【闘会議2018】クラロワ日韓戦 前半戦 先鋒3試合目 感想戦

WPJ編集部

感想戦とは

将棋の「感想戦」をご存じだろうか。

対局終了後に、棋士が対局中の考えを対局者間で共有し、ともに確認しあうもの。テレビの将棋番組などでは、解説者が試合の感想戦をすることもある。ここで言う「感想戦」とは、これを「対戦ゲーム」に当てはめて行うものだ。
 

2018年【闘会議2018】クラロワ日韓戦 前半戦 先鋒3試合目

2018年2月に開催された「闘会議2018」の中で行われた、「闘会議選抜!クラロワ日韓戦」の感想戦を行う。今回は、「前半戦 先鋒3試合目 RAD VS X-Bow Master」を取り上げていく。

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感想戦を行う選手

今回の感想戦は、日本クラロワ界初のプロゲーマーけんつめし選手を聞き手に、日本代表として出場したRAD選手を迎えて行う。


名前:RAD
Youtube:RADWIMPS game channel
Twitter:@Monkey_D_WIMPS
最多トロフィー:6605
(2018年2月27日現在)

大会実績
2017年5月 「クラロワ 日本一決定戦 5月大会」 ベスト8
2017年6月 「クラロワ 日本一決定戦 6月大会」 優勝
2017年7月 「クラロワ 日本一決定戦 7月大会」 優勝
2017年8月 「クラロワ 日本一決定戦 8月大会」 優勝
2017年10月 「クラロワ 日本一決定戦 THE FINAL」ベスト16

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名前:けんつめし
YouTube:けんつめしTV
Twitter:@Kent_Golemeshi
最多トロフィー:6,434
(2018年2月5日現在)

大会実績
2017年5月 「クラロワ 日本一決定戦 5月大会」 優勝
2017年6月 「Clash Asia Crown Cup 2017」3位タイ
2017年9月 「クラロワ 日本一決定戦 9月大会」ベスト4
2017年10月 「クラロワ 日本一決定戦 THE FINAL」ベスト16

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前半戦 先鋒3試合目
RAD  VS × X-Bow Master


 

ゴブリン軍団の圧。人海戦術ならぬゴブ海戦術で押し切る。(11分40秒)

この試合のBANカードは、安定の選択肢だったよね。

俺が三銃士を使うから、とりあえずトルネードのBANかなって。あとは、韓国と言うとスケルトンラッシュのイメージが、俺の中では強いんだよね。スケルトンラッシュとポイズンに対してだったら三銃士で勝てるんだけど、そこにトルネードが合わさると、途端にきつくなるから、というのも理由かな。

X-Bow MasterのBANはよくわかるなー。クロスボウ使いならこれにするだろうな、って感じだった。

クロスボウだったら三銃士と相性が良いし、ゴーレムを警戒してのエリクサーポンプってことだよね。

いや、三銃士とはそこまで相性良くないよ。ゴーレム三銃士とかジャイアント三銃士とか、大型モンスターを盾にして三銃士を置かれると追いつかないんだよね。ポンプが回ってエリクサーアドバンテージを取られつづけると、処理が追いつかなくなって、かなり厳しくなる。

あー、なるほどね。高回転三銃士がクロスボウに不利なだけか。

そう。だからX-Bow Masterは、ゴーレム三銃士とかの無理な相手をつぶすための選択肢として、エリクサーポンプだったのかなって思う。まあ、他にもコストが重いデッキをつぶせるし、安定の選択肢だね。そして、これで1-1に持っていかれたわけだよね。この時、何のデッキを使うかっていう候補はいくつあったの?

枯渇デッキ対策の「ファイアボールローリングウッド三銃士」。ここに三銃士を入れてるのは、ポンプBANされてるし、あえて選出しようと思ってた。だけど、結局は「ペッカ、ゴブリン小屋、槍ゴブリン」かなって。最近よく使っていて慣れてるから。

相手のどんなデッキにも対応できるように、使い慣れたデッキが良いってことだよね。

RAD選手のペッカゴブゴブデッキ。ゴブリンの小屋と槍ゴブリンを溜めて一気に攻める。


 

槍ゴブリンでのターゲットループを狙うRAD選手。しかし…(8分23秒~8分38秒)

この時点で迫撃砲枯渇デッキだよね。

デッキ的に有利だからありがたい。でも、ちょくちょく意味のないアイススピリットを使ってるなぁ。

これって、ゴブリンの小屋が迫撃砲にターゲットされてるから、そのターゲットを槍ゴブリンに変えたいんでしょう?

そうそう。それで槍ゴブリンにターゲットが移ったら、槍ゴブリンが出てくる速さと迫撃砲の攻撃間隔がうまいことマッチして、無限ループするんだよね。

やりたいことはわかる。

戦っていてもわかったけど、X-Bow Masterが俺のデッキに慣れてないんだよね。たぶん初めて見たんじゃないかな?

RADのデッキって、マルチの上位で流行っているものだし、最近、彼はそんなにマルチしてなかったんじゃないかなって思う。だから、RADのデッキに対する勝ち方を知らなかったんだよね。

やっぱり、初見殺しが強いなーって感じたね。
 

ゴブリンの物量で圧をかけつづけ、相手に対策を強要していく。(9分25秒~10分30秒)

このディガーみたいに、ゴブリンの小屋をずっと削りつづけなくちゃいけないんだよね。

削られないだけで、ずっとこっちは楽に戦えるからね。

RADのデッキと相対した時は、ゴブリンの小屋をポンプに見立てればいいから、ゴブリンの小屋が2個建った時点でかなり厳しくなる。

あー、この防衛迫撃、めっちゃ美味しい。これがさっき言ってた無限ループ。これで、迫撃砲の4コストが無駄になるだけ。

これって普通に出しておけば勝手にループするし、ダメでもアイススピリットでターゲットリセットするから、どちらにしろ美味しいよね。

ちょっと、どうしようかな、ってなるよね。

このゴブリンの小屋の2つ目、これでもう勝ったなって思ったね。この後、ダメージ許容しちゃってるし、勝てたなって。

そのあとスケルトンバレルが爆発したところで、もうザップしかないなって確信したんだよね。だからこの後、ザップを使われたところで、攻めていたと思う。
 

物量でザップを使わせ、その後、一気に押しつぶす。(11分40秒~12分00秒)

ここでザップを使ったから、さらにゴリ押しで終わり。実際、この状況って本当につらいから、どうしようもないんだよね。使っちゃうもん。

この試合は本当に良かった。ゴブリンの小屋を建てて、相手が処理に困るっていう理想の展開。けっこう早い段階から、これは勝てたなって思ってたよ。

このデッキのコンセプト通りの勝ち方で勝ったから、最高に気持ち良かった!
 

クラロワ日韓戦 前半戦 先鋒3試合目のリフレクション

勝因は、相手の先手を読みつづけ、全対応できたからこその勝利だと語ってくれたRAD選手。なぜ相手の動きに対応できたのかを教えてくれた。相手のデッキが迫撃砲枯渇デッキであると把握できたことが大きい。

把握できた要因としては、相手が初手で迫撃砲を出してきたことだ。その時点で、迫撃砲スケルトンバレル枯渇デッキかトルネードロケット込みの迫撃砲という2択に絞れた。その後、スケルトンバレルを出してきたことで、コストの高いスペルが入っていないテンプレートの迫撃砲枯渇デッキと確定させた。相手のデッキがわかれば、あとはゴブリンの小屋を溜めながら戦うことを意識するだけだったとのこと。

相手のデッキ判断を早く行うには、どんなデッキが現環境が多いかを感じるために、マルチ対戦やグランドチャレンジを多くこなすことが重要。そうすることで、流行っているデッキを把握できるようになる。そして数をこなしていくうちに、1〜2枚のカードが出た時点で相手のデッキ予想ができるようになるという。RAD選手を支えているのは、マルチ対戦やグランドチャレンジで培った膨大な知識と経験なのだと痛感した。

しかし、そんな彼にも足りないものがあるという。自分の勝ち筋をちゃんと持っていないことだ。現状だと、流れで勝っていることが多い。もっと多くの勝ちパターンを言語化していく必要があると語ってくれた。

今後、クラロワプロリーグなど、露出が高くなるであろうRAD選手。これからの成長と活躍にさらに期待がかかる。

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記者プロフィール
WPJ編集部
「ゲームプレイに対する肯定を」「ゲーム観戦に熱狂を」「ゲームに、もっと市民権を」
このゲームを続けてよかった!と本気で思う人が一人でも多く生まれるように。
ゲームが生み出す熱量を、サッカー、野球と同じようにメジャースポーツ同様に世の中へもっと広めたい。
本気で毎日そのことを考えている会社の編集部。

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