ギルティギアの盛り上げに尽力 同シリーズ初のプロ選手「サミット」独占インタビュー【後編】

コイチ

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■前編記事
ギルティギアシリーズ初のプロ選手「サミット」独占インタビュー【前編】

2018年2月10日にWalker Gaming へ所属することが発表されて大きな話題となったサミット選手。インタビュー前編では、「ギルティギア」シリーズ単独では初めてであろうプロゲーマーとなったサミット選手にその経緯ついて話を聞いてみた。
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プロとして観戦者を楽しませたい

──:プロになってから練習方法とかは変わりましたか?

サミット:
なにも変わっていないですね。もともと家庭用をほとんどやらないタイプなので、週一でゲームセンターに行くくらいです。今は毎週金曜日に津田沼エースに行って練習しています。船橋ファンファンが閉店してしまって、そこのプレイヤーが全員津田沼エースに来るようになって人が増えました。3年前に千葉に引っ越してきたときは全然プレイヤーがいなかったのですが、今はどんどん人が増えてきていますね。
 
 
──:普段どんなプレイヤーと対戦しているのでしょうか。

サミット:
てんイノ、のり紗夢、Trustジョニー、かにたべエルフェルト、ジャイーンクムとか、無慈悲さんと呼ばれている南雲さんのカイなんかも超強いですね。プレイスタイルはすごいですが(笑)。

彼らがいないとギルティが出来ないのでありがたいです。高田馬場のゲーセン「ミカド」に行けばプレイヤーはいるのですが、片道1時間以上かかるので行けるとしても休日のみですね。ただ勝つことだけを考えるとミカドに行かないで一発勝負したほうが勝てると思います(笑)。
 
 
──:ちなみに“プロゲーマー”という言葉に対してどういう印象をお持ちですか?

サミット:
うーん……。プロゲーマーの定義はいろいろあると思うのですが、自分の中の定義は本業として一本でやっている人のことを指します。だから自分がプロゲーマーかと言われたら……どっちなんだろうな、というフワフワした感じです。ただ周りが「プロ、プロ」言ってきた場合は「おう、プロだよ」と言い返します。

兼業プロとして一番辛いのは、「プロだから勝たなきゃダメ」っていわれるのが一番辛いですね。実際Walker Gamingの代表には、「勝ちを求めない。ゲームの面白さをどんどん広めるような仕事をしてほしい」といわれています。自分としても普通の仕事をしている時点で、ゲームをする時間がないので勝ちを求められても厳しいんですよね。そういうスタンスでやっていけたら良いと思いますね。
 
 
──:楽しんでゲームしている人やプレイで魅せられる人は、“プレイヤーを増やす力”もあるし、プロゲーマーだなと個人的には感じます。

サミット:
それは自分も一番求めていますね。プロとか関係なく昔から私がいっているのは、“見ている人に楽しんでもらえるようなプレイがしたい”という点が大事だと思っています。プレイで周りを沸かせるのが一番好きなので元からチップ使っていて、人から「すげぇ!」と言われるのが気持ち良くてやっています。以前、ウメハラさんが出演していた番組でも全く同じことを仰っていて、どこか被っていて恥ずかしくなりましたが(笑)。
 
 
──:チップを使いつづけるのも“魅せるプレイができて盛り上がるから”……という理由でしょうか。

サミット:
ええ。起き攻めも豊富ですし、黄色ロマンキャンセルの判断とか、とにかく沸かせられるんですよね。龍柳を使った起き攻めなんかは超格好良いし、コマンド入力も難しいので知っている人からみると、「すげぇ」といってもらえますね。賽(プレEVO JAPAN)のFAB戦はすごい会場が盛り上がってくれて一番気持ちよかったですね。

EVO 賽で最高に盛り上がったFAB選手 VS サミット選手の試合。あまりにも熱すぎる最後

──:ギルティの大会はプレイヤーの実力が拮抗しているから本当に面白いですよね。そんな中でも最近は、おみと選手の活躍がずば抜けて目立っていますが、サミット選手からみたおみと選手はどんなところが強いのでしょうか。

サミット:
おみとのことは昔から知っているのですが、ジョニーがあまり強くなかったAC(GUILTY GEAR XX Λ CORE)時代から彼は強いんですよね。なので、XrdRev2(GUILTY GEAR Xrd REV 2)のジョニーなんか使わせたら、そりゃ勝つよねっていう(笑)。あと、あの人はゲームが好き過ぎなんです。関東の大会に出て、大阪戻ってギルティの配信しているときは、その熱量に震えましたよ。そもそもプレイヤーとして強くて、一番ギルティ好きでやっていて、加えてキャラも強くて……3つそろっていたら、そりゃ負けないですよ。
 
 
──:“誰が倒すのか…”今後のギルティ界の注目ポイントですよね。サミット選手自身はなにかギルティ界隈を変えていきたいとかありますか?

サミット:
すでに、上位は上位でいつも通りやっているし、ミカドでは初・中級大会も行われていますし、各所でギルティを盛り上げてくれているんですよね。もう、みんな楽しみながらやっています。あとは初・中級者層をどんどん入ってきて、もっとゲームにのめり込んで貰えればいいかなと考えています。
 
 
──:ライバルと呼べるプレイヤーは居ますか? 同じチームの紗夢使いであるLOX選手についてはいかがでしょう。

サミット:
紗夢はちょっと……(笑)。AC時代だったら完全にヲシゲさんでしたが、都内に来て大会で毎回当たるのは、ミリア使いの中村ですね。Rev2までは負けていたのですが、最近は勝率が良いです。ミリア戦が好きというよりは、速いキャラと対戦しているときが一番楽しい。チップは同キャラだと面白くないのですが、一番負けたくない、いや、倒したいという意味でのライバルはT5M7(レオ)ですね。勝てていないので。

KVOでの1戦。読みを通したT5M7選手が勝利

──:今年はギルティギア20周年という節目の年なので昔話を聞きたいのですが、サミット選手はいつからギルティを始めたのでしょうか?

サミット:
青リロです。マツさんらが優勝した大会「闘劇’04」なので、かれこれ14年前ですかね。振り返ってみれば、正直ここまでやるとは思っていませんでした(笑)。高校生時代は、「恐らく就職して24、5になったらギルティを辞めるんだろうな」とか「ゲーセンで一緒に遊んでいた人ともお別れだな」と思っていたら、気付けば32歳になっていた(笑)。

その当時に始めた人たちと、今でも友達として一緒にギルティをやれていることは本当にすごいことだなと思っていて、格ゲーというよりも友達と遊ぶためのツールになっていますね。リアルの友達よりもゲームを通じた友達の方が仲良くなっていて、ギルティには本当に感謝しています。人生を楽しくしてくれました。
 
 
───これからのギルティに望むことはありますか?

サミット:
そうですね……。一番はギルティギアというゲームがなくならないことですね。どんな形であれ、これからもギルティギアという格闘ゲームを出していってほしいし、出してくれれば盛り上がるように尽力しますし、自分自身も全力で楽しんでいきます。
 
 
───ありがとうございました!

取材後、とあるゲーセンでの対戦風景。筆者(写真左)は、久々にサミット選手との対戦を楽しんだ


 

 
 
プロプレイヤーとしての気負いは感じられず、これまで通り自身のペースでゲームに取り組んでいくと語っていたサミット選手。自由な発想から生まれるオンリーワンのプレイに注目していこう。なお、普段はイベントスペースの一般貸し出しも行っているというWalker Gaming。ユーザー主催の対戦会や大会も増えてきており、そこから生まれる新しいプロプレイヤーの誕生にも今後期待していきたい。

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記者プロフィール
コイチ
伝説のアーケード雑誌アルカディアの残党で現在は謎のメディア「ゴジライン」のメンバー。昼はサラリーマン。夜はさすらいの格ゲーおじさん。日々ライター業に追われてゲームができない本末転倒な日々を過ごしている。

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