闘会議CUP2018優勝【愛】獣神亭一門はなぜ強い?モンスト界トップレベルの戦略を探る【後編】

WPJ編集部
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練習からアドバンテージを得るピック戦略

――:モンストの大会は、相手チームと使用キャラクターを取り合う「ピックシステム」が、勝負の行方を左右すると思います。ピックの戦略はどう決めているのでしょうか?

あーぼー:
交互にキャラクターを選んでいくので、例えばそのステージで強いトップ3があったとして、1番強いキャラクターを選んだら、2番目に強いキャラクターは相手に取られてしまうものと考えています。

なので、その強いキャラクターの代用はあらかじめ考えておきます。ただ、たまには相手が取るであろうキャラクターをあえて取りにいって、相手に使えなくさせるというのも重要です。

――:キャラクター選定は、チームごとに戦略が異なるのでは?

あーぼー:
そうですね。大きくは、

  1. 多少リスクを負っても速いパーティー
  2. 安定して勝てそうなタイムを出せるパーティー
  3. 徹底的にミスがないパーティー

の3タイプに分類できると思いますが、今回のモンストグランプリ(※)に出場したチームの傾向は掴めました。

相手の傾向を把握しておくと、おのずと狙ってくるキャラクターがわかってくるので、ピックが楽なんです。

ちなみに、僕たちは超安定重視です。今池壁ドンズαもそうですが、結果を残しているチームは安定感を重視していますね。

モンストグランプリ2018 チャンピオンシップ:【愛】獣神亭一門は決勝トーナメントの組み合わせを決めるタイムアタックラウンドで最下位になるも、トーナメントで勝ち進み3位入賞を果たした

――:モンストグランプリ2018 チャンピオンシップのベスト8決定戦では、星5キャラクター「百地三太夫(※)」という意外なピックをされましたが。

※百地三太夫:最高レアリティの星6ではなく、星5のキャラクター。星6キャラクターよりもステータスなどで劣るが、アビリティ「サムライキラーL」の効果で、対象ステージのボスに対して星6キャラクター以上の攻撃力を発揮する。とはいえ、この大舞台で星5キャラクターを選択するという判断に、会場は驚きの声が湧いた。

XFLAG PARK2018 DAY2 モンストグランプリ2018チャンピオンシップ決勝大会 【モンスト公式】から引用

あーぼー:
普通、各ステージでピックが先行と後攻の2パターンを想定して練習するんですけど、今回の僕らのピックは、百地三太夫はまず取られないので、先行と後攻のどちらでも1手目から3手目の動きが変わらない組み合わせだったんです。

このおかげで、僕らは1パターンさえ練習すればよかったので、ミスったときのリカバリーなどの練習を積むことができた。練習の時点でアドバンテージを取れたことになるので、狙いどおりでした。

練習の差は絶対に勝敗に影響すると思っていて、準決勝で負けてしまったのも、相手チームのアラブルズが先行を取ってくると予想して、対戦直前は後攻の練習しかしてなかったのが原因です。

この対戦も、先行と後攻が関係ないピックを見つけていれば、練習時間が無駄にならずにすみましたからね。安定が1番です。

第5のメンバー“監督”

――:ステージの適正キャラクターを見つける方法も、先程のチームの傾向によって変わってくるのでしょうか?

あーぼー:
そうですね。あと、今回は僕らは監督を用意していました。

――:監督?

あーぼー:
4人のメンバーのほかに信用できる人がいて、僕らが練習している間に、ほかのステージを研究してもらってました。

まあ、4人より5人ということで(笑)。

けーどら:
最善手を見つけるひらめき力を、僕なんかより持っている人が身近にいたので、5人目として引き入れました。実際にプレイするのは僕らなんで、それを実践でできるかどうかを判断するのは僕らの仕事です。

チームのブレーンである監督と、実際にプレイする僕らで、うまいこと役割分担ができたのはよかったですね。

他のチームにも、同じような裏方はいるみたいですよ。

――:それは知りませんでした! プロ野球のスコアラーみたいですね。

あーぼー:
もはや、情報戦ですね。いかに有効な情報を見つけて、隠しとおせるか。そこで勝負が決まってくる。

――:戦略以外の部分では、どうやって強さを身に着けているのでしょうか? より正確な角度でうてるようになる練習とかってあるんですか?

けーどら:
敵の当たり判定を把握することが大事で、実際にプレイを重ねて研究し、チームに共有しています。あとはもう数しかないです。クエストをひたすらひたすらプレイして、どういう角度ならいいのかというのを、メンバーそれぞれが理解しなければいけないんです。

あーぼー:
あとは、ゲージを切ること(※)。ゲージを成功させると、コンマ何秒かの遅延が発生するので、ゲージを成功させなくてもいい場合はさせない。これを何回決められるかが重要です。

なので、ピックで選ぶキャラクターは、ゲージアビリティがなくて倒せるキャラクターが最優先で、次にゲージがあるけど外しても倒せるキャラクターが候補になります。

星5や降臨キャラクターとかもばかにならないですよ。アビリティにキラーを持っていたりして、ステージによってはめちゃくちゃハマる性能だったりするんで。ただ、そういう場合はギミックに対応していないことが多いので、いかにうまく使えるかが求められます。

※ゲージを切る:ゲージショットをわざと成功させないこと

――:まさに、今回の百地三太夫がそうですね。

あーぼー:
キャラクターの選択もそうですけど、わざと敵を倒さずに残してとまるとか、一般常識を無視した立ち回りができると、大会でいいところまで勝ち進むと思います。

今回、僕らは監督の常識はずれな発見に助けられたところは多いですね。

監督のステージ研究のもと、常識はずれなプレイが生まれるという。百地三太夫の配置や流れるようなチームプレイで、観客も大いに興奮した

――:話は変わりますが、お2人が普段、使っているスマホはiPhoneですか?

あーぼー:iPhoneです。

けーどら:僕もiPhoneですよ。

――:モンストグランプリってHUAWEIの端末が大会のオフィシャル端末ですよね。今回の大会であれば、Mate 10 Proを使って行われたわけですが、端末による違いを感じることはありますか?

あーぼー:
端末の差がショットに影響する1人はMate 10 Proを持っていて、それで練習しています。僕らも賞金が入ったので、次の大会からは全員が指定の端末で練習をして臨むことになると思います。

けーどら:
自分のiPhoneとはディスプレイの縦横比が違うので、プレイする間隔も全然違います。本体のサイズが大きいので、狙った場所に打てないこともありますね。

あーぼー:
本気で勝ちたいなら、端末は絶対に買ったほうがいいです。

モンスト最前線を走るためのチームビルディング

――:そのほかに、これからプロを目指したり、モンストグランプリへの出場を考えたりしている人に伝えたいことはありますか?

けーどら:
やっぱり、この4人とプロになれて良かったと心から思えるメンバーと組むべきだと思います。気を許せる仲で、言いたいことも言い合えて、悔いのない練習が一緒にできるメンバーと出会ってほしいです。

――:そういう意味では、今の【愛】獣神亭一門のメンバーは?

けーどら:
もう大好きですよ。

あーぼー:
気持ち悪い(笑)。でも、一緒に出る人は大事かな。ノリで出て、たまたま勝っちゃってプロになるっていうのは良くないと思うので、それを理解したうえで大会にでてほしいです。

その逆に、遊び間隔で出ることも、もちろんありです。1回出てみれば考え方が変わって本気になるから、思い出づくりでいいから1回出てみなよとは、よく言っています。

――:チーム作りで気をつけたほうがいいことはありますか?

あーぼー:
メンバー選びでもっとも大事なのは、グランプリに対して同じ気持ちの人と組むことですね。3カ月間は嫌でも一緒にいることになるんですよね。

そんな状況で、例えば3人がガチ、1人が思いでづくりとかだったら、絶対に亀裂が入ります。その逆も絶対そうなります。

思いでづくりなら4人とも思いでづくりで組んだほうがいい。その4人で出てみて、楽しい思い出になるだろうし、もしかしたらその中から本気になるやつが出てくるかもしれないですし。

あとはチーム内での役割分担は大事です。

僕らの場合は、立ち回りを考えるのがウィズ。君、たっくすが情報収集、けーどらはまた違った目線で立ち回りやキャラクターを見つけてくる。で、僕がお笑い担当で練習中ヘラヘラ笑わせたりしながら、スケジュールや体調の管理とかをする。これがうまくハマっているから、いい成績を残せているんだと思います。

とにかく、モチベーションが同じくらいの人と一緒に出る。これは伝えたいですね。


メンバーの移籍や新メンバーの加入、5人目のメンバー“監督”の存在など、【愛】獣神亭一門の素顔が垣間見れた今回のインタビュー。モンストでは今池壁ドンズαと同時に初のプロとなった彼らは、これからも日々、研究と練習を重ね、手に汗握る戦いを披露してくれることだろう。

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(C)XFLAG
写真・大塚まり

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