プライベートを聞いてわかったマゴの恋愛LPが低かった件(後編):倉持由香のゲーマー交遊録【第2回】

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■前編記事
確率論を超えたCapcom CupでのLuffyとのマッチング
倉持:2018年もたくさん海外遠征に行かれましたが、精神的にツラかったことや大会はありました?
マゴ:
そういう意味では、2018年は全般的にキツかったね。2018年前半が特に、しんどかった。大会スケジュールが詰まりすぎてたっていうのもあるし、その中で使用キャラを変更しなければいけなかったっていうのもあったから。
2018年に入ってバージョンアップがあって、バランス調整によってそれまで使っていた自分の使ってたキャラが弱くなったんだ。じゃあ新しい別の強キャラ(ラシード)でやろう! と、3~4ヵ月やり込んでいたときに、さらにバランス調整が入って弱体化しちゃったんだよね。
キャラ愛があれば変更なしというのもアリなんだろうけど、使い始めて数ヵ月だし、キャラ愛を特に持っていたわけではなかったっていうのもあって、弱体化したラシードではなく、強いキャラと思われるキャミィに移行したんだ。
これがCPTの途中に起こったことだから、自分の練度も知識も足りない状態で大会に出続けることになったんだけど、そりゃあもうCPTポイントがまったく稼げなかった。CPTの折り返し点といわれるEVO2018が始まる前までは、2ケタポイントだったからね(笑)。
EVO2018である程度ポイントを稼げたのは良かったから(13位160ポイント)、その後はモチベーション高く大会に参加出来たんだけど、(EVO2018より前に行われた)CPTプレミア大会なんかは上位に残れると自分ですら思ってないのに、それでも出場するのは流石キツかったかな。結果はどうあれ、大会前に自信がない状態で大会に出るというのは、個人的にはあんまり好きじゃないからね。
倉持:そうでしたか。でも、Capcom Cup出場権を獲得しましたね。
マゴ:
そう! そうなんだよ! ぶっちゃけ、「今年はCapcom Cup出場は無理かも……」って諦めかけてたから、めっちゃくちゃ、うれしかった(笑)。
倉持:ずっと、ぎりぎりの付近にマゴしぃがいて、ハイタニさんのブラジル3兄弟配信(※)がすごい盛り上がってたよね。夜中に見てて、めっちゃ笑った。
※ブラジル3兄弟:マゴ、板橋ザンギエフ、ハイタニの3名が、Capcom Cup出場権獲得ぎりぎりのCPTポイントだったため、地球の裏側であるブラジルへの遠征が視野に入ったことから、この名が付けられた。
マゴ:
いや、あれはすごかったね。あの時点でCPTへの出場権を確定させていたのはLuffy(※)だけで、それ以外の人が上位に入ってしまうと自分たちの順位が下がってしまうから、全力中の全力でLuffyを応援してたのよ。そしたら、絶対絶命の状況を何度も逆転するし、結局はオレたち3兄弟の期待どおり優勝してくれるわで、みんな大興奮。オレなんか興奮し過ぎて、無意識なんだけど、気付いたらワンピースの主題歌を歌っちゃってたりしたからね(笑)。
※Red Bull所属プロ選手で、名前はワンピースの主人公ルフィに由来。
倉持:ハイタニさんも、バルーンをバンバンしてましたよね。板ザンさんはノリについていけてなかったみたいだけど。そして、Capcom Cup 2018でまたLuffyと当たりますね。運命の赤い糸で結ばれてるんじゃないかと思うぐらい。
マゴ:
いや、もうすごいとしかいいようがない。確率じゃ考えられないことだよね。過去のCapcom Cup4回で、オレは毎回Luffyと当たってる。もっというと、EVOでも3回当たってるんだよ。
倉持:毎回かなり苦戦してるよね?
マゴ:
苦戦どころか、毎回負けてるよね(笑)。あんまりそういう風に思いたくはない性格なんだけど、相性が悪いんだろうなぁ、ってさすがに思うし、おそらく自分の中で苦手意識がちゃんとあるんだとも思う。だから、1回勝って、「オレはLuffyに勝てるんだ! 苦手なんかじゃないんだ!」って思えるようにしたい。それをいつするか? イマ(今年)でしょ!
倉持:ほかにマゴしぃ的に要注意なプレイヤーは?
マゴ:
全員だよ(笑)。でも、しいて言うのであれば、藤村とかはいやかな。普段から対戦しているんだけど、今のところ分がいい相手とはさすがに言えない相手かな。
なにはともあれ、初戦の相手である宿敵Luffyを撃破することだね。逆に言えば、ここを突破できれば、そのまま勢いにのって優勝まで見えてくるんじゃないかなって。
倉持:私もCapcom Cup 2018は現地へ行くので、応援しますよ!
飾らない人柄と人間味がマゴの魅力
倉持:マゴしぃの魅力は飾らなくて親しみやすいところだと思うんだけど。大会でのメンタルが弱いってところなんかは、人間味があってさらに好感が持てるよね!
マゴ:
おいおい、ちょっと待て(笑)。
倉持:実際、配信を見てても、マゴしぃが出るところはコメントの流れが早くなるっていう印象がある。みんなに愛されてると思うよ。
マゴ:
でも、スト4のときなんかは、ネットでめっちゃ嫌われてたんだよね。目立ってたというのはあったけど、アンチだらけみたいな。
倉持:確かに、ちょっとヒールっぽかったかな。BP(バトルポイント)がずば抜けてたから。
マゴ:
自分的にはやってることを変えてるつもりはないんだけど、最近では応援してくれる人が多くなって、うれしいよね。
倉持:その人気を象徴するのが、EVO2018のマゴしぃがいたプールだよね。
マゴ:
あれはすごかったね、100人以上あのプールエリアにギャラリーがいたんじゃないかな。CPTポイントで上位にいるプレイヤーなんて1人もいないプールなのにね(笑)。
倉持:日本のトッププレイヤーはほぼ全員いたと思う。ときどさんは、iPadの応援パネルを持ってきてたけど、うれしかった?
マゴ:
来てくれることはうれしいんだけど、その応援は別になんとも思わないよ。というか、笑うことしかできないよね。あ、それが目的なのか!?(笑)。ときどは人のことをネタにするようなヤツじゃないんだけど、オレのこととボンちゃんのことだけは、いじるんだよね。
倉持:マゴしぃとボンちゃんには、心を開いているってことじゃない?
マゴ:
おそらく、そうだよね。でも、これまでのときどの人生の中で、オレみたいなヤツと仲良くなったことはなかったみたいだね。ときどの中学・高校・大学の歩みの中にいた人たちとは、ある意味逆を行く人間だからね。
恋愛LPは低いマゴの恋愛事情
倉持:幅広い年齢の人から愛されてるのも、マゴしぃの特徴だよね。年下の層からも支持されてます。
マゴ:
そうなのかな? でもまぁ、オレが子供好きでよく遊んでるからかもしれないけど、sakoさんの娘さんとかにはすごく好かれてるね(笑)。
倉持:そういう意味では、いいパパになるんじゃない?
マゴ:
まずは、相手を見つけるところからだけどね。最近でいうと、ボンちゃんもゴールインして、結婚するプロゲーマーが増えてきたよね。
倉持:マゴしぃは結婚願望はあるの?
マゴ:
結婚願望はあるし、子供もほしいなと思ってるんだけど、自分にはその器はないと思ってる。自分が一般的な家庭をもつということ対して、現実味がない。家庭を持つならば、家族のために時間や愛情を割きたいんだけど、そうなるとゲームに割く時間が減ってしまうんじゃないか? っていういらぬ心配を今からしてしまっているっていうね(笑)。
でも、きっかけさえあれば、なんだかんだでそのまま結婚しちゃうんじゃないかな。
倉持:マゴしぃはモテるからね。
マゴ:
でも、ボンちゃんにはモテないっていわれたからね!
倉持:なんでだろう。奥手だからかな? 10年以上マゴしぃを見てるけど、優しいからモテてるだろなと思ってたけど。
マゴ:
実際にモテてるかモテてないかはわからないけど、奥手なのは間違いない(笑)。オレがかわすというか、臆病になっちゃってるのかな。自分の中での彼氏彼女の関係は、ちゃんとお互いのために時間を使うという前提みたいなものがあるんだよね。これができる自信がない。だから、オレとは付き合わないほうがその人にとっては幸せなんじゃないか? と思っている部分はあるね。
倉持:それでも、マゴしぃがいいの! ってなったら?
マゴ:
その気持ちは、付き合ったら変わるよ、って(笑)。
倉持:マゴしぃはすべてに対してポジティブなのに、恋愛面に関してはなんか、ネガティブじゃない?
マゴ:
いや、なんかそうなっちゃうんだよ。たぶん、自信がないんだろうね。もちろん、恋愛経験自体がそんなに多くないからかもだけど。正直、言い寄られることもたまにはあるんだけど、どうしても引っ込み思案になっちゃうかな。
倉持:マゴしぃからいくってことはないの?
マゴ:
なくはないけど、意中の女性を射止めるために、どういう会話をすればいいのかがわからない(笑)。
倉持:そんなの、友だち感覚で普通に話せばいいじゃん。
マゴ:
そこでいろいろ考えちゃって、これはふざけ過ぎかな、これはカッコつけ過ぎかなとか思い始めると、頭の中に言葉が浮かばなくなってきて、話が続かないんだよね。
倉持:コミュ力のかたまりみたいなイメージだから、それは意外。
マゴ:
ところが、恋愛面においてはビギナーというか、LPは相当低いよ(笑)。デートするにしても、どこ行ったらいいかわからないもん。ディズニーランドなんかは学校の行事でしか行ったことないし。
倉持:えっ! 大人になってからは、行ってないの?
マゴ:
そうだよ。ディズニーシーに至ってはガチで行ったことないし。
倉持:マゴしぃ、ゲームと恋愛のLPの差があり過ぎ。ハイタニさんやボンちゃんといった、恋愛の先輩たちとは恋バナしないの?
マゴ:
ゲーマー同士は恋バナはしない(笑)。これはオレが作っているルールでもあるんだけど、ゲーセンという場所には、若い学生からサラリーマンのおじさんまでいろんな人が集まってくるよね。いろんなものを抱えながら、ゲームでそういったことを忘れるために遊んでいる側面があると思うのね。
だから、プライベートなことは聞かないというルールを設けてる。下手に聞いて、返答しにくいような内容を言われても困るし(笑)。そもそも、「ゲーム」っていう共通言語があるから、ほかの話題がなくてもコミュニケーションが成立するというのも大きいね。
倉持:マゴしぃの好みのタイプは?
マゴ:
笑ったときの表情がいい人だね。あと、なるべくなんだけど、プレイするのは格ゲー以外のゲームをやっている人がいいかな。
倉持:格ゲーはだめなの?
マゴ:
ダメじゃないんだけど、格ゲーのプレイ内容とかを指摘されることが結構困るんだよね。相手が思いやりを持って言ってくれてるのはわかるんだけど……。でも、ゲームに対して熱中している女性はいいと思う。ジャンルは違えど、熱中する気持ちは理解できるからね。
倉持:つまり、「なんでキャラ変したの?」「こないだの大会のあれはなに?」みたいなのが嫌だってことだ(笑)。
マゴ:
そうそう、それがマジでキツイ(笑)。オレは負けたときは荒ぶってることが多いから、そのタイミングでこんなこといわれると、普段は絶対怒らないのに、そのときだけはケンカになっちゃうだろうなと。わがままなんだけど、そこは、「おつかれさま」のひと言だけで済ませてくれたらうれしいかも(笑)。
格ゲーの難しさを実感した2018年
倉持:ストリートファイターリーグ 3on3のリーダーになったということで、おめでとうございます。
マゴ:
ありがとうございます。前回のRAGEオールスターリーグと同じようなルールでやるとしたら、リーダーの勝率は大事だけど、残りの2人の勝率がすごく大事になってくるはず。期間もそれなりに長いはずだし、しっかり教えていきたいね。この点でいうと、オレに向いてるなと思ってる。
倉持:マゴしぃは教えるの上手だし、優しいからね。
マゴ:
教えるのは好きなんだ。レバー操作もよくわからない初心者にも教えたことがあるし、みんなが知っている上級プレイヤーにも教えたこともある。そういう意味では、ほかのリーダーよりは一歩前に出てるかなと思うね。
倉持:私もあのリーダーたちだったら、マゴしぃに教えてもらいたいと思いました! この3on3企画は、初心者を教えて育て上げるという点でも注目してます。
マゴ:
またまたぁ。倉持は口がうまいなぁ! とはいっても、自分の持ち味が活かせる場所だとは思っているから、それを最大限に発揮して、がんばります!
倉持:最後に、2018年はどんな1年でしたか?
マゴ:
改めて、格ゲーは難しいと思った年だったね。でもね、楽しいんだよ。どうしょもなく(笑)。
2017年も苦しい年ではあったんだけど、2018年はさっき話したキャラ変のこともあったし、ただ強いキャラに変更しただけは他の強いプレイヤーたちに勝てるようになるわけではないんだよね。やはり、途中からだとしても、先人たちの練度や経験を超える研鑽を自分自身がしていかなければならないことを実感した1年だったと思う。
倉持:じゃあ、今回の言葉はこれにしましょう。
写真・大塚まり
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