eBASEBALLドラフト会議でパワプロプロリーグの48選手が決定!指名全選手コメント付きレポート

ハル飯田

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去る9月16日(月)、日比谷ミッドタウンのBASE QホールにてeBASEBALLドラフト会議(以下、eドラフト会議)が開催され、2019年シーズンの「eBASEBALL プロリーグ」に参加する48名の選手が決定した。本稿では当日の様子を指名された全選手のコメントと共にレポートする。

昨年のプロも指名対象となるeドラフト会議

eドラフト会議では、今季のプロリーグに出場する選手を候補者の中からプロ野球12球団が指名する。指名候補者は2ヵ月に渡るプロテストを勝ち上がってきた選手と、8月に開催された中高生大会を優勝し特別枠を確保した選手たちだ。その候補者には昨年のプロリーグに参加した選手も含まれている。

実は本リーグでは戦力均衡を目的として「昨年の所属選手3名から今季のプロテストを経ず継続して契約できる選手は2名まで」という制度が設けられており、どのチームも1人以上がリーグを目指して再びプロテストへ臨むことに。

昨年リーグ王者となった埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズはプロテストこそ免除されたものの、共にキャプテンを務めていた大川泰広選手と髙羽和宏選手がドラフトに回ることとなった。

会場では新シーズンのユニフォームもお披露目された

3,000名以上が参加したプロテストでは、オンライン予選とオフラインでの実技・面接審査が行われた。昨季プロリーグで実績を残しながらも、今季のテストで無念の敗退となってしまった選手も存在するほどレベルの高い争いが繰り広げられ、激戦を勝ち残った凄腕のプレイヤーが候補選手として会場に集まった。

今年から指名選手の読み上げを実際のドラフト会議と同じくフリーアナウンサーの関野浩之氏が担当し、各球団のテーブルには継続契約を勝ち取った現役プレイヤーに加えて球団関係者やマスコットキャラクター、OB選手が出席。

里崎智也氏(千葉ロッテマリーンズOB)や江尻慎太郎氏(福岡ソフトバンクホークスOB)ら昨年の公式戦で解説者を務めた面々に加え、広島東洋カープのテーブルには前日広島で引退セレモニーを終えたばかりのブラッド・エルドレッド氏とお笑い芸人アンガールズの⼭根良顕さん(eBASEBALLカープオフィシャルサポーター)さんが着席した。

自身もパワプロをプレイしたことがあるというエルドレッド氏(写真左)

ドラフト指名では各球団の意図が交錯

eドラフト会議では継続契約した選手数によって指名可能な人数が異なり、継続契約を行わなかった中日ドラゴンズと東京ヤクルトスワローズが1巡目から最終4巡目まで指名。継続契約2枠を行使した10球団は3巡目と4巡目の指名のみを行う。

4巡目以外は入札制のため、指名が重複した場合は抽選となるが、2巡目までの指名では発生せず。

スワローズが1巡目で昨年度日本一を経験した大川選手、2巡目で東日本オフライン予選1位通過の藤本洋介選手と有力選手への指名を強気で敢行したのに対し、ドラゴンズは1巡目で菅原翔太選手、2巡目で岡久将吾選手と共に「ドラゴンズ志望」の選手を指名した。

3巡目指名から全球団参加になるとドラフトの醍醐味と言える重複指名も多発。1度目の抽選を外した球団による「2度目の3巡目」では強打が魅力の町田和隆選手に指名が集中し、今会議最多となる3球団競合に会場は大いに沸いた。昨季の登録選手を「再指名」し再結集を果たす球団もあれば有力な新人選手を狙う球団もあり、継続契約選手の意向と各球団のカラーが反映される指名状況となった。

町田選手を引き当てたのはマリーンズの里崎氏。「マスコット勝負では負けられない」と語った

4巡目では昨年ペナントレース順位の逆順で指名が行われ、各球団が最後の1人をチョイス。ライオンズから大上拓海選手への指名が今年のeドラフト会議最後の指名となり、指名された28名に継続契約選手20名を加えて「eBASEBALLプロリーグ2019」参加選手48名が確定した。

同時にこの時点で名前を呼ばれなかった候補選手は指名漏れとなり、昨年度のプロ選手や予選で好成績を残した注目選手もスポットライトを浴びぬまま会場を後にすることになった。

平山選手獲得の抽選ではスワローズのつば九郎にホークスの江尻氏が勝利。球団マスコットはこの日の抽選で全敗となった

選手一覧

※無色は継続契約選手、ピンクは新人、青は昨季球団へ復帰、緑は昨季球団から移籍

東京ヤクルトスワローズ

大川泰広

1位での指名と高評価を頂いて感謝しかない。(昨年はライオンズの一員だったが)気持ちを切り替えてがんばってきた。スワローズを引っ張ってまた日本一になりたい。

藤本洋介

大好きな球団に全体で3番目で呼ばれてうれしい。ヤクルトは12球団でもトップクラスの打撃力があるので守備面をみんなのプレイでカバーしながら戦いたい。

加藤誉士典

まさか3位とは思っていなくて、呼ばれたときはびっくりしたが安心した。

高良匡史

4巡目の指名でうれしいというよりホッとしたが、自分が4番目なのも納得の強力なメンバーと日本一を目指したい

4名を指名したヤクルトは、昨季のプロと予選上位の選手を指名。昨季最下位からの巻き返しを誓う

阪神タイガース

宇佐川史彬

志望球団だったので素直にうれしい。

岸川虎太朗

小さいころから応援し続けてきた球団なので、選ばれた時は喜びが爆発した。

継続契約の森選手は「くじを2回外してしまったが、結果的に球団愛と実力ある選手を指名できて満足。今年は日本一と巨人戦の3タテを目標に、阪神ファンに笑顔を届けたい」と振り返った

中日ドラゴンズ

菅原翔太

ようやくスタートラインに立てた。指名されなかった選手に「なんでアイツなんだ」と思われないようがんばらないといけない。

岡久将吾

まさか2位指名とは思っていなかった。順位に見合ったプレイができるようがんばりたい。

新井宇輝

予選を勝ち上がれたのもまさかだったので、指名されて驚いている。同じ高校生選手で選ばれなかった人の思いも背負って戦いたい。

脇直希

全力を精いっぱい出し切れるようにしたい。

唯一プロリーグ経験者なしで挑む編成となったドラゴンズ。昨季解説者として参加した菅原選手はリーダーに推され「身が引き締まる思いです」

広島東洋カープ

伊勢家雄次

めちゃくちゃうれしい、その一言。投打のバランスがいいチームなので全勝と日本一を目指したい。

徳田直也

感無量。勝つのはもちろん、観ていてカープの試合は面白いと思われるようなプレイをしたい。

地元大会で実績のある選手を指名したカープ。継続契約の倉前選手は「指名は難しかったが、間違いない選手を取れた」と自己評価した

読売ジャイアンツ

高川健

巨人に戻ってくることだけを考えてこの1年パワプロしていた。安心している。

坂東秀憲

うれしかった以外の言葉がない。ここがゴールではないのでがんばりたい。

高川選手の再指名と、東大医学部卒で巨人軍の球団職員である坂東選手を指名したジャイアンツ。継続契約の舘野選手は「完璧なドラフト」と断言

横浜DeNAベイスターズ

髙羽和宏

2人と球団の方に感謝したい。去年より全体がレベルアップしたと言われているが私もレベルアップしているところを見せたい。

渡邉輝哉

昨年のセ・リーグ王者に指名されてうれしい。移籍のような形だがホークスでの経験を活かしてこのチームに溶け込みたい。

髙羽選手の再指名に成功し、昨季ホークスの一員だった渡邉選手を獲得。継続契約の大茂選手は「経験を重視した」とコメント

千葉ロッテマリーンズ

町田和隆

ホッとしている気持ちが大きい。3球団から評価されてうれしいし、プロとして悔いのない試合をしたい。

柳虎士郎

マリーンズの選手にはこれまでもお世話になってきた。プロの舞台でも先輩から吸収して結果を残していきたい。

「マリーンズを志望してくれる選手を取れてほぼ100点の指名。若い選手も獲得できて完璧に近い」と里崎智也氏

東北楽天ゴールデンイーグルス

三輪貴史

2年連続で指名されてうれしい。今年こそ結果を残したいし、応援してもらえるようがんばりたい。

高田和博

投手が強いチームカラーと自分のプレイスタイルがマッチしていると思う。バランスの良いチームなので貢献できるようがんばる。

昨年のプロ経験者2名の指名となったイーグルス。昨季キャプテンの三輪選手と、「昨年見ていて投球が上手いと思った」と評価する高田選手を指名

オリックス・バファローズ

松井徳成

いつでも全力を出せるよう練習してきた。チームを支えられるようオリックスの一員になりたい。

高川悠

(指名されたときは)夢のようでうれしかったが、同時に選ばれなかった人の分までがんばらなければいけないという責任感が生まれた。

新人2選手を指名したバファローズ。継続契約の指宿選手は「取りたいと思っていた選手が来てくれてうれしい。優勝が狙えるメンバー」と総括

北海道日本ハムファイターズ

及川裕也

帰ってこられて安心した。(プロテストで敗れた相手の)相澤選手にはチームメイトだがリーグで圧倒的な成績を残して負けないようにしたい。

相澤一久也

去年は予備登録だったが、今年はユニフォームを着てプレイできるので精いっぱいがんばりたい。

12球団で唯一、昨年のプロと予備登録選手が揃う編成となったファイターズ。「作戦性も高く技術的に優れた選手を指名させていただいた。すでに絆ある素晴らしいチーム」と岩本勉氏も太鼓判

福岡ソフトバンクホークス

平山大輝

ホークスは総合力が高く実力を出し切れれば優勝を狙える。素晴らしいチームに指名されてうれしい。

大石直弥

昨年2位ということでプレッシャーもあるが、いいチームに入れてうれしい。恥ずかしいプレイをしないようにしたい。

ドラフトについて継続契約の選手の2人は「経験や度胸ある点を評価した」(加賀谷選手)。「このメンバーで日本一を『奪Sh!』します」(三好選手)

埼玉西武ライオンズ

前田恭兵

涙が出るくらいうれしかった。今年こそ結果を出したい。

大上拓海

祈るような気持ちで待っていた。最後の最後で指名していただいてうれしい。

指名について継続契約の緒方選手は「ほぼ思い描いていたドラフトができた。このメンバーで今年も日本一を目指せる」と総括


28名のプレイヤーが新たな扉を開いた一方で、会場では目標を目の前にして無情にもその夢を絶たれたプレイヤーもいた。野球ファンと、そしてプロを目指したすべてのプレイヤーの思いを背負って今季のリーグに臨む48名。

今シーズンの彼らのプレイに注目していただきたい。

記者プロフィール
ハル飯田
関西を拠点に活動するフリーライター。コンシューマー機のeスポーツシーンを得意分野にしており、スポーツとゲームが好きすぎてスポーツゲーム「パワプロ」のプロリーグでは解説者も担当。

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