「勝ちパターンを作るべき」――AVALONねおん流荒野行動勝率アップの秘訣

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バトルロイヤルゲームの荒野行動では、個人主催を含め数多くの優勝賞金付き大会が開催されており、チームを組んで活動しているプレイヤーが数多く存在する。
本稿では、荒野大会で数百の優勝実績を持つだけでなく、チーム「AVALON」の勝率をアップさせた司令塔「ねおん」に聞いた、荒野大会で勝つために必要な要素から、チームの司令塔を担う上で重要な考え方までを紹介する。
ゲーミングハウス生活で昼夜逆転が改善
――最初に、ねおん選手の名前の由来を教えてください。
ねおん:
僕の名前は、元素の「ネオン」が元になっています。
中学校で理科の授業を受けているときに、友人と「どの元素記号がかっこいい?」という話題になって、そこで友人が発見したネオンという名称がすごく気に入り、声に出して読んだときの音もいい響きだなと感じたんです。
それからなんとなくですが、ゲームなどで使用していた「頂点」というハンドルネームを「ねおん」に変更しました。堅苦しいイメージを持たれないために、カタカナではなくひらがなを使っているこだわりもあります(笑)。
――名前は学校の友人との会話の中で生まれたんですね。中学生時代はどんな生活を送っていましたか?
ねおん:
僕はかなりやんちゃで騒がしい生徒だったので、僕が悪さしないかを先生が監視しやすくするために、僕の座席の位置は教卓の真横で固定されていました(笑)。
テニス部に入っていたこともあり、土日も部活漬けの日々を送っていましたね。現在はスマホを手にしていないと心が落ち着かないですが、当時はスマホをほとんど触らない生活をしていました。
――ゲームとは無縁の生活をしていたんでしょうか?
ねおん:
無縁ではないのですが、飽き性なので、誘われたゲームをプレイしてはやめての繰り返しです。どれも暇つぶしでプレイしていただけなので、ゲームには関心はありつつも、熱中するほどではありませんでした。
ところが現在はゲームをして生活をしているので、人生は何が起こるか本当にわからないですね。
――中学生時代の友人と会えば、今なにをしているかという話題になりそうです。
ねおん:
2020年1月に地元に帰って友人と過ごしたときにこの話題になったんですが、今は「AVALON」というゲームのチームに所属して生活をしていることを伝えると、例外なく驚かれました(笑)。
自分でもここ数年のゲームに対する気持ちの変化に驚かされているので、周りがびっくりするのも仕方ないですね。
――AVALONに加入してからは、ゲーミングハウスで生活をしていると聞きました。何か生活の変化はありましたか?
ねおん:
起床時間が11:00と決められているので、朝に寝て夕方に起きていた昼夜逆転生活が改善されました(笑)。
AVALONのゲーミングハウスは東京と大阪の2ヵ所にあって、僕は東京にある2LDKのタワーマンションに1人で住んでいますね。
――1人暮らしなんですね。食事や掃除はどうしていますか?
ねおん:
食事は自炊をしようと思いながらも、ついどこかで買ってしまったり、外食をしたりすることが多いです。これは改善しようと思っていて、マネージャーに食材や献立などの管理をお願いしようと思っています。できるだけ綺麗な部屋をキープできるように、掃除もがんばってます(笑)。
AVALONにはかなりいい環境を提供してもらっているので、ゲーミングハウスに住むようになってからよりいっそう、チームのためにがんばろうと思えるようになりましたね。
iPhoneユーザーの中で最多実績を自負
――荒野行動を始めたきっかけを教えてください。
ねおん:
2017年12月ごろに、LINEグループで「荒野行動やろうよ」と友人から誘われたのがきっかけですね。
でも、初めて荒野行動というゲーム名を聞いたときはあまり魅力的に感じていませんでした。何をするゲームなのかよくわかりませんでしたし、飽き性だったのでどうせまたすぐに飽きてしまうだろうなと。
ですが、なかなか荒野行動を始めない僕を見かねて、友人がプレイ動画を送ってくるようになったんです。そこで初めて荒野行動がどんなゲームかを知ることができて、一気に魅力的に思えたんですよね。
同じようなステージで繰り返し戦う周回要素のあるゲームも多い中、自分でキャラクターを自由に操作できて、同じような場面がほぼ発生しない荒野行動が魅力的に感じて、すぐさまプレイしました。
――荒野行動は操作が難しいとの声も多いですが、いかがでしたか?
ねおん:
ゲーム慣れはしていたので、感覚でなんとかプレイすることはできました。初回からトップ10位以内にも入れたこともあり、荒野行動への熱量はかなり高まりましたね。
ただ、僕は負けず嫌いでもあるので、1位を取りたい一心でしばらくの間は荒野行動に夢中になりました。何十試合も経験してから1位を取ることができたんですが、僕を荒野行動に誘ってくれた友人は何度も1位を経験していたので、絶対に負けるもんかと躍起になってその後もひたすらやり込みました!
――そしてそのまま、ガチ勢になったと。
ねおん:
そのとおりです。
僕はリーダーになりたいという欲もあったので、荒野行動の操作に慣れてからすぐにクランを作りメンバーを集めて、上手いプレイヤーの動画を見て勉強していました。
その際は、彼らにできて僕にできないわけがないという、根拠のない自信に満ち溢れていました(笑)。
――どのタイミングで大会に出場するようになったんでしょうか?
ねおん:
大会に出場し始めたのは、2018年12月ごろです。ちょうど、荒野行動を始めて1年が経ったタイミングですね。初めて優勝できた大会は参加チームが少なく、優勝賞金も少なかったですが、優勝という目標を達成できてうれしかったです。
そして特に記憶に残っているのが、チームではなくソロで戦う優勝賞金5,000円の大会で優勝できたことですね。優勝賞金が高額だったことと、すごく気持ちのいい勝ち方をすることができたので忘れられない一戦になりました。
――荒野行動は個人主催の大会が多く、プレイヤーにとっては実績作りや賞金を獲得しやすい環境が整っていますよね。
ねおん:
そうですね。ただ、2018年の段階ではまだまだ大会数は少なく、現在のようにゲリラでルームパスワードを発表するのではなく、応募制の大会が多かったんです。
ですので、以前は出場すればほぼ必ず強豪チームが待ち構えているような、優勝するのがかなり厳しい大会ばかりでした。
大会が多くなるにつれて強いチームも分散しているので、現在のほうが優勝しやすい環境だと思いますね。
――プレイ端末に制約がない大会では、画面が大きい端末を使用すれば有利に戦えるとお聞きしています。ねおん選手も、大会にはタブレット端末などを使用していたんでしょうか?
ねおん:
現在はiPadを使用していますが、強豪チームに入る前はiPhoneでがんばっていました。
もちろんiPadなどの画面が大きい端末と比べると視認のしやすさだったり、操作性だったりで撃ち合いの際は不利になることもありますが、負けを端末のせいにするのはかっこ悪いと考えていたので、できるだけ撃ち合いにならないように立ち回り、優勝を狙ってました。
おそらくですが、チーム入りする前の僕の実績数は、iPhoneユーザーの中では最多(※)だったのではないかなと考えています。
※本人調べより
勝てた試合をパターン化すれば勝率アップ
――荒野行動の大会で勝つためのコツを教えてください。
ねおん:
最初はとにかく経験を積むことが重要ですね。どれだけゲーム内の試合で1位になれたとしても、大会で1位になるのは難しいと思います。大会ならではの立ち回りが必要になってくるので、何度も挑戦して大会慣れすることがコツだと言えます。
前回の大会では何がダメだったのかと反省し、課題を設定した上で再度挑戦することで、効率よく強くなれると思います。
――そのサイクルを繰り返すことが重要なんですね。
ねおん:
まだまだ早く上達できる方法はあります!
チームで出場する場合は、チームメンバー全員が向上心を持っていることが重要です。1人でも適当にプレイをしている人がいるだけで、チームとしての成長は止まります。
また、チームメンバーに自分より上手いプレイヤーがいると最高ですね。一緒に戦う中で、自分が知らなかった立ち回りやテクニックを盗むことができるので、すぐに上手くなると思いますよ。
加えて、荒野行動は同じマップでも週単位で立ち回りが変化します。安全地帯にすぐ入る動きが流行るときもあれば、なかなか安全地帯に入らない動きが流行ることもあるんですよ。
ですので、あまり日を空けずに練習することを心がけて、コツコツと積み重ねていくのがおすすめです。
――大会で優勝するには、どんな立ち回りやテクニックが有用ですか?
ねおん:
まず、安全地帯が4段階縮小されるまでチーム全員が生き残ることが重要ですね。逃げることができるなら、遭遇した敵からはすべて逃げていいとも思っています。
4段階縮小時にチーム全員が生き残っていれば、下手をしないかぎり優勝できると言っても過言ではないほど、終盤の数的有利というのは非常に大きなアドバンテージです。
次に、自分の考えを持つことです。このパターンになったときはこうしよう、この場合はこうだとパターンが決まっていればプレイが安定します。
ある程度余裕ができたら味方の位置を確認し、どこから攻められたら弱い陣形なのかを理解して、陣形の弱点を補うような立ち回りを意識できると最高です。
最後に、無理はしないことですね。どれだけ撃ち合いをするのが好きだとしても、撃ち合いが得意でないなら避けるべきですし、かっこいいプレイなどは狙わないようにして、堅実なプレイを心がけると勝率が上がると思います。
――エイミングなどの調子が悪いときは、どうしていますか?
ねおん:
僕は不調だと感じたら、その日はプレイしないようにしていますね。その状態でプレイをしてもいい結果は出せないと思いますし、気持ちの面ですでに負けているとも思います。
次の日にプレイをしたらサクッと勝てるときもあるので、あまり気負いはしなくていいですね。
――プレイングが上達したと実感したタイミングはありますか?
ねおん:
想定していたプランどおりに勝てたときですね!
狙っていたとおりに勝てた試合の感覚を忘れないようにして、次の試合でも同じプランで立ち回って、その動きが本当に強かったのかを確かめるようにしています。
このように勝てるパターンを作っていくのが、荒野行動で勝つためには重要なことですね。
努力を惜しまず、何度も大会優勝を果たしたねおん選手。荒野行動の立ち回りや考え方が語られた前編に対し、後編ではAVALONの司令塔としての顔や、チームを動かす上での思考を紹介する。
写真・大塚まり
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