ウイイレプロMayageka ライバルSOFIAの引退に本音を語る【前編】

WPJ編集部

20年以上の歴史を誇るサッカーゲーム「ウイニングイレブン」(以下、ウイイレ)シリーズ。

UEFA Champions League公式のesports世界選手権「PESリーグ」の開催や、アジア競技大会ジャカルタ大会の公開種目に採用されるなど、esportsシーンで存在感を増している。

アジア競技大会では、杉村直紀(SOFIA)選手と相原翼(レバ)選手が金メダルを獲得し注目を集めたが、彼らを抑えNo1プレイヤーとして名高い選手がMayageka選手だ。

今回のインタビューでは、社会人とプロゲーマーを両立しながら、大会で結果を出し続ける彼のライフスタイルや人間性を掘り下げていく。

■Mayageka

東京都出身。小学生でウイイレに出会い、毎作プレイするように。国内外問わず多数の大会に出場し、結果を出し続ける、ウイイレのesportsシーンを牽引する。

Twitter:@mayageka1993

YouTube:まやげか

■大会実績(一部)

  • e-SPORTS イノフェスCUP Powered by Zoff 優勝
  • PES LEAGUE WORLD TOUR 2018 ASIA ROUND 3位
  • RAGE vol.4 ウイニングイレブン 2017 GRAND FINALS 優勝
  • PES LEAGUE 2017 アジア地域決勝大会 優勝
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課題設定の縛りプレイが結果を残す秘訣

――高校生まで実際のサッカーを経験されていたそうですね。ウイイレはその頃からプレイしていたのでしょうか。

Mayageka:
ウイイレはもう小学生の頃に始めて、中学、高校に進んでも部活の仲間と遊んでいました。

最初に触ったウイイレは、ゴン中山さんがパッケージだった6です。ちょうど日韓ワールドカップが開催された年でした。

――本物のサッカーをやっていたからこそ、ウイイレがうまくなった部分ってあるのでしょうか。

Mayageka:
昔のウイイレはサッカーとはまったく別物だったのでそれは感じなかったです。

ものすごい遠くからのシュートで得点できたり、キーパーが転んでゴールに入ったりと、システム的なバグがよくあったんですけど、ここ2~3年のウイイレはイレギュラーなことが起こりにくくなって、やっとサッカーをやってきた経験が活きてきている気がします。

――今はサッカーはやってるんですか?

Mayageka:
ほとんどやらなくなりましたね。

会社の人とフットサルをすることもあったんですけど、最近は本当に行かなくなりましたね。

――では、その分ウイイレの時間が増えたんですね。

Mayageka:
いや、プレイ時間はあんまり変わってない気がしますね。

新作が発売してすぐの時期は1日に4~5時間はやり込むんですけど、発売して1ヶ月くらい経ってくると、技術が身についてくるので1日1~2時間、まったくやらない日もたまにあるくらいです。毎日やるようには意識していますけど。

あとは、大会が近づいてくるとまたプレイ時間を増やしています。

――その練習量って多い方なんですかね?

Mayageka:
たいぶ少ないんじゃないですかね?

練習時間は短いけど、質の良い練習をしているんだと思います。

ただダラダラ5時間やっても意味がなくて、限られた時間で効果的にうまくならないといけないので、なるべく無駄なことはやらないようにしています。

――質の良い練習ってすごく気になります。

Mayageka:
試合ごとに課題を設定してプレイして、あとで見返すということをよくやっています。

試合中はベストだと思った動きが、いざ見返してみると「なんでその選択をしたんだ?」って思うことが結構あります。

そういった判断の精度を上げていくとうまくなると思っています。

――他の人のプレイを参考にすることは?

Mayageka:
もちろんあります。何かヒントが転がっていないか、よく観るようにしています。

自分より上手くない人の試合だとしても、1試合に1回か2回くらいはすごいプレイがあるんですよね。そういったプレイを自分のものにできないかと考えて観ています。

あとは、リアルサッカーを観ることも、今のウイイレでは大事なことですね。

――現実のサッカー観戦から得られるものがある?

Mayageka:
これが結構あんですよ。

こういうパス回しをすれば相手のプレスをはがせる、とかが見つかったりして。

サッカーを観るアングルとウイイレのプレイ画面ってほぼ一緒なので、すごく勉強になりますね。

年次更新でもプレイスタイルを変えない

――ウイイレって毎年新作が発売されていますよね。先日もウイイレ2019が発売されました。新作と旧作で挙動が異なることってあるかと思うのですが、それに対応するのは大変ではないですか?

Mayageka:
自分も含め、どのプレイヤーもそこの問題にぶつかりますね。

新作がでたら、まずどこから蹴ったらゴールに入りやすいかっていうのを探していくんですけど、そのポイントは作品ごとにぜんぜん違うんですよ。

あとは、自分が操作していない選手がどう動いているのかを観察する作業もすごく大事です。

――そういった状況の中で他の選手より上にいくために意識していることは?

Mayageka:
他のプレイヤーは、攻めも守りも作品ごとに強い行動を探していく感じなので、戦い方が変わってくるんですね。

ですが、自分の場合はあんまり変えない。

サッカーゲームというのはこういう風にやるんだという技術的なところを伸ばしている気持ちでやっているので、作品が変わっての対応は得意な方です。

――つまり、軸となるテクニックがしっかりしているから、新作でも強いと。

Mayageka:
そうですね。世界的にも戦い方が変わる人が多いですが、自分は作品によっての変化があまりないプレイヤーだと思います。

――あと、作品ごとで選手の能力が変わりますよね。使用するチームの選び方は変わるものですか?

Mayageka:
2018では背の高い選手が強いけど、2019ではそこまででもない、みたいな違いがあって、そういったところで勝てるチームを選びますね。

――ということは、大会では各選手の使用チームが被ることはよくあるんじゃないですか?

Mayageka:
それはありますよ。去年の世界大会では、8人中7人が同じチームでしたし、参加した16人全員が同じチームだったこともあります。

――普段、練習する時間帯は?

Mayageka:そうですね。夜中か、朝早く起きて仕事に行く前にやりますね。

朝の方が、サーバーが空いているので、快適にプレイできて楽しいんですよ。19:00から22:00くらいまでのゴールデンタイムは、重たくてできないですね。

その中でオンライン予選を戦う必要があるのは辛いところではあります。

オフラインでやる大会は、放送用に映像を分配しているからか、入力遅延を感じることはありますが、オンラインのような嫌な重さはないです。

――1日に多くて4~5時間、少ないときは1時間くらい。他の選手と比べて少なめとはいえ、仕事と練習を両立するのは大変なのでは?

Mayageka:
体力的にきついと感じることはあるんですけど、今はこのバランスで結果が出ているのでいいのかなと思います。練習時間は多いに越したことはないですが、少ない時間のなかでやりくるする術を覚えたので。

以前はとにかくやり込むことが練習だと思いこんでいたんですけど、練習できる時間が少なくなったことで集中してやろうという気持ちがでてきたのがよかったのかな。

今も時間があったらダラダラやってしまう。それができない環境にいるのが、いまの自分に合っているんだと思います。

普段は、仕事が終わって早ければ6時には家に着くんですけど、その時間は回線が重い時間帯。なので、先にご飯を食べて、やること全部済ませてからちょっと寝て、3:00くらいに起きてプレイすることが多いです。

――それはそれで体力的にきつそうな生活ですけど。

Mayageka:
なんかもう体が慣れてきていますね。

海外サッカーを観るために変な時間に起きることが多かったので、生活リズムはもともと良くはないです(笑)。

スポーツはリアルタイムでないと観たくないんで。

あと、PESリーグのオンライン予選は、期間中に行った試合の中で、連続する25試合でいちばん良い成績で決まります。

時間に余裕のある人だったら50試合くらいはやっていると思うんですけど、自分は35試合くらいが限界。そこでいかに集中していい成績を残せるかですね。

相手側の通信環境によっても戦いやすさが変わってくるので、運に左右される部分もあります。

予選さえ突破してしまえば、オフラインだったら自分は負けないですよ。

――観客がいる中でプレイするのは緊張するのでは?

Mayageka:
自分は緊張はしないです。対戦相手が勝手に僕のことをリスペクトして緊張しているのは伝わってきますね。

最初に参加した大会がRed Bull 5Gでかなり大きな大会だったんですけど、それはもうめちゃくちゃ緊張して負けるということがありました。今はもう慣れた感じがします。


後編では、先日引退を表明したSOFIA選手の話題から自身のキャリアについて聞いてみた。トッププレイヤーとして世界で戦う彼なりのウイイレ観戦の魅力など、ファンにこそ読んでもらいたいトークをお届けする。

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(C) 2018 Konami Digital Entertainment
写真・大塚まり

記者プロフィール
WPJ編集部
「ゲームプレイに対する肯定を」「ゲーム観戦に熱狂を」「ゲームに、もっと市民権を」
このゲームを続けてよかった!と本気で思う人が一人でも多く生まれるように。
ゲームが生み出す熱量を、サッカー、野球と同じようにメジャースポーツ同様に世の中へもっと広めたい。
本気で毎日そのことを考えている会社の編集部。

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