あめみやたいようはやっぱりテトリスの神だったという話

Mako(WPJ編集部)

【この記事は約7分で読めます】

テトリスの神――。

そう呼ばれるのも大げさではない。

「ぷよぷよ」のプロライセンス所持プレイヤーでありながら、テトリス99の連勝企画で注目を集めるあめみやたいよう選手のプレイを見れば、疑いの目を向けることはないはずだ。

「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」でもVIPマッチで勝ちまくり、おまけに将棋アマ4段。

テトリスだけでなく、ゲームの神にもなれそうなポテンシャルを持つ彼の素性を、前後編の2回にわたるインタビューを通して紐解いていく。

テトリスの暴力的な上手さでライブ禁止に?

――「ぷよぷよ」のプロライセンスを持っていて、TETRIS 99の配信では連勝企画でバズる。過去には将棋で1年間でアマ4段に到達したこともあったそうですが、ゲームをやり始めたら割とすんなり上級者になるタイプですよね?

あめみやたいよう:
そうなんですよ。

――初めてプレイしたゲームでもそうでした?

あめみやたいよう:
最初にやったゲームはNINTENDO64の「大乱闘スマッシュブラザーズ」(以下、スマブラ)なんですけど、ゲームをやり始めたころは特別上手いわけではなかったですね。

スマブラをいまも続けていて、スマブラSPも結構上手い方だと思いますよ。VIPマッチ(※)の勝率が9割を超えているので。

※VIPマッチ:スマブラSPでのレート「世界戦闘力」が高いプレイヤー限定のマッチング

――ぷよぷよとテトリスに出会ったのはいつ頃でしょう?

あめみやたいよう:
4、5年くらい前です。ぷよぷよとテトリスがコラボした「ぷよぷよテトリス」というタイトルで始めて、両方とも面白くてハマって。

プレイを続けて自分の実力もついてきたところで、大会にも参加してみました。当時は大会というより交流会みたいな雰囲気だったのですが、初めて参加したときに準優勝できて、自信がついてどんどん参加するようになりました。

――どっちかというとテトリスの方が得意だとお聞きしました。

あめみやたいよう:
そうですね。

25秒毎にぷよぷよとテトリスが入れ替わるスワップというルールがあるんですけど、始めた当初はぷよぷよの方が苦手でした。

苦手だったからこそがんばって練習して上手くなっていったところはあります。そのおかげで、いまではそのスワップルールでは世界一なんで。

――ぷよぷよ以外でオフラインの大会に出ようとは思わないですか? それこそスマブラとか。

あめみやたいよう:
機会があれば行ってはみたいです。

この前開催された「ウメブラSP3」とかも配信をずっと見てましたし、同接視聴者数が8,000人くらいいてすごかったです。スマブラはめちゃくちゃ盛り上がってますよね。

――配信の視聴者数といえば、あめみや選手のテトリス99の配信はかなり話題になりましたね。

あめみやたいよう:
テトリス99の企画がきっかけで、視聴者数も伸びましたし、Twitterのフォロワーもめちゃくちゃ増えました。

99人で戦うゲーム性の中で連勝していけば面白いだろうなと思って始めたんです。

――99人から最後の1人に残らないと勝てないというゲーム性で連勝するというのはかなりインパクトがあります。

あめみやたいよう:
テトリス自体はもともと得意だったので、あとは戦略だけだと。

ぷよぷよテトリスで鍛えた技術は受け継がれていて、これはいけると思ったんです。

――YouTubeから「暴力的または衝撃的なコンテンツ」と認識されて一時は生放送ができなかったこともありましたが、あれって結局何かの手違いだったんですか?

あめみやたいよう:
そう書いてあったので最初は本当にそう判断されたのかもしれないです(笑)。

6日間くらい生放送ができなくて正直困りましたけど、あれはあれでネタになったのでいいかなと。その期間は動画のアップロードだけはできたので、ライブ配信ではなく動画で公開していました。

結局は手違いだったようでまたライブ配信ができるようになってよかったです。

異名「神」のルーツ

――今となってはぷよぷよとテトリスの両方でかなりの腕前を持っているわけですけど、両タイトルで求められるスキルに違いはありますか?

あめみやたいよう:
ぷよぷよの方が相手の盤面を見る頻度が圧倒的に多いですね。

相手に先に本線を打たせたほうが有利になるなど、ただ連鎖を組んでいるだけじゃないところがかなり奥が深くて、瞬発力も求められます。

――「テトリスの神」と呼ばれていることで知られていますが、どういった経緯で?

あめみやたいよう:
ぷよぷよテトリスのSwitch版の発売前に行われた「発売決定記念カップ」に参加した際に、「2年で神になった男」と紹介されたのがきっかけだと思います。

ただ、その前から配信を見てくれていた視聴者から「神」と言われることはありましたね。

――ぷよぷよ、テトリスの他にも「ZOOKEEPER」も上手いらしいですね。

あめみやたいよう:
最初に触れたパズルゲームがZOOKEEPERでした。

「対戦☆ZOOKEEPER」という対戦要素のあるゲームで、レートランキングでトップでしたね。

――ZOOKEEPERでも全1だったんですね……。

あめみやたいよう:
やり込むとトップになれちゃうんですよね。

1つのタイトルをやりだすと、そればかり集中してプレイするタイプです。いろいろなタイトルに手を出し始めちゃうと、中途半端になっちゃうので。

神の目が対戦相手の画面を見渡す

――今はテトリス99を集中的にプレイしている?

あめみやたいよう:
基本的にはテトリス99をプレイしています。

ただ、配信外ではぷよぷよももちろんやっていますよ。

――テトリス99で大会が開かれたら面白そうですよね。

あめみやたいよう:
そうなんですよね。開催されないかなーと期待してるところです。

ゲーム内でテト1(※)になるとマイニンテンドーのゴールドポイントが抽選でもらえるイベントが開催されたんですけど、これまで2回行われていて2回とも当選しました。

こういうイベントがあるのはモチベーションにもつながるのでうれしいですよね。

※テト1:テトリス99で最後の1人になって勝利すること

――プレイ中はどこを意識して見ているのでしょうか?

あめみやたいよう:
やっぱりネクスト(※)、ネクネクは常に見ているのと、相手画面を見て判断を変えていかなければいけないのでそっちにも目を配ります。

これはぷよぷよでもそうですし、テトリス99でも対戦相手の98人を見なきゃいけない。

※ネクスト:ぷよぷよやテトリスにおいて、次に降ってくるもの。ネクネクはネクストのさらに次を指す

――98人の画面を見るんですか?!

あめみやたいよう:
もちろん全部をしっかり見ることはできないですけど、「この人つらそうだな」って思ったらそこを狙いにいったり。

99人同時対戦なのでどうしても運が絡んでくるんですけど、運を排除して勝つ確率を上げるためには、そういう判断が求められます。

これができなきゃそもそも連勝なんてできないですから。勝率でいうと92%以上は勝てていますね。

――最後の1人にならないと勝てないのに92%とは……。どのゲームでもあっという間に上達していってしまうみたいですけど、感覚的には気づいたら上手くなってたみたいな感じなんですか?

あめみやたいよう:
いや、1つずつ上手くなっている感じはあります。

スマブラがわかりやすいんですけど、コンボを覚えたりキャラの対策がわかってきたりすると、上達した感じがしますね。ぷよぷよやテトリスも同じで、できることが増えたりすると上達を感じられます。


本人はさらっと答えていたが、テトリス99において多数の対戦相手の状況を把握するのは容易なことではない。

連勝するだけでも至難の技なのだが、彼のすごいところはそれと同時に配信に寄せられるコメントを拾って喋るという芸当までやってのける。

後編では、その配信の環境やプレイヤー間の交流関係にも踏み込んでいく。

写真・BUN

【あわせて読みたい関連記事】

「テトリス99で99連勝」ぷよぷよプロあめみやたいようの野望

テトリスの神もいれば大物ゲーム実況者もいるぷよぷよのプロの世界。しかし、あめみや選手いわく、プロ以外にもとんでもなく上手い人がいるという。

記者プロフィール
Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

注目記事

新着記事