シャドバ世界2位のjupiはプレイに没頭して洞察力で相手のミスを見抜く

キズグチアロエ

【この記事は約8分で読めます】

■前編記事

「戦う選手の表情が見たい」――世界2位のjupiが願うシャドバ大会の理想像

シャドバの運要素は減りつつあると分析

――Shadowverse(以下、シャドバ)の魅力を教えてください。

jupi:
大会の多さが魅力的ですね。「RAGE Shadowverse」は3ヵ月ごとに開催されていますし、「JCG Shadowverse」は毎日のように開催されています。オフラインの地方大会なども頻繁に開催されていますし、ユーザー主催の大会もよく目にします。

実装当時はルームマッチの2PickはBO1でしか対戦できませんでしたが、現在ではBO3やBO5での対戦が可能になっています。プレミアム仕様のカードを2Pickでも使用できるようになっていて、ユーザーのニーズに合った改良が行われていると思いますね。

あと、僕はストーリーに登場するキャラクター設定やカードのフレーバーテキスト、特定のカードが特別な条件を満たしたときに聞くことができる特殊ボイスを聞いたりするのも好きです! もちろんゲーム自体も面白いですし、操作性やユーザーインターフェースも優れているので、シャドバは最高のゲームですね。

――シャドバへの愛がひしひしと伝わってきます! リリース当初のシャドバ環境と現環境を比較すると、現在は結晶やユニオンバーストなどの新たな要素がたくさん追加されています。これについては、どう考えていますか?

jupi:
僕はシャドバのリリース当初からプレイしているんですが、現在のシャドバにはおっしゃるとおり新たな要素がかなり増えていて、それに合わせて試合中の選択肢も増えたと思います。新たな要素についていくのは大変ですが、ゲームの面白さがより深まりますし、練習しがいもあるので個人的にはうれしいですね。

リリース当初から比べると、運の要素は大幅に減っていて、より深い思考ができる人が勝ちやすいゲームになっていると思います。

――もしシャドバに新たな要素を追加できるとしたら、jupi選手ならどんな要素を追加したいですか?

jupi:
以前考えていたのは、1ターンだけ制限時間をデフォルトの90秒よりも増やすことができるというものですね。名付けて「ちょっと延長ボタン」みたいな(笑)。

あと、リーダー固有のスキルが使えるようになってほしいとも考えていました。ただ、現在のシャドバは1ターンの間にできることが増えているので、必要ないと思います。

今でも実装してほしい機能は、進化モーション中にカードをプレイしたり、攻撃先を指定できる先行入力機能ですね。実は先行入力ができた時期もあったんですが、意図されていない動作だったようで、アップデートによってできなくなりました。先行入力ができた時期は、時間切れでカードをプレイできないという事態を防ぐことができていたので、ぜひ実装してほしいです。

――ちょっと延長ボタン、1試合に1度だけ使えると面白いかもしれませんね! jupi選手の好きなクラスを教えていただけますか?

jupi:
ロイヤルが好きです。特にミッドレンジロイヤルというデッキタイプが好きで、「白刃の剣舞」や「スカイセイバー・リーシャ」が追加されたことでデッキが強化され、3ヵ月間ゲーム内環境の頂点に位置していたこともあります。

僕は数ある戦法の中でも、「高潔なる騎士・レイサム」や「空の指揮官・セリア」のチョイスカードである「絶望の使者・セリア」を使ってリーサルを決めるのが特に好きでしたね。

一時期はミッドレンジロイヤルが流行っていたこともあり、同じデッキでの対戦が多かったんですが、僕はミラーマッチも好きなので最高の時期でした(笑)。

プレイのタイムラグでミスを見抜くjupi

――「RAGE Shadowverse」(以下、RAGE)のファイナリストになった際に撮影された動画で、jupi選手は洞察力が強みだと話していました。これについて詳しく教えてください。

jupi:
1年ぐらい前ですね、懐かしい(笑)。

洞察力ですが、僕は対戦相手が出したカードを見て手札にあるカードを読めたり、カードを出した後の硬直時間やプレイのタイムラグなどでミスをしたんだと気づくことができます。

実際に予想が当たっているかは不明ですが、劣勢のときはこういったミスを突かないと勝てないので、この読みが外れていたら負けるけど、逆に当たっていればチャンスになると考えて割り切ったプレイをすることもありますね。

――他に強みはありますか?

jupi:
集中力にも自信があります。学生時代のテストでも、前日に一夜漬けで勉強をして、そこそこの点数を取ってきたタイプなんです。

勉強以外でも短時間で没頭することが可能で、オンオフも切り替えられますし、1日をとおして実施されるような長丁場の大会でも、最初から最後まで集中力を保つことができます。

――逆にjupi選手に足りていない部分はありますか?

jupi:
プレイに対する意図を、自分の中で言語化できていない状態でプレイしている点が、僕に足りない部分だと考えています。現在はこれまでの試合で培ってきた感覚に頼ってプレイしているので、今後は細かく理論立ててプレイすることも意識したいですね。

――感覚でプレイすることで、何か悪い影響はあるんでしょうか?

jupi:
あるにはあるとは思いますが、シャドバを感覚でプレイしている人はたくさんいますし、感覚派なことが悪いわけではないです。最近はブログなどでシャドバの考え方を発信している人がたくさんいて、読むだけでも勉強になったり参考になることが多いので、かなり助かってます(笑)。

シャドバ大会は勝つ楽しさを味わう場所

――jupi選手はRAGEを勝ち抜いて世界大会に進出しているので、何度もRAGEに挑戦されていると思います。どんなプレイヤーが参加しているんでしょうか?

jupi:
負けず嫌いな人が参加しているイメージがありますね。でも、好きなデッキがどこまで通用するかを確かめるために出場している人もいると思うので、僕の知らないような理由で出場している人もたくさんいると思いますよ。

僕は元から負けず嫌いではありますが、シャドバ大会で勝つことの楽しさを覚えてからよりいっそう激しくなりました(笑)。

シャドバ大会は勝つ楽しさを味わえる場所だと思うので、RAGE以外の大会にも挑戦してみてほしいですね。ちなみに、僕はRAGEは最高の大会だと思っていて、大好きです(笑)。

――RAGEのファイナリストになるのはもちろんですが、Day1を突破するだけでもかなり難しいイメージがあります。

jupi:
かなり難しいですよ。高いアベレージが必要ですし、対戦相手のデッキとの相性もあります。プロ選手でも、1勝もできずに負けてしまうことがあるほどですからね。

それでも、かなり対戦環境は整っていますし、年に4回実施されるのがわかっているので計画も立てやすいです。自分にとって勝ちやすい環境があれば、その時期のRAGEにはぜひ挑戦してみてほしいですね。

――「RAGE 2020 Spring」では、「オンライントレーディングカードゲームで同時に同一会場でプレイした最多人数」において6,086人でギネス世界記録を樹立しました。これについては、どう考えていますか?

jupi:
RAGE 2020 Springには遊びに行っただけの身ということもあり、今回のギネス記録への挑戦に関しては賛成と反対のどちらの意見も持っていないです。

でも、プレイヤーからすればギネス記録に興味はないと思いますが、ギネス記録を達成してRAGEに箔が付くのはいいことだと考えています。自分が参加している大会はギネス記録を持っているすごい大会だと言うことができますし、周りからもすごい大会だと認められやすくなると思いますね。

ただ、記録を樹立するために大会進行の遅れや、行動の制限などでプレイヤーに負担がかかってしまった点は良くなかったかなと思います。ですが、こういった試みは今後も続けてほしいですね。その上で、できるだけプレイヤーにかかる負担を減らしてほしいです。

――RAGEの魅力は何だと考えていますか?

jupi:
RAGEはメインの大会だけでなく、サイドイベントがかなり充実しています。それこそ、RAGE 2020 Springではゲーム内音楽をオーケストラが演奏していましたし、シャドバの知識を問うクイズイベントも実施されていました。

このように、シャドバを競技的に取り組んでいる人以外でも楽しめるコンテンツがたくさんあって、シャドバ好きなら誰でも楽しめるようなイベントになっています。1人で行くよりも、友人を誘って一緒に行くとより楽しむことができるので、ぜひ周りを巻き込んで足を運んでほしいですね。

――最後にファンにひと言お願いします。

jupi:
普段あまりTwitterで発言はしませんが、配信コメントなどでもらえる応援メッセージにはかなり助けられています。RAGEなどで僕を見かけたときや、配信に映っているときに応援してもらえるとうれしいです。

よろしくお願いします!


自身の強みを理解し、足りていない部分も分析していることから、2020年ではさらに強くなったjupi選手を見ることができるのではないだろうか。

2020年の世界大会でも、jupi選手の姿があることに期待したい。

写真・大塚まり

(C)Cygames, Inc.

【あわせて読みたい関連記事】

「戦う選手の表情が見たい」――世界2位のjupiが願うシャドバ大会の理想像

シャドバ世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2019」で準優勝し、日本人トップの結果を残したjupi選手。Day1で2連敗して後がなくなったときに自分を救ったのは、誰よりも練習をした自信があった2Pickだと語る。

記者プロフィール
キズグチアロエ
「#コンパス」にどっぷりハマり、「#コンパス」に人生を捧げると決めた、傷口だらけのアロエ。
「#コンパス」に携わるクリエイターたちと、仲良くなりたいフリーライター。
どんなヒーローでもそこそこ扱え、特定のヒーローというよりもヒーロー全員が好き。

関連記事

注目記事

新着記事