが上手い人達が称賛される世界を作る。」

これが、ウェルプレイドの基本的な思想です。

そのためには、オリンピックに採択されるタイトルが生まれる様になってほしいですし、そこに出場する選手をマネジメントしたり、運営をする状況を自分たちの手で叶えたいと思っています。

たくさんのゲームに出会い、そのゲームを続ける理由を作る。そのゲームを続けた先に、生まれた様々な価値を大事にし、プレイヤーが続けてよかったと思う世界を作りたいと本気で思っています。

そのために、弊社は、

  • esportsイベント企画、番組制作事業
  • esports選手のマネジメント事業
  • esports専用のメディア事業

の3本の柱を軸として、ゲームプレイヤーがヒーローになる世界を目指しています。

不定期ではありますが、私と高尾の2名で現場から見える世界、直近の市場で感じたことなどを、こういった形でお知らせできればと思っております。

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

読んでいただいた方に、少しでもesportsの良いところや、現場の素晴らしさやプレイヤーの本気の美しさなどをご紹介できればと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

記者プロフィール
谷田優也
2020年に、オリンピックの横ででかいゲームイベントを行いたい!
そんな夢にむけて日本のesports、プロゲーミングに全ツッパしています。

ストリートファイターシリーズが好きな格ゲー勢です。今年EVO参加しました。ザンギエフ使いで、アカホシって名前でやっています。
昔2chでAAができたり、アルカディアに特集組んでいただいたり、ニコニコ動画で「アカホシ動画」で検索すると出てきたりします。

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