【独占取材】アジア競技大会に参加した日本代表クラロワプレイヤー“けんつめし”に密着、予選会場となる香港でその心境を訊いた【中編】

WPJ編集部
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クラロワの発展を願い海外選手とも交流

せわしい初日を終え、2日目の朝。慣れない土地で迎えた朝だが、けんつめしはリラックスしていた。翌日に控えた試合に向けて、彼はこの日をどのように過ごすのだろうか。

「重要なのはリラックスすることです。日中はゆっくり身体を休めて、クラロワを触って動画を撮るつもりです。本格的に調整するのは夜ですね。日々のルーティンを崩さず過ごします」――そう語ると、朝食を済ませ、早々に自分の部屋に戻っていった。異国の地で戦いを挑む彼だが、その姿は普段通り。そのブレない芯の強さこそがけんつめしの強みであり、魅力でもあろう。

その後、彼は同じホテルに宿泊している韓国代表のX-bow master選手の部屋を訪れた。言葉の壁が立ちはだかる海外選手とのコミュニケーションにも物怖じせず、コラボ動画を撮影し、選手間の交流を深めていった。

実際に撮影されたX-bow master選手とのコラボ動画。

以前、海外選手との交流について、彼はこんなことを話していた。

「海外選手とは以前からSNSでつながっていた。日本代表として、クラロワのプロ選手として、やはり海外選手との交流は自分の役目だと思っていますし、なにより交流しないのは“勿体ない”とも感じます。それにX-bow master選手は相手を煽り、日本での印象があまりよくない。でも本当はクラロワ好きのイイやつ。それを知らせてあげたかった」

初日(前編記事参照)でも語っていたように、けんつめしはプレイヤーとしてクラロワ界隈の発展をつねに考えている。海外選手は、同じゲームで凌ぎを削るライバルではあるが、同じゲームを愛するコミュニティの一員でもあるのだ。
 
 

「僕は“名誉”のために戦っている」

2017年7月、上海で開催されたクラロワのアジア大会Clash Asia Crown Cup 2017(以下、CACC 2017)の決勝戦にて、3位タイの成績を残しているけんつめし。今回はプロとして出場する海外大会だが、“プロ”に対する意識の重さについても聞いてみた。

「CACC 2017で3位だったとき、賞金について周囲から“羨ましい”と言われたけど、そうじゃない。僕はお金ではなくて、“名誉”のために戦っている。たとえ、ギリギリの生活になってもいいからプロになりたかった。それは実際にプロになってからも考えは同じですね」

そう、あくまでも彼の目標は“ゲームが上手いことが「素敵だね」と言われる世界”を作ることだ。そのためにも彼は、「誰もやっていないことに挑戦したい。そうすれば世間にもインパクトを与えて、もっとクラロワの知名度も拡がると思う」と言葉をつづけた。

ルール説明を受けるけんつめし。直前のルール発表であっても動じない。

時間は流れ、ルール説明のためにホテルのロビーへ。そこにはFAV gamingのユニフォームをまとい、試合を楽しみにするけんつめしの姿があった。ここで、改めて試合へ臨む心境を聞いた。

「楽しみですが、やはり緊張しますね。人生が変わる瞬間だと思います。ただ勝っても負けても良い方向に転がることは間違いない。“全力で挑む姿勢”を崩さずに、楽しんで後悔のないようにやっていきます

人生が変わる瞬間、そうした状況すら楽しむけんつめし。後悔しないよう、自分に胸を張って生きている。これまで2日間密着して、彼が輝いている理由がより一層わかった気がした。

そして、明日の意気込みについては「自分を信じて戦うのみです。やはり自分を鼓舞して戦うしかない。今回のチャンスは自分の目指すゴールへの近道だと思います。これからも自分の思う道を突き進むだけです。

それは暗く険しい道かもしれない。しかし、彼にはその道筋が明確にみえている。初日につづき、2日目も力強いコメントで締めくくってくれた。いよいよ翌日、戦いの火ぶたが切って落とされる。

彼の眼には試合しか映っていない。


 
香港に来て2日が経ち、改めて自分をみつめ直したけんつめし。自分の目指しているゴールや過程、そして戦いへの調整など数多くのことを今一度確認した。

“自分ができる最大限を後悔しないように尽くす”。言葉にするのは簡単だが、いざ実践となると壁も立ちはだかるだろう。それを理解しているからこそ、彼は2日目を調整にあてたのだ。ポジティブにすべての事象を受け止めるけんつめしが、試合でどう活躍したのか。そしてどのようなドラマが生まれたのか。次回の後編を楽しみにしていてほしい。

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