G×Gリグゼはスポーツ経験と教員勉強をシャドバ人生に活かす

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■前編記事
マイナスイメージを払拭したリグゼパフォーマンス
――Shadowverse(以下、シャドバ)との出会いを教えてください。
リグゼ:
高校生のときに、友人がプレイしているのを見て僕も始めました。もともとカードゲームが好きだったこともあり、すぐにハマることができましたね。カードゲームで遊ぶのが久しぶりだったので、懐かしい感覚にもなりました。
ただ、すぐに受験シーズンがやってきたので、お風呂に入っているときとご飯を食べているときなどにプレイをして、勉強の息抜き感覚でシャドバをプレイしていましたね。
――シャドバの魅力は何だと考えていますか?
リグゼ:
ユーザーインターフェースやイラストなども魅力ですが、何よりもカードゲームとしての読み合いが面白いですね。特に、オフライン大会などで、目の前にいる対戦相手のプレイに対する反応などを見るのが一番楽しいです(笑)。
あとは、プロである僕でさえもシャドバの奥深さは計り知れません。勝率を少し上げるためだけでも、デッキの構築を見直したり、プレイを見直したり、対戦相手が持っているカードを予想して動くなどの工夫ができますね。
シャドバのプロ選手としてシャドバをやり込んで、もっとシャドバの魅力を伝えていきたいです。
――「RAGE Shadowverse Pro League」(以下、プロリーグ)でのリグゼ選手の様子を見るかぎり、プロリーグで戦う選手の中でも陽気で明るいキャラクターだと感じました。明るく振る舞うことは意識されているんでしょうか?
リグゼ:
特に何も意識していないので、素のリグゼですね。でも、ゲームの大会だからと言って暗いイメージを持たれたくはないので、できるかぎり面白おかしくパフォーマンスを披露するようにしています。
僕は中学時代にサッカー、高校と大学ではハンドボールをしているんですが、どちらともゴールを決めたら応援席などに向かってパフォーマンスをするんですよ。シャドバのプロリーグでも同じようなことをしたいと考えていたので、試合に勝ったときはガッツポーズなどのパフォーマンスをするように意識しています。
これはプロリーグではないのですが、テレビ番組の「シャド場」に出場したときは「アンドレアルフス」というカードのポーズをして、笑いを誘いました(笑)。
――笑いはかなり意識されているんですね、視聴者の反応はいかがでしたか?
リグゼ:
ガッツポーズ以上に派手なパフォーマンスは、水を2本同時に飲むところから始まったんですが、最初は視聴者からはあまりいい反応をもらえず、マイナスな意見をよくもらいましたね。
でも、パフォーマンスはしたほうが盛り上がると思いますし、そのような盛り上がりを含めてプロリーグだと考えているので、パフォーマンスを続けていました。現在は僕のパフォーマンスも受け入れられているので、続けてよかったです。
――リグゼ選手は、プロリーグの視聴者にどんな選手だと思われたいと考えていますか?
リグゼ:
現在のプロリーグは参加チーム数が増えたこともあり、実施時間が以前よりも長くなっています。ですので、せめて僕の試合だけは見たいと思われるような選手になりたいですね。
そのために勝つことはもちろん、パフォーマンスなどでも視聴者を楽しませられるようにがんばります!
――プロリーグの対戦で意識していることを教えてください。
リグゼ:
見ていても飽きないような、見ごたえのある試合をできるように意識しています。でも、勝ち負けが一番大事ですね。どんなに見事なプレイをしても、負けは負けですし、ミスを多発しても勝ちは勝ちなんですよ。
サッカー部に入っていたときの顧問の言葉を借りると、「ボレーシュートを決めたゴールも、膝にボールがたまたま当たって入ったゴールも同じ1点」なんです。ですので、どんなに泥臭い勝負になったとしても
とにかく勝ちを目指してがんばることを意識しています。
――現在は個人勝率でトップ5入り、そしてパフォーマンスの披露までできていますね。
リグゼ:
もうほんと、上手くいきすぎですよね。でも実は、プロリーグ19-20 2ndの第1節で勝利できたときも、第2節で負けてしまったらどうしようと考えてしまうほど、毎回ヒヤヒヤしながら戦っています(笑)。
スポーツで培った動きを読む力がシャドバでも活きる
――ハンドボールやサッカーなどのスポーツ経験が、シャドバに活きている部分はありますか?
リグゼ:
当然と言えば当然ですが、最後まであきらめない気持ちがスポーツを通じて身に付きましたね。
高校生のときに所属していたハンドボール部では副部長だったんですが、大会のベスト8を決める試合で自分に自信が持てなくなってしまい、活躍することができないからベンチに下げてほしいとさえ思ってしまったんです。
一方で、出場しているからにはがんばらないといけないという気持ちも芽生え、気持ちで負けていたら勝てないと自分に言い聞かせ、その試合を戦い抜きました。
この経験があったからこそ、シャドバでも最後まで諦めないプレイングができていると思いますね。
ただ、スポーツは好きだからやることだと思っているので、諦め癖を直すため、メンタルを強化するためなどにするものではないと考えています。でも、運動不足解消になりますし、いい影響は少なからずあると思うので、好きな競技があればぜひ挑戦してみてほしいですね。
――スポーツをすることによって、メンタルや気持ちの面でいい影響があるんですね。シャドバのテクニック面ではどうですか?
リグゼ:
スポーツとシャドバはあまり関係がないように見えると思いますが、実はあるんですよね。
ハンドボールの試合では攻めのタイミングや流れが存在するんですが、そのときに大声で「これから攻めてくるぞ!」や「ここカバーしておけ!」と指示を出せば、対戦チームからするとすごく動きにくいんですよ。
このように相手がしたい動きを読んで対策し、自由に動かせない状況を作るのはシャドバでも有効ですので、相手にとって嫌なプレイができるのは強みになると思います。
――ハンドボールやサッカーと同じく、シャドバのプロリーグではチーム戦となっています。お互いのことをよく知ることでより連携を取ることができると思うのですが、いかがですか?
リグゼ:
そうですね。G×Gはかなり仲がいいチームでして、ちょっとした声の掛け合いややりとりですらも楽しく思えます。例えるなら、綺麗なグローブと球でキャッチボールをしている感じですね(笑)。
でも、仲がいいだけではなく、真面目なときはとことん真面目になれるのもチームの強みではあります。
――これだけは他のチームに負けないというポイントを教えてください!
リグゼ:
G×Gファンならわかってくれると思うのですが、面白さならどこのチームにも負けませんね! トークもそうですし、立ち振る舞いもできるだけ視聴者が楽しめるようにしています。
中でも、チーム配信の楽しさはピカイチだと思いますよ。
――チーム配信ではどんなことをされていますか?
リグゼ:
他のプロチームはプロリーグの試合の振り返りをよくしているんですが、G×Gは人の振り返りをしています。例えば、この場面で何を考えていたのかや、控え室では何を考えていたかなどですね。
チーム配信を開始した当初は試合の振り返りをしてほしいというコメントが多かったですが、G×Gはシャドバのことをそこまで詳しくない人にも楽しんでもらいたいので、メンバーの私生活の話をしたり、ギャグのようなことをすることもありますね。
これはチーム配信で話したほんの一例になりますが、フォレスト選手の部屋にはビニール袋が転がっているんですが、これには理由があります。彼はビニール袋のことを運のかたまりだと思っているようで、試合に勝てたらビニール袋はそのままにし、負けたら捨てるそうです。
このように、プロリーグの配信を見るだけでは分からないようなことをよく話すので、G×Gのファンの方からはかなり好評ですね(笑)。
ビニール袋のツイート
勝利の秘訣
(詳しくは今日のチーム配信にて) pic.twitter.com/qaHEmpRl0R— フォレスト/GxG(森 大将) (@forestbanban) January 14, 2020
――他の話が気になります(笑)。せっかくなので、G×Gメンバーを紹介してくれませんか?
リグゼ:
ビニール袋のフォレスト選手は、真面目で不真面目な男ですね。シャドバの練習は怠らないんですけど、ビニール袋の話があったように、モチベーションの維持の仕方が少し不思議です。でも、自分が勝ったときの様子を想像して戦うという話を聞いたときは、僕にはない考えだなと参考になりましたね。
あとは、7年間飲食店で働いていたそうなので、料理の腕がすごいです。餃子を作るときなんて、料理中の音だけでどれくらいの焼き加減なのかがわかるそうです(笑)。
次にちゃみ選手です。彼はG×Gの中で一番ユーモアがあって、ネタの宝庫ですね。そもそも素行が面白くて、何をしても笑えます(笑)。
でも、僕がいきすぎたことをしていたらすぐに止めてくれて、僕のことを見守ってくれるお兄さんのような存在でもあります。
――Riowh選手はどうですか?
リグゼ:
Riowh選手は一番身近な存在だと思っていて、オフシーズンでも一緒にゲームをするぐらい仲がいいですね。ただ、僕と決定的に違う部分があります。僕は常に喋っていないと落ち着かない性格をしているんですが、彼は喋るのに疲れるとすぐに黙ってしまいます(笑)。
あと、ユースの「ああああ」選手もG×Gには欠かせない存在です。彼からもプロリーグの持ち込みデッキなどに対する意見をもらうのですが、プロリーグで戦っている僕らのような先入観がない内容になっているので、チームにとってはかなり重要な意見になることが多いです。
ああああ選手も僕と同じく、独り言のようにずっとしゃべているタイプなので親近感も感じますね(笑)。
ファンを支え、ファンに支えられるリグゼ
――リグゼ選手は大学で教員の勉強をしていると聞きました。シャドバプロ選手としての活動で役立ったことはありますか?
リグゼ:
かなりありますね。特に役立ったのが、チーム会議で出てきた意見をまとめるときです。話合いの着地点を決めて、出てきた意見や考えを大事にして尊重することで、より思考を深めていくことができました。
数学を専攻しているので、今後は確率の余事象を求めて少しでも勝率の高いプレイができるように知識を活用していきたいです。
また、シャドバやeスポーツの魅力を伝えられる先生になってみたいという夢もありますね!
――プレイ面以外だとどうでしょうか?
リグゼ:
何かを人に伝えるときの方法や、パーソナルスペースの確保、声のとおりをよくする発生練習も役立っていますね。特に、ファンとの交流イベントで小さい子が近くに来たときに、咄嗟にしゃがんで目線を同じにできたときは、学んだことが活かせていると感じました。
――ファンとの交流も大事にされているんですね。
リグゼ:
ファンの方とお会いできるのが楽しいんですよね。いつも配信でコメントをしてくれている方と会えるのがうれしいですし、遠方から足を運んでくれる方もいて、本当に感謝しています。
若い人だと高校生ぐらいの年代ですが、40代の方が来てくれたこともあります。その方からは「リグゼ選手を見ているといつも元気が出る」と言っていただけて、いろんな年代の人の支えになれているんだなと感動しました。
今後もプロリーグのオフシーズン中に、オフラインイベントを実施していく予定なので、ぜひ僕たちに会いに来てほしいですね。
――最後にファンにひと言お願いします。
リグゼ:
いつも応援してくださり、ありがとうございます! 僕が落ち込んでいるときは、みなさんの声援やあたたかい言葉に支えられています。
これからもプロリーグなどを通じてシャドバの面白さや魅力を提供していきますので、よろしくお願いします!
プロリーグ19-20から参戦したにも関わらず、スポーツからパフォーマンスを持ち込み、自身の努力で定着させたリグゼ選手。今後も、プロリーグに新しい風を吹かせてくれるのではないだろうか。
これからもリグゼ選手とG×Gの活躍に期待したい。
写真・BUN
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