Green Leavesの攻め方はリーダーbyknが統率

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2017年7月に登場した「フォートナイト」は、同年9月に実装されたバトルロイヤルモードで人気に火がつき、総プレイヤーが2億人を超えるほどの人気を誇る。
大会シーンも盛り上がっており、日本国内では高校生を対象とした「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2019」のタイトルにも選ばれ、賞金総額が約33億円の世界大会である「Fortnite World Cup」にも注目が集まっている。
そこで今回は、フォートナイトのプロシーンの盛り上げにスクリムや大会の開催を通じてひと役買っているGreen Leavesの選手に話を聞いた。
本稿では、彼らのフォートナイトを盛り上げるための活動内容から、プロ目線で発せられた現在の競技シーンへの厳しい意見までを紹介する。
謎のベールに包まれているGULICK
――最初に、Green Leavesのことをどんなチームと思っているか教えてください。
bykn:
この4人で活動し始めて1年ほど経つのですが、メンバーが変わることなく続けられているので、なかなか相性が良いチームなんだろうなと思ってます。
GULICK:
もう1年か。
Shiras:
Green Leavesに所属する前もこの4人で活動してたから、かなり仲は良いほうだね。お互いに言いたいことが言えるし、思いやれるし、4人の個性がバラバラだからうまくかみ合ってるのかな(笑)。
Nizzy:
オレたちが仲良いのはもちろんだけど、Green Leavesからの手厚いサポートがあってこそのオレたちじゃないかな。どうにか結果を残して恩返したい、本気でそう思えるぐらい素晴らしいチームに所属できてるよね。
――4人の個性がバラバラとのことですが、具体的にはどんな感じなんでしょうか?
Shiras:
ゲーム内だと、指揮を担当するbyknがしっかり者で、GULICKとNizzyが冷静で情熱的な特攻隊長みたいな感じです(笑)。
Nizzy:
情熱ってなんだよ(笑)。
Shiras:
僕は割と騒がしいタイプかな? みんなからどう思われてるか知りたいかも。
Nizzy:
Shirasはうるさいけど、倒されたときに敵の位置や資材の数を的確に報告してくれて助かってる。しかも声がでかいからよく情報が頭に入ってくるんだよね! でも、何度も同じ内容を繰り返すのはうるさいからやめてほしい。
Shiras:
ちゃんと聞こえてるか心配で何回も言っちゃう(笑)。
――負けても暗い雰囲気にはならない印象ですが。
bykn:
ならないですね。Shirasは普段からよくしゃべるので、チームのムードメーカー的な存在です。SNSなどでもいろんな人と交流が深いので、チームの顔とも言えますね。
でも逆に、GULICKはSNSもゲーム配信もあまり活発ではないから、チームの中では一番謎のベールに包まれてるはず。たまにファンから「GULICKって何してるの?」って聞かれるほど(笑)。
GULICK:
ちゃんとフォートナイトしてるよ(笑)。
Shiras:
GULICKはファンの人からはシャイだと思われてるけど、人見知りなだけで僕らにはうるさいぐらい話しかけてくるんだよね。
Nizzy:
GULICKはゲーム中に何も考えてなさそうにしてるけど、味方の位置はしっかり把握してるし、ちゃんとカバーしてくれるから意外と考えて動いているんだよな(笑)。
そしてオレの相方であるbyknからは、フォートナイトを上手くなろうという向上意欲をかなり感じる。
Shiras:
byknは自信を持って行動してくれて、指示の出し方にも迷いがない。実際に彼がとる行動には間違いがなくて、動きを合わせていれば勝てるんですよ。まさにリーダーですね。
Nizzy:
オレはどんなやつなの?
GULICK:
僕はNizzyと同じ大阪に住んでるんですけど、遊ぶたびにご飯をごちそうしてくれるんですよね。そしてイケメン。
bykn:
Nizzyは仕事とゲームを両立してるし、いろんなところからゲームの情報を仕入れていて、ゲームの研究にも熱心な努力家ですね。
Shiras:
褒めすぎだから僕はちょっと悪いところを言うね。Nizzyは冷静そうに見えるけど、実は人の話を聞いてない(笑)。
Nizzy:
おい!(笑)。
ストレッチやウェットティッシュや椅子の高さ調整でエイム対策
――フォートナイトはバトルロイヤルなので、最後の1人まで生き残るビクトリーロイヤル(以下、ビクロイ)がゴールだと思います。そのためには、どんな力が必要なのでしょうか?
bykn:
実は大会のルールによって、求められる力は大きく変わってくるんですよね。例えばフォートナイトの「World Cup」だと、ビクロイでもらえるのが10ポイントで、5位以内だと7ポイントなんです。つまり、1位と5位の間に3ポイントしか差がないんですよ。これに加えて、1キルにつき1ポイントが獲得できるルールになっているので、World Cupで優勝するなら生き残る力はもちろんですが、キルをする力がより求められることになります。
Shiras:
他の大会では順位が重視されていることもありますね。僕は順位に重きを置いてほしいかな。
――大会によってかなり違うんですね。エイム(敵に武器の照準を合わせること)の調子が悪いときは、どんな対策をしていますか?
Nizzy:
まず腕のストレッチをしますね。それでも直らなければ、クリエイティブモードでひたすらBOT撃ちをして、ある程度慣れたなと思えたらソロで潜ります。それでも悪ければ、またクリエイティブモードに戻って練習の繰り返しです(笑)。
Shiras:
エイムの調子が悪いときは、ウェットティッシュと乾いたティッシュでマウスを拭くようにしてます。きれいにしたから調子も良くなるだろうという、自己暗示のようなものですね(笑)。
bykn:
僕はまずエイムの調子が悪くならないように、なるべく椅子の高さや位置を固定にしています。それでも悪くなってしまった場合は、とにかく数をこなしていますね。
まだ試したことはないんですが、武井壮さんのやっていた毎日の体重や起きた時間、食事の内容を記録して、調子が良かった日に何をしていたかを割り出すという方法を使えば、もしかしたら安定するかもしれないですね。
――GULICK選手はどうですか?
GULICK:
調子が悪いってことは、壁にぶち当たっているということですよ。言い換えると、その壁を壊したら次のステップに行けるということ。
Shiras:
急にどうしたの?(笑)
GULICK:
いや、本当にそう思ってる。調子の悪さを克服できたらレベルアップしたと思っているから、僕は喜ばしいことだなと思ってるよ。
bykn:
かっこいいこと言ってくれてるけど、今聞かれてるのはエイムの調子が悪いときの対策だよ(笑)。
GULICK:
あ、対策か(笑)。
ひたすらやりまくるのと、上手い選手の動画を見て、その動きを自分ができるようにイメージトレーニングをしてるかな。
普通は逃げる場面でもGULICKとNizzyは攻める
――それぞれで対策が違うんですね。フォートナイトの武器はランダムドロップだと思うのですが、序盤であまり強い武器を入手できなかったときはどうしていますか?
Shiras:
僕は人がいないところに逃げるかな。というか、あらかじめ逃げるルートを考えておくべきですね。運の部分はどうしようもないけど、運以外の部分に頭を使って立ち回ります。
Nizzy:
Shirasはそうなんだ、じゃあオレとGULICKは真逆だな。これは大会のルールにもよるのですが、実際に出場した、3時間で10試合戦ってそこで稼いだポイントで競うルールを例に話します。
まず、3時間で10試合をやりきるのはほぼ無理なんですよ。なので、運が悪いときはガンガン攻めて敵から武器を奪ってビクロイを目指してます。負けても次の試合にいけるので、少しでもキルが取れればポイントを稼げるというわけですね。
――対応がまったく違いますね。
Shiras:
いや、普通の人は逃げると思います。戦いを挑むのはGULICKとNizzyぐらいだよ(笑)。
bykn:
僕もちゃんと逃げますからね。
対応はほとんどShirasと同じで、敵が少ない方にできるだけ行くようにしてます。特定のアイテムが出なかったら撤退すると決めている人もいるみたいですね。
GULICK:
序盤なら敵がどんなアイテムと武器持ってるかわからないし、弱い武器でも倒せる可能性はあるよ?
bykn:
まあそうだね。これはEUに遠征しに行ったときに感じたんだけど、アジア圏の大会はアマチュアのプレイヤーが占める割合が多いから、弱い武器で序盤に攻めても勝てるんじゃないかな。
プロしかいない試合だったら、間違いなく逃げたほうがいいと思うよ。
Shiras選手とbykn選手の安定した立ち回りに対して、多少リスキーな攻め方をするNizzy選手とGULICK選手。誰か動きを真似るのではなく、自分の立ち回りを確立させることがフォートナイトの上達につながるのではないだろうか。
後編では、Green Leavesが運営するスクリムにかける思いと、フォートナイトの競技シーンの現状について話を聞いた。
写真・BUN
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