Fudoh|藤村はEVO壇上で緊張もするし、悔しがる 【後編】

EVOに潜む魔物
EVO最終日、マンダレイベイアリーナで遂に始まった。大会が始まった時は明るかったが、ストリートファイターⅤが始まったときには既に真っ暗になっていた。ストリートファイターⅤが告知した発表は衝撃的で、会場が大いに盛り上がった。

会場全体で昇竜拳ポーズ
そしてストリートファイターⅤのFinalが開始された。藤村選手の初戦はドミニカ共和国出身のCaba選手。なんとあのウメハラ選手を破ってこのTOP8に残っていたのだ。
彼のガイルは思い切りがよく、流れを掴むのがうまい。3本先取でいきなり2本を取られリーチになった。そこから幾度となくリーチをかけられるが、ギリギリで取り返していく。Vトリガー2の風魔手裏剣をうまく活用し、ガード困難な表裏択を迫り、ギリギリながらも逆3タテで見事勝利した。
「初戦はCaba選手でした。ガイル使いということはわかっていたので、ウメハラ選手に調整を手伝ってもらっていました。先に2本取られ、本当に危なかったのですが、なんとか取り返すことができました。」
続いての試合は、同じ日本人であるガチくん選手。シーズン1からラシードを使い続け、シーズン3で大幅弱体化をされてもなお、勝っているラシード使いの1人である。
いくら弱体化されたとはいえ、攻めの強さはいまだ健在。
お互いに譲らない展開。ラシードの画面端で攻めれば、いぶきが画面端で攻める。
一進一退の試合であったが、最後はガチくんがすかし下段から弱スピニングミキサー→クリティカルアーツで勝負を決めた。
藤村選手のEVO2018はここで終了した。結果は5位。あと少しでEVOを取ることができたのだ。
EVO2018を優勝したのは、藤村選手をルーザーズに落としたProblemX選手であった。
藤村選手やときど選手、ふ~ど選手など日本人だけでなく、海外のプレイヤーも払いのけての優勝。

優勝したProblemX選手。
ProblemX選手はなぜ勝てたのだろうかを藤村選手に聞いた。
「空対空で人間性能も見せてきつつ、波動拳に対してベガの前ステップ無敵で抜けるような攻略もしっかりとやっているところが目立ちました。真面目にこのゲームに取り組んでいることがかなり見受けられました。」
藤村選手からは「ゲームに対して真面目」と「ゲームをやり込む」ということに、重きを置いているようにみえた。
やはり彼の強さは、圧倒的やり込みと真面目にゲームに取り組んでいるからこそだと感じた。

負けた悔しさとその負けを納得させるような表情
EVO2018全日程終了後、ホテルのロビーに藤村選手に来ていただき、EVO3日間を振り返ってもらった。
「ストリートファイターⅤは年々レベルが上がってきています。特に、今大会は多くの波乱がありました。海外選手や日本の選手も、早い段階でつまずく人が多かった印象があります。EVOだからということもありますが、去年は負けてなかっただろうなという選手にも負けてる人が見受けられたので、やはりレベルが上がってきているのだなと感じました。レベルが上がっていることで、今後トーナメントを勝ち抜いていくのは更に厳しいものになるという印象です。」
多くのプレイヤーがEVOには集まる。またゲームは時間が経つほど、プレイヤーの練度はあがっていくものだ。その中でも、プロゲーマーは勝ち続けていかなければならない。
プロゲーマー達は日々研鑽していかなければならない。
「今大会特に悔いが残ったところは、緊張して固くなったところですね。ガチくん戦は、全体的にかなり読み負けていて余裕がありませんでした。だから対空まで意識を割ききれなかった。そこで1手遅れてしまい、そのまま攻めを通してしまうことも多かったんですね。待つなら待つと腹を決めて腰をすえて待つべきでした。」
5位という結果であっても満足をしていなかった。

プレイヤー達が本気で戦うからこそ、これほどまでに人を魅了して離さないのだろう
最後に今後のCPTと来年のEVOに向けて抱負をもらった。
「あと1回はCPTで優勝したいですね。緊張してまけたこともあって、大会慣れはしたいので無理がない程度に海外を回ろうと思っています。また、EVOは2年前も壇上にいけていました。しかもウィナーズで行ったのにも関わらず3位という結果に終わってしまいました。今年も5位ということで、来年こそは優勝したいと思います。」
今年の大会はEVOで終わりではない。これからCPTは12月に行われるCapcom Cupまで続いているのだ。
まだまだ続くCPT、日本で行われるのは今年の東京ゲームショウ(9/22,9/23)だ。
配信だけでなく、現地でプロ選手を、藤村選手を応援できるチャンスになる。
現在CPTランキングを2位で走る藤村選手が、今後どのような活躍をし、Capcom Cupではどのような成績を残してくれるのか、楽しみで仕方がない。
最強を目指すGO1、EVOで最強になれたのか【前編】

EVO2018 ドラゴンボールファイターズ部門に参加したCYCLOPS OSAKA所属のGO1選手。彼はDBFZ界で最強の1人として数えられていた。2,500人を超えるエントリーがあった大会で、ライバルであるSonicFox選手や他の強豪選手とどう戦い勝ち抜いていったのか。GO1選手を追いかけた。