成長を続ける男、「ストV」トッププレイヤー“だいこく”に迫る【後編】

とつ(WPJ編集部)
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2017年振り返って。そして2018年へ向けて

――:今年一年を振り返って、今後もライバルだなと感じた選手はいましたか?

だいこく:
「Capcom Cup 2017」で優勝したMenaRD選手です。ここまで、一人の選手に対して対抗意識を燃やしたのは初めてだと思います。今までもライバルはいました。「お前には負けない」くらいの意識はありました。今回は「絶対にお前には負けないぞ」というくらいに本気です。相手は自分のことを認識していないと思いますが、絶対に負けたくありません。
 
 
――:日本人選手で、お互いにライバル意識を持っている人はいますか?

だいこく:
日本だと、「ウルトラストリートファイターIV」時代に教えてくれていた、コサク選手です。彼もライバルだと思ってくれていますし、自分も教えてもらっていた側だからこそ負けたくないなと思っています。2人で互いに高めていける良い関係です。
 
 
――:日本のプロ格闘ゲーマーに対してはどう思われていますか?

だいこく:
みなさん“師匠”です。ただし、今年ばかりは本気で狩りにいくつもりでいます。

それに、日本のプロ格闘ゲーマーのみなさんは、「早く俺たちを倒してみろ」って思っていると思うんです。去年は、もけ選手が日本のトップ層に切り込んだと思いますし、今年はだいこくが筆頭になって、昔から変わらぬ日本のトップ層に新しい風を吹き込んでやりたいです。
 
 
――:配信などでもよく聞かれていると思いますが、Trashbox選手はライバルではないのでしょうか?

だいこく:
ライバル、という感じではないですね。それこそ、Trashbox選手が無名のころからの知り合いで、ずっとがんばっているところを見ているので、一緒にがんばろうという気持ちです。

Trashbox選手が知らないことは教えてあげたいし、逆に自分が知らないことは教えてほしい。部活の先輩と後輩みたいな関係だと思っています。
 
 
――:よく一緒に練習する人や練習する場所はありますか?

だいこく:
一緒に練習するのは日本のプロ格闘ゲーマー全員。練習する場所は、e-sports SQUAREやSKYで練習しています。この2カ所以外は、都内で集まっています。ほぼ毎日、朝起きて東京に行って終電まで練習するという感じです。
 
 
――:オンラインで練習されているのだと思っていました。オンラインでは練習しないのですか?

だいこく:
今はオンラインではほとんどやらないですね。理由は、大会の環境とオンラインの環境があまりにも違う点にあります。その中でも一番大きな理由は、“ラグがある”ということ。

実際、オンラインの方が効率が良いと思うのですが、ラグがあるせいでちょっと厳しいかなと感じます。都内で集まる場所では、大会と同じような環境で練習できるようになっています。それくらい、大会に向けてほぼ一日、対戦漬けの生活を送っています。
 
 
――:そして個人での活動、特に配信について、お聞かせいただけますか?

だいこく:
簡単に自分の意見を発信できるので、配信自体はすごく好きなんです。そして、できることなら自分も視聴者も楽しめることをやりたいなと思っています。配信自体は気合を入れてやってます。楽しんでもらいたいし、自分のことを知ってもらいたいので。

また、配信に出るときも、相当気合を入れてますね。それこそ、お笑いとかいろいろ研究して(笑)、こうすると面白いだろうなとか考えて出ています。
 
 
――:メディアなどに出るときに、自分を意識して出ているということですね。まさしくプロですね。

だいこく:
日本の格闘ゲーマーは、そういうところに気を付けている人が少ないように思うんです。だからこそ自分が最初にやったら面白いし、みんなも取り入れてくれるんじゃないかな。そういった努力が実ったのか、最近では配信を見てくれる視聴者が増えてきて嬉しいです。
 
 
――:2017年の総括をお願いします。

だいこく:
2017年前半は本当にひどかったです。100点満点で言ったら、4点くらいしかつけられません。格闘ゲームに対する姿勢が間違っていました。体調管理もできていなかったし、練習も効率良くできていなかった。本当に良いところがなかったのですが、最後で修正できたので4点という感じです。

ですが、2017年の中盤はだいぶ盛り返しました。100点満点中60点くらいです。みなさんのおかげでがんばり方がわかったし、がんばったらどう結果に返ってくるかもわかった。一番つらくもありましたが、学びが多い時期でしたね。

2017年後半は、個人的には高評価です。100点満点中、80点をあげられます。去年、一年間を通してがんばってきたことが実った時期だったと思います。ときど選手やYHC-餅選手、sako選手も倒せたので。

結果が出せたからこそ、今までやってきたことが間違いではなかったと感じました。今年は、これが前半からできていれば、自分はもっと伸びると実感しています。
 
 
――:それでは、最後に2018年に向けての意気込みをお願いします。

だいこく:
2016年の自分は種を蒔いていました。
2017年の自分はその種が苗くらいになったと思うんです。
2018年はその苗を花にしたいなと思っています。

輝いて、自分のプレイで目立つ年にしたい。配信の自分はおちゃらけているけど、格ゲーだけはマジなんだぞっていうところを見せたいですね。
 
 


今年こそCapcom Cupに出場するため、これからも戦っていくことになる。今後のだいこく選手の戦いから目が離せない。だいこく選手の戦いはまだまだ続く——。

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記者プロフィール
とつ(WPJ編集部)
高校生の頃、FPSに魅了され、esportsシーンに興味を示し、現在はゲームを最大限に楽しむ集団「ゴジライン」でesports応援団長という雑な役職についている雑食ゲーマー。重度の動画勢で「より観戦を楽しむためにゲームを触る」を軸に、多くの読者にesportsの魅力をお届けするため日々奮闘中。得意ジャンルはFPSとMOBA。現在の悩みは社会人になってから16kg増えた体重と肌荒れ。

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