スプラトゥーン×パワプロの二刀流を実現するたいじの流儀【後編】

WPJ編集部

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パワプロ歴1年未満でプロへ

――パワプロ・プロリーグのドラフト会議でたいじさんの名前があって驚きました。「パワプロ」はいつ頃から始めたんですか?

たいじ:
4~5カ月前くらいですね。

小学生の頃に友だちの家で対戦したことはありますけど、自分では持ってなかったのでほぼ未経験でした。

パワプロ2018で久しぶりに触ってみて、はじめてオンライン対戦をやってみたら結構勝てて、これはいけるなって感覚がありました。

ただ、上手い方だとは思いますけど、最上位層になるとまたレベルが違うなって感じることはあります。

各球団がオンライン、オフラインの予選を勝ち抜いた選手を選択するeドラフト会議開催時点では、プレイ開始からなんと2カ月で読売ジャイアンツに指名された
――パワプロとスプラトゥーンってジャンルが違うし、ゲーム性ももちろん全然違うと思います。突き詰めると、的を狙って撃つということが共通している気がするんですが、それぞれの体験がお互いに良い影響を与えている感覚はないですか?

たいじ:
たぶん、パワプロの腕前にスプラトゥーンはまったく生かされてなくて、もともとやってた「Call of Duty」や「バイオハザード」みたなFPS、TPSの経験がパワプロには影響してますね。

スプラトゥーンはエイムするためにはジャイロという特殊な操作方法が求められるので、なかなか他のタイトルの経験が役立つことは少ないです。

――そうなると、スプラトゥーンとパワプロの両立が難しそうです。

たいじ:
第3回スプラトゥーン甲子園に向けた練習していたときから、並行してパワプロの練習はしていました。

スプラトゥーンはチームで戦うゲームなので4人集まらないとできないですけど、パワプロは1人でもできる。ちょっと空いた時間とかにできるから、スプラトゥーンと並行して練習することはやりやすかったです。

もしパワプロがチームゲームだったら、難しかったかもしれないですね。

――それでも、eドラフト会議の時点ではパワプロ歴2カ月。

たいじ:
どうせオフライン予選で負けるだろうとは思ってたんですけど、勝てちゃいました。

プロ野球を再現するパワプロ・プロリーグ

――読売ジャイアンツ(以下、巨人)に指名されましたが、希望どおりでしたか?

たいじ:
巨人はもともと好きな球団なので、指名されたときはうれしかったですね。

僕は北海道出身なんですけど、子どもの頃はまだ日本ハムが本拠地を北海道にする前だったので、野球中継は巨人戦しか放送されてなかったです。

それもあって自然と巨人が好きになりました。

ただ、本音を言ってしまうと、福岡ソフトバンクホークスか埼玉西武ライオンズ(以下、西武)みたいな強いチームを希望していました(笑)。現実のプロ野球と似ていて、選手の能力が他球団と比べて強いですね。

――セ・リーグではどこが壁になりそうですか?

単純に選手の能力面を考えると、広島東洋カープの打撃力が圧倒的なので手強いと思っています。やっぱりある程度は現実のプロ野球のような状況になってますよね。

そういう意味ではパ・リーグはやばいですよ。

特に西武は打線のレベルが頭一つ抜けています。もしかしたら現実のペナントレースみたいに、山賊打線(※)が暴れまくるかもしれないですね。

※山賊打線:2018年の西武は圧倒的な打撃力で優勝。その破壊力と威圧感から、山賊打線と称された

――そんな強豪を相手にしていくわけですが、どんなオーダーで挑むのでしょうか? キーマンなどがいれば教えてください。

たいじ:
スタメンに関しては当日を楽しみにしてもらえればと思います。

キーマンはやはり阿部慎之助ですね。代打で出すと能力がかなり上がるので、勝負どころで使いたい選手です。

11月10日の開幕戦では、延長9回の勝負どころで代打阿部を起用。しかし、警戒した相手のピッチングにより、見逃し三振に倒れてしまった。

パワプロ・プロリーグ 2018 開幕戦 「読売ジャイアンツ vs 阪神タイガース」より引用

経験の差を埋めるもの

――リーグに向けてどんな練習を? パワプロが上手い人だと、ひたすら内野安打の練習をするみたいなマニアックなプレイをしているという話を聞いたことがあります。

たいじ:
スプラトゥーンの場合は、ある程度のレベルまでは上手くなったと思うので、今は考え方の部分が大きいんです。練習時間というよりもコンディションを整えることとかが大事になってきます。

ですが、パワプロに関しては圧倒的に経験が足りないので、とにかく数をこなす必要があると感じていて、何か特殊な方法で練習しているということはないです。とにかく試合をやって、バッティングは遠くに飛ばすことを意識して練習しています。

――そこで1日10時間くらいのプレイ時間が生かされているのですね。いくらゲーム好きでも、さすがに疲れそうです……。

たいじ:
練習では疲れを感じることはあまりないですね。

スプラトゥーンをやり続けると、たまに目がチカチカして頭痛がすることがあるんですけど、そうなったら鎮痛剤を飲んでやり続けます。

でも、大会から家に帰ると、一気に疲れを感じることがあります。それくらい試合では集中しているということなんですかね。

先日の第4回スプラトゥーン甲子園関東地区大会でもかなり疲れて、帰宅したらすぐに寝てしまって、起きたら20時間くらい経っていました。

――スプラトゥーンで勝負の世界を経験していることが、他のパワプロの選手にはないたいじ選手の強みなのかと思います。

たいじ:
うーん、とは言ってもめちゃくちゃ上手い人がいるので、100%勝てるかと言われるとそうではないですが、勝てる見込みはじゅうぶんあります。


開幕戦ではパワプロ歴8年のショーラ選手を相手に4対4の互角の戦いを演じたたいじ選手。第2節では横浜DeNAベイスターズのじゃむ~選手に敗北するも、1対2の僅差に迫る。その成長スピードは他球団にとって驚異以外のなにものでもない。

パワプロ・プロリーグ 2018 開幕戦 「読売ジャイアンツ vs 阪神タイガース」
パワプロ・プロリーグ、第4回スプラトゥーン甲子園全国大会と、強豪ひしめく大会やリーグにどう立ち向かうのか、その姿に今後も注目し続けたい。

また、選手としてだけでなく、OPENREC.tvでストリーマーとして活躍しているのは周知のとおり。選手、ストリーマーというゲームをプレイすることを生業にすることについて聞くと「日本でプロゲーマーで食っていくって難しいことだと思うんです。」と語る。

プロゲーマーとして大会で活躍しながら、ストリーマーとして視聴者を集める力が絶対必要だと考える彼の視聴者を集める方法、それは「自分がゲームを楽しむこと」だという。

写真・大塚まり

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記者プロフィール
WPJ編集部
「ゲームプレイに対する肯定を」「ゲーム観戦に熱狂を」「ゲームに、もっと市民権を」
このゲームを続けてよかった!と本気で思う人が一人でも多く生まれるように。
ゲームが生み出す熱量を、サッカー、野球と同じようにメジャースポーツ同様に世の中へもっと広めたい。
本気で毎日そのことを考えている会社の編集部。

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