「TFTは情報ゲー」syaruruが考える上達への道

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コマを使い、プレイヤーのライフを削り合う「オートチェス」は、新たなゲームジャンルとして人気を集めている。
「Dota Auto Chess」のリリースを皮切りに、さまざまなオートチェスタイトルが登場しており、その中でも世界で最もプレイ人口が多いとされる「League of Legends」(以下、LoL)を世に送り出したRiot Gamesが開発した「Teamfight Tactics」(以下、TFT)が注目を集めている。
そこで今回、Riot Gamesが主催している大会「TFT: SKY ARENA -チーム対抗戦-」の解説役を務めているsyaruru氏に話を聞くことにした。
本稿では、LoLのサモナーズリフトとTFTの両モードをやり込んだsyaruru氏ならではの、ゲームの魅力や抱えてる問題点に迫る。
TFT大会の面白さは全員が1位を狙うこと
――さっそくですが、7月31日に実施された「第1回 TFT: SKY ARENA -チーム対抗戦-」で解説を担当した感想をお願いします。
syaruru:
TFTはプレイするのはもちろんのこと、解説してもかなり面白いと感じました。
普段の対戦もガチであることには変わらないですが、賞品付きの大会となると出場選手の対戦にかける本気具合が増すんです。普段のTFT対戦であれば4位でもポイントが増えるので1位を狙わなくてもいいんですが、大会だとどの選手も1位を狙えるコマ構成を狙っていました。
この本気のコマ選びを視聴者のみなさんに伝えられるのが、解説をしていて面白いと感じた部分ですね。
――解説するにあたって、意識をおいたことは?
syaruru:
TFTでは解説者がいるような大会はほぼ開催されていなかったので、どう解説しようか悩みました。僕が解説を担当したのは第1回大会だったので、初めてTFTを見た人でも楽しめるように、基礎的なことも解説するように心がけましたね。
――どんなプレイングをしていた選手が勝ち残ったんでしょうか?
syaruru:
TFTは対戦中に手に入るアイテムが重要で、入手したアイテムによって強いコマ編成も変わってくるほど強力なんですよ。ですので、入手したアイテムに応じて、コマ編成を上手く変えられる選手が終盤まで勝ち残っていましたね。
――今後もTFTの解説者として活動されるのでしょうか。
syaruru:
機会があるならぜひしたいですね! TFTに観戦機能が登場すればもっと競技シーンが活発になっていくと思うので、実装が楽しみで仕方ないです。
syaruruはTFTでもチャレンジャーを目指す
――Dota Auto Chessが面白いと話題になっていた中で、TFTが発表されたときの心境を教えてください。
syaruru:
他のオートチェスを潰しにきたなと(笑)。
世界で最もプレイ人口が多いと言われているゲームの1つのLoLに、TFTが追加されたわけです。LoLプレイヤーならだれでもすぐに遊べるので、間違いなく人気になるだろうなと思ってました。
海外では日本で流行る前から「2019年の覇権ゲーはオートチェスだ」とも言われていたんですが、ほぼ同時期に登場した「Apex Legends」に注目が集まってしまったので、日本では話題になるのが少し遅めでしたね。
――Dota Auto Chessはプレイされたんでしょうか?
syaruru:
もちろん、プレイしましたよ。でも、生活リズムが狂うほどハマってしまったので封印していました。じゃあなんで今TFTをプレイしているのかというと、LoLを最高ランクであるチャレンジャーになるまでやり込んでいるのに、TFTは最低ランクのアイアンだと恥ずかしいと思ったからです(笑)。
今はTFTでもチャレンジャーの一歩手前のダイヤモンドまで到達できているので、がんばってチャレンジャーを目指そうと思います。
――かなりやり込んでいますね。他のオートチェスタイトルにはない、TFTならではの魅力はどういった部分でしょうか。
syaruru:
体力が少ないプレイヤーからコマを選ぶことができる「ドラフトピック」があることですね。他のオートチェスタイトルだと、序盤で1位のプレイヤーが最後まで上位にいることが多いのですが、TFTはドラフトピックのおかげで下位プレイヤーの逆転がしやすくなっています。
上位プレイヤーほど慎重にコマを選ぶ必要があるので、ドラフトピックはいいゲームバランスを生み出している要素だと思います。
――TFTではLoLに登場するチャンピオンがコマとして動くわけですが、動きやスキルなどの再現度はいかがでしょうか?
syaruru:
それなりに再現できているという印象です。ただ、サモナーズリフトではスキルを4つ使えるのに、TFTでは1つしか使えないのが少し残念です(笑)。
――TFTの運要素はどれぐらいだと考えていますか?
syaruru:
50%ぐらいですね。eスポーツタイトルに運要素が高いゲームはどうなのかと思われるかもしれませんが、基本的にプレイングが上手いプレイヤーが勝てるので、そういう意味ではバランスがとれていると思います。
――syaruruさんがYouTubeに投稿しているTFT動画の再生数の伸びはどうですか?
syaruru:
試しに何本か投稿しましたが、もともといた視聴者だけでなく、検索から見に来てくれている視聴者の方もいるみたいです。TFTに関しては、配信を見るよりも動画を見たほうがわかりやすいので、需要があるんだと思います。
実際にTFTの動画だけが伸びている投稿者もいますし、YouTuberからしたら狙い目のタイトルには間違いないですね!
強い構成を知らないプレイヤーはカモ
――syaruru流ゴールドの使い方を教えてください!
syruru:
僕はガチャが好きなので、バトル中盤でコマのラインナップを積極的に更新してます。どうせ最後に運に頼るなら、中盤から頼ってしまおうという考え方です。
ゴールドを貯めて利子で稼ぐ戦法も人気ですが、序盤でコマを強化できていない場合は中盤で負け続けてしまうので、何も考えずにこの戦法をとるのは間違った選択ですね。しかもTFTは、他のオートチェスタイトルと比べてコマの種類が多いのでなおさらです。
――TFTで大事なことを3つ挙げるとしたら何ですか?
syaruru:
まず1つは、どの構成が強いかを調べておくこと。最終的なコマ構成を決めておかないと、ゲーム終盤の動きが弱くなるので、上位に入るのが難しいです。今日もTFTをプレイしていたのですが、最新のゲーム内環境を調べずにプレイしてしまったので、見事に他のプレイヤーにカモられてしまいました(笑)。
次に、強いアイテムを知っておくことです。TFTはアイテムが強力なので、全部ではなくとも、強いアイテムぐらいは覚えていたほうがいいですね。
最後は、手に入るアイテムやコマによって柔軟に編成を変えられるようになっておくことです。これが上位プレイヤーになる必須条件とも言えるので、上を目指すならできるようになっておくべきですね。
――現在のTFTの課題は何だと考えていますか?
syarurru:
競技シーンを早く作って活発化させることですね。TFTはまだベータ版なのでいろんな機能が足りないのはわかりますが、これだけ注目が集まっているので、早く戦える場所を用意してあげてほしいです。
あとは、PCゲームであるTFTをスマホに普及させることです。僕はTFTをプレイしていて、各ボタンがマウスでクリックするには大きすぎると感じました。もしかしたら、スマートフォンアプリへの対応を考えて大きめに設定しているのかもしれません。
プレイ人口を増やして盛り上げるためにも、PC以外のデバイスでもプレイできるようにしてほしいですね。
――syaruruさんがTFTに求めることは何ですか?
syaruru:
初めてTFTをプレイしたときから思ってることなんですが、TFTはとにかくエフェクトが地味で、あまり画面映えがしないんですよ。
効果音ももっと派手にしていいと思いますし、画面が揺れるようになったらいいなと思います。配信者としても画面が地味なのは痛手なので、今後は派手めにお願いします(笑)。
syaruru氏は、8月22日に実施される「【第四回】TFT: SKY ARENA -チーム対抗戦-」の解説を務めることが決まっている。最高ランクであるチャレンジャーの選手も多く出場する大会になっているので、TFTプレイヤーなら視聴の価値ありだ。
後編では、syaruru氏のLoL人生や、LoLのプロ選手を目指すなら見逃せない情報をお届けする。
写真・大塚まり
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