LoLファンもハマれるDCG「レジェンド・オブ・ルーンテラ」

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「リーグ・オブ・レジェンド」(以下、LoL)と同じ世界観で描かれるデジタルカードゲーム「レジェンド・オブ・ルーンテラ」(LoR)。そのオープンβテストが1月24日よりスタートした。
日本ではLJL、世界の各地域でも公式リーグが実施され、世界大会は多くのファンに注目されるLoLがカードゲームになるということで、LoLファンはもちろん、カードゲームファンからも注目を集める1作がついに誰でも遊べるようになった。
そこで、今回は本作がお披露目されたLoL10周年感謝祭の先行イベントに出演した海老江邦敬氏に事前にプレイしてもらい、今作の魅力を語ってもらった。
独特なターン制の“Play to Win”デジタルカードゲーム
LoRをプレイしたファーストインプレッションとしては、“相手との相互作用”をかなり強めに意識したカードゲームだなという印象。
これは、こっちが1手プレイすると相手が1手プレイしてくるという、独特なラウンド(ターン)の動き方によるものだ。
これによって、ただ単純に自分のやりたいことをやるというよりは、自分がこう動いた結果、相手がこう動いてくるからこのタイミングで戦闘を仕掛ける、といったところにも駆け引きが生まれている。
今後、スマートフォンにも対応するということで、クロスプラットフォームをかなり意識したゲームデザインになっており、カードゲーマ―を取り込むというよりは、LoLのファンを取り込もうとしていることも強く感じる。
カード自体も結構シンプルなものが多く、ただ強いというカードも結構用意されている中で、どういう風にファンを取り込んでいくかという点にかなり力を入れているようだ。
ゲーム性もしっかりとターンバトルを強く意識していたり、先攻後攻による有利不利のバランスやカードの入手方法にも切り込んでいる部分もあり。Pay to WinではなくてPlay to Winに向かわせようというところは、LoLの考え方を引き継いでいるように思える。
課金に終始しないカードの集め方
カード入手に関しては、課金要素はほとんどないと言ってもいい。
しかも、好きなカードと交換できる「ワイルドカード」というものが存在するのだが1週間で購入できる数が制限されている。これがあるため、極端にカード資産の差がつかないようになっているのだ。
プレイしていけばいくほど、カードがアンロックしていく形になっているため、ただパックを開けるということではなくて「これだけ遊んでくれたから、君にはこれだけ宝箱を開けさせてあげる」という思想で作られている。
公式の情報によると熱心なプレイヤー(1日平均7~10試合をプレイ)ならじゅうぶんコンプリートに手が届くレベルでカードを揃えられるとのこと。
ちなみに、カードはルーンテラの地域ごとに分類されており、2020年1月時点では6地域あって、どこから優先的にアンロックしていくかを決めることが可能。

プレイすることで得られる経験値(XP)をためていくことで、リワードを獲得できる。リワードは各地域で用意されており、どの地域から進めていくかはいつでも切り替えることが可能
自分のお気に入りのカードがあるなら、そこを目指してその地域からどんどん開けていけるので、XPの割り振り方によってカード入手に個性が出てくる。
つまり、単純に全員がいきなり全部のカードを使うわけではなくて、自分の好きなカードを探しにいけるというRPG的な楽しみ方があるというイメージ。全体的にプレイヤーのレベルアップというところに着目したゲームになるのではないだろうか。
多くのプレイヤーが、最初はVS AIをやってカードをアンロックしていき、それからランクマッチという流れになっていくと思われ、AIの作り方は力を入れてくるという印象だ(もちろんVS プレイヤーからプレイしていくこともできる)。
無限大のチャンピオン構成に向けた構想も?
本作は従来のカードゲームプレイヤーだけでなく、LoLのファンからも注目されるであろうタイトルだが、今後大会が始まったときに、おそらくカードゲーマーが飛びついてくるだろう。
LoLと同じように競技イベントが世界レベルで行われるとしたらカードゲーマー VS LoLファンという構図が出来上がるのではないか。
実は、LoRが始まるにあたって、LoLのプレイヤー、YouTuber、カードゲーマーなどのインフルエンサーに声がかかり、クローズドβテスト環境を触らせいただく機会があったのだが、カードゲーマーが環境を把握するスピードがずば抜けており、Riot Gamesの人もびっくりしていた。
現時点のカードプールだと、全部アンロックされたら3日ですべて解明がされるようなスピード感。それほどカードゲーマーはデジタルに慣れている。
どうやってカードのアンロックスピードをゆるやかにするのか、ランクマッチをどのようにしていくかなど、調整については見積もり的にも甘い部分が残っているとも言えよう。
また、カードの追加は、ちょっと特徴的な追加の仕方になりそうだ。
現時点では6地域にそれぞれ4種、計24種のチャンピオンがある。追加のカードが入るときは、地域を1個増やした上で全地域にチャンピオンを追加する予定なので、カードの増え方が指数関数的に増えていくことになる。次は7地域で5種ずつになるので35種に増え、その次は8地域6種ずつで48種に増える、ということだ。
「最終的には組み合わせが網羅できないくらいのカードを用意する」とRiot Gamesの方から聞いたことがある。これはある意味、カードゲーマーにとっては夢のようなことでもある。しかもデッキは2地域を組み合わせることができ、チャンピオン同士の相互作用もあるため、本当にチャンピオンが指数関数的に増えていくという話になるのであれば、カードゲーマーにとっては一生遊べるゲームになるのではないかと思う。
もちろん、開発段階の話なので実際にそのとおりになる保証はないが、ある程度まではそういう出し方をする可能性は大いにあるので期待したい。
本家LoLに先行して明かされるストーリー
実際にLoRをプレイした印象だが、最初はスタンと氷結という効果が、盤面に6枚まで出せるカードのうちの1つを潰す形になるのですごく強かったのだが、途中で調整が入りずば抜けている感じではなくなった。盤面をうまくコントロールするようなデッキの方向より、ロングゲームになるようにカードのバランスを触っているような感じだ。
先攻プレイヤーは1、3、5、7ラウンド目、後攻プレイヤーは2、4、6、8ラウンド目で攻撃権が来るので、1、3ラウンドで殴れる先攻は攻撃的なデッキを組みやすい。
その対抗措置として2コストのユニットはかなり強く作られている。1ラウンド目で殴られても、2ラウンド目で殴り返して得する、といったカードデザインになっているので、先行後攻問題もこの方針が続くのであれば、とりあえずはフィフティーフィフティーにかなり近いものになるかと思われる。
1コストでかなり強いユニットが若干下方修正されているというところもあって、高コストのカードの出番がかなり増えている。しっかりとロングゲームを意識してデッキを組むことが要求されている印象が強い。
また、LoLで馴染みのあるチャンピオンがカードゲームで楽しめるのは、LoLファンには魅力的だろう。
エリス、ティーモ、フィオラ、ヤスオ、ガレンといったチャンピオンは、強くて使用率も高かった印象。それに比べて高コストのカードは少し印象が薄かったが、調整が入って強くなった。こういう風に使用率を見ながら、手を加えている印象だ。
なおかつ、カードの能力はLoLでの能力に準拠しているので、LoLファンはカードの効果がイメージしやすい。
さらに、LoRで初めて出るLoLのバックストーリーも存在する。
LoL10周年感謝祭のときにLoLに新チャンピオンとして実装することが発表されたキャラクター「光の番人 セナ」。この人はルシアンの奥さんである。
ルシアンが銃を2つ持っているのは、セナの形見の銃。このことは、これまで明かされておらず、10周年のときに初めて明らかになった。

ストーリー上で絡みがある「光の番人 セナ」と「ルシアン」は、カードの効果でも関係性がある
このように、新たなストーリーラインはLoRの方で先に出るのかもしれない。
実はすべてのカードにフルイラストがあり、その中に別のキャラクターが描かれていたりする。別のカードではそちらがメインで描かれていて、さらにストーリーとかキャラクターの関係性が見えてくる。
これらを見るだけで楽しくて、LoLが好きならそれだけでやる価値があるのではないだろうか。

全カードに大画面のイラストが用意されている。フレーバーテキストもあり
本作のオープンβテストは、1月24日よりすべてのプレイヤーが遊べるようになっており、正式リリース時にアカウントリセットがされることはないので、PC環境があれば今のうちから遊んでみてほしい。
なお、モバイル版も含めた正式リリースは、2020年中を予定。モバイル版が気になる人は、公式サイトやTwitterなどで情報をキャッチできるようにしておこう。
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