「動かすよりも先に覚えるべき」パズドラプロゆわが語るパズル上達法

キズグチアロエ

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■前編記事

パズドラプロゆわは勉強・部活・eスポーツのすべてに向き合う

パズチャレは大好物

――ゆわ選手はパズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)のどんなところが好きですか?

ゆわ:
僕は育成要素があるゲームが得意ではないので、ある程度まで育成すれば後はパズル力でダンジョンをクリアすることができる部分が好きで、かなり自分に合っていると思っています。

どのゲームにも育成は付いてくる要素だとは思うのですが、最大まで育成をするのが必須のゲームも多いんですよ。でもパズドラはそうではなかったので、現在もプレイし続けられているのかなと思います。

――チーム編成から1体モンスターを減らした状態でもダンジョンをクリアしている動画を見かけますし、最大レベルまで育成をしなくても戦えるという点にも納得がいきますね。

ゆわ:
そうなんですよ。現在のパズドラはモンスターのスキルをフル活用すれば一度もパズルをせずともダンジョンをクリアするのが可能になっています。周回が目的のダンジョンであれば、パズルをしたとしてもドロップを1つ動かすだけでクリアできるので、すごく効率化されているんですよね。

他のゲームではこういうことはあまり聞かないので、これはパズドラの面白いところだなと思ってます。ただ、僕はパズルが大好きなのでそういうモンスターは極力使わないですけどね(笑)。

――ということは、パズル力を駆使してクリアタイムを競う「パズドラチャレンジ」はよくプレイするのでしょうか?

ゆわ:
もう、大好物ですよ(笑)。

逆にパズドラチャレンジしかプレイしていないぐらいで、パズドラは一部のダンジョンしかプレイしていないですね。

――大会では別アプリの「パズドラレーダー」を使用することもありますが、パズドラとはどんな違いがあるのでしょうか?

ゆわ:
ゲーム内容はプレイしてもらえばわかると思いますが、パズドラレーダーでは強力なモンスターを手に入れるのがかなり大変なんですよ。あとは、ゲームモードがレート式のダンジョンに限られているのが特徴ですね。

過去に実施されたコラボのモンスターが強力な性能でして、現在でもよく使用されているため、そのモンスターを持っていないと最大限に力を発揮できないデッキもあります。でも、そのモンスターはもう入手することができないので、これからパズドラレーダーを始める人にとっては少し厳しい環境かもしれませんね。

パズドラレーダーは競技性があって、パズドラに負けてないぐらい面白いゲームなので、初心者に優しい環境にすればもっと流行ると思います!

――なるほど。それでは、これからパズドラのプロを目指すならパズドラレーダーではなくパズドラのほうがおすすめということでしょうか?

ゆわ:
いえ、プロを目指すならまた話は変わってきますね。先日のガンホーフェスティバル2019では、ある段階から全モンスターが揃ったアカウントを使用することができたので、テクニックさえあれば戦える環境が用意されています。

実際にパズドラレーダーのモンスター収集が間に合っていない僕が優勝できているので、上手く成り立っていると思いますね。

――昨年にもパズドラレーダーの大会が開催されていましたが、そこでは自身のアカウントを使用する必要があったのでしょうか?

ゆわ:
そのとおりです。ですので、どれだけパズドラレーダーをやり込んだかでチームの強さが決まるので、プレイヤー間で戦う前から大きな差が生じていました。

パズドラレーダーでは各モンスターにランダムに付与されているスキルを使用することができるのですが、このスキルの優劣がはっきりとしていて、ただでさえ入手しにくいモンスターをさらにスキル面で厳選しないといけないという、僕にはかなり厳しめな環境でした。

そして当時は僕がパズドラレーダーにあまり詳しくないということもあり、大会を見返すとめちゃくちゃなプレイをしていたなと思いました(笑)。

パズルの師匠はエルモア

――ゆわ選手は右手の親指でドロップを動かしているようですが、それだと右下あたりのドロップが手で隠れてしまいませんか?

ゆわ:
隠れますね。しかも、僕はパズル盤面の左下からパズルを組むようにしているので、余計に右下のドロップが見えなくなるんですよ。ですので、よく「なんで右親指で動かしているのに、左側からパズルを組むの?」と聞かれるのですが、自分でもなぜなのかわかってません(笑)。

――でも確かに、右利きなら盤面の左側からパズルを組む方が指を動かしやすいのかもしれません。

ゆわ:
ですよね、楽な気がします。肝心の右下のドロップは見えないままですが、僕は別に見えなくてもパズルを組めるので問題ないですね。

――もはや才能ですね。他のプロ選手はどの指でドロップを動かしているのでしょうか?

ゆわ:
正確ではないですが、1番多いのが人差し指派で、次にタッチペン派、そして最後に親指派でしょうか。僕以外にも親指で操作しているプロ選手もいたとは思います。

――やはり親指で操作する人は少数派なんですね。パズルはどんなことを意識すれば、ゆわ選手のように上手くなれますか?

ゆわ:
実際に手を動かしてパズル練習するのもいいですが、まずはパズルの組み方を覚えたほうがいいですね。例えば、最初から盤面の中央でパズルを組んでしまうとその後の動きがかなり制限されてしまいます。

おすすめのやり方は、エルモアさんが編み出した横に2コンボ組み、その上に3コンボ組む「エルモア式」がおすすめです! 最初にこのやり方を見たときはすごすぎて感動してしまいました。

そしてエルモア式の組み方を練習してマスターしたあたりから、自分がよりやりやすい組み方を見つけてアレンジするようになりました。やはり、最初は基本の型からやるべきですね。

エルモア式パズル解説

――パズルではエルモアさんが師匠的な存在なのですね。ゆわ選手の動画を拝見したのですが、あらかじめルートが決まっているかのようなパズルの精度と速度でした。考える時間はほとんどなかったように感じたのですが、これは一瞬でルートを導き出しているということなのでしょうか?

ゆわ:
ダンジョンやルールによるので一概には言えないのですが、最後までルートを決めてから動かす場合もあれば、ご覧になった動画のようにほとんど考える時間がない状態で動かし始めるときもあります。

特に難しいダンジョンでなければ、ノータイムでパズルを始めてもドロップを動かしているときにルートが見えてくるので問題ないです。

――ゆわ選手は現在のパズル力に満足できていますか?

ゆわ:
実はまだパズルの腕は上達し続けていると思っているので、満足はしてないですね。

「このときはまだまだ下手だったね」と父が過去大会の僕のパズルを見て言うぐらいで、当時は上手いと思っていても改善の余地がある場合がほとんどです。

ただ、僕は5×6の盤面のパズルはかなり得意なんですけど、7×6の盤面のパズルはあまり得意ではないんですよね。あと、ドロップを消さずに残しておくテクニックが存在するパズドラレーダーで、つい癖で消せるドロップをすべて消してしまうことがあるので、まだ練習が足りてないですね(笑)。

――パズドラのパズル力はどのアプリでも共通だと思うので、どのパズドラをプレイしていても練習になるのはいい点ですよね。

ゆわ:
僕も最初はそう思っていたのですが、実は少し違うんですよ。具体的に何がどう違うのかは説明することができないのですが、パズドラとパズドラレーダーのパズルの感覚が少し違っていて、若干パズドラレーダーのほうがドロップが重いというか、パズルをしていて違和感があるんですよね。

ですので、パズドラレーダーは別途練習する必要があります。ただ、僕は違和感を覚えているのですが、そうでもない人もいるみたいです。他のプレイヤーの方がどう感じているか、気になって仕方がないです。

あっき~は仲良しだけどバチバチの好敵手

――同じパズドラプロであるあっき~選手とは古い仲だとお聞きしました。

ゆわ:
パズドラ関係だと一番仲がいいですね、彼のプロ入りが決まった大会は会場で見ていたんですけど、彼はもともとプロになりたいとは思っていなかったみたいなんですよ。

でも、僕がプロになったから興味が出たと言って、本当にプロ入りを果たしました。元はと言えば、僕がTwitterのタイムラインに流れてきたあっき~選手をフォローしたのがすべての始まりだとは思うんですけど、普段自分からフォローしない僕がなんであっき~選手をフォローしたのかまったく覚えてないです(笑)。

――確か、東京ゲームショウ(以下、TGS2019)の大会の直前にTwitterで「約束すでに叶わなくなったわ」と発信されていました。これって、もしかしてあっき~選手と決勝戦で対戦する約束だったりしますか?

ゆわ:
そのとおりです、よく気付きましたね!(笑)
対戦のくじ引きで決勝戦で戦えないことが確定したので残念でしたが、それでも運よく準決勝で対戦することができたので、とてもいい思い出になりました。しかもそのまま優勝できたので最高です。

――あっき~選手は、ゆわ選手にとってどんな存在ですか?

ゆわ:
あっき~選手とはすごく仲がいいんですが、ひと言で表すなら好敵手ですね。お互いに負けず嫌いな性格をしていることもあり、大会ではかなりバチバチなんです。
ただ、普段はめちゃくちゃ仲良しですよ。どれくらい仲良しかと言うと、夏休みにあっき~選手と通話をして遊びすぎて、母親に怒られたぐらいです(笑)。

――念願の優勝を果たしたわけですが、今後の目標はありますか?

ゆわ:
次の大会には受験の関係で出場できるかはわかりませんが、もし出場できたらやはり連覇を狙いたいですね。これまでにも連覇している選手はいるので、僕も後に続きます!

――高校生になればジュニアではなくなると思うので、優勝などをすれば賞金が手に入ります。どんなことに使いたいですか?

ゆわ:
僕はスマホとご飯さえあれば生きていけるので、おいしいご飯を食べたいかな。実は、クラスメイトにこっそりと賞金もらってるんじゃないのと聞かれて大変でした(笑)。

――最後にファンにひと言お願いします。

ゆわ:
いつも応援してくれて本当にありがとうございます。僕はパズドラのイベント会場には大体いるので、もしよかったらイベントなどで声をかけてもらえるとうれしいです!

これからもよろしくお願いします。


あっき~選手の話を聞いた後にTGS2019の大会を見返したところ、ゆわ選手とあっき~選手はスキル発動前に目が合い、そしてパズル後のバトル展開には大きなリアクションを見せて本当に楽しそうに戦っていた。

大舞台で対戦したい選手と好きなゲームで競い合う彼らは、eスポーツの理想形の1つとも言えるのではないだろうか。

写真・BUN

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記者プロフィール
キズグチアロエ
「#コンパス」にどっぷりハマり、「#コンパス」に人生を捧げると決めた、傷口だらけのアロエ。
「#コンパス」に携わるクリエイターたちと、仲良くなりたいフリーライター。
どんなヒーローでもそこそこ扱え、特定のヒーローというよりもヒーロー全員が好き。

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