圧倒的勝率のKKでもP.E.K.K.Aを出す位置を知らなかった!?

Mako(WPJ編集部)

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■前編記事

「世界一になれるものを見つけたかった」クラロワに出会って変わったKKの人生

1v1全勝への確かな手応えアリ

――「クラロワリーグ アジア2019」シーズン1は初戦のDetonatioN Gaming戦のKING OF THE HILL(以下、KOH)で3連勝する好スタートを切りました。その後も1v1で勝ち星を重ねましたが、昨年よりも実力がついている感覚はありますか?

KK:
それは感じますね。

今年は、他のチームも含めて、1v1のレベルがとても高くなったと言われているんですよ。その中でも高い勝率を残せたのは自信につながったんですけど、自分としては全勝したかったので……。そこが達成できてはいないので、まだまだですね。

――全勝ってできるものなんですか?

KK:
すべてのGameで勝つのではなくて、BO3の勝敗での全勝なので、いけるかとは思います。

シーズン1でも、初戦の1v1で負けた以外は1v1で全勝してるので。初戦で勝てていれば全勝という目標が達成できたんですけど、ちょっと詰めが甘かったところがありましたね。

――全勝するためには、他チームのエース級の選手との対戦が大きな壁になるかと思います。今のプロ選手の中で警戒すべき選手は誰になりますか?

KK:
今のところは、KING-ZONE DragonXにシーズン1の途中から加入したKZ LINE選手ですね。

個人的に昔から知っていた選手なんですが、強いなと改めて感じました。クラロワリーグの試合では、まだ対戦していないので未知数ですが。

――日本のプレイヤーで1v1で強い選手は誰かと聞かれると、KK選手の名前が挙がることが多いと思います。

KK:
うーん、個人的には他にも強い選手は多いと思いますよ。よく一緒にクラロワをプレイすることがあるライキジョーンズ選手も上位3人くらいに入ってくると思いますし。

――ライキジョーンズ選手といえば、プレイオフのファイナル、KOHで当たり優勝を決められた相手でもあります。あの試合はやはり悔しさが残る試合だったのでは?

KK:
あの試合はもうちょっと落ち着いていれば勝てた試合だったと思います。

昨年から変わってない自分の課題なんですけど、1日に何試合もすると集中力が切れてしまいます。やっぱり疲れは出てしまうんですよね。

それが表れてしまった試合でした。

――KK選手はKOHの3番手だったので、自分が負けてしまうとチームの優勝もなくなってしまう場面でもありました。相当なプレッシャーを感じたのではないですか?

KK:
最後のSetまで自分でつないだということもあって、プレッシャーは特になかったですね。

ただ、勝ったら気持ちいいだろうなとは思いました(笑)。勝った後のことを考えて、もうちょっとがんばろうという気持ちで臨みました。

――RAD選手、ライキジョーンズ選手、みかん坊や選手というそうそうたるプレイヤーを相手に3連勝はならずと……。

KK:
PONOSには昨年も決勝の舞台で負けているので、絶対に負けたくなかったんです。とにかく勝ちたい気持ちでいたんですけど、負けてしまいました。

未だに知らないことがあるほど奥が深いクラロワの世界

――みかん坊や選手とはSet2の1v1でも対戦しました。

KK:
やっぱり隙がない選手でしたね。常に最善手を打ってくるようなプレイで、本当に1秒も気が抜けない試合だったと今振り返ると思います。

――BANカードはメガガーゴイルを選択しましたが、これはどういった狙いだったのでしょうか?

KK:
みかん坊や選手が得意なバルーンデッキがメガガーゴイルに弱いんですね。

なので、バルーンデッキへの対策をした上であえてメガガーゴイルをBANすることで、どこかでバルーンデッキを引き出せたらなと思っていました。

でも、警戒されてバルーンデッキは使ってきませんでした。逆に自分が最初にバルーンデッキを使ったんですけど、それがうまく刺さりましたね。

――試合後は少しホッとしたような表情が印象的でした。

KK:
Set2でもし自分が負けていたら、相手が優勝へリーチをかけていたところなので、それを防いで後につなげたので……、実際ホッとしましたね。

――Set4のライキジョーンズ選手との試合では、相手のラムライダーが思いっきり刺さった瞬間がありました。あそこは見ていてヒヤッとしました。

KK:
あれはほとんど勝ちが確定の状況だったので気が抜けてしまった部分はあるんですけど、あそこでP.E.K.K.Aを出すべき正しい位置を知らなかったのが原因です。

まだまだ知らないことがあるんだなと、そこで学べたのでよかったということで……。

今考えればタワーの目の前とかに出しておけばよかったんですけど、まだまだ知らないことが多いです。

――プロとして活躍するほどやりこんでいても、未だに新しい発見はあるものですか?

KK:
そうですね。

しょっちゅう新しい発見があるわけではないんですけど、細かいところで結構ありますね。

世界一の称号は手の届くところにある

――あと、今シーズンは試合がすべて韓国で行われましたが、そこでの苦労もあったのではないかと思いますがいかがでしょうか?

KK:
移動に関しては昨年の方が多かったので、そこまで苦ではなかったんですけど、食事がやっぱり慣れることができなかったですね。

ずっと日本に住んでいて日本食を食べて育ってきたので、ちょっと厳しかったかなと……。

試合のスケジュールは昨年に比べたらすごく良かったと思います。昨年は1日に2試合あったりして、さすがにしんどかった日もありました。

1週間練習をして、試合までの調整がしやすかったですね。

――全勝できなかったとはいえ、かなりの勝率でシーズン1を終えました。個人として、もしくはチームとして、調子の波はなかったですか?

KK:
個人的にはあまりなかったですね。全体的にいい結果を出せたので。

チームとしていけるなって感じたのは、Match 31で初めて自分が出なかったChaos Theory戦です。自分がいない状況の中、ストレートで勝つことができて、勢いづいた試合になりました。まさにターニングポイントだったと思います。

誰が出ているかに関わらず、強豪チーム相手に勝てたということも大きかったです。

――今後もクラロワリーグや先日行われたWorld Cyber Games(以下、WCG)のような世界大会に挑んでいくわけですが、プロゲーマーとして成し遂げたいことは?

KK:
自分ができることは、クラロワで世界一になること。それによって興味を持ってくれる人が増えて、eスポーツの発展につながると思うので、とにかく世界大会で優勝することが目標です。

――世界一、なれそうですか?

KK:
海外のプレイヤーと練習することがあるんですけど、たぶん今のままだと世界一にはなれないです。WCGでも感じましたが、1v1は他の地域にもっと上手いプレイヤーがいます。

でも、それは埋めることができる差だと感じているので、これからどうしていくかだと思います。時間はまだまだありますから。この記事を読んでくれている人には、世界一になるんで見ておいてくださいと伝えたいです。

WCGは地域対抗戦というちょっと変わった大会でしたが、チームとして世界大会で優勝します。そのためにも、次のシーズンに向けてクラロワをやっていこうと思います!


リーグにおける1v1の結果を見れば、彼の実力がアジアで屈指のものであることは明らかだ。しかし、世界のトッププレイヤーとの差も彼自身が事実として受け止めている。

それでもひたむきに世界一になると語る様子からは、確かな自信も感じられた。

来シーズンで目指すは全勝優勝。その準備は着実に進んでいる。

写真・大塚まり

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Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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