“スマブラの教科書”Nietono式成長のマインドセット

Mako(WPJ編集部)

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最新作「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」(以下、スマブラSP)発売以降、より一層注目を集めるスマブラの競技シーンで長らくプロプレイヤーとして活躍しているNietono選手(DetonatioN Gaming所属)。

3,000人以上のプレイヤーがエントリーしているEVO 2019を目前に控えたこのタイミングで、彼のプレイヤー遍歴をたどるインタビューを行った。

直近のアップデート受け、キャラクター変更に踏み切ったこともあり、その動向には注目が集まるところ。EVO 2018はで3位という輝かしい結果を残している、Nietono選手の強さの秘訣や人柄に迫っていく。

EVO直前にアプデで試練発生!?

――EVO 2019が近づいているところお時間をいただきありがとうございます。仕上がりや心境はいかがですか?

Nietono:
参加人数も3,000人を超えていてかなり多いのでがんばりたいんですけど、目標はベスト8にしています。

ちょっと前までは優勝を目標にしていたんですけど……。

――どういった理由で変わったのでしょう?

Nietono:
1ヵ月くらい前に、アップデートで自分が使っていたピチューが大幅に弱くなっちゃって……。それまではキャラが強いのもあって、マジで優勝を狙えると思ってたんですけど、使い物にならないとは言わないですけど、ちょっと厳しいレベルになっちゃったんで。

体もでかくなりましたし、一番撃墜できる技が撃墜できなくなってたり。あとピチューは電撃技を出すと自分がダメージを受けるんですけど、そのダメージ量が大体1.5~2倍くらい多くなりました。1%くらってたのが1.5~2%くらうようになったのは大きな変化です。

これはさすがにちょっと厳しい。

――確かにピチューはかなり変わりましたね。

Nietono:
将来のことも考えると、ピチューを使い続けても強さの天井が見えるのが早いのは感じていました。それくらい仕上げていたということでもあるんですけどね。でも、そこからさらに強くするのも難しい。

それだったら、他の強くて天井が高いキャラを使ったほうがいいなって思いまして、今回キャラ変えをしたんですけど。

一応、ピチューを出す可能性もあるんですけど、とりあえずはメインキャラはワリオに変えちゃって、仕上げている段階ですね。

――それでベスト8を目標にしたと。

Nietono:
そうです。ただ、仕上がりに関しては正直ちょっと厳しいなぁっていう感じではあります。

他のみんなが半年くらいかけて仕上げているところ、僕は1ヵ月分しかできていないので。キャラの練度以外の部分でどう補っていくかという戦いになりそうです。

――バランス調整は避けて通れないですからね……。

Nietono:
前作も最初の方はこんな感じで、アップデートの波にゆらりゆらりとやられていたんですけどね。なんなら前作の初期はアップデートが結構激しかったですし。最強キャラが中堅下位くらいになることが余裕であったので。

今作のアップデートによるバランス調整はそこまで大きな内容ではなかったので「あ、今回は大丈夫だな」って思ってたんですけど、いきなりインパクトのあるものが来ちゃいましたね。

理想を描いて着実に高みを目指すNietonoの“やり方”

――戦績を見ると基本的に上位に入っていて安定しているように見えますが、規模の大きい大会ではウメブラSP3で久しぶりに優勝されています。そこで何かを掴んだのか、今作におけるターニングポイントになっているということはないですか?

Nietono:
あそこで優勝できたのはもちろんうれしかったですし、自分のやり方が間違ってないなっていう確信が持てました。

ターニングポイントという感じではないんですけど、このやり方でいいのかどうかっていう不安に感じていたのがなくなって、今後も続けていこうと思えたきっかけになりましたね。

――Nietono選手のやり方とは?

Nietono:
前作の後期くらいから取り組んでいるやり方としては、大会の結果に一喜一憂しないで、とりあえず自分の仕上がりの部分だけを見て、1つ1つ階段を登っていくイメージでやっています。

自分のキャラをこういう感じで仕上げようと考えて練習いていくんですけど、その途中で出場した大会で結果が良くなくても、そこで直接テコ入れはせずに「まだ成長段階だから結果がでないのは仕方ない」と割り切ってまた練習に取り組む感じです。細かい部分はテコ入れしますけど、大きくは舵は切らないでそのままやっていく。

自分が思い描く理想の動きができたら結果が出ると思っているので、1つの大会の結果がどうこうでジタバタしないことですね。言い換えると、理想の動きを求め続けるだけという話です。

SPが始まって最初の時期もあまり良い結果が出なかったんですけど、この考え方でやってたらウメブラSP3で優勝できたので、まぁ間違ってないなって思います。

――そのやり方で結果が出せているところでアップデートによる影響を受けるのはしんどいですね……。

Nietono:
そうですね……階段から突き落とされた感覚。また登るだけかなって感じですけど。

――自分が使うキャラを仕上げる前に、どのキャラを使うか選択する段階があると思うのですが、どういった観点で決めているのですか?

Nietono:
自分はキャラクターはかなり慎重に選ぶタイプで、本当に吟味して決めているんですけど、まずはストレスが一番少ないことですね。実際に動かしてみて何にストレスを感じているのかを理解した上で、一番ストレスが少ないキャラを選ぶんです。

あとは、好きな技があるキャラを選ぶ傾向にあるかな。

スマブラXの頃はピクミン&オリマーを使っていたんですけど、それも横B(横必殺技)が好きで使っていましたし、スマブラ for Wii Uではシークの針がすごい好きで使っていました。

今作でピチューを選んだのも、空N(通常空中攻撃)の性能が好きだったから。キャラ全体っていうよりは技の“楽しい”“気持ちいい”と感じる「この技すきだわ」が決め手になります。


前編では、練習への取り組み方、考え方を中心に展開。新しいメインキャラクターを仕上げている最中のプレイはOPENRECの配信で見ることができるので気になる人はぜひ訪れてほしい。

後編では、オフライン大会との出会いやDetonatioN Gaming加入時の話を聞いた。

写真・Yumiko Mitsuhashi

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記者プロフィール
Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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