みかん坊やが「BANカード選びに2日もかけた」PONOS対GameWith戦を振り返る

Mako(WPJ編集部)

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■前編記事
クラロワリーグS1を終えたPONOS「終わりよければすべてよし」の精神だけど反省も欠かさない

強敵との試合やKOH3タテ……メンバーが選ぶ名試合の数々

――クラロワリーグ アジア2019 シーズン1を通して、それぞれこの試合はよかったなという試合は選ぶならどれでしょう?

ライキジョーンズ:
僕はグループBプレイオフのMatch 3、Chaos Theory戦でのChaos I BenZer選手(以下:BenZer選手)との試合ですね。

相手が自分より上手いということはわかっていました。格上の選手には作戦で勝たないといけないのですが、相性の良いデッキを選べましたし、相手が予想できないことをしたり、相手の出してくるパターンを読むことを意識したりして、それが見事はまって成功したというのは自信になりました。

BenZer選手と試合することを見越して、チームのみんなにアドバイスをもらって練習してもらったのが助かりました。

RAD:
僕はプレイオフの決勝Set5でのRolaporon選手との試合ですかね。

決勝の最終Setというのもあったんですけど、KING OF THE HILL(以下、KOH)の1番手って大事で、そこで勝つか負けるかがすごい大事になってくるポジションなんです。しかもRolaporon選手は昨年まではPONOSにいた選手で、その相手に負けるのは嫌だなって思ってたので、そこで勝つことができてよかったです。

――その後、ユイヒイロ選手も下し、優勝に王手をかけました。そのまま自分の手で優勝を決めてしまいたかったのでは?

RAD:
そうですね。正直3タテできるならしたいとは思ってて、最後のKK選手にも勝つ自信はあったんですけど、後ろにライキジョーンズ選手、みかん坊や選手がいたので、負けてもなんとかしてくれるだろうと楽な気持ちでいました。

kota:
僕のベストマッチは、レギュラーシーズンのMatch 29のChaos Theoryとの試合です。

その直前まで、KOHまでもつれ込んで3人抜かれて負けるというのが2回ほど続いていていました。Chaos Theory戦もKOHまでもつれ込み、自分が負けたらチームも負けてしまいそうな雰囲気がでてしまうと思ってたところで1人目、2人目を倒せました。3人目のBenZer選手に負けてしまったんですが、みかん坊や選手がしっかり勝ってくれたのでよかったなと思っています。

天GOD:
自分はMatch59のSANDBOX Gaming戦のKOHで3タテできたところなんですけど、最後の最後で相手がジャイアントを出してきてジャイ対決になった試合で勝てたのが大きかったです。

今思うと、これまでで一番緊張しなかった試合だったんですよね。

今まで1v1に出ると毎回手が震えてて、それが影響して負けてしまうことがあったんですけど、あのときはまったく手が震えなくて、リラックスすることができました。ああいう試合がこれからもできるといいなと思いました。

――手の震えがなくなったのは何か理由が?

天GOD:
その試合は2v2にも出場して勝っていたということで気持ちに余裕があったのと、あとは自分の後ろに2人控えているとなると、かなりリラックスして戦うことができました。そこが一番良かったと思います。

みかん坊や:
自分はkota選手と同じChaos TheoryとのKOHが一番良かったと思ってて、FAV gamingとKING-ZONE DragonXにKOHで3タテを2連続でくらっていました。その時点の1位がChaos Theoryでその試合に負けたらレギュラーシーズンの1位抜けがほぼできないという状況になるところで最後に自分に回ってきたんです。

自分でもどうやったらこんなプレイができるんだろうって思うくらいの試合ができて、チームの流れも変わったし、自分の流れも変わった試合だったと思います。

――フチ監督から見て、ここがターニングポイントだったなと思う場面はありますか?

フチ:
自分はチームとしてみんなをよく見てるつもりなんですけど、今年に関してはkota選手が一番成長したと思っています。彼がプロになる前にRed Bull M.E.O. by ESL World Finalに出場したときに一緒に現地に行ったんですけど、緊張具合がすごかったんですよ。手が震えてて声も上ずってて、様子がおかしかった。

それでRolaporon選手との試合で堂々と戦うのを見てて、「あ、人が変わったな」と思うくらい冷静なプレイをしてくれたので、成長していく姿が見れたという意味でkota選手VS Rolaporon選手の試合を挙げます。

監督は選手ではなく、選手を見る側になるということなので、その選手がどのくらいの動きをしてどういう思考回路をしてるんだろうなって考えないとフォローもできないし作戦を考えることもできないです。ものすごく疲れますけど。やりがいのある仕事だなと思います。

死闘に次ぐ死闘を乗り越えたGameWith戦

――決勝のGameWith戦は日本のチーム同士の対決ということで、日本のクラロワファンからかなり注目を集めました。1v1のGameWith、2v2のPONOSと評されることもありました。

ライキジョーンズ:
割とそのとおりかなと思っていて、GameWithは2v2も強いんですけど、それよりも1v1がずば抜けて強かったのでそう言われてるんだと思います。

僕たちは2v2はアジアの中で勝率がトップだったんですけど、1v1は最下位だったので……。

強いて言うならGameWithは2v2“も”強いってことくらい。

――やはり練習時間の多くを2v2に割いていたのでしょうか?

ライキジョーンズ:
そうですね。2v2を落とすと負けにつながると考えていたので、結構な割合でやってました。普通のチームだったら1v1の方が練習時間の割合が多いと思うんですけど、僕たちは半分ずつくらいやっていたので。

1v1があまり勝てていないのも、それが理由かもしれないですけど、2v2が勝てたのもそのおかげなので。

RAD:
GameWith戦の2v2では、全試合でフリーズを使ったのがうまく決まりました。相手が指定したBANカードがランバージャックだったんですけど、それを見てフリーズがいいのではないかと思いましたね。

――続くみかん坊や選手 VS KK選手の試合は、実況の岸大河さんも声を枯らすほどの展開でした。

みかん坊や:
あの試合はBANカードでかなり迷いました。本番ではライトニングをBANにしたんですけど、それを考えるだけで2日くらいかけました。結果的によかったと思っています。

相手はメガガーゴイルをBAN、自分がライトニングをBANして、この2枚のBANだと強いカードがマスケット銃士とベビードラゴンだというのを話し合って、そこから練習してきたデッキにこの2枚を入れて調整しました。結果的には負けてしまっているんですけど、デッキ選出だったりとか、プレイングだったりで自分のミスがあまりなかった試合だったので、シンプルにKK選手がうまかった。

もっとああしたらよかったというのは考えたらキリがないですが、自分の中では悪くはなかった試合だったと思います。

――各Gameで序盤にダメージアドバンテージを取られる展開でした。

みかん坊や:
Game2でKK選手が使ってきたラヴァクローンデッキは、このBANだったら強いよなって話しをしていて、相手が使ってきそう、もしくは自分も使おうかなと視野に入れたデッキでした。

うまく立ち回れば勝てるなと思ってたんで、最初にダメージリードを取られても動じることはなく、粘って勝てたなという印象です。

――ライキジョーンズ選手も1v1とKOHでKK選手を相手にしましたがいかがでしたか?

ライキジョーンズ:
1v1ではデッキの読みを外してしまって、結構ボコボコにやられてしまいましたね。

自分よりうまい選手だと思うので、相性が悪いデッキだとほぼ勝てないし、普通の相性でなんとか戦えるかなっていう感じで考えてたので。

本当にミスがなくてつけいる隙がないっていう感じだったので、BANカードからよく考えたんですけど、結果としてはストレート負けをしてしまって、課題が残る感じでしたね。負けそうになったときに焦ってしまった部分もあります。

――1v1ではストレート負けを喫してしまいましたが、KOHではリベンジを果たして優勝を決めました。

ライキジョーンズ:
あの瞬間はもう最高でしたね。

どのデッキを出そうか寸前まで迷いに迷っていたんですけど、RAD選手が2連勝して時間を稼いでくれたので、相手が出してくるデッキを予測する余裕ができました。

――kota選手はRolaporon選手との1v1で貴重な勝ちを拾いましたね。

kota:
Game1でなんとか勝てた後、同じデッキを連投したのですが、相手は対策したデッキを使われてしまい完敗してしまいました。

そして、Game3でも、みかんさんフチさんと話し合って、同じデッキ使いました。同じデッキ3連投は怖かったですが、あの試合で勝てたのは後押ししてくれたチームメイトのおかげだと思います。

――天GOD選手は決勝では試合には出ず、サポートに徹していました。

天GOD:
そうですね、kotaが勝ってくれて2-1になったところとかで、褒めたりしてましたよ(笑)。

デッキ選択は結構アドバイスしたつもりでいますし、本番直前ギリギリまで話してたりして、サポートできたんじゃないかと。

RAD:
2v2は僕とライキジョーンズ選手ペア、みかん坊や選手と天GOD選手ペアで練習していました。そのペアが強いからこそ僕らがいい成績を出せたというのがありますし、練習中にもアドバイスをしてくれるのですごく助かりましたね。

ライキジョーンズ:
試合のときもそうなんですけど、練習面で助けられてる部分が大きいです。

ランバージャックがBANされることも天GOD選手が予想してくれて、それを想定した練習に時間を多く充てられました。

天GOD:
そんな感じです。

ライキジョーンズ:
めっちゃニヤけてるやん(笑)。

頂点に経ったPONOSは次のステージへ

――最後に、今後もクラロワリーグを始めとしたリーグや大会に挑んでいく上での目標を教えて下さい。

kota:
今回は、チーム全体で1v1の成績があまり良くなく、2v2のおかげで優勝できたと思っています。

GameWithのKK選手やRolaporon選手、Chaos TheoryのBenZer選手の1v1の勝率が非常に高いです。その人たちにも負けないように、自分がもっと1v1を勝てるようになりたいと思ってます。

RAD:
そうですね、自分もあっさり負けちゃうことがよくあるので、そういった負けを減らしつつ、2v2は今の成績の維持を目標に。

そのために、練習をする量に加えて、試合を見る量を意識しています。やっぱり海外の選手が上手いのでよく見ていますね。やるだけだと自分のどこが悪いのか、逆にどういうところがすごいのかがわからないので、見て知識を得ることは大事だと思っています。

ライキジョーンズ:
RAD選手と同じく、2v2は維持しつつ1v1でも自分ももっと勝ちたいなっていのはあります。勝てた試合を落としていることがあるので、それをなくしたい。

環境も恵まれているし、海外の選手も声をかけたらフレンドバトルをしてくれるので、そういうのを大事にしていきたいですね。

天GOD:
僕はみんなからずっと言われてることなんですけど、上手く戦えるデッキの幅が狭いんです。そういう自分の足りない部分をみんなに教えてもらって、どんどん上手くなりたい。

あと、プレイヤーとしてではなく人としては、よく忘れ物をするので気をつけたいです。

みかん坊や:
よくごはん屋さんにスマホを忘れていくんですよ。

――商売道具じゃないですか……。みかん坊や選手はどうですか?

みかん坊や:
そうですね、僕は人間面はこれ以上直しようがないですかね……。

クラロワに関しては、自分が100点満点のプレイをしても勝てないなという相手はいないかなと思っています。実際、負けてる試合のほとんどがデッキ選びだったり自分のミスだったりで負けていて、それで今シーズン勝ちきれなかった試合も結構あると思ってて、自分が勝っていればチームがストレート勝ちだったり、1位抜けができたりしてもっと楽になったはずなんです。

次のシーズンもKOHの3番手とかの大事な場面で自分に回ってくることが絶対にあると思うので、自分が100点満点のプレイを常にできるように、ミスのないプレイを心がけたいです。人間としては100点満点なので。

フチ:
僕は料理のレパートリーを増やしていかないといけないですかね。

シーズン中は食事とクラロワと、ときどき運動をするくらいしかしないので、食事は大事になってきますから。気分が変わるきっかけに食べ物が重要だってどこかの記事で読んだので、そこは軽視せずにやっていきたいです。


2018年から始まったクラロワリーグ アジアで3シーズンのうち2回の優勝を誇るPONOS。

国内のチームでは頭一つ抜けた成績で目立つ存在となっているところだが、その躍進は今後も続くのか。次に彼らの活躍が見れる機会がいち早く訪れてほしいところだ。

写真・大塚まり

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記者プロフィール
Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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