パズドラプロゆわは勉強・部活・eスポーツのすべてに向き合う

キズグチアロエ

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2019年の東京ゲームショウ(以下、TGS2019)でパズドラレーダーのプロ最強決定戦「パズドラチャンピオンズカップTOKYO GAME SHOW 2019」が実施され、最年少プロライセンス所持者のゆわ選手が優勝した。

本稿では、ゆわ選手のパズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)との出会いや、プレイに対するこだわりを紹介する。11月18日より放映されているパズドラのテレビCM秘話も聞いてみた。

パズドラプロだが勉強や部活も欠かさない

――最初に、ゆわ選手のパズドラとの出会いを教えてください。

ゆわ:
パズドラというゲームをまったく知らなかったときに、友人がニンテンドー3DSで「パズドラZ」をプレイしているのを見て、少しだけ貸してもらったのがパズドラとの出会いですね。

プレイしているのを見ているだけでも面白そうだなと感じていたのですが、実際にプレイしてみるとさらに面白く感じて、僕もパズドラZを購入してみようかなと思ったんです。でも、パズドラZはスマホゲームのパズドラがベースになって作られていることを知って、当時は小学3年生でしたがスマホを持っていたので、父親にお願いしてパズドラをインストールしてもらいました。

今思えば、パズドラが最初のプレイしたスマホゲームでしたね。ちなみにパズドラZを貸してくれた友人とも仲が良くて、現在もパズドラをプレイし続けています。

――小学3年生のころからプレイしているなんて驚きです。現在は中学生だと思いますが、学校のクラスメイトにもパズドラプレイヤーはいるのでしょうか?

ゆわ:
現在は中学3年生です、クラスによりますが男子の4人に1人ぐらいはプレイしています。魔法石が100個配布されたタイミングなどで始める人もいるんですけど、現在はたくさんの種類のスマホゲームが登場しているので、すぐにパズドラから離れちゃう人もいます。

おそらくですが、まだ中学生なので課金を思うようにできず、ガチャを引く楽しさを味わうためにいろんなゲームに手を出しがちなのかもしれないですね(笑)。

ガチャが授業の休み時間の話題になることもあるので、パズドラに魔法石がたくさん配布された日はクラスでもガチャ祭りが起こって大盛り上がりです!

――現代の中学生の間では、コンシューマーゲームよりもスマホゲームのほうが受け入れられているのでしょうか?

ゆわ:
受け入れられている気がします。コンシューマーゲームよりも手軽に遊べるからか、よくスマホゲームの話題になることが多いですね。

――ゆわ選手が大会で優勝したときは、学校でも話題になるんでしょうか?

ゆわ:
生徒間では少し話題になるぐらいですが、今年からお世話になっている先生からは「大会見たよ!」とか「次の大会がんばってね」と声をかけられます。

――意外にも先生のほうが積極的に応援してくれるのですね。ゆわ選手が初めてパズドラの公式大会で優勝したのは、小学6年生のときに出場した「第4回パズドラジャパンカップ」ですが、優勝した後のクラスメイトの反応はどうでしたか?

ゆわ:
優勝した直後は大会の存在を知らない人が多かったようで、特に反応はなかったです。でも、その大会で実績を残してからパズドラ動画を投稿しているYouTuberさんと共演をさせてもらえて、それから出演を繰り返すたびに周りにも知られるようになっていきましたね。

――ゆわ選手は現在中学3年生ということなので、高校受験が控えていますよね。あまり聞かれたくない話題かもしれないんですが、勉強とゲームの両立はできていますか?

ゆわ:
がんばって両立を心がけています。勉強が忙しいときは、ゲームのログイン間隔が1日空いてしまうぐらい勉強を優先してきました。あとバスケ部にも入っていたので、2019年6月のバスケ部引退までは部活、勉強、そしてゲームの3つをバランスよく取り組んでいました。ただ、最近は通い始めた塾の宿題に追われていて大変です(笑)。

「見られるという自覚を」父直伝の心構えで初のジュニアプロに

――ゆわ選手がパズドラのプロになったのはどのタイミングなのでしょうか?

ゆわ:
中学1年生のときに「パズドラレーダー最強トーナメント」で優勝した後に、ガンホーさんからプロ制度ができるから、やってみないかというお話をいただきました。でも、当時はもちろん遊びでパズドラをプレイしていましたし、プロになって何がどう変わるのかがわからなかったので、家族と相談することにしました。

そのときに父親から、プロは見られるという自覚を持つべきだとか、大会で優勝などをすると賞金がでるかどうかが、今までとは大きく変わると教えてもらいました。それを聞いて自分の中で納得をし、プロをやってみて自分に合わなければやめてもいいとガンホーさんに言ってもらえていたので、安心してプロ選手として活動していくことを決めることができましたね。

――それでプロ入りを決意したのですね。初めてジュニアライセンスを手にしたときは、どんな心境でしたか?

ゆわ:
ジュニアで初のプロだったので、会員ナンバーが1だったんですよ。なんだか、1番って気持ちいいなと思いました(笑)。

――ゆわ選手はパズドラプロの中では最年少ですが、何か意識していることはありますか?

ゆわ:
いえ、特にないですね。他のプロ選手ともそこまで年齢が離れているわけではないですし、最年少だからといってプロ選手から特別扱いされるわけでもないので、年齢のことは気にせずプロ生活を送れています。

――ご両親も会場まで応援にきてくれているようですし、eスポーツに理解があるんですね。

ゆわ:
父は最初からすごく応援してくれていたんですけど、母はプロになる前はゲームに対してあまりいい顔はしていませんでした。でも、プロになって何度も大会で実績を残してきたからか、最近は母もよく会場にきてくれるようになりました!

――結果を出して理解してもらうってかっこいいですね! でも、一時期は大会で6連敗してしまったのだとか。

ゆわ:
なかなか調子が出せず、何をしても勝てない時期がありましたね。気分もかなり落ち込んでいたのですが、なんとか勝ちたいなと思ってこれまでの大会の自分のプレイを見返してどこが悪かったのかを見つめ直すことにしました。

これがきっかけで、なんとか連敗をストップさせることができました。

――そしてついに、TGS2019の「パズドラチャンピオンズカップTOKYO GAME SHOW 2019」で優勝というわけですね。確か、ゆわ選手がプロ入りして初の優勝ですよね?

ゆわ:
そうですね! ジュニアプロライセンスを手にしてからはプロリーグ3位というのが最高の成績でした。でも、中学3年生になって受験を控えているし、高校生になればジュニアではなくなるので、ジュニアライセンスを所持している間になんとしてでも優勝をしてみたかったんです。

楽しむことをモットーに戦ってきましたが、TGS2019では本気で優勝を狙いにいきました! それで実際に優勝することができて、本当によかったです。

ゆわのお気に入りはランキングダンジョン

――現在のパズドラはスキルなどによってドロップの操作時間を増やすことができます。パズドラにおいて明らかに強い効果だとは思うのですが、ゆわ選手は操作時間延長スキルに頼っていないとお聞きしました。

ゆわ:
そうですね。そもそもパズルを組むのが好きなので、操作時間をデフォルトの4秒で縛ってプレイすることはあります。

現在のパズドラは操作時間を3倍にするスキルもあるので、パズルが苦手な人でも楽しむことができます。でも僕は短い操作時間でパズルを組むことが好きなので、操作時間延長関係の効果を持つモンスターはできるだけ使用しないようにしています。

――操作時間を縛る以外にも、左手でパズル練習をするなどの案は父からのアドバイスだとお聞きしています。

ゆわ:
現在は仕事が忙しくてできていないみたいですけど、昔は父がモンスターの性能などをまとめてくれていて、かなり的確なアドバイスをしてくれていましたね。

――ゆわ選手から見た、パズドラの課題はなんだと考えていますか?

ゆわ:
最近だとさまざまなコラボガチャが半年間ぐらい開催され続けていて、せっかく新規ユーザーを獲得してもあまりのガチャ連打に追いつけなくて、パズドラから離れてしまっている気がしています。

あとは、ヘビーユーザーはより難しいダンジョンの実装を求めているのですが、新規ユーザーには到底クリアできるレベルではないと思うので、難しすぎず、簡単すぎずのダンジョンが登場する傾向にあります。これではヘビーユーザーは満足できず、新規ユーザーにとってもまだまだ難しい部類のダンジョンになっているので、どちらの希望にも沿えていない気がしています。

――ゆわ選手は新規ユーザーをとても大切にしているんですね。パズドラの好きな点も教えてもらえますか。

ゆわ:
ランキングダンジョンがとても面白くて、僕にとってはパズドラの中では一番楽しいです。

普通のダンジョンだと、ある程度のパズル力やパーティーの編成力があればクリアすることができるのですが、ランキングダンジョンはそれに加えてクリア時間やコンボ数、敵に与えたダメージなどでポイントを計算して順位がはっきりするので、ヘビーユーザーやパズル力に自信があるユーザーが求めていた機能が実装されているんです。

でも、特定のモンスターがいないと上位を目指せないランキングダンジョンがあるので、あまりガチャを引いていなくて所持モンスター数が少ない僕にとっては、そこだけはなんとかしてほしいです(笑)。

CM収録でパズルに納得いかず何度もリテイク

――2019年11月18日に、ゆわ選手が出演しているテレビCM放映が始まりました。おそらくCM収録は初めてだったと思いますが、いかがでしたか?

ゆわ:
初めての経験でしたね。普段とは違って体勢を固定しての収録でしたので、少し疲れました(笑)。

でも、スタッフがすごくいい方ばかりですごく楽しめましたし、CMに出演できて本当にうれしいです!

――CM出演のオファーをもらえたときは、どんな気持ちでしたか?

ゆわ:
もう、驚きでいっぱいでした。アイドルグループである「嵐」がパズドラCMに出演しているのを見ていたので、まさか僕にオファーがくるとは思いもしませんでした。

あくまでこれは予想なのですが、僕のパズルが得意な点と、最年少プロであることがオファーしてもらえるきっかけになったのではないかと思います。

――CMの収録風景を見ていたのですが、パズルはその場で考えてドロップを動かしていたのでしょうか?

ゆわ:
そうですよ。でも、もっと早くドロップを動かせたなと反省しています。撮影の関係で操作端末が固定されていて慣れない場所での収録でしたので、なかなか納得のいくパズルができませんでした。

――どのパズルもコンボ数が多く、すごいなと感じましたが……。

ゆわ:
パズルの完成形は同じになると思いますが、普段だとさらにドロップを動かす時間が短くなり、手際もよくなるんですよ。少し時間がかかりすぎてしまいましたので、今回のパズルは70点です(笑)。

――かなり自分に厳しめな評価ですね。緊張はしましたか?

ゆわ:
あまり緊張はしなかったですね。それよりも、ミスが許されない大会のほうが緊張します。撮影しているスタッフには申し訳ないですが、CMはやり直しができるので気が楽でした(笑)。

実際にパズルの収録シーンでは、僕が自身のパズルに納得がいかず何度もリテイクをお願いしました。

――パズルにはかなりのこだわりがあるのですね。このテレビCMには、ゆわ選手のどんな思いが込められていますか?

ゆわ:
テレビCMを見て、少しでもパズドラを楽しむ気持ちが高まってもらえるとうれしいですね。あと、やはり僕の誇れる部分であるパズルを見てもらいたい気持ちが強いです(笑)。

一度でもいいので、ぜひCMを視聴していただきたいです。


パズルの精度と速さで注目を集めるゆわ選手の練習時間は、なんと平均して1日に30分程度だという。後編では、練習時間の少なさをカバーできる初心者おすすめの練習法や、熱き良きライバルの存在について紹介する。

写真・BUN

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記者プロフィール
キズグチアロエ
「#コンパス」にどっぷりハマり、「#コンパス」に人生を捧げると決めた、傷口だらけのアロエ。
「#コンパス」に携わるクリエイターたちと、仲良くなりたいフリーライター。
どんなヒーローでもそこそこ扱え、特定のヒーローというよりもヒーロー全員が好き。

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