TAKEcakeはいかにしてDQライバルズの公式大会「勇者杯2018春」で勝利したのか。勇者が歩んできた“これまで”と“これから”【後編】

セスタス原川
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激戦のつづいた「勇者杯」を振り返る

――:ここからは優勝した勇者杯のお話に移りたいと思います。まず使用したデッキはどのように選んだのでしょうか。

ミネア

トルネコ

TAKEcake:
オンライン予選のときは素早いアグロデッキが流行っていたので、早いデッキに有利が付くような中速のミッドレンジ系を選びましたね。
 
 
――:オンライン予選のときはどういった様子でプレイをされたのでしょう。

TAKEcake:
皆でマック(マクドナルド)で集まってやっていましたね。……といっても地元で一緒にやっているのはふたりしかおらず、ワイワイしながらやっていました。とくに緊張はせず、ゆったりプレイしていました。
 
 
――:その後、予選を突破してオフライントーナメントに進んだわけですが、普段と違うオフラインの環境はどうでしたか。

TAKEcake:
もともとアナログカードゲームを遊んでいたこともあり、会場に行ってプレイすることに関しては慣れていました。なので、そんなに緊張はありませんでしたね。
 
 
――:オフライン予選も見事に突破されましたが、その要因はどこだと思いますか。

TAKEcake:
デッキ選びの面かなと思っています。僕はよく仮想敵を決めるのですが、その仮想敵に当たってしっかり勝てたのが良かったですね。
 
 
――:仮想敵となったデッキとは。

TAKEcake:
アリーナです。あとはトルネコ、ミネアが増えるのではないかと読んでいました。
 
 
――:そして最後の決勝トーナメント。それまでTAKEcakeさんはテリーをよく使われていた印象があったのですが、決勝のときはミネアとトルネコだったのは意外でした。

TAKEcake
決勝進出者のデッキはある程度予想はできていたので、こういうデッキが有利なのではないかという考えで持ち込みました。Akogareさん、mkzさんのデッキだけ外してしまったのですが、残りの人の使用デッキは予想が当たっていました。
 
 
――:決勝トーナメントに向けて調整もしたと思いますが、どのように調整されたのでしょうか。

TAKEcake:
基本的にひとりで回す時間が多かったですね。地元も人が少なくて、僕も友人も仕事が忙しかったので。
 
 
――:ひとりで……驚きですね。他の人のプレイやデッキを参考にすることはありましたか。

TAKEcake:
ギルドメンバーが対戦しているときは観戦ができるので、それは参考にしましたね。オフライン予選で使ったテリーも自分で使ったことは一度もなかったのですが、みていてこんな感じの動きかなっていうのを覚えて使いました。
 
 
――:そんな簡単に使えるものなんですか……。

TAKEcake:
構築は同じですし、きちんと動かせている人の動きをみたら使えるのではないかなと思っています。格闘ゲームではないので、ある程度パターンを覚えていればいけるかなと。
 
 
――:流石の一言です。今までの積み重ねがあってこそできることだと思います。

TAKEcake:
あとそれに関連すると、勇者杯でも“テリー使い”と呼ばれていましたが、竜王杯以外では使ってなかったんで、自分では違和感がありましたね(笑)。
 
 
――:勇者杯の決勝戦では、2試合目の「ジャガーメイジ」と「ふくめんバニー」で一気に返された場面が印象的です。あのときを振り返ってみていかがですか。

「勇者杯2018春」決勝戦 第2バトル(※クリックで動画閲覧)

TAKEcake:
あそこは「ジャガーメイジ」を打たせたかったので、それ1枚だったら全然よかったのですが、「たけやりへい」と「メラゴースト」まで来て、それどころじゃ済まなかったですね。
 
 
――:やっぱりあのときは焦りましたか。

TAKEcake:
引かれたらしょうがないかなって思っていましたが、まさか全部処理されるとは思ってなかったので、流石に焦りました(笑)。
 
 
――:そんな苦難もありつつも見事優勝を果たしましたが、その瞬間の感想はどうでしたか。

「勇者杯2018春」決勝戦 第3バトル(※クリックで動画閲覧)

TAKEcake:
正直「超ちからのたね」を引っ張ってきたときには流れが来ていたので「もうこれは勝ったな」と思っていましたね。でも実際に勝てたときはやはり高揚してしまいました。
 
 
――:これまでに印象に残っている試合は、やはり勇者杯での試合でしょうか。

TAKEcake:
そうですね。shoyanさんとの対戦もそうですし、Akogareさんとの試合も。大きな舞台での試合はやっぱり印象に残りますね。
 
 
――:大会からしばらく経ちますが、優勝者としての実感はもてていますか。

TAKEcake:
最初は全然実感が湧きませんでした。でも最近は公式生放送に呼ばれたりもして「あ、優勝したんだな」という気持ちになってきました。そんなに周りで変わったことがなかったので。
 
 

「ドラクエ」のカードゲームであることを実感できた勇者杯

――:TAKEcakeさんが選んだ伝説のカードは「フローラ」でしたが、イラストも公開された感想はどうですか。

TAKEcake:
イラストも可愛らしくて、ケーキまでもっていてかなり感動しました。まだ優勝してから時間も全然経ってないのですが、こんな絵まで描いていただいて。しかも、そのプレミアムカードが配布されるのは春の勇者杯で勝ち残った8人だけなのですが、その8人のためにここまでやってくれるのかという。
 
 
――:こうした特別な賞品はモチベーションに繋がりますよね。

TAKEcake:
また頑張りたいなと思いましたね。ほかの人もいっていましたが「DQライバルズ」は特にユーザーのことを考えてくれる作品だなって。ほかのプレイヤーから羨ましがられる大会の賞品ってなかなかないと思っています。
 
 
――:数あるカードの中で、「フローラ」を選んだ理由というのは。

TAKEcake:
花嫁論争を終わらせるためっていう話もありましたけど、まず考えたのは、これで新規参入の人が増えてくれればいいなと思いました。あとは「フローラ」が第3弾の環境でも活躍すると思って選んだのですけど……あんまりそんなことはなかったですね。とりあえずは、使われるカードを選びたかったんです。
 
 
――:好きなカードで“嫁だから”という理由かと……これは失礼しました。

TAKEcake:
僕がフローラ派っていうのもありますけどね。「フローラ」だったら新規の人も欲しがってくれるだろうし、汎用性も高く活躍のチャンスもあるということで選びました。
 
 
――:勇者杯の表彰式では「ドラゴンクエスト」の生みの親である堀井さんが登壇しました。堀井さんにお会いされたとき、涙を流していましたが当時の心境はいかがでしたか。

TAKEcake:
感極まってしまいました。正直「DQライバルズ」には堀井さんの影が見えてなかったので、あの瞬間にようやく「このゲームはドラクエなんだ」というのを実感しました。
 
 
――:大会の観戦者も感激した人も多かったと思います。

TAKEcake:
勇者杯はすばらしい大会でしたが、ほかの作品と比べるとやはり人数的な面では小規模かもしれません。だからこそ、ここまで手厚くしていただけるとは思ってもいませんでしたし、堀井さんとお会いしたときも頭が真っ白になっちゃいました。
 
 
――:TAKEcakeさんにとっても、やっぱり堀井さんは偉大な人ですよね。

TAKEcake:
これまで「ドラゴンクエスト」を通して何度も感動させてもらいましたからね……。そんな方に来ていただいて、さらに祝っていただけるなんて思ってもみませんでした。
 
 
――:そのような要因もあって、勇者杯で優勝したことはTAKEcakeさんにとって忘れられない思い出になりますよね。

TAKEcake:
1ヵ月経ちますが、そのときの堀井さんからの言葉、表情まで、まだ全部鮮明に覚えています。楯を渡されたときは「この楯はすごい“重い”な」って思いました。

「勇者杯2018春」決勝戦より生放送のスクリーンショットより


 
――:もし勇者杯でまた優勝できたら、次回の伝説のカードはどれにしますか。

TAKEcake:
今だと「ダークドレアム」ですかね。これからもまだまだ活躍できるカードだと思いますし、ダークドレアム自体が特別な魔神という存在なので。あとは汎用性の高いところだと「サンディ」とかでしょうか。今後も使われるレジェンドから選びたいと思います。


 
 
――:「ダークドレアム」は強いですし、使いますもんね。

TAKEcake:
でも「ダークドレアム」はプレイヤーの不満の対象のカードでもあるので、それを選ぶのもどうかなという気持ちはありますが(笑)。
 
 

「界隈を引っ張っていきたい」初代勇者の今後の展望は

――:この人はライバルだと思っている人はいますか。

TAKEcake:
shoyanさんとは、これからまた戦う機会もあるでしょうし、一緒に調整する話もしているので、ライバルとしてこれから一緒に頑張っていきたいと思っています。
 
 
――:では、目標としているプレイヤーはいますか。

TAKEcake:
あーあいさんですかね。癖の強い人ではあるのですが、人となりとか、ゲームに対する真剣さ、配信に対するアクションとかがすごいと思っています。あぁいう存在が界隈には必要なのかなと。そういう意味では、自分も界隈を引っ張っていく人間になりたいと思っています。
 
 
――:TAKEcakeさんは以前配信で解説をしていたこともあったのですが、実際に挑戦してみて感想はどうでしたか。

TAKEcake:
そんなに解説らしい解説はできなかったのですが、そのときは自分の試合をやりながらだったので、自分の意図がほかのプレイヤーに伝えられたのは良かったです。界隈全体のレベルの向上といいますか、みんなが同じ土俵に立って戦えるようになれば、もっとゲームを楽しめるのではないかなと思います。
 
 
――:相手も強くあって欲しいということですよね。

TAKEcake:
ギリギリの戦いがしたいんですよね。自分と同じかそれ以上に強い人と戦いたいって思っています。
 
 
――:これから「DQライバルズ」を始めたいと思っている人へのメッセージはありますか。

TAKEcake:
「ドラクエ」の生みの親の堀井さんも「DQライバルズをよろしくお願いします」といっていますので、まず“ドラクエファン”であればもちろん始めているでしょう(笑)。

あとは、ボイスの掛け合いとかも、ファンだったら嬉しい要素のひとつかなと思っています。もちろんこれから始めたいという人もたくさんいると思うので、ぜひ始めてもらればと。
 
 
――:「DQライバルズ」の参入のしやすさは話題になりますが、TAKEcakeさんからみていかがですか。

TAKEcake:
よく「新規に厳しい」という意見があるのですが、僕はそんなことないと思っています。先日、知り合いが「DQライバルズ」を始める際に教える機会があったのですが、今はレベル上げのときにパックが配布されているのを知ったので、参入はしやすいんじゃないかなと思います。ゲームが難しいという壁は以前としてありますが。
 
 
――:最後に、今後の目標をお聞かせください。

TAKEcake:
初代勇者にはなれたので、これからはもっと界隈を引っ張れる人になっていきたいなと思います。そして、新規参入者もどんどん呼び込んで、メジャーなゲームにしていくお手伝いをしたいと思っています。


 
――:本日はありがとうございました。
 


 
常に強敵との闘いを求めるTAKEcakeさんの姿勢は、まさに勇者そのもの。さらに今回のインタビューでは、TCGを始めた当時から麒麟児として才能を見せていたというエピソードも飛び出し、まさに生粋のカードゲーマーと呼べるだろう。彼が初代勇者として進んでいく冒険の行方を、我々も追っていきたいと思う。

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記者プロフィール
セスタス原川
カードゲームが恋人のライター。「電撃オンライン」などゲームメディアで記事を執筆中。得意分野はもちろんTCGとDCG。ライターだが選手としての一面もあり、ときと場合によって肩書きが変わる。

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