クラロワリーグ アジアを優勝した みかん坊やが語る“クラロワ愛”【前編】

WPJ編集部

2018年4月27日の開幕から、計12チームによる約70試合の総当たり戦とプレイオフが繰り広げられたクラロワリーグ アジア。
7月15日にはついにシーズン1が決着し、「PONOS Sports」が優勝を収めた。

「PONOS Sports」はゲームアプリ開発などを行うポノス株式会社に集められた日本人メンバー5人で構成されたチーム。
プロリーグでは、個人のプレイテクニックはもちろん、他のチームに大きく差をつけるチーム内での連携をみせてくれた。

今回のインタビューでは、「PONOS Sports」で監督兼選手として活動しているみかん坊や選手に話を聞いた。
みかん坊や選手は、自身のYouTubeのチャンネルを持つ配信者としての一面ももっており、多角的に「クラロワ」に長く携わっている人物だ。

インタビュー内では、みかん坊や選手個人の「クラッシュ・ロワイヤル(以下、クラロワ)」に対する考えや、「PONOS Sports」の強さのヒントを聞くことができた。
彼の心境とチームの姿をよりよく知れば、これからのクラロワリーグ アジア シーズン2もより楽しむことができること間違いなしだ。

みかん坊や:クラロワリーグ アジア シーズン1で1on1勝率88.9%というすさまじい成績を残した「PONOS Sports」所属の選手兼監督。
1コストユニット等の細かいユニットの操作技術とデッキ読みが、他を圧倒する。


クラロワリーグ アジア シーズン 1 優勝
1on1 8勝1敗 88.9%
2on2 11勝4敗 73.7%

 

Twitter:orange____boy
Youtube:MIKAN BOY

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強い“クラロワ愛”を持つみかん坊や選手

——:まず、みかん坊やさん自身についてお聞きしたいのですが、「クラロワ」以外の趣味はありますか。

みかん坊や:
ゲームセンターに行って、クレーンゲームしたりしますね。昔はだいぶ景品取ったりしてました。台湾でも夜市にゲームセンターがあって、そこで人形を取ったりして遊んでました。

——:ゲーム以外の特技はありますか。

みかん坊や:
あまり人に誇れるような特技はないですね。興味のあること以外をやろうとしない、0か10の人間です。

——:では、「クラロワ」に出会う前の学生自体に何かやられていたりしましたか。

みかん坊や:
中学校までは剣道を続けていました。高校生になってからは帰宅部でしたが、そのころから色々ゲームをやるようになりましたね。

——:「クラロワ」を始めたきっかけはなんだったのでしょうか。

みかん坊や:
「クラッシュ・オブ・クラン」をやっていたからですね。そこから「クラロワ」に移ってきたという感じです。

——:「クラロワ」をやってて、自分がうまくなったなと感じたタイミングはどこでしたか。

みかん坊や:
最初に実感し始めたのが、タワーレベル9〜10の頃でした。そのときにローカルランキングのタワーレベル10の中でトロフィーが1番高くなっていたときは「もしかしてうまくなってきてる?」という気持ちがちょっとありました(笑)。

——:そのときに一緒にやられている方はいましたか。

みかん坊や:
naoooさんですね。僕がローカルランキングのタワーレベル10の中で競っていたのがnaoooさんで、「クラロワ」で一番付き合いが長い人になります。
よく会ったりもしますし、連絡取り合って「クラロワ」の話をしてますね。配信でもコラボしてみたりしてます。

——:その後、強豪クランの「Lively Colors」に入るわけなんですが、この経緯はどんなものでしょうか。

みかん坊や:
「Lively Colors」には、まず僕が自分から入って、そのあと勧誘活動を自分でするようになりました。なので、僕が作ったとかそういうわけではありません。

——:では、現在尊敬しているプレイヤーはいますか?

みかん坊や:
んー、あんまり(笑)。他の人を見てすごいと思うより、どうしたら勝てるかなっていう思考になってしまいますね。試合に勝つことしか考えられていないです。

——:みかん坊や選手はプロにもなっていて「クラロワ」にかける想いはかなり強いと思いますが、このゲーム魅力はどこにあるのでしょうか。

みかん坊や:
やはり人を熱くさせる部分だと思います。リアルタイムで動くゲームという部分もですし、1対1の真剣勝負だからというのもあります。やり込めばやり込むだけ執着心が沸いてくる、そんな魅力がありますね。

——:そこまでの熱意があるから勝てているということなんですね。

みかん坊や:
そうですね。とはいえ私生活に影響が出てしまって、少し疲れ気味です。最近は、メールチェックもあまりできていません(笑)。出社して練習して、帰って寝るようなイメージです。

大会で実力を発揮できない時期の苦悩も

——:みかん坊や選手はYouTubeで自身のチャンネルを持っていますが、「クラロワ」のYouTubeを始めるきっかけとなったのはなんだったんでしょうか。

みかん坊や:
最初は自分の好きなように、やりたいときに動画を出していたのですが、それだともったいないから毎日やった方がいいと友人に言われて、プロリーグが始まるまでの間とかは毎日投稿をがんばるようになりました。

——:YouTubeを続けてる中で大変だったことはありますか。

みかん坊や:
やはり、毎日継続することが難しいですね。最近は編集も自分でやるようにしたので、それも大変な理由のひとつになっています。

——:チャンネル登録者数も増えていって実力もあって有名にもなったと思いますが、YouTuber最強決定戦はどうでしたか。

みかん坊や:
あれは「ダークネクロ」というカードが実装された当初めちゃくちゃ強くて、大会が実装から2日目くらいで処理の仕方がわからない状態でした。
あとは単純に初めての顔出しっていうのもあり、思うようなプレイができなかったというのが正直な感想です。

YouTuber最強決定戦 決勝戦 ドズルVSみかん坊やの試合

——:昨年は5月からは日本一決定戦が始まったと思いますが、最初からすべて参加されていましたか

みかん坊や:
5月だけは出ていなくて、6月から出るようになったという感じです。5月の頃は「みんな何やってるのかな?」って感覚で外から見ているだけでした。

——:実際参加されてみて大会のレベルはどう感じましたか?

みかん坊や:
1次予選はけっこう楽でしたが、そこを抜けたら2次、3次、それから本選となるので、人数も絞られてきて難しい大会でした。
実は1回も本選に出たことがありません。進んでいくと予選でもレベルが高い大会だと感じましたね。

——:ルールは星取りゲームのようなものになっていますが、あのルールはやっていて集中力を消耗するように感じます。

みかん坊や:
正直、1時間ぶっ通しでやるのもかなりギリギリでしたね。「ゴーレム」「P.E.K.K.A」のような重量系であれば3クラウン取って、早めに試合が終わることもあります。
しかし、僕は軽量系のデッキが好きなので、細かいユニットを動かしたり手を動かすことが多くなります。それで、集中力が持たないという事はありました。

——:みかん坊や選手が得意な軽量系ですが、デッキを使うコツってありますか。

みかん坊や:
1コストのユニット1体で戦況が変わるので、そういったユニットを無駄にしないで戦うことが大事かなと思います。
例えば「プリンセス」を使うときは、まず相手の処理の仕方を見て、呪文で有利トレードをしてくれるようならそのまま、ユニットで処理してくるようならそれを先読みして有利なユニットを出すといったような戦い方をしています。

——:プレイヤーのみなさんを見てて思うのが、相手のデッキ把握がすごく早いなと思います。そのために何かしていることってありますか。

みかん坊や:
最近流行っているデッキはこれっていうのを頭に入れておいて、試合で相手のカード2、3枚を見れば「多分このデッキだろう」と予想をしています。
一部のカードは入るデッキが限られてくるので、キーカードが入っているのを見たら判断できるようにしていますね。

——:先ほどもおっしゃっていましたが、オンライン上でやるのと顔出しで対戦するのは、やはりメンタル的にも大きな差があるんでしょうか

みかん坊や:
生放送とかはすごく緊張するタイプなので、オンラインの方が気楽にプレイできますね。

——:日本一決定戦のファイナルではベスト8でしたが、あのときも顔出しで緊張されましたか。

みかん坊や:
めちゃめちゃ緊張しました。頭の中が真っ白って感じで、指だけで操作している状態でしたね。

——:そういうメンタルで挑んだ後は、やはり後悔もあったんじゃないでしょうか。

みかん坊や:
悔いもあると言えばあります。でもやっていて「あーもうこれはダメだ」と諦めがついてしまった。オフラインでは勝てないプレイヤーと言われることもあったのですが、まさにその通りだなという感じです。

——:それを受けて、何かを変えるようになったことはありますか。

みかん坊や:
自分のYouTubeチャンネルで顔出しの生放送をするようにしました。あとは、他のYouTuberさんのイベントに参加してオフラインに慣れるようにしました。

——「クラロワ」でプロの話が出たときには、もうプロになりたいと思ってたんでしょうか。

みかん坊や:
なれるならなりたいと思っていましたね。僕は「クラロワ」が好きなので、それを仕事にできるならぜひやりたいと思いました。
結果プロになっていたという感じで、実を言うとそこまで考えて動いていたわけではありません(笑)。


クラロワを始めて順風満帆というわけではなかった。強いといわれて来た裏には、オフラインでオンライン同様のプレイングができないこと、そして日本一決定戦では本戦に出場ができなかったこと。
多くの紆余曲折を経て、今の強さまで登り詰めた。それこそが、みかん坊や選手の熱意に繋がり、クラロワリーグ アジアでの勝率にもつながるものなのだろう。
後編では、PONOS Sportsが目指すチーム像について話しを聞いた。他のチームとは違う、その戦略を深掘りしていった。

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写真・大塚まり

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「ゲームプレイに対する肯定を」「ゲーム観戦に熱狂を」「ゲームに、もっと市民権を」
このゲームを続けてよかった!と本気で思う人が一人でも多く生まれるように。
ゲームが生み出す熱量を、サッカー、野球と同じようにメジャースポーツ同様に世の中へもっと広めたい。
本気で毎日そのことを考えている会社の編集部。

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