eスポーツも「やってみなはれ」サントリーはなぜeスポーツを支援するのか

Mako(WPJ編集部)

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eスポーツの大会へ協賛する、ゲーミングチームのスポンサーになるという企業が増加傾向にある昨今。

それも、ゲーミングデバイスなどゲーマーをメインターゲットとするブランドだけでなく、一般的に広く知られるさまざまな業界からだ。

飲料メーカーのサントリーもその1つ。

同社は日本eスポーツ連合(以下、JeSU)のオフィシャルスポンサー、プロゲーミングチームSengoku Gaming、ウェルプレイドが運営するウェルプレイドリーグへのスポンサーとして、eスポーツへの支援を行っている。

本稿では、サントリーがなぜeスポーツへの支援に積極的なのか? サントリー食品インターナショナルのコミュニケーション本部コミュニケーションデザイン部長を務める三好健二氏へインタビューした模様をお届けする。

サントリーのチャレンジ精神とeスポーツのマッチングにより、支援を決意

――まずは、サントリーがeスポーツに協賛することになった経緯からお聞かせください。

三好:
きっかけはJeSUの発足です。

JeSUが協賛企業を探しているという話を聞き、eスポーツの成長性に我々が直感的に支援したいなと思い、スポンサーとして支援させていただくことになりました。

――支援したくなった要因は何なのでしょうか?

三好:
今の世の中は広告がどんどん忌避されるようになってきました。その中で、お客様が熱中して体験するコンテンツ、あるいはコミュニティと言ってもいいかもしれませんが、そこに我々の商品が受け入れていただければと。

eスポーツは、今後、より若い世代のみなさんの可処分時間が消費されるポテンシャルに溢れており、我々にとってもビッグコンテンツです。なので、そこに対して支援する形で応援していきたいと思ったのが協賛の動機になります。

グローバルに見ればeスポーツはメジャーなコンテンツですが、市場としては日本はまだまだ黎明期だという風に認識していて、このフェーズから支援させていただくことで、ファンの皆さまの力になれるのではと思い、取り組むことにしました。

――消費者の動向やタイミング的にも今取り組むべきだと。

三好:
ネットを通じての国籍、性別、年齢を問わないというユニバーサルな競技というところは今の時代にマッチしていると思います。そこもeスポーツの良さではないでしょうか。

我々の会社も国内にとどまらずに海外に進出してますし、社員もダイバーシティー(多様性)の観点から国籍問わず在籍していますよ。

――まだまだ黎明期でゲーミングチームやイベントを運営する企業など、さまざまな人、企業が挑戦をしている段階です。サントリーも同様に挑戦を続けてきたとお聞きしています。

三好:
ええ。代表的な例がウイスキー事業ですね。

ウイスキーが実際に商品化されるには、樽に貯蔵して10年、20年という歳月をかける必要があり、とても忍耐力が要る投資だったので、日本では事業としてウイスキーに取り組んだ例がありませんでした。

そんなウイスキー事業にチャレンジしたというのは、サントリーの歴史を作ってきた「やってみなはれ」の精神の表れですね。

先行企業がいる中でのビール事業へのチャレンジもそうです。赤字でもやり続けて、1963年の事業開始から45年で黒字化しました。

国内清涼飲料の部門でも、「サントリー天然水」は、昨年(2018年)の年間販売数量でNo.1のブランドになりました(※)。

※飲料総研調べ

蛇口をひねれば出てくる水というものがどれくらいの市場になるかなんてわからなかったのですが、缶コーヒーや炭酸飲料を抜いて1位になったんです。

こういった世の中にまだない面白いチャレンジをやってきた会社で、市場にまだ認められていない0から1を作り出すようなところに取り組んできました。この状況がまさにeスポーツの環境に近いのではないかと共感している部分があります。

狙いはウォーターブレイクの文化を根付かせること

――具体的にはどういった支援の仕方をされているのでしょうか?

三好:
JeSUのスポンサーというところだと、JeSU主催の試合での選手スタッフへの飲料提供ですね。あとはその来場者に対して、商品のサンプリングを行っています。

あとは、Sengoku Gamingとウェルプレイドリーグへの協賛も、基本的には飲料提供が主な内容になります。

――eスポーツシーンにサントリーの飲料を浸透させたいということでしょうか?

三好:
商品もそうですが、何よりも、eスポーツの世界に水分補給を根付かせたいと思っています。

eスポーツで活躍するプレイヤーは、試合中にフィジカル的にもメンタル的にも集中をするので絶対に喉が渇くと思うんですよね。

つまり、水分補給は必須です。

そこで、サントリー天然水で水分補給していただくことが根付いていけばいいなと思いまして、試合と試合の合間を「ウォーターブレイク」と称して水分補給していただくことを啓蒙する活動もやっていきたいと考えています。

実際、ゲーム中にドリンクを飲んでいる選手はお見受けするのですが、エナジードリンクでもなくお水を飲まれている方が結構多くて、サントリー天然水は向いている商品ではないかと。

とはいえ、ウォーターブレイクはなにも水に限定しているわけではなく、水分補給を行っていただければいいので、GREEN DA・KA・RAのようなスポーツ飲料でももちろん大丈夫です。

――実際に試合を見てウォーターブレイクの必要性を感じたということですね。ちなみに、大会などのeスポーツの現場を見た感想は?

三好:
私自身はたくさんの現場を見てきたというわけではなく、昨年の東京ゲームショウ2018や今年の闘会議2019で行われた試合を見させていただきました。

1人の観客として見させていただいた感想ですが、当たり前な話ですけど選手たちが真剣な表情で戦っているところは見ていて本当にわくわくしました。

こういったわくわくドキドキできるところは、他のスポーツと同じでプレイをする選手自身も見ている人も楽しめるものですよね。

他の大会やイベントも見てみたいですが、特に韓国が世界的にもかなりeスポーツが成熟していると聞いているので興味があります。

あと、アメリカは「リーグ・オブ・レジェンド」と「フォートナイト」が相当なプレイヤー数を抱えていると聞いていますので、それらの大会をぜひ見てみたいですね。

――では、協賛を始めたばかりのeスポーツですが、今後、どうなってほしいか、期待することはありますか?

三好:
まさに伸びしろしかないeスポーツが、日本においてさらにメジャーになっていってほしいと思っています。

メジャーになるというのはどういうことかというと、eスポーツのプレイヤーになりたいと憧れられる職業に位置づけられることがきっとメジャーに近づけるキーだと思っていて。

なりたい職業ランキングの「スポーツ選手」の種目でサッカーや野球選手までは票数はいかないけれども、eスポーツ選手になりたいという票が出てきたということがその兆しだと思うので、さらに票数を集めるようになってくると、いわゆるメジャーな存在に近づける気がしますね。

あとはスポーツとしてメジャーになると、テレビのスポーツニュースで試合結果が日常的に放送されるような時代になるだろうし、世界的な競技大会で正式種目になってくると、いよいよという感じがしますよね。

eスポーツが日常的なものになるような成長を期待したいと思います。

私は卓球をやっているのですが、卓球の試合結果が報じられるなんていうことは以前はありませんでしたが、最近は世界選手権やワールドツアーで日本人選手が活躍すると報じられるようになりました。

そのおかげで従来からのファンではない人にも、メジャーなスポーツだという印象を与えることができているのではないでしょうか。

――確かに卓球は世界で活躍する選手が増えて目にする機会が多くなった印象です。

三好:
そうなんです。しかし、残念な話ですが、卓球の場合でも、世界大会などは報じられますが、Tリーグ(※)がテレビのニュースで取り上げられることはあまりないんです。

やはり、世界の大会で優勝などの活躍するというのが、情報として極めてシンプルなのでニュースになりやすいということだと思います。

ゲームのタイトルによってはすでに世界トップレベルの人がいるのも知っていますが、そういう人が何人も生まれると一般にも広まっていくはずです。

※Tリーグ:2018年より始まった卓球リーグ

――では、今後はどういった協賛の仕方が考えられるでしょうか?

三好:
先ほど申しましたとおり、メジャーになっていくというのは憧れられる職業になるということ。

そうなると当然、有名な選手が注目されると思うので、我々の広告のキャラクターとしてその方にご出演いただくということができると思いますし、あるいはeスポーツ選手と一緒に商品開発をするなども考えられます。チームのロゴや肖像が入った商品も作れるかもしれないですし。

あとは試合の観戦チケットが当たるプロモーションであるとか、キャンペーン景品で選手のグッズを提供するなどの展開は、いくらでも可能性は広がりますね。

そのためにも、飲料を通じた支援を続け、選手たちが世界の舞台で活躍できるといいですね。

サントリー公式VTuber燦鳥ノムがeスポーツを盛り上げる!

――そういえば、今日はサントリー公式eスポーツアンバサダーのバーチャルYouTuberの燦鳥ノムちゃんもいらっしゃると聞いているのですが……。

燦鳥ノム:
冷蔵庫からこんにちは!

サントリー公式バーチャルYouTuberの燦鳥ノムです。今年の1月よりサントリー公式eスポーツアンバサダーとしても活動をさせていただいています。

1899年生まれの120歳、趣味は短歌です!

――ノムちゃんにも少しお話聞かせてください。サントリー公式eスポーツアンバサダーって具体的に何をやってるんですか?

燦鳥ノム:
サントリーのeスポーツ支援についてお伝えすることはもちろん、自分でもeスポーツに挑戦することで、その熱さや面白さを伝えることが使命です!

今までにプレイしたのは「ストリートファイターV」「鉄拳7」「ウイニングイレブン 2019」の3タイトルで、鉄拳7ではお友だちのバーチャルYouTuberのときのそらちゃんと対戦して、とても盛り上がったんですよ。

それから先日は、JeSU公認プロライセンス所持者である「まーさん」選手(@Xavi6_Marsan)にウイニングイレブン 2019を指南していただきました。最後にはまーさんと対戦もさせていただいて……。ハンデをいただいたんですが、あっさり負けてしまいました(笑)。でも「ディフェンスが上手い」と褒めていただいたので嬉しかったです。

動画はすべてわたくしのYouTubeチャンネルに上がっているので、よろしければぜひ覗いてみてくださいね。

――どのゲームもそうだと思いますが初心者には難しかったんじゃないですか?

燦鳥ノム:
格闘ゲームはどちらも「頭脳戦」な部分もあって奥が深いなと思いました。つい力任せにボタンを押してしまいがちなんですが、しっかり間合いを見ながら技を出さなければいけないんですよね。

ストリートファイターVではリュウさんを使ってベガさんに挑んだんですが、なかなか思うように技が出なくて……なんとか昇竜拳が決まったときは爽快でした!

――eスポーツでプレイされるタイトルは他にもたくさんありますが、今後やってみたいタイトルは?

燦鳥ノム:
ストリートファイターVも鉄拳7も、もう少し掘り下げてプレイしてみたいなと思っています。今はまだイージーモードでやっとなので……せめてノーマルの難易度でできるくらいに上達したいですね。

あと先日、茨城公認Vtuberの茨ひよりちゃんの生放送に呼んでいただいたんですが、そこでぷよぷよをプレイして楽しかったのでまたやりたいです。

ひよりちゃんはいきいき茨城ゆめ国体/大会のPR大使を務めてるんですが、彼女自身とてもぷよぷよが上手なんですよ!

本当に強くて……たくさん練習したと言っていたので、上達のコツを教えてもらいたいです(笑)。

――ひよりちゃんみたいに大会のPR大使になるとか、今後のeスポーツアンバサダーとしての目標ってありますか?

燦鳥ノム:
eスポーツといえば大会での盛り上がりも醍醐味のひとつだと思うので、いつか大きな大会に呼んでいただけたらいいな……と。

またサントリーはこれから選手の皆さんのサポートをしていく動きがあるので、いろいろな選手の方とお会いして、お話を伺ってみたいです!

eスポーツに関してはわたくし自身もまだまだ勉強中の身なのですが、初心者目線を活かして今までeスポーツに接点がなかった方にも「こういう面白さがあるんです!」とお伝えしていければと考えています。

――今日は忙しいところありがとうございました!

写真・丸山光

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記者プロフィール
Mako(WPJ編集部)
スマホゲームの攻略サイト、情報メディアを渡り歩いてウェルプレイドジャーナルに流れ着いた超絶新進気鋭の若手編集者。イベント取材では物販やコスプレイヤーに釘付けになりがち。

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