コミュニティ活性化のために大会開催…「ドラゴンクエストライバルズ」プレイヤー・実況解説者としても幅を広げるトシの次なる“かいしんのいちげき”【後編】

セスタス原川
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勇者杯を経て、プレイヤーとしての今後

――:直近の大会で勇者杯がありました。実際にトシさんも参加され、オンライン予選、オフライン予選と段階がありましたが、大会にはどのような心持ちで臨んだのでしょう。

トシ:
オンライン予選については、不安はありませんでした。なにせ、自分は花見をしながらオンライン予選に参加していたので(笑)。周りでみんなが花を見ているなか、その横でPC開いてスマホでぽつぽつとプレイしていました。ようやく試合が終わったと思ったら、もう周りが真っ暗になっていて、ほとんど花見をしないで帰ることになっちゃったんですけど。
 
 
――:予選に落ちるかもしれないなど、不安のようなものはなかったんですね。

トシ:
仲間を何人か集めて、そのメンバーでデッキを共有して、かなり熱心に調整をしたので、予選くらいは抜けられるかなと思って参加していました。結果、一緒に調整した人はみんな抜けることができました。
 
 
――:勇者杯では、調整仲間であるふびらいさん、あーあいさんがみんな勝ち進んだということで、その先で対決する可能性も意識されたと思います。仲間に対してのライバル意識みたいなのはやっぱりあったのでしょうか。

トシ:
それはありますよ! 負けたくないじゃないですか。もちろん相手デッキの中身も知っているというのもありましたが、お互いに条件は同じでした。あーあいさんとは別の調整グループだったのですが「デッキの中身どんな感じなの?」みたいな話はしていました。なので、この状態でほかのメンバーには負けられないなと思いましたね。
 
 
――:あーあいさんとの試合は配信された試合の中で最も白熱した試合でしたね。あの試合にどういった気持ちで臨んでいったのでしょうか。

トシ:
もともとあーあいさんとは付き合いが長くて仲が良かったので、絶対に負けたくないという闘争心をもって臨みました。一本目取られたときはやばいと思ったのですが、巻き返してやろうという気持ちもありながら、自分のなかの不安とも戦いながら……といった試合でした。
 
 
――:ロウからロウがつづいたり、あの奇跡の展開はやっぱり焦りましたか?

トシ:
あのタイミングでは手札に返せるカードが存在していたので、わりと何が来ても大丈夫な状況ではあったんです。でも、大一番でこれをやってのけるというのは、やはり「もっているな」とは思いました。配信されている状況で、偶然マッチングして、最後の1本で負けそうな状況でアレをするとは、本当にすごいと思いました。

DQライバルズの公式全国大会「勇者杯2018春」オフライン予選の公式生放送
第四試合目「トシ vs. あーあい」の一幕(04:23:50より)

――:そんな局面もありながらも、最後に勝利したのはトシさんということで。

トシ:
あれは気持ちよかったですね。インタビューでも「俺の方がつえーぞ!」と答えることができました(笑)。
 
 
――:そのあとのオフライン予選は惜しくも落選という結果になってしまいましたが、やはり参加しているプレイヤーは強かったのでしょうか。

トシ:
強かったのはもちろんですが、それよりも自分の練習不足を痛感しました。
 
 
――:具体的にはどういった部分が練習不足だったのでしょうか。

トシ:
各デッキに対する対策が甘かったなと思います。練習は結構やっていたのですが、当時弱いと言われていた「ククール」に対して練習が足りてない状態でした。ほぼ練習をしていない状態で、その結果対面した際にどのタイミングでダメージを与えるかという見極めができず、負けてしまいました。
 
 
――:勇者杯の決勝はご覧になったと思いますが、その試合を見た感想はいかがですか。

トシ:
やっぱり、あの華やかな舞台に立てる人は羨ましいと思います。あれがゲームをけん引している選手たちになるわけですし。それを見て、自分も輝きたいと思う気持ちが湧いてきました
 
 
――:自分の中で最も印象に残っている試合はありますか。

トシ:
自分が対戦したなかでは、やはり勇者杯でのあーあいさんとの試合ですね。あれはどうしても印象に残りますよね。あの試合のおかげで、「DQライバルズ」の楽しさを実感しましたね。みている人も感じてくれたと思いますが、あの試合があったからこそ、このゲームやっぱり楽しいというのを再確認して、さらにのめり込むことができるようになったと思います。
 
 
――:今、ライバルと意識している人はいますか?

トシ:
ライバルですか……。あーあいさん……には勝っちゃったからなぁ(笑)。でも、あの人がライバルと呼ぶのに相応しいと思っています。それ以外では、shoyanさんとかでしょうか。調整を一緒にするグループの中で準優勝という結果を最初に残したので、ライバルというより追い越したい存在という感じです。

shoyanさんインタビュー動画

――:ライバルとは別に、目標としている人はいますか。

トシ:
目標という意味だと、Akogareさんでしょうか。独特な発想でデッキを作っていて、自分はなかなかデッキをゼロから組めないので、そういう部分をすごく尊敬しています。

Akogareさんインタビュー動画

――:Akogareさんだけに、憧れの存在ということですね。

トシ:
そういうことになりますね(笑)。
 
 

大会を主催するのはコミュニティ活性化のため

――:トシさんは大会主催者として、フライデーナイトカップを開催されていますよね。そもそもこれを開催しようと思ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

トシ:
「DQライバルズ」がリリースされたばかりのころは、まだ大会というものがなくて、交流する場所というのがゲーム内だけに限られていました。でも、ゲーム内で出会った人とつながるのは結構大変で、同じギルドじゃないと会話したりするのは難しかったんです。そのとき、大会を自分で開いて、そのなかで交流してもらえれば、プレイヤー同士のつながりが作れるのではないか、と思ったのがきっかけです。
 
 
――:ご自身が大会に参加したいという思うこともあったのではないでしょうか。

トシ:
単純に大会シーンそのものが好きなので、当然自分がそこに参加したいとはいつも思っています。でも、大会が開催されていないから「なら自分で開催しよう」と決意しました。主催者が自分の大会に参加できる機会は少ないのですが、いつか自分も参加できればと思っています。
 
 
――:大会のルールに関しては、ウィークエンド・トーナメントに寄せた形式になっていますよね。

トシ:
そうですね。最初の頃は、ウィークエンドルールではなかったりして、3リーダー1BANの形式を採用していました。そのころ、ウィークエンド・トーナメントが公認大会にあたるものだったので、それに向けての練習する機会を増やそうという意味でも、後追いの形でルールを貰って形式を変更しました。
 
 
――:個人主催のイベントは継続させるというのが難しいと思います。そんななかトシさんは毎週継続して大会を開催していますが、運営することの大変さのようなものはありますか。

トシ:
大変なのは、その日にそのための時間を残しておくことですね。どうしても用事が入ってしまって2回くらい開催を見送ったこともありますが、基本的には毎週その時間を空けておいて、しっかり自分が確認できる状態にしています。その自己管理の部分が大変な部分にあたると思っています。
 
 
――:今後フライデーナイトカップをこういう方向でやっていきたいという展望はありますか。

トシ;
ゆくゆくは月に1回とかで勝った人を集める大きめの大会を開いてみたいなと思っています。それで、さらにそこで勝った人を集めて大会をやってみるなど……そういうのも面白いかなと思っています。それが今後の展望という感じです。
 
 

プレイヤーに留まらない実況解説としての一面

――:トシさんは実況解説もされていますが、それに望む際の準備とかはあるのでしょうか。

トシ:
実況解説の前には、口を開けて発声をして、しっかり喋れる状態にはしていますね。あとは、単純にカード名を覚えることですかね。やはり出てきたカードを知らないと格好悪いじゃないですか。「DQライバルズ」では、普段デッキに入ってないカードがいきなり出てくるんですよ。そうした状況でもそのカードについていえるように、カードを覚えるというのが大事かなと思っています。
 
 
――:実況解説にシフトするタイミングはいつころだったのでしょうか。

トシ:
直近の勇者杯をみて、あそこで勝ちたいと思ったのですが、同時に実況解説をしているのをみて、その試合の素晴らしさをみんなに伝えたいという気持ちも湧いてきて、まさにそのときですね。

「週末あらくれ杯」で解説を務めるトシさん(左)


 
――:それまでに実況解説の経験はありましたか。

トシ:
実況解説では「ハースストーン」をプレイしているころから結構ありました。ちょうど2年前くらいですかね。そこで、自分は喋るのが好きなんだというのを実感しました。自分がいいたいことを伝えるって、やっぱりいいですよね。
 
 
――:プレイヤーとして活動するのか、実況解説として活動するのか、まだ決断には至っていないという感じなんですね。

トシ:
はい、葛藤はありますね。両方やってはいきたいのですが……。プレイヤーとして決勝戦の舞台に行きたいとは思いますが、試合をしながら喋るわけにはいきませんからね(笑)。とはいえ、これまで選手として長くつづけて来たので、どこかのタイミングで実況解説に集中できればと考えています。一度実況解説をしたあとに、選手に戻ってきてもいいわけですし。
 
 
――:今後も実況部分に関してもスキルを伸ばしていきたいという感じでしょうか。

トシ:
そうですね。喋りすぎるのは自分の欠点もあると思っています。喋るのがとにかく好きなので、感じたことをすぐに喋っちゃうんですよ。そこは実況解説で失敗する可能性のある部分なので、うまくコントロールしていきたいですね。
 
 

トシが見据えるコミュニティの形

――:今の「DQライバルズ」のコミュニティについて、トシさんから見た感想を教えてください。

トシ:
基本的には、「みんな本当にDQライバルズが好きなんだな」という印象です。だから、この作品がつづいてほしいし、各々が盛り上げていきたいと思っているはずです。その気持ちの表れとして、ギルド内対抗戦をやっている人もたくさんいますし、各所でオフ会も開催されています。Twitterでは「DQライバルズ」で女子会をやりたいみたいな話も挙がっているくらいです。
 
 
――:トシさんの今後の目標を教えてください。

トシ:
まず、憧れでもある勇者杯に携わりたいと思っています。大舞台に立ちたいとか、選手の素晴らしさをみんなに伝えたいとか、そういうところを直近の目標に活動したいです。あとは「DQライバルズ」だけに留まらない話だと、社会人としてもうちょっと成長していきたいです。
 
 
――:これから「DQライバルズ」を始めたい人に向けてメッセージをお願いします。

トシ:
始めたいと思ったら、まず始めるべきですね。困ったら僕に聞いてくれれば、アドバイスできることもあると思います。話しかけてくれる分にはなるべくご返事しますので、ぜひ自分を使ってもらいたいですね。
 


 
プレイヤーに留まらず、今後もさらに活動の幅を広げたいと考えているトシさん。まずは実況解説に集中するタイミングを探しているとのことで、彼のトークを聞きながら試合を観戦できる日が待ち遠しい限りだ。

コミュニティの活性化についても常に考えているとのことで、彼のようなユーザーがいる限り「DQライバルズ」は今後もさらに新たな展開を見せてくれるに違いない。今後もトシさんの活動に期待していこう。

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記者プロフィール
セスタス原川
カードゲームが恋人のライター。「電撃オンライン」などゲームメディアで記事を執筆中。得意分野はもちろんTCGとDCG。ライターだが選手としての一面もあり、ときと場合によって肩書きが変わる。

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