筋トレと禁酒でEVO優勝のらんぽは「戦える実況者」を目指す

キズグチアロエ

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■前編記事

「海外プレイヤーは不可欠」EVO優勝のらんぽが考えるUNIの現状

筋トレと禁酒で挑んだEVO2019

――らんぽ選手は最近筋トレにハマっているようですが。

らんぽ:
まさか筋トレのことを聞かれるとは思いませんでした(笑)。

海外によく行くので、体力をつける目的で筋トレを始めたんです。現在はジムに通っていますが、最初は近所の河川敷をランニングしてたんですよ。ですが、夜間に走っているときにこけてしまってケガをしました。そこでこのままランニングを続けるのは危ないと思い、ジムに通うようになりましたね。

――ジムではどんなトレーニングを?

らんぽ:
最初はランニングだけでした。でも、せっかくジムに通っているのにランニングだけじゃもったいないと思い、器具も使おうと考えました。飛行機によく乗るので腰を鍛えたほうがいいかなと思い、腹筋と背筋を鍛え始めましたね。

そして、僕が筋トレを始めたのを知った友人が、あれをやれこれをやれといろいろ教えてくれて、今年の3月から本格的に筋トレがスタートしました(笑)。

――それで筋トレにハマったわけですね(笑)。

らんぽ:
そのとおりです(笑)。

バーベルを持ち上げるベンチプレスという種目があるんですけど、最初20kgぐらいしか上がらなかったんですが、現在は40kgを持ち上げられるようになりました。このように、筋トレは地道な努力が必要ですが成果を実感しやすいんです。

筋トレをしたからといって「UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st]」(以下、UNI)のプレイ面で有利になれるわけではないですが、長時間のプレイにも耐えることができる体力はついたと思います! 特に海外によく行く方なら、軽く鍛えておくのがおすすめですね。自分に自信を持てるようにもなるので、メンタルも強くなる気がします。

――らんぽ選手はEVO2019のタイトルにUNIが選ばれてから、禁酒をしていたとお聞きしました。優勝した後はおそらくお酒を飲んだと思うのですが、味はいかがでしたか?

らんぽ:
もう、バクウマですよ(笑)。

現地の方に詳細不明でアルコール強めのぬるいビールをもらったんですが、おいしすぎて「うっま!」と叫びながら飲み干してしまいました。あんなにおいしいビールを飲んだのは生まれて初めてですね。

――勝利の美酒というやつですね。普段からお酒は飲まれるんですか?

らんぽ:
友人と食事に行ったときぐらいです。EVO前も何度も食事に誘われていたので、自分だけオレンジジュースで他のみんなはビールという、絶望的な状況を何度も経験しました。でも、そこでビールを飲むのを我慢していたから、EVOで優勝したあとに飲んだお酒がおいしかったんだと思います(笑)。

キンキンに冷えたビールを我慢するのはバクツラだったなあ……。

――禁酒したのは、やはりEVOに集中するためでしょうか?

らんぽ:
そういうわけでもないですね。願掛けの1つとして禁酒しました。

なぜ禁酒かと言うと、シンガーソングライターのGACKTさんが、目標を達成するまで白米を食べないというエピソードを聞いたことがあるんですが、僕は白米を食べないのは無理だなと思い、お酒を制限しました(笑)。

「戦える実況者」を目指す

――らんぽ選手はウェルプレイドとタレント契約をしており、EVO2019にはスポットスポンサードを受けての出場となりました。大会実況が主な活動内容とのことですが、選手としては活動しないんでしょうか?

らんぽ:
そんなことないですよ! 大会実況をメインに活動していくつもりですが、大会には出場したいと考えてます。むしろ「戦える実況者」として活動していきたいですね。EVO優勝者が大会実況って、結構珍しくないですか?(笑)

――大会実況は何がきっかけでするようになったんでしょうか?

らんぽ:
ゲームセンターの大会で実況をさせてもらったんですが、これがすごく楽しかったんですよ。その後は公式大会の実況もさせていただいて、いろんな実況解説者さんの話を聞いているうちに、もっと大きな大会で実況をしたいという夢ができました。

――どんな実況を目指していますか?

らんぽ:
とにかくわかりやすい実況かな。僕はゲームセンターの実況が始まりだったので、実況も解説もすべて1人でやってたんです。でも、とある大会で実況を担当していた神園さんという方の実況スタイルが、ゲームの解説部分をもう1人に「今のはどうでしたか?」と振って、2人で成り立たせるものだったんです。これはわかりやすいなと思い、最近はもう1人への投げかけを意識して実況するようにしてます。

――タイトルはUNI一本で活動されるんでしょうか?

らんぽ:
UNIはもちろんですが、他のタイトルの実況もしたいなと考えてます。UNIひと筋に見えるかもしれないですが、「ストリートファイターV」や「サムライスピリッツ」などの格闘ゲームもひととおりプレイしてるんですよ。

特に、UNIのキャラクターが登場している「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」の大会を実況してみたいですね!

――Twitterのプロフィール欄にある「UNI力」とは、どんな力なのでしょうか?

らんぽ:
個人でUNIのテクニックを紹介しているブログがありまして、そのタイトルが「UNI力をつけたい」なんです。UNIはゲームシステムが勝敗に大きく関わってくるので、理解していないとなぜ勝てるのか、なぜ負けるのかピンとこないんですよね。

過去に初心者向けのUNI講習会を開いたことがあるんですが、講習会に来てくれた人にしか伝えることができないので、どうにかいろんな人にUNIの面白さを知ってほしくて、ブログで発信するようになりました。

UNI力をつけたいブログ

――評判はいかがですか?

らんぽ:
かなり好評価をいただいてますね。海外のプレイヤーにも読んでもらえているようで、英訳版も作成してくれました(笑)。

キャラクター対策のブログを書いてほしいというお願いもされているので、今後も発信し続けていきたいですね。

――今後の目標を教えてください。

らんぽ:
選手として大会で優勝していきたいですし、もちろん実況者としても活動していきたいと思っています。ただ、一番は格闘ゲームの盛り上がりに貢献していきたいと考えてます!

知らないおじいちゃんがイベント参加!?

――らんぽ選手は海外の大会にも招待されることが多いとお聞きしました。海外会場の様子を教えてください。

らんぽ:
アメリカで開催された「Climax of Night」という大会に招待されたことがあるんですが、ホテルを貸し切りにして行われたんですよ。そこではホテルのフロントにコンセントにゲーム機をつないで、対戦会が開催されていました。

さらに、たまたまフロントでご飯を食べていたおじいちゃんが「何やってんの?」と大会に興味を持って、そのまま1日中会場にいたんですよ。日本だとなかなか見れない光景ですよね(笑)。

――ホテル貸切となると、大会終了後も盛り上がりそうですね。

らんぽ:
まさしくそのとおりでして、大会終了後にホテルの自室に戻ろうとしていたら、すでにフロントでUNIがコンセントにつながれて起動されているわけです。

僕は大会に招待されていることもあり、すぐに「やろうよ」と声を掛けられましたね。そして、そのまま朝まで対戦会が続きました(笑)。

――面白いエピソード満載ですね。海外イベントの特徴ってなんだと思いますか?

らんぽ:
ゲームと人の距離が近い気がしますね。先ほどのおじいちゃんもそうですし、楽しめればOKみたいな、ゲームへの敷居の低さがうかがえます。

あと、海外ではオンラインだとラグが生じやすいので、オフラインでの対戦が貴重なんだと思います。大会があるから集まるというよりも、UNIが遊べるところがあるから人が集まる、海外イベントからはそんな空気を感じましたね。

――海外イベントならではの楽しさを味わえるんですね。

らんぽ:
海外イベントは大会に出場しなくても、行くだけで楽しめるんですよ。もし好きなタイトルの海外イベントが開催されているなら、チャンスがあれば行ってみることをおすすめします。かなり価値観が変わりますよ。

――らんぽ選手は国内コミュニティーリーダーだとお聞きしました。今後は海外も巻き込んでいくのでしょうか?

らんぽ:
ユーザー主体の大きめの大会を自主的に開いていて、UNI運営にこういう大会やるので盛り上げてもらえませんか? とお願いしています。こういうことをしているので、おそらくコミュニティーリーダーと呼ばれていると思いますが、自称ではないですよ(笑)。

海外も巻き込んでいけたら最高だとは思いますし、やってみたいですね。

――そのためには、前編でもお話していただいた英語も必要になってくると思うので、がんばってください。

らんぽ:
ありがとうございます、がんばります(笑)。

――最後にファンの方へひと言いただけますか。

らんぽ:
ありがとうございますに尽きますね。EVO2019で優勝したときにいろんな方に声をかけてもらいましたし、そこで興味を持ってくれた方もたくさんいて、本当にうれしいです。

今後もUNIを初め、さまざまなシーンでがんばっていきたいと思いますので、応援していただけるとうれしいです。よろしくお願いします!


EVO優勝者として世間に名を知らしめたらんぽ選手だが、今後は実況をメインに活動をしていくとのこと。世界1位の男がどんな実況を見せてくれるのか、これからの活動に注目していきたい。

写真・大塚まり

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記者プロフィール
キズグチアロエ
「#コンパス」にどっぷりハマり、「#コンパス」に人生を捧げると決めた、傷口だらけのアロエ。
「#コンパス」に携わるクリエイターたちと、仲良くなりたいフリーライター。
どんなヒーローでもそこそこ扱え、特定のヒーローというよりもヒーロー全員が好き。

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