ウェルプレイドリーグ Season 2予選を勝ち上がった3クランの全貌は? 【後編】

ウェルプレイドリーグ Season 2の予選は過酷を極めた。120以上ものクランがエントリーがあった。
その中にはSeason 1で活躍した「感謝。」やVERSUS出場経験のある「てるいと愉快な仲間たち」、そしてSeason1で数多くの独創的な攻めを見せた”天空のベルサ”が立ち上げた「ETHER」の姿もあった。
数多くの本戦出場が見込まれたクランを打ち破り、見事ウェルプレイドリーグ Season 2へ駒を進めた3クランがある。「はぐれメタルの城」「ガイハジボンバー2」「マウンテン突撃部隊」だ。
彼らは今まで「クラッシュ・オブ・クラン」(以下、クラクラ)界において、どのようなストーリーがあったのだろうか。クラクラの歴史と一緒に紹介していこう。
配信者からSNSの時代へ
2014年4月、クラクラ内に待望のクラン対戦機能が追加された。それからは、いわばクラクラの勃興期。この戦国時代に、まず名を挙げたのは、強力な発信媒体を独自に備えていたクランたちであった。
その代表格である「クラクラチャンネル」、「群馬帝国遠征軍」、「GOEMON_JPN」、「Logic Donators」といったクランは、いずれも高名な発信者、リーダーの存在があった。YouTubeやブログで自分のクランを宣伝し、その結果、優れたプレイヤーたちはこれらクランに集まり、強いクランはますますその勢力を増強した。
しかし、2015年秋。
東京ゲームショウ(以下、TGS)でクラクラが展示され、多くのプレイヤーが一か所に集ったことで潮目が変わった。
今まで顔を合わせる機会やイベントがなかったところに、公式が大きなイベントを開催したこともあり、多くのプレイヤーたちが集結し、顔を合わせることになった。
この2015年のTGS以降、プレイヤーたちの交流方法が大きく変わった。
それがSNSの活性化とオフ会の増加である。
TGSで多くのプレイヤーがオフラインで出会ったことで、ゲーム内の付き合いから現実での付き合いに昇華された。
これまでオンライン上だけで繋がっていたクラクラプレイヤーたちがオフラインでも繋がるようになり、TwitterなどSNSでの交流も増加した。
自然と、そうしたリアルの関係性とプレイヤー同士の相性もまた、クランの強さに直結するようになっていった。
こういった経緯を経て迎えた2016年、クランはSNSのつながりによって再編成され、その勢力図は徐々に変化の兆しを見せる。
ユーザーイベントの中でも厳選された24クランが参加していた、「明星杯」(※)にもその結果は現れた。
※明星杯:元群馬帝国遠征軍のほっしーが主催の大会。日本初のトーナメント形式のユーザー大会。2015年秋に開催された第1回の優勝は「クラクラチャンネル」、2016年春に開催された第2回は「群馬帝国遠征軍」であった。
2016年夏、第3回明星杯で頂点に立ち、大きく名を挙げたクラン、それが「はぐれメタルの城」であった。
はぐれメタルの城の強さはSNS上では響き渡っていたが、この大会の優勝で改めてその実力を世に知らしめた形となった。
はぐれメタルの城:超人だらけの銀河系軍団
TH10(※)という高難易度でも連発する全壊の多さ、独創的な編成、固い配置は日本クラクラ界でも一段も二段も上とさえ言われたほどである。
※TH:タウンホールの略。タウンホールとはプレイヤーが所有する村のレベルのこと。現在最高は12。
また彼らを特徴づけるのは、そのSNS上での活きの良さ。若いプレイヤーが多いからか、SNSの利用比率が高く、クラクラTwitterコミュニティの中心部には、常に彼らの存在があった。
ときには生意気と取れるような発言もあったが、それこそが彼らのクラクラにかける思いや誇り、勝利への意思を表していたともいえよう。
そして、若さは新しい戦術への適応性にも繋がった。
深く長いプランニングと合わせ、ストイックに美しい全壊を追求するアーティスト、そして難易度が高い全壊ほど燃える求道者としての面を界隈に示し続けていった。
この「はぐれメタルの城」の象徴的存在が、リーダーのyuta14である。
天才と称されるクラクラの申し子は、2017年4月、VERSUSの舞台でその実力をいかんなく発揮する。
完璧なプランニングによるクイヒー(※)全壊はいまだにクラクラ界で語られる、伝説的なプレイであった。
※クイヒー:強力なヒーローであるアーチャークイーンに、回復ユニットのヒーラーを複数体使用する戦術
もし、クラクラにプロリーグがあったなら、彼こそが真っ先にプロになっていただろうと、誰もが言うところだ。
天才のもとには天才が集う。
yuta14というスタープレイヤーに惹かれ、エース級の人材が「はぐれメタルの城」に集い続けた。その結果、ついに銀河系軍団とも呼ばれる集団が完成した。
特に、今回のウェルプレイドリーグで「はぐれメタルの城」から出場するバタースコッチは元々、「Make over!」というクランで比類なき天才と称えられたほどの男。
彼が「はぐれメタルの城」に加入したことで、まさに隙のない布陣が完成した。
「俺らのいないところでクラクラチャンネルさんに王者と言われても」「VERSUSの借りを群馬帝国遠征軍さんに返す」とうそぶく「はぐれメタルの城」がシーズン2で台風の目になることはまず間違いない。
ガイハジボンバー2 :最狂の理系軍団
こうした個の力が目立つ「はぐれメタルの城」に比べ、もう1つの出場クラン「ガイハジボンバー2」には誰もが口を揃えて天才というようなプレイヤーはいない。
代表的なプレイヤーとして、任された仕事は確実に遂行するリーダーのレイリーと、配置研究家として名高いowataku、そして、クラクラ界トップの研究者hondyの3人。
なかでも、hondyがメインライターとなって書くガイハジのブログ「ガイハジ県立クラクラ専門学校」は、これまでのクラクラブログにはなかった検証力、研究力を備えていた。公式では明らかにされていないDPSなどの情報を次々と明らかにし、世のクラクラアディクト(中毒者)たちに熱狂的に支持された。
また、ブログという媒体の特性上、動画ではなく文字を好む、やや年長の世代がクランメンバーの中心部を形成。
それによって、ただでさえ地力のあるプレイヤーたちが、偵察、プランニング、相談などをいとわず、勝利を至上とし戦う。相手にとっては悪夢のような最狂の集団が完成したのである。
そんな「ガイハジボンバー2」であるが、実はウェルプレイドリーグへの出場は厳密には初めてではない。シーズン1には「ハルパパ連合軍」として、TH10を担い出場するも敗退。
「ガイハジボンバー2」は、前述のとおり総合力で勝利をもぎとるクランだけに、実力の10分の1も出しきれない連合軍での敗退は、思うところがあったはずだ。
「俺たちの力はこんなものではない」という思いは深く、シーズン2では見事、予選からの本戦出場を果たすことになった。
今回、「ガイハジボンバー2」は連合の足かせを外し、真の姿を日本に見せることになるだろう。
マウンテン突撃部隊:予測不能の連合クラン
はぐれメタルの城にしろ、ガイハジボンバー2にしろ、すでに名高く実績のある名門クランだ。
いずれも設立自体は「クラクラチャンネル」や「群馬帝国遠征軍」とほぼ同時期であり、クラクラ界において古豪と呼んでも差し支えない歴史を持っている。
「数年間、同じ顔触れが並ぶクラクラ界」と言われて久しい中、ウェルプレイドリーグ Season 2では思わぬダークホースが現れた。
それが「マウンテン突撃部隊」である。
このクランの正体はいまだ、謎に包まれている。

独自のロゴを持っているが、その実力は未知数。
「天・JAPAN」「満天の星」「突撃部隊」の全壊プレーヤーが集まった連合クランとのことだが、このクランの本戦出場を予想したクラクラファンはいなかったのではないだろうか。
しかし、予選では「trinity JP」「ごったんの家」ら優勝候補をなぎ倒し、さらには準決勝で「はぐれメタルの城」さえも倒す大金星をあげた。
謎に包まれた存在ながら、その実力は疑いようもなく本物。無名クランがゆえに、名を挙げる意思、野心は間違いなく5クラン中、随一であろう。
いったいどんなプレイヤーが登場し、どんな配置で、どんなプレイをするのか。すべてが未知であること、それこそがマウンテン突撃部隊の最大の魅力といえる。
ウェルプレイドリーグ Season 2で優勝を手にするのはどのクランか?
「総合力のクラチャン」「ここぞで勝つ、魂の群馬」「全壊美学のはぐれ」「知性と組織力のガイハジ」「未知のクラン、マウンテン突撃部隊」
個性と個性、プライドとプライドがぶつかり合うウェルプレイドリーグ Season 2から目を離せない。
モンスト【愛】獣神亭一門の強さはあーぼーとけーどらのチーム作りにあり【前編】
