ウメハラにあこがれるジョビンは兄も伝説ゲーマー(前編):倉持由香のゲーマー交遊録【第1回】

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倉持由香のゲーマー交遊録の第0回は、ご覧いただけましたでしょうか? 今回からスタートするこの連載では、私が1人のゲーマーとして気になることを選手の方々に直接聞いて記事にしていきます。
第1回目は、よしもとゲーミング所属のジョビン選手です。関西で放映されているesports番組「YUBIWAZA」で見たことがある人も多いのではないでしょうか。お笑い芸人、元プロ格闘家がお笑い芸人を経て、現在プロゲーマーという異色の経歴。
初回なので緊張しつつも、あれこれ聞いてきたので、1回目の交遊録をお楽しみください。
兄が伝説の格ゲーマーと知ったのはネモさんから
倉持由香(以下、倉持):最初にプロゲーマーになってよかったことをおしえてください。
ジョビン:
メディアに出させていただく機会が増えてきたのはうれしいです。それと、大好きなストリートファイターというゲームを仕事にできたのは幸せですね。
倉持:逆にツラいなと思うことは?
ジョビン:
好きなゲームを仕事にしたことで「やらされてる感」みたいなものが出てしまって、初日は特にツラかったのを覚えてます。1週間ぐらいはこの感覚が続いたんですが、それを乗り越えてからは楽しいですね。
倉持:プロゲーマーの世界はイメージどおりでしたか?
ジョビン:
プロになる前から動画をよく見ていたこともあって、イメージと違っていことはなかったです。自分がプロになるとき、それなりの覚悟を持ってなりましたが、実際になってみてわかった先輩方のすごさみたいなものはありました。
倉持:お兄さんからゲーマーとしてアドバイスをもらうことはありますか?
ジョビン:
EVO中にアドバイスをもらいましたね。「自分以外は全員ザコと思え」という内容でした。これは、自分が格闘家のときと同じ考え方でした。そうだ、「試合のひと月前から、酒と女はやめろ」とも言われました。
倉持:気合い系なアドバイス! 勝利のためには欲望を断たなきゃいけないんですね。
ジョビン:
自分がこの世界に入ってみて、兄の偉大さがわかりましたね。もし、この世界に戻ってくるんだったらストVをやってほしいです。
倉持:少年さんの復帰は多くのプレイヤーから望まれてますよね。でも、お兄さんがゲーマーだったことは途中まで知らなかったんですよね?
ジョビン:
そうなんですよ。ある日、ゲームセンターでネモさんに「ジョビンって、少年の弟なの?」って聞かれて、なにをいうてんのかな?と思ったんですが、よく調べてみたら兄が少年という名前でギルティギアシリーズの有名プレイヤーだったという。それで初めて知ったんですよ。
倉持:それは衝撃ですね!
三番勝負を制して、大晦日にマゴ選手と試合なるか?
倉持:ゲーマーとしての活動の中で、芸人での経験が役立つことはあります?
ジョビン:
ボクの場合、プロ格闘家でもあったので、人前でなにかをするというか、本番慣れはしていると思うんです。自分で「オレはいくつもの舞台に立ってきた」と言い聞かせている部分もあって、本番でも普段どおりの力が出せるほうなんじゃないかな。
倉持:それはジョビンさんの武器ですよね。大会経験の少ないゲーマーだと、本番で緊張して練習のようにいかないという話もよく聞きますし。リングの上とステージの経験は、強みだと思います。プロゲーマーで○年間やって結果を残せなかったら、別のなにかに転身というのは考えてますか?
ジョビン:
今回は「最後の挑戦」だと思ってます。仮に、プロゲーマーで無理だったからとなっても、格闘技の世界に戻るとかお笑い芸人をもう一度やるというのは絶対にないです。
倉持:固い意志を持ってこの世界に乗り込んできたんですね。最近は配信で10先(※)をトッププレイヤーの方たちとされてますが、反響はいかがですか?
※:10試合先取で勝敗を決めるルールで、「じゅっさき」と読む。
ジョビン:
大会などのイベントがない期間が続くとモチベーションコントロールが難しいんですが、そういう意味でも定期的にやっているこの10先はいいですね。それぞれのキャラ対策もできますし。
倉持:「ジョビン試練の三番勝負」という企画もありますよね。特に警戒している勝負はありますか?
ジョビン:
12月8日に予定されているパウエルさんとの勝負ですね。これまでは、勝ったり負けたりといった感じだったんですが、この前対戦したときにボロボロに負けまして……。なんで、キャンセルしようかなと思っているぐらいです(笑)。
ジョビン試練の三番勝負。
11月3日、ベガ全1ゆずぽんず。
11月17日、豪鬼LP世界一なおーん。
12月8日、超強豪キャミィ使いパウエル。
笑ってしまうくらい厳しい道程wデスロード。前回トラボに負けてしまったけど、一人ずつ倒してまた価値を高めていく。全ては強くなるため。 pic.twitter.com/5Q8ihfgAGC
— ジョビン (@jyobin_channel) October 23, 2018
倉持:めっちゃ弱気!(笑)。ということは、パウエルさんはネカリ対策をしっかりやっているんですね。
ジョビン:
ほかのトッププロの方と対戦しても、ここまで負けることがなかっただけに、相当対策されてると思います。マジでキャンセルする理由をいっしょに考えてくれません?
倉持:みんな楽しみに待ってるので、逃げないでください!(笑)。パウエルさんは、EVO Japanでときどさんを倒して注目が集まってましたよね。その前のなおーんさんも、豪鬼LP世界一で強敵なのですよね。
ジョビン:
そうですね。何度か対戦したことがありますが、気が抜けない相手です。
倉持:でも、この三番勝負で全勝したら、大晦日にマゴしぃ(マゴ)と対戦ですよね!
ジョビン:
うれしいことに、「マゴさんとの対戦を見てみたい」という声もいただいてます。なにより、元格闘家をしては大晦日に試合というのは、特別感があるんですよね。先行してやっている10先ではいい結果を出せたこともあって、マゴさんとの大晦日対戦は実現したいです。
ひとまず、11月3日のゆずぽんず戦に10対4で勝利できたのはホッとしました。
vsゆずぽんず戦、10対4で勝利!必ずマゴ戦まで辿り着くからな!
— ジョビン (@jyobin_channel) November 3, 2018
倉持:私も楽しみにしています! まごしぃのメンタルが壊れなければいいですが(笑)
ジョビン:
まごしぃはめっちゃ強いですけど、メンタル的には大一番では頼りにならない面もあるので。この対戦が実現するとなると、彼から見た場合、絶対負けられない戦いになるので、昇天しないか心配です(笑)。
ウメハラはおじいちゃん、板ザンはギャル酒
倉持:ジョビンさんが、交流が深いプロゲーマーってどなたですか?
ジョビン:
一番はやっぱりウメハラさんですね。ウメハラさんとは、プライベートでも遊びに行ったりします。
倉持:ウメハラさんとの出会いは?
ジョビン:それがわからないんですよ。この間もウメハラさん本人に、「失礼ですけど、ボクとウメハラさんはどうやって知り合ったんですかね?」と聞いたら、「オレもわかんないんだよ」っていってたぐらいです(笑)
たぶん、にゃん師さん(※)とタイトーステーションかサファリあたりのゲーセンで仲良くなって、ご紹介いただいたのかきっかけだと思います。その後、格闘技の試合にも来ていただくようになって、2人で飲みに行くような仲になりました。
※:TOPANGA(トパンガ)の代表で、ストIVシリーズではサガット、ストVではネカリを使う。
倉持:ほかにも交流が深いゲーマーはいます?
ジョビン:
ボクはお酒が大好きなんですが、ゲーマーでお酒を飲む人があんまりいないんですよ。しかも、女の子にも興味がないという人も多すぎて、esports界最大の肉食系のボクとは気が合わないんです(笑)。
お酒を飲むゲーマーって考えても、ウメハラさん、ふ~どさん、パウエルさんぐらいしか思いつきません。
倉持:いわれみれば、確かに飲むのはそのあたりのプレイヤーかも。他の方は飲むとしても、軽めのかわいいお酒程度ですかね。
ジョビン:この前、板橋ザンギエフさんと飲みに行ったんですが、「オレ、ギャル酒しか飲まねえんだよ」って言ってましたもん。ギャル酒って、そんな言葉を初めて聞きました(笑)。
倉持:それ、わかる! 私も「ギャル酒」ってワードは、ザンギさん(板橋ザンギエフ)から聞いたのが初めてです。打ち上げかなんかで、「ワシ、ギャル酒」って。ザンギさんは特殊な語録を使ってきますよね。ウメハラさんとか、お酒を飲むとどうなるタイプです?
ジョビン:すぐ寝ちゃいますね。元々、ウメハラさんの大ファンですけど、飲みに行くたびに「この人、おじいちゃんみたいやな」と思います。
(後編に続く)
写真・大塚まり
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