「デデデにハメられて……」うめきがデイジーを使い続けるワケ

Mako(WPJ編集部)

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■前編記事
「世界最強を決める地は日本」ウメブラ主催うめきの夢

ガチ勢との差を痛感し自宅で宅オフ開催

――ここからは、プレイヤーとしてのうめき選手についてお話できればと思います。スマブラとの出会いはいつ頃でしょうか?

うめき:
初めて触ったのは初代ですね。確か、発売日に買ってもらったはずです。

ゲームはもともと好きで、スーパーマリオシリーズやポケモンはもちろん、「ストリートファイターII」などの格ゲーもプレイしていました。いかに最初の1発を当てるか、みたいな読み合いの部分が特に好きだったんです。

で、いざスマブラが発売されたら、マリオやピカチュウなど、自分の好きなキャラが出ていて、それまでの格ゲーより自由度が高くてハマりました。友だち4人で対戦できるのもハマった理由として大きいと思います。

――オフラインの大会に行きだしたのは?

うめき:
近所のゲームショップで週末に大会があって、そこで出会った強い人に誘われたのがきっかけですね。

その人に教えてもらったコミュニティサイトを見てみたら、どうやらガチ勢が大会を開いているらしい、行ってみようって感じで参加したのが最初です。

初めて参加したときは、予選で総当たりのうち1回だけ勝ったけど他は全部負けて悔しかったんですね。どうしてこんなに強いのかと思ってたら、どうやら強い人たちは宅オフというのをやっているらしいと。

調べてみたら強い人達がオフラインで会ってスマブラをやってるということで「じゃあ俺もやろう」と考えて、自分の家で宅オフを募集しました。ネット上の会ったことない人を家に入れるのも抵抗がなかったんですよね。

使っているうちに好きになったデイジー

――うめき選手といえばデイジー使い、Wii Uまではデイジーカラーのピーチ使いとして有名ですが、スマブラを始めた頃からずっとピーチを使ってたんですか?

うめき:
いえ、最初はピカチュウを使ってて、そのうちピーチを使い始めました。

――デイジーカラーにしていたのは、もともとデイジーが好きだったから?

うめき:
それがそういうわけではなくて、自分がデイジーというキャラクターを知る前からデイジーのカラーにしていました。

デイジー自体はゲームボーイの「スーパーマリオランド」で初めて登場したんですけど、その頃は知らなかったです。最初はデイジーが好きだったというよりは、DXでピーチが使いたくてカラーを見たときに黄色が好きだったから使ってたという感じです。

その後キャラクターとしてもデイジーが好きになって、「マリオパーティー3」や「マリオテニス64」とかでもデイジーを使ってましたね。

――ピーチを使いたかったのはどういった理由で?

うめき:
下スマッシュがすごい強かったのと、女性キャラクターが好きで使いたかったからです(笑)。

どちらかというと、好きだから使いだしたというよりは、使っていたら好きになったパターンです。

――スマブラは参戦キャラクターが多いこともあってか、サブキャラを持つプレイヤーが結構いますよね? うめき選手はいかがでしょう?

うめき:
DX時代はピカチュウからピーチに変えた後はピーチ固定でしたね。

Xになってからも最初はピカチュウを使っていたんですけど、なかなか勝てなかったので、DXの頃のようにピーチを使いはじめました。

――そこからはピーチ一筋ということですね。

うめき:
そうですね。

一緒にスマブラをやってた友だちがデデデ大王(以下、デデデ)を使っていたんですけど、デデデとピーチの相性って結構悪くて……デデデのハメ技が入るキャラと入らないキャラがいるんですけどピーチは入ってしまうんです。しかも空中攻撃も相性が悪くて、ボコボコにされていて、「そんな弱いキャラじゃ勝てないよ」って言われたんですよ。

そこでカチンときちゃって、じゃあこのキャラで世界最強になってやるって思って。

今もその気持ちを忘れていないし、他のサブキャラを持ってしまうとピーチでは勝てなかったときの言い訳をしているようになっちゃうので、ピーチだけでやっています。今はSPでデイジーが参戦したのでデイジーを使ってますけど。

――デイジー参戦は嬉しかったんじゃないですか?

うめき:
自分のために参戦させてくれたとは思わないですけど、これはデイジーしかないでしょと思いましたね。参戦発表時も、いろいろな人から「おめでとう」と言われました。

「デイジーを使って世界の頂点に立つ」というのはプレイヤーとしての目標です。

多忙を極めてもストイックにスマブラを

――イベント運営に加えてプレイヤーとしても参加して、さらに仕事など普段の生活もあるでしょうから、かなり多忙なのではないですか?

うめき:
運営を始めた頃は、仕事をしながら飲食店でバイトもしていて、その上で大会の運営などもやっていたので、体力的には若かったからやれていた状態でした。睡眠時間も1日3時間くらいで。

――もともとゲーム好きでいろいろプレイしていたとお話されていましたが、今はやはりスマブラ以外はあまり触る時間はないですかね?

うめき:
スマブラをガチでやるようになってからは、他のゲームは全然やらなくなりましね。

単純に、他のゲームを1時間やれば、スマブラをやる時間が1時間削られることになるじゃないですか? なのでやっていないというだけです。

ただ、たまに他のゲームもやりますし、友だちと遊ぶときはマリオパーティーで遊んだりしますよ。

――基本的にはスマブラにコミットしているんですね。

うめき:
デイジーが難しいキャラなので。

下必殺技のカブや浮遊という特徴的なシステムがあるので、他のことに時間を割いていると、自分がやりたい動きができなくなってしまうんです。

今作は即死コンボもいくつかあるんですけど、それもめちゃくちゃ難しいので、空いている時間があったらひたすらトレーニングモードをやりたいぐらい。

――トレモをやる時間はやっぱり多いですか?

うめき:
覚えることが多いのでトレモが中心ですね。

まず、浮遊の動きを覚えないといけないし、その上で立ち回りなどがあるので、時間がかかるキャラですよ。

――ちなみになんですけど、プレイヤーとウメブラの運営、どっちか1つしかできないとなったらどちらをとりますか?

うめき:
プレイヤーとして参加するために自分で大会を運営しているので、どっちか1つと問われたらプレイヤーですね。

――若い人が多いスマブラのプレイヤーとしてはベテランの方になってきていると思いますが、若手プレイヤーとの年齢差を感じることはありませんか?

うめき:
今のところ体の衰えとかは特に感じませんね。ほうれい線が少し気になりだしたくらいで。肉体的なところより意識配分が大事って聞きますし、僕自身そう思います。

――最後に聞くのもあれなんですけど、勝負メシってありますか? これからスマブラの選手には恒例で聞こうと思ってるんですけど。

うめき:
試合の前にカツ丼を食べるみたいなやつですか? うーん……試合当日はこれといったものはないですね。当日は朝早いのとお昼もコンビニくらいしか食べれないので。

ただ、前日は太陽のトマト麺というラーメンがめちゃくちゃ好きで、食べることが多いです。

実力が伸びずに落ち込んでいるときにはじめて食べたんですけど、それからまた頑張ろうと奮起して結果が出だした時期とも重なったこともあるので、試合の前日に時間があれば食べてますね。

――格ゲー勢はラーメン好きが多いですよね?

うめき:
ゲーム全般に言えると思うんですけど、特に格ゲーはめっちゃ頭使うじゃないですか? それですごいプレイをするから、めちゃくちゃ脳が疲れるんですよ。

だから、こってりしたものが食べたくなるんですよね。

――食事の他にルーティーンみたいのはないですか?

うめき:
試合の当日は特にはないんですけど、ウメブラを運営しているので他の選手より早く起きて作業しないといけないので、1週間くらい前からいつもより早く起きて体を慣れさせることはやっています。


うめき選手がかたくなにキャラ変えをせず、さらにサブキャラも使わずにデイジーを使い続けるのには、友人の些細なひと言がきっかけだった。

ウメブラJMでは、現在、世界最強との呼び声高いMKLeo選手を撃破するなど、本懐であるプレイヤーとしての活躍も目覚ましい。

デイジーで世界最強の座を狙い、しかもその大会を自身で作り上げる唯一無二の存在と言えるだろう。

ウメブラJapanMajor2019

写真・大塚まり

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Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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