モンストグランプリ2019台湾予選で見たアジアに広がるモンスト

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来る7月13日(土)、14日(日)に幕張メッセにて「モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ」が開催される。
モンストグランプリとは、2015年から毎年開催されているモンスターストライク(以下、モンスト)では最も歴史のある大会で、数々の名試合を行われてきた。
昨年開催されたモンスターストライク プロフェッショナルズ2018がプロライセンス所持チームのみで競われたのに対し、モンストグランプリは全国のプレイヤーが参加できるオープン大会で、新たなプロプレイヤーが生まれる場所でもある。
■モンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ参加条件
下記、①および②をいずれも満たしている方
①「モンスターストライク」および「モンスターストライク スタジアム」をインストールしている方
②大会開催時点で18歳以上の方(※高校生不可)
※大会参加要項より引用
■【プロライセンス】の発行について
日本で開催された予選大会を勝ち抜きモンストグランプリ2019 アジアチャンピオンシップ 決勝大会へ進出したチームのうち、プロライセンスを所持していない上位4チームを日本eスポーツ連合に推薦致します。
※賞金・賞品より引用
さらに、今年のモンストグランプリは香港、台湾でも予選を実施。今回、台湾予選を取材することができたのでその模様をお届けする。
なお、モンストの大会では専用アプリ「モンスターストライク スタジアム」を使って対戦する。これは、対戦相手のチームより早くクエストをクリアすれば勝利となる対戦モードが実装されたもの。
大会は純粋にクリアタイムで競うタイムアタックRoundと、使用キャラクターを取り合った上で(LJLの版ピックにあたるものといえばイメージしやすいだろうか)対戦するバトルRoundで構成され、クエストや使用キャラクターの研究、駆け引きが勝敗を左右する。
過去のモンストプロチームへ行ったインタビューでは、モンストのeスポーツシーンにおける選手たちの思考を掘り下げて話を聞いているので、本記事と合わせて読んでみてほしい。
■【愛】獣神亭一門(現【華】獣神亭一門)インタビュー記事
モンスト【愛】獣神亭一門の強さはあーぼーとけーどらのチーム作りにあり【前編】
■今池壁ドンズαインタビュー記事
「プロは賞金稼ぎの資格があるだけ」今池壁ドンズαが考えるモンストのesports【前編】
邊緣肥宅がリベンジマッチを制し決勝大会へ!
香港、台湾などで配信されている繁体字版のモンスト「怪物弾珠」は、サービス開始5周年を迎えており、グランプリの予選は5周年を記念するオフラインイベント内で行われた。
タイムアタックRoundを勝ち抜いた上位8チームがバトルRoundへ進み、ステージ上で決勝大会進出をかけて白熱した試合を繰り広げる。
参加者の中には、現地のプレイヤーの中で有名なYouTuberや昨年行われた繁体字版4周年記念大会の優勝、準優勝チームなどがおり、タイムアタックRoundでは日本で行われた予選の上位チームの成績に匹敵する結果を残したところもあり、観客もそれぞれが応援している推しチームがあるようだった。

バルーンを叩いての応援で観客は湧いていたが、相手チームがミスしたときに盛り上がるなど、日本よりも感情を表に出して応援しているのが印象的
決勝戦は前述の4周年記念大会の優勝チーム「奏明夢」と準優勝チームの「邊緣肥宅」が激突し、邊緣肥宅の4人が昨年のリベンジを果たして優勝。XFLAG PARK 2019で行われる決勝大会へのチケットを手にした。

大会が近くなると、20:00頃から深夜1:00頃まで練習していた彼ら。以前から日本のプロチームのプレイを研究していたとのことで、決勝大会での活躍が今から楽しみである
イベントで垣間見えた台湾ユーザーの嗜好
グランプリ予選における応援のスタイルでは日本との違いが少し見られたが、この日最大の盛り上がりを見せたのはイベントのクライマックスに用意されていたモンストニュースのコーナー。
モンストニュースとは、文字どおりモンストの最新情報を知らせる生放送コンテンツであり、日本でもモンスト公式YouTubeチャンネルで毎週1回放送されている。
XFLAG PARKのステージでも行われ、年に1回のイベントに合わせて重大な情報が発表されるのが恒例だ。
※獣神化(じゅうしんか):モンストのキャラクターの進化形態の1つ。既存キャラクターの獣神化はプレイヤーがもっとも関心を寄せるトピックでもある
今回の台湾の5周年記念イベントでも、繁体字版限定のキャラクター「媽祖(まそ)」の獣神化が発表。多くの観客が立ち上がって歓声をあげるのを見るに、台湾のプレイヤーも新キャラクターや獣神化の情報に対して興味が尽きないようだ。
ステージでは他にも、AKB48の台湾出身メンバー馬嘉伶(まちゃりん)が出演するプログラムも行われる。
馬嘉伶は、2018年4月より繁体字版モンスト公式サポーターに任命され、イベント出演などの活動をスタート。モンストのプレイ歴はまだ浅いながらも、来場者と一緒にクエストに挑戦したり、グランプリの実況、解説席で試合の模様を見守ったりしていた。

難しいゲームは苦手だが、小難しい説明を読まなくても楽しめるのがモンストの魅力だと話す馬嘉伶。お気に入りのキャラクターは「小豆あらい」で、その理由は自信のファンのことを「あずき」と呼んでいることからとのこと

こちらは、馬嘉伶と同じく、台湾でモンストのイベントや動画へ出演するYouTuberのコニー(写真左)とナタリー(写真右)。好きなキャラクターは、「マナ」(コニー)と「ベルフェゴール」(ナタリー)
会場規模こそ日本の幕張メッセには及ばないものの、来場者が楽しんでいる熱量は日本とそう変わらない。mixiによるとユーザー数も堅調に増加しているとのことだが、ゲーム内のコンテンツに加え、上記の馬嘉伶、コニー、ナタリーといったタレントやYouTuberを起用した施策が功を奏しているのだろう。
XFLAG PARKでアジア王者が誕生!
かくして、台湾代表となった邊緣肥宅は7月13日、14日に開催されるXFLAG PARK 2019で、決勝大会に臨む。すでに予選大会はあらかた終わったところなのだが、今池壁ドンズαや【華】獣神亭一門といった有力なプロチームが軒並み決勝大会進出ならず、波乱の様相を呈している。
昨年のプロツアーで解説を努めていたS嶋、実力派有名プレイヤーありすぅを擁するLMBulldozerにまずは注目が集まるが、各予選を勝ち抜いたチームによるハイレベルな試合に期待できるだろう。
台湾、香港チームの参戦は今回のグランプリが初めてのこと。優勝チームは、史上初となる日本語版、繁体字版の統一王者とも言える。台湾、香港勢力の台頭を予感させる大会になりそうだ。
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