クラロワリーグを優勝した「PONOS Sports」 みかん坊やが考えるチーム論 【後編】

WPJ編集部
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優勝を収めたプロリーグを振り返る

——:プロになるにあたって、地元でやっていた仕事をやめて東京に出てきたのでしょうか。

みかん坊や:
当時は父親の仕事を手伝ってました。自営業だったこともあり融通は利いたので、すんなり「人に迷惑かけないのなら好きにしなさい」と言ってもらって、東京に出てきました。父親はクラロワリーグを見ているわけではないので、特に何をやっているかわかってないと思いますが(笑)。

——:それは少し寂しいですね……。他にプロになってから変わったことはありましたか。

みかん坊や:
これまでは個人がそれぞれ戦う競技だと思っていましたが、プロになってからは2on2や、チーム同士で戦う機会が増えてきて、もっと勝たないといけないって意識が生まれましたね。みんなを引っ張っていく責任感が強くなったと思います。

——:これまでの試合で一番辛かった試合はどれでしょうか。

みかん坊や:
「SANDBOX」のSinchu選手との試合ですかね。あのとき実は喉を痛めていて、話すのも辛いくらいでした。セット3になったとき、次に誰が行くかを3分間で決めなくちゃいけなくなり、嫌な予感がしたので、僕以外が良いという話をしました。でも結局僕が行くことになり負けてしまうという。自分の体調管理のせいではありますが、あの試合が一番辛い試合でしたね。

——:逆にベストバウトはどの試合でしょうか。

みかん坊や:
全部の試合に全力なのでコレっていうのはありませんが、強いて言うなら韓国で一番強いと言われるX-bow master選手とセット3で戦った試合が、見ている人にとっても一番熱い試合だったのではないでしょうか。

みかん坊や VS X-bow masterの試合

——:シーズン1のクラロワリーグ印象的だったのが、最後のGameWith戦でセット3の状態でフチ選手を出した場面でした。あれは何か意図があったのでしょうか。

みかん坊や:
いつもは僕が大事な場面に出ることが多いのですが、そのときだけはどうしてもフチ選手に勝ってほしくて。「ここで決めてきて欲しい!」って感じで送り出しました。

——:それでフチ選手が勝って優勝を決めるっていう。素晴らしい展開でしたね。

みかん坊や:
「やっと勝ったか!」って感じでした。それでMVPをもらってずるいですよね(笑)。あのホグライダーは僕のものですよ!

——:アジア以外にも、アメリカで行われているリーグの試合とかも確認されているのでしょうか。

みかん坊や:
けっこう、見てますね。プレイの腕についてはやってみないとわからないところですけど、いい勝負ができるのではないかと思います。普段から練習は他のチームよりもやっている自信がありますから。

——:実際に前回しっかりと結果が出たというのも自信の要因になっていると思います。

みかん坊や:
リーグのシーズンは1位になれませんでしたが、そこからワイルドカード、プレーオフと、やった分だけしっかり成果が出ているので、間違いはなかったなと思っています。

——:個人的にプロになって欲しい選手はいますか?

みかん坊や:
自分は割と変わった考え方をしています。それまでの実績とかはあったとしても、プロになったときのスタートラインは同じだと思います。そこからやる気であったり向上心であったり、そういう気持ちがある人が勝てる人だと考えています。だから、この人っていうよりも、プロになって勝ちたいと考えている人がプロになって欲しいですね。

「PONOS Sports」メンバーで勝ちたいという想い

——:以前から、チームで勝利することに重きを置いているとおっしゃっていますが、そこで重要視していることはありますか。

みかん坊や:
例を出すと、日本対韓国のプレーオフで「KING-ZONE DragonX」と「PONOS Sports」が戦った試合です。僕たちのチームはみんなで勝っていましたが、向こうのチームはX-bow master選手しか勝ってない状態でした。そのときに1人じゃなくてチームの総合力が強い方が良いと思うようになり、みんなで勝てるチームになろうと思いました。

——:そのために心がけていることはありますか。

みかん坊や:
みんなの苦手なところをなくしていこうと活動しています。それぞれにやられたら嫌なことがあるので、チームでそれを指摘し合って弱点を減らしていくように練習していますね。

——:チーム内で意見がぶつかったりすることもあるのでしょうか。

みかん坊や:
練習と私生活は完全に切り離していて、特に2対2のときは味方のペア同士で意見を言い合ったりします。
「クラロワ」は答えが1つではないので、こうした方がいいという意見がぶつかって、ケンカというほどではないですが強く言い合うことはありますね。でも、練習が終わった後は普通に仲良くしてます(笑)。

——:他のチームにはない「PONOS Sports」らしい部分はどこなのでしょうか。

みかん坊や:
普段の仲の良さですかね(笑)。他のチームは学生だったり社会人だったりするメンバーが居たりしますが、僕たちはPONOSに社員として入っているので、今まで4人で過ごした時間がどのチームよりも多いはず!

——:選手兼監督と専任監督はどちらの方が良いと考えていますか?

みかん坊や:
大きな差はないです。ただ、試合中にすぐ話したりできることを考えると、選手兼監督の方がいいのかも。監督は「クラロワ」のことをわかっている人がやる方がいいのはもちろんですが、その人が監督だけというのはもったいない気がしますね。

——:デッキ作成タイムや試合後などでは大きな影響が出そうですよね。

みかん坊や:
かもしれませんね。でも、僕が普段考えないといいますか、周りのみんなは「このときはこうする」とか考えていますが、僕はめんどうに感じてしまってパッとその場で考えてしまいます(笑)。僕は1人だろうが2人だろうが関係ないという感じですが、やはり助言が刺さっているときはあるので、もう1人増えたらいいこともあるかなと思いますね。

——:その場で考えるというのは独特な戦い方ですよね。

みかん坊や:
得意なデッキがある人は、それがBANされやすいので対策を考えたりとかはありますが、僕は割とオールラウンダーなので、なにがBANされるのか予想ができません。なので、その場の状況に合わせて考えたデッキ作成をしているということです。

——:チームのメンバーをそれぞれ選んだ理由はあるのでしょうか。

みかん坊や:
まず、フチ選手は特別選手として僕と同じく決まっていました。
そこで「あと2人どうしようか」とフチ選手と、そしてチームのオーナー達と話していて、まずはプロ選考会に来ている人に片っ端から声を掛ける作戦に出ました。
しかし、みんな仕事や場所の関係で断られてしまって。

——:そこで天GOD選手とライキジョーンズ選手が登場するんですね。

みかん坊や:
そのときに、プロに向いてる人を探そうという案が社内で出て、そこで多くの選手の名前が出ました。その中で承諾してもらえたのが天GOD選手とライキジョーンズ選手の2人だったのです。
特にライキジョーンズ選手はすごいやる気があって、初めて会ったときから「これはプロに向いてるな」と感じました。 

——:ライキジョーンズ選手は周りから見ていて特に上達を感じますよね。

みかん坊や:
4月と7月を比べて、プレイヤーの中で一番実力が伸びたのがライキジョーンズ選手だと思っています。彼はやる気と向上心が他の選手に比べてすごく強いです。

——オフラインが苦手という意識はありつつも、みかん坊や選手はプロリーグでは1回しか負けてないですよね。これは以前よりも成長したということでしょうか。

みかん坊や:
やっぱり絶対に勝たないといけないという意識を持つようになったからですかね。

——:最後に今後の活動について展望をお聞きしたいです。

みかん坊や:
正直、試合のことしか今は頭にないですね。シーズン2の準備に集中しています。

——:シーズン2の自信のほどはいかがでしょうか。また、それに向けた抱負を聞かせてください。

みかん坊や:勝ちます。いや、もう勝てますね。また優勝をして2連覇を果たして、世界大会を目指してがんばっていきたいと思っています。


クラロワへの熱い思いがチームを、そしてみかん坊や選手自身も強くしているのだ。その熱意は留まることを知らない。
そしてその熱意は既に開幕しているクラロワリーグ アジア シーズン2に注ぎ込まれている。今シーズンの「PONOS Sports」も優勝への意気込みは十分だ。
新たにRolaporon選手を加え、更にチーム力を強化した「PONOS Sports」がこれからどのような戦いを見せてくれるのか。
そして、みかん坊や選手自身も監督として選手として、これからどれだけ飛躍していくのかに注目していきたい。

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写真・大塚まり 

記者プロフィール
WPJ編集部
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