リフレッシュはなぜパズドラ日本一になれたのか?【TGS2018】

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格闘ゲームを中心に8タイトルの大会が開催されたTGS2018のe-Sports X。
スマホ向けタイトルではパズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)が唯一「パズドラチャンピオンズカップ TOKYO GAME SHOW 2018」の決勝大会を開催。
決勝大会に先立って行われた予選にて勝ち上がった3名のプロに、当日予選を勝ち抜いた1名を加えた計4名により、賞金総額1,000万円を懸けて対戦が行われた。
スマホ向けパズルRPGとして名高いパズドラの、espots競技タイトルとしての特徴を探りつつ、大会の模様をお届けしよう。
対戦に特化した「パズドラレーダー」を使用
パズドラといえば、集めたモンスターでパーティーを組んで、スキルとパズルを駆使してダンジョン攻略をしていくRPG。
1人でプレイするのはもちろん、協力してダンジョン攻略に挑むマルチプレイモードも実装されているが、パズドラ本編自体には対戦要素は存在しない。
そこで、大会ではパズドラ本編とは別のアプリ「パズドラレーダー」(以下、パズドレ)を使用することになる。
パズドレは、リリース当初は位置情報を活用した、パズドラ本編で使えるアイテムなどが手に入るサポート的な位置づけのアプリだったのだが、現在はアップデートにより独自の対戦モードが実装されているのだ。
スキルの選択をする「スキルフェーズ」とパズルを組んでいく「バトルフェーズ」を繰り返してお互いのHPを削り合うというゲーム性で、パズルの基本的なルールは変わらないが、スキルを使うタイミングの駆け引きや、使用パーティーの対戦相手との相性などはパズドラ本編にはない要素と言えるだろう。
スキルの効果は、相手から受けるダメージをカットしたり、盤面に特定の色のドロップを増やしたりするなどの種類があり、相手の盤面に影響するものも多い。
どのスキルを使うか、また使用するタイミングなどの読み合いとパズルのテクニックで、各属性ごとの与ダメージ量が相手より上回れば、相手HPを削ることができる。

各フェーズには制限時間が設けられている。限られた時間の中で、最適なスキル選択や正確なパズル操作が求められる。
また、お互いのHPはゲージ上で4分割されており、1ターンで最大でも1つ分までしか削ることができない。
最終的に、以下の条件で勝敗が決まるというルールとなっている。
- 相手のHPを0にする
- 8ターン経過時に残りHPが相手より多い
- 平均コンボ数と属性ごとの与ダメージが多い(同時にHPが0になった場合)
ミスせず落ちコンを味方につけたリフレッシュが躍動
決勝大会出場は以下の4名。
- ☂ふぃあれす☂(以下、ふぃあれす)
- リフレッシュ
- ゆわ
- スー☆

対戦カードの抽選を行う出場選手たち。左から、敗者復活戦を勝ち抜き下剋上を狙うスー☆選手、最年少の現役中学生ゆわ選手、パズドラオープンカップinガンホーフェスティバル2018チャンピオンのリフレッシュ選手、パズドラチャレンジカップ2018対戦部門九州地区優勝などの経歴を持つ実力者ふぃあれす選手
第1試合は、リフレッシュ対スー☆のマッチアップ。
前述のとおり、パズドレの対戦モードは、スキルの読み合いとパーティーの相性、より高いダメージを与えるパズル力が求められる。
スキルフェーズでは、お互いが使用したスキルが順々に発動されていくのだが、その様子を見守る両選手の祈る姿は、他のゲームではあまり見られない光景だ。

消すことで自身がダメージを受けてしまう毒ドロップや、スキルによる変換が封じられるロックなど、パズドラ本編でもプレイヤーを苦しめるギミックが対戦でも存在感を放つ。
「明治 アーモンドチョコレートpresentsパズドラチャンピオンズカップTGS2018 決勝大会」 生中継より引用
3色同時に消すことでダメージに倍率がかかるパーティーを使用しているリフレッシュ選手は、それに必要なドロップが相手のスキルによって消されないように祈っているというわけだ。
他にも、パズルを消したあとに降ってくるドロップでコンボがつながる、いわゆる「落ちコン」を期待して祈りを捧げる場面も大会全体を通して見受けられた。
落ちコンに関しては運次第と言ってしまえばそれまでだが、なるべく落ちコンが発生しやすいようなドロップの残し方をする、次ターンのパズルのためにあえて色を残すなど、状況の応じた判断が求められる。

同時にHPが0になった場合は、平均コンポ数と各属性ごとに与えたダメージ量を参照してポイントが決定。この数値が多い方が勝者となる。
この試合で、2戦連勝で決勝へ勝ち上がったリフレッシュ選手も「1試合目はパーティーの読み合いでも、スキルの打ち合いでも負けていたが落ちコンが来てくれたので勝てた。2戦目は勢いに乗れて、読み勝てたことが勝因だと思いました。」と、落ちコンが勝敗を左右することを証明した。
その後も、リフレッシュ選手の勢いはとどまることなく、ふぃあれす選手を対峙した決勝も2戦続けて勝利。準決勝から1戦も落とすことなく、安定感のある試合運びで優勝の座を勝ち取った。

相手パーティーとの相性やスキルの読み合いとパズルの実力、両方を兼ね備えたリフレッシュ選手が優勝。賞金500万円を獲得した。
「1つ言えるのは、ミスをしないって事です。それだけです。」
大会前にそう語っていたリフレッシュ選手の言葉どおり、パズドレの対戦モードは、1回のミスが勝敗を大きく左右する。
有言実行がごとく、ミスなく戦い抜いたリフレッシュ選手が、見事、公式大会2連覇を達成した。
パズドラは、ガンホーフェスティバルなどガンホー開催するイベントや、闘会議といった大型イベントでも、大会を開催している。リフレッシュ選手が前人未到の3連覇を成すか、はたまた阻止する者が現れるか……。次回の大会に注目されたい。
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