レッドブル・アスリートけんつめしの素性を振り返る

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「クラッシュ・ロワイヤル」(以下、クラロワ)のプロプレイヤーであるけんつめし選手が、2019年の年明け早々、Red Bull Athlete(以下、レッドブル・アスリート)として活動していくことを発表。
コラム「けんつがゆく」にてすでに意気込みを語ってもらっているが、発表から1ヵ月と少し経たったところで、改めて詳しく心境を聞いてきた。
レッドブルが惚れた素のけんつめし
――2019年元日のライブ配信でレッドブル・アスリートについて発表されました。そこでの視聴者やけんつめし選手のファンの中にはレッドブル・アスリートというものを知らない人もいたかと思います。けんつめし選手自身は知っていましたか?
けんつめし:
一応、知ってはいました。同じくレッドブル・アスリートで「鉄拳」の女性プレイヤーのたぬかなさんとイベントで共演したことがあって、そこで知りました。
それ以前にも、テレビやネットでレッドブルのロゴが入ったウェアを着ているアスリートの方たちを見たことはあったんですが、自分も同じようになるとは思わなかったですね。
――最初にオファーを聞いたときはどう思いました?
けんつめし:
レッドブルの方とお会いすることになったときに、僕のどういうところを見てもらおうか考えました。就活の面接みたいに、僕がどんな人物なのかを見られるわけじゃないですか。
でも、どういうところをどういう観点で見るのか、考えてもわからないので、もう素の自分を見てもらおうと。それで、僕がふさわしいなら一緒にやっていきたいと考えていました。
スマホゲームのプレイヤーでは世界初ということで、伸び代に期待されているのかなと思います。
――素の自分というのは、ご自身ではどんな人物だと分析していますか?
けんつめし:
プロのクラロワプレイヤーとして、やはり強さが求められていると思うんですけど、他にも強いプレイヤーは存在していて、その中で一番強いというわけではないと思っています。結果を残している部分も確かにありますけど、人前で喋るのが好きで自分の武器だと考えています。新聞やテレビなど、メディアにも取り上げられる機会は他のプロよりも多いと思います。
その宣伝力みたいなものは自分の強みですかね。それでいて、ここぞというときは実力を発揮するところは大事にしていることです。
レッドブルきっかけでけんつを知る?
――年越しライブ配信で初めて発表して、加入ムービーを公開されました。コメント欄は驚きや応援の声が多数ですね。
けんつめし:
当然かもしれませんが、やっぱりレッドブル・アスリートについて知らなかった人が多かったんじゃないかと思います。格ゲーファンだったら目にする機会があると思いますが、クラロワファンにはあまり馴染みがなかったんでしょうね。
「レッドブル飲み放題ってこと?」とかいろいろコメントをもらいましたが、とりあえずすげーってことは伝わった気がします。日本ではウメハラさんとかがレッドブル・アスリートになっていて、格闘ゲームの人には馴染みがあるじゃないですか。そういったクラロワ以外のところにいる人に知ってもらえる新しいステップに進んだ気がします。
あとは、成人式で地元に帰ったときに同級生みんなが、僕がレッドブル・アスリートになったことを知ってたのは驚きました。クラロワのプロになってたことも知らない人が多かったんですけど……。
――ゲームは知らなくてもレッドブルは知っているという人は多いでしょうね。
けんつめし:
「レッドブル好きだから、マジがんばってよ。」みたいな感じでみんな言ってくれてうれしかったですね。今までそんなことなかったので。親も、テレビのCMなどでレッドブルのことは知っていたみたいで、自分たちが知っている企業が僕をサポートするなんて思わなかったって言われましたね。そのくらいレッドブルがいろいろな人に知られているんだと、改めて認識できました。
なので、プレッシャーというか、今まで以上にがんばらなきゃいけない気持ちはあります。家族や地元の友だちに僕は東京でがんばっていることが伝わったのはすごくうれしいです。
――モバイル向けゲームタイトルでは初のレッドブル・アスリートで期待されているということもあり、プレッシャーに感じるのも無理はないと思います。
けんつめし:
まだレッドブル・アスリートになってから日が浅いですけど、これからどうがんばっていこうとかを相談できていっしょにやっていけるのがレッドブルだと思っているので、あまり気負いすぎるのも良くないですね。
レッドブル・アスリートにはeスポーツ以外にもいろいろな競技で活躍している人たちがいっぱいいるので、その姿を見て学んでいければいいな。
――モータースポーツだったりアイススケートだったり、さまざまな競技でレッドブル・アスリートが活躍していますよね。他のレッドブル・アスリートの方と交流する機会はありましたか?
けんつめし:
「Red Bull Athlete Summit」というレッドブル・アスリートが集まって親睦を深める場がありました。eスポーツのアスリートは自分だけだったんですけど、他の競技のアスリートたちも「クラロワってどんなゲームなの?」みたいな話をしたりして、みんながお互いに興味津々ですごく楽しかった。自分より若い人もいて刺激を受ける部分もあったし、普通ならなかなか体験できない時間を過ごせました。
それを機にInstagramとかのSNSでつながって、アップされてる動画を見ると、会ったときは気軽に喋ってた人たちがすごい動きをするんですよ。体を使うスポーツの派手さというか、かっこよさを感じましたね。
もしかしたら、僕たちゲーム側もすげーなと思ってもらえてるのかもしれないですね。そう思ってもらえるように頑張るのも目標です。
水谷隼とのプライベート飲みで刺激を受ける
――他のアスリートとの交流といえば、卓球の水谷隼選手とサシ飲みしてましたよね?
水谷隼選手とサシ飲み。
アスリートとして学ぶことが多かった…
リーグまでに絞ろう。
クラロワフレバト楽しかった😂
貴重なお時間ありがとうございました😊 pic.twitter.com/Jfadi34OTh— けんつめし/Red Bull (@Kent_Golemeshi) February 6, 2019
けんつめし:
そうなんですよ。TwitterのDMでやりとりしていくことになりました。
若い頃から世界で戦っている人なので、メンタルの保ち方とか、もし水谷選手がクラロワのプロになったらどうなるんだろうとか、いろいろな話をしてくれました。
――水谷選手はかなりクラロワをやり込んでるらしいですね。
けんつめし:
クラロワの話もいろいろとしました。というかその場でフレバトもやりました。最多トロフィーも5,800ぐらいいってて、めちゃくちゃやりこんでるんですよ。やっぱり勝負の世界に生きる人だから対戦ゲームも強いんでしょうか(笑)。
それでも、テレビでしか見たことなかった人と話したり一緒にクラロワをやったりすると、やっぱり同じ人間なんだな―って思いましたね。雲の上というかなんとかく違う世界にいる人のような気がしていたので。すごく刺激的な話が時間を過ごせました。
2018年にクラロワリーグでの活躍をはじめ、さまざまな飛躍を遂げたけんつめし選手だが、レッドブルの後押しを受け、今年はさらなる挑戦が続く1年となりそうだ。
インタビュー後編では、そんな2019年早々に彼が訪れた世界大会「Red Bull M.E.O. by ESL」についての話題に。初めて降り立ったドイツの地には、予想外の洗礼が待っていたという。
写真・大塚まり
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