#コンパスのコットン太郎からの飛躍!esportsデビューを狙う2018年【後編】

#コンパスの魅力はゲームとコンテンツのバランス
――:コットン太郎さんから見た、#コンパスの魅力はなんでしょうか?
コットン太郎:
1つはっきり言えるのは、#コンパスは「ゲームとして楽しんでいる層」と「(絵師やボカロPなどの)コンテンツとして楽しんでいる層」の2つがあると思ってます。どちらか1つだけだったら、ここまでにはなってなかったんじゃないかと思います。この2つがいいバランスで融合しているのは大きな魅力ですね。
さきほど話した闘会議や超会議などでは、その両方の楽しみ方を体験できるというのも大きいと思います。
――:番組作りにもこの2つの強みの使い分けをされてますか?
コットン太郎:
#コンパスニュースは、新キャラやアップデートなどの情報出しがあるので、ゲーム好きとコンテンツ好きが50:50ぐらいだと思ってます。一方、私がやっているエンジョイ部(※)は、明らかにコンテンツ好きが多いと想定しています。
ですので、同じコットン太郎でも、ユーザー層に合わせて振る舞いは意識的に変えてます。
※:ほぼ金曜日にニコニコ生放送で放送している、#コンパスを愛する仲間が集いわいわい楽しむ#コンパスバラエティ番組
――:ユーザー層という意味では、#コンパスのイベントに行って思うのが、女性が多いということです。
コットン太郎:
そうですね。私が主催したオフ会イベントがあるんですが、北海道で実施したときは7、8割が女性でした。
――:これだけ女性からも支持されているということは、#コンパスを通じて結婚する「#コンパス婚」などもあるんでしょうか?
コットン太郎:
まだ、聞いたことはないですが、#コンパスで出会ってお付き合いされているカップルはいるんじゃないでしょうか。
ちなみに、私はいつでも結婚おめでとうのビデオメッセージを撮る準備はできています。#コンパス婚するよというカップルがいたら、ご一報ください! これは本気です。以前、(#コンパスではなく)とあるゲームで知り合って結婚したカップルには、ビデオメッセージを送りましたからね。
エンジョイ部は一から十まで1人で
――:#コンパスはオフ会もかなり積極的に実施されてますよね。
コットン太郎:
はい、コミュニティ形成は重要ですので、かなり力を入れてます。オフ会にいらっしゃる方々は10代、20代の人が中心ですが、即興でチームを組んで#コンパスの対戦をやると初戦で負けちゃった人は、手持ち無沙汰になるだけなんです。
そこで、最低5戦はできるように「テヤァ!カード」というカードを渡して実施するようにしてます。これを通じて、チームメンバーでコミュニケーションのきっかけになればと思ってます。
――:この「テヤア!カード」はエンジョイ部でも導入されてます。
コットン太郎:
そうなんです。ただ、エンジョイ部は大変ですよ(笑)。だって、台本は当然として、番組で使うスライド、演者の方のキャスティングまで私1人でやってます。しかも、毎週です。一度だけ、キャスティングができなくて番組を休んだことがあるくらいです。
――:私の中のエンジョイ部といえば、ゲームができない日の放送です。
コットン太郎:
あれも大変でしたね。ゲームのメンテナンスが長引いて、放送開始前に終わらなかったんです。実は当日になって、開発スタッフから聞いていたんですが、放送はやるしかないと思ってやりました。
ゲーム番組なのに、ゲームができないので大丈夫かとは思いましたが、すごく盛り上がりましたね。逆に、ゲームがプレイできないというユーザーのストレスを、放送することによって吸収できたのがよかったのかなと思います。
――:そんな状況の中、放送をして荒れたらどうしようとは思いませんでした?
コットン太郎:
それはいろいろ考えました。その回にはコスプレイヤーの方がいらっしゃたので、コンテンツに振り切るしかないと思ったので、そっちに振り切りました。
ただ、エンジョイ部という名の通り、「ゲーム番組=ゲームが強い人だけにスポット当てる」ではなくて、「エンジョイ=楽しい」という側面を押し出していきたいんです。勝ち負け、うまい下手だけじゃない楽しみ方を#コンパスには作っておきたかったんです。
状況が状況なだけに言葉の選び方には気を使いましたが、いっしょに番組の平和な空気を作ってきた視聴者であるユーザーさんなら、この状態でも番組は成立すると信じていました。
――:その思いには熱いものがありますね。そういう思いの象徴が今年の超会議での涙でしょうか。
コットン太郎:
ステージに立っているときは泣かないように意識しているんですが、あのときはこらえきれませんでした。ここまで話したように、#コンパスのコットン太郎になるまでいろいろありましたし、現場にいらっしゃるお客さんが楽しんでいる顔を見ていたら、涙が出てきました。
コットン太郎はエゴサもするし、緊張もする
――:ちょっと話はそれるんですが、人前に出る仕事をされているとエゴサーチなどはするんですか?
コットン太郎:
それ聞いちゃいます? 目茶苦茶します(笑)。中でも、#コンパスのコットン太郎となった2017年の闘会議では、コーナーとコーナーの間に毎回エゴサしてました。だって、気になりますもん(笑)。
いちばん覚えているのが、なんといったらいいかわかんないんですけど、「コットン太郎はだめ」的な厳しい意見です。でも、そのあとちゃんと振り返って、よくなかったことは自分なりに反省しました。
――:コメントによっては、イラッとしたり落ち込むこともあるじゃないですか?
コットン太郎:
それはありますが、一番怖いのは「なんにも書かれないこと」ですね。好きの反対は嫌いではなく、無関心だと思うので、なにも反応がないのはおそろしいです。いい意味で、悪い反応があったらなんらか心を揺さぶった瞬間があるということですからね。
――:コットン太郎さんって、仕事で緊張はしないんですか?
コットン太郎:
ここ数年で一番緊張した仕事があります。それは、今年の超会議の「コットン劇場」です。本番では観客の方にも好評だったのでよかったんですが、あれは緊張しました。
最初、台本を渡されたときに「コットン劇場」と書いてあって、なにやるんですか?状態だったんですが、「30分時間をあげるので、お願いします」とだけいわれたんです。本番1週間ぐらい前になって、なにやればいいんだろうとなってしまい、無難にゲーム対戦しましょうと提案したんですが、そういうのじゃないんですと返答されました(笑)。
じゃあということで、「こんな#コンパスはいやだ!」という大喜利風の内容にすることに決めました。
――:私も現場で見たんですが、面白かったと思います。
コットン太郎:
あのネタも本番ギリギリまでできてなくて、絵を書くのに使ったサインペンのインクがなくなってしまうぐらい書き直しました。今さら言うのもなんですが、大喜利は苦手なんですよ(笑)。
それで本番当日が来て、負け戦の気持ちで望んだんですが、みなさんが喜んでくれて嬉しかったですね。
――:今年の#コンパスフェスがあるなら、「年忘れコットン劇場」でまた見れたり?
コットン太郎:
いや、もう二度とやりたくないです!(笑)
コットン太郎のチャレンジはesportsイベントMC
――:最後に、今年の夏にコットン太郎さんに会えるイベントがあったら、おしえてください。
コットン太郎:
今、町会議で全国を回っていて、#コンパステントに行ってます。お近くにお住まいの方はご来場ください。今年は東京ゲームショウにも、#コンパスで単独出展するのでご期待ください!
それと、2018年の自分のチャレンジとしていることがあります。それは、esportsのイベントMCをすることなんです。実は、esportsの専門学校で臨時講師をやったこともあるんです。
――:それは知りませんでした。どういった内容を講義されたんですか?
コットン太郎:
ゲームがうまい人がたくさんいる中で、自分の商品価値をどれだけ上げられるかという、esports選手マーケティングのような話をしました。こういう活動をみんながすることで、esports選手の地位向上や収入面の安定につながるんじゃないかと思うんです。
今後、日本でもesportsの市場は確実に拡大していく中で、自分が選手としてどう立ち回っていくか、どう見せていくかという自分マーケティングは重要になってくると思います。
――:esportsイベントのMCはどういったことをイメージされてますか?
コットン太郎:
実況や解説は当たり前ですが重要な仕事です。ただ、私はそうではなく、イベント自体を盛り上げたり、esports選手を応援するようなMCができればいいと思ってます。
esportsのMCって、これからいろんな方が出てくる可能性のある領域だと考えてます。こういうポジションで仕事ができればいいなと思いますね。
――:ここまであれこれ話をうかがってきましたが、コットン太郎さんにとってゲームとはなんですか?
コットン太郎:
これは、某ゲーム会社の役員の方にいわれた言葉でもあるんですが、「ゲームはコミュニケーションツールである」と思ってます。この言葉に感銘を受けて、その側面を最大限に伸ばそうという考えが根底にあります。
そういう意味では、ゲームって楽しい!と思ってもらえて、笑顔で遊んでもらうのが私の原動力でもあります。
普段は配信やイベントで見るコットン太郎しか知らなかったが、このインタビューを通してスタッフとしてゲームに向き合う彼の情熱的な姿勢がわかった。この新たな一面を知った上で、2018年下半期に行われる#コンパスの番組やイベントを見ると、また違った楽しみ方ができるのではないだろうか。
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プレイヤーとして、大会主催者として、実況解説者として、それぞれの視点からトシさんの内面に切り込んで話を伺った。彼がなぜここまで多方面に活動をつづけているのか、その心境を赤裸々に語ってくれた。
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写真・大塚まり