ピアノ歴13年のSurreはシャドバでもリズムを意識する

キズグチアロエ

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「Shadowverse」(以下、シャドバ)プロリーグは5月と10月に開始される2つのシーズンに分かれているのだが、1stシーズンは8月11日(日)に行われたシーズンファイナルで勝利した「よしもとLibalent」の優勝で幕を閉じた。

今回はよしもとLibalentの初期メンバーであり、2017年から競技シーンに取り組んでいるSurre選手に話を聞く機会を設けた。

本稿ではSurre選手の試合前のルーティーンや、プロまでの道のりをお届けしよう。

試合前のブラックコーヒーが集中力アップの秘訣

――最初に、Surre選手の趣味である「おいしいご飯」について話を聞かせてください。

Surre:
僕の一番幸せな時間は、おいしいご飯を食べているときなんです。日々の生活において食事は大事だと思っているので、月に一度は少し高めのお店に行くと決めて、それに向かって何事もがんばってます(笑)。

プロリーグの試合は日曜日で固定なので、月曜日に気分をリフレッシュするためによく外食に行ってますね。シーズンファイナルの打ち上げでも、試合終了後にメンバー全員で九州料理屋さんに行って鳥カツや餃子を食べました。シーズンファイナルでは僕だけ負けてしまったので、メンバーにかなりいじられたなあ(笑)。

――かなり食事は重要視しているんですね。好きな食べ物を3つ挙げると、何になりますか?

Surre:
子どもみたいな回答になってしまいますが、ラーメン、焼肉、寿司の3つが好きです。食べ放題もいきますし、少し高いお店にもいくので、たぶん僕の賞金の主な使い道が食事ですね(笑)。

――勝負メシはありますか?

Surre:
普段は食事が大好きな僕ですが、試合前にはブラックコーヒーを必ず飲むようにしています。ルーティーンになっていて、飲まないとなんかだめなんですよね。集中力を高めるためにもコーヒーは良いですし、僕にとっては欠かせない存在になっています。

――チームの中では一番の食通なんでしょうか?

Surre:
グルメだと思いますし、1ヵ月にかかる食費もダントツでトップだと思います。ふぇぐ選手はあまりご飯を食べないですし、ソルト選手さんも忙しそうであまり食べてるイメージがありません。しかも、keisuke3選手さんはダイエット中だし……もっと食事に興味を持ってほしいな(笑)。

シャドバ大会はピアノ演奏会と同じ感覚

――幼いころに習っていたピアノを練習が嫌いでやめてしまったとお聞きしました。シャドバの練習も、あまり好きではないのでしょうか?

Surre:
いえ、シャドバの練習は大好きですよ。そもそも、ピアノをやめたのも練習が嫌だったわけではなくて、周りが遊んでいるのに僕だけが家に帰らないといけないのが苦痛でした。

練習は黙々とやるのが好きで、音楽を聴きながらなら何時間でも練習できますね。試合前には、連続で15時間ぐらい練習したこともありました。

――連続15時間練習はすごいですね。そもそも、シャドバと出会った経緯は?

Surre:
ソーシャルゲームを何作かプレイしていたんですが、飽きてしまったので次にやるゲームを探していました。そのときに、シャドバを友人からおすすめされたのがきっかけですね。ですので、僕はシャドバを初期からプレイしているわけではなく、第3弾のパック「バハムート降臨」が登場した2016年12月ぐらいから始めました。

――ピアノとシャドバには、関連する部分があるのでしょうか?

Surre:
リズムにのるのはピアノとシャドバの両方で大事だと言えますね。ピアノは演奏するのでもちろんですが、シャドバでも自分のテンポ作ることや、リズムを崩されないことはとても重要なんですよ。僕にとっては大勢の前で練習の成果を発揮する点は、ピアノもシャドバも同じ感覚なので、シャドバの大会はピアノの演奏会みたいなものですね。

僕は以前にプロリーグで使用クラスの読み合いで負けてしまい、ほぼ勝ち目がない状態で対戦を迎えたことがありました。1戦目は落としてしまいましたが、続く2戦目と3戦目で上手く勝てて、そのときにプロリーグは本当に楽しいなと感じられましたね。

――Surre選手がプロ選手として、よしもとLibalentへの加入が決まったときの心境を教えてください。

Surre:
加入が決まったときはとにかくうれしかったです! でも、地元の山形県から奥さんと一緒に東京に引っ越す必要があったので、職場に退職の連絡をしたり、引っ越し作業だったりと大変なことも多かったです。

3月に応募が始まって、4月中には引っ越し、そして5月からはプロリーグだったのでかなりドタバタしていました。

――加入が決まってからがスピーディですが、事前に奥さんとは相談していたんでしょうか?

Surre:
そうです、応募する前に奥さんとは相談をしていました。加入が決まったら東京に引っ越すかもよと伝えると、本人も山形から出たかったらしく、楽しみにしてくれていましたね。

奥さんも仕事を辞めて新天地での生活になるので、もちろん不安があったとは思うんですけど、昔から対応力が高かったので東京での生活にもすぐ慣れてくれました。

――シャドバのプロ選手としての生活を送る上で、奥さんにはどんな面で支えてもらっていますか?

Surre:
普段は家事を奥さんと両立してやっているんですが、試合直前だけはいろいろと任せてしまっていますね。あとは、奥さんは大会で活躍できたところを見せて、その反応を見てモチベーションを上げています(笑)。

奥さんはシャドバのルールをあまり理解していませんが、実況が盛りあがった場面や、コメントの勢いがすごい様子を見せると「すごく盛り上がってるね!」と喜んでくれます。もちろん、僕がかっこいいところしか見せてないですよ(笑)。

オフ会ついでにRAGEで優勝

――Surre選手が初出場で優勝した「RAGE Shadowverse Wonderland Dreams」では、優勝を狙って出場していたんでしょうか?

Surre:
カードゲーム仲間がRAGEに出場するとのことだったので、オフ会のような感覚で出場しました。実はカードも揃っていなかったので、RAGEの直前に課金をして何とかデッキを完成させました(笑)。

――どのあたりから優勝を意識しましたか?

Surre:
決勝戦になるまで意識していなかったですね。とにかく次を試合を勝とうという気持ちでプレイしていました。Day1ではDay2への進出を、Day2ではプレイオフへの進出を目標にしていました。

――プレイオフはどんな心境で迎えましたか?

Surre:
1回戦で、カードゲーム仲間として10年以上の付き合いがあるkira選手との対戦が決まっていたので、かなり気合が入っていました。kira選手に勝てれば優勝できるだろうとも思っていたので、僕にとっては1回戦が決勝戦のような感じでしたね。

あの大舞台で対戦するのがすごく楽しくて、1回戦を勝ち抜けば必ずあと2回舞台で対戦できるので、1回戦を勝ち抜いたときはかなりテンションが上がりました!

――RAGEファイナルで2位以上の成績を残した選手には、世界大会である「RAGE Shadowverse World Grand Prix」(以下、WGP)への出場権が与えられますが、準決勝戦で勝利し、WGP出場を確定させたときはどんな気持ちでしたか?

Surre:
世界大会があることは知っていたんですが、具体的に何位に入れば出場権がもらえるのかは大会終了後に発表されたので、あまり意識していませんでした。

さすがに優勝すればWGP出場権はもらえるだろうと考えていたので、決勝戦でも集中してプレイすることができましたね。逆に、2位でもWGP出場権がもらえることを知っていたら、決勝戦で気が緩んでしまっていたかもしれません。

――WGP2017の4位という結果はどう判断されてますか?

Surre:
満足はしていないですよ。1回戦は何とか勝つことができましたが、2回戦の対戦相手とのデッキ相性が悪く負けてしまいました。その負けを引きずって3位決定戦も負けてしまったので、少し反省しています。

――Surre選手は2017年からシャドバの大会に出場されていますが、昔と現在ではゲーム内環境にどんな変化があるんでしょうか?

Surre:
昔のシャドバと比べて選択肢が増えたので、現在のシャドバのほうが競技性は高くなっていますね。その分、現在のシャドバは時間をかけて練習しないと上手くなれないので、よりカードゲームらしくなっていると思います。

昔のシャドバをひと言で表すなら「派手」がぴったりです。


Surre選手は普段あまり笑顔を見せないとのことだったが、奥さんの話になると終始笑顔でいたことから、彼のプロゲーマー生活にとって、奥さんの存在は大きな支えとなっているのではないだろうか。

後編では、プロリーグの振り返りやシャドバの課題について話を聞けた。

写真・Yumiko Mitsuhashi

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よしもとLibalentのSurre選手は、現在の「RAGE Shadowverse Pro League」の試合数では本当の実力を計れないと考えているそうです。さらに、チーム全員で新チームのメンバー予想も行うとのこと。

記者プロフィール
キズグチアロエ
「#コンパス」にどっぷりハマり、「#コンパス」に人生を捧げると決めた、傷口だらけのアロエ。
「#コンパス」に携わるクリエイターたちと、仲良くなりたいフリーライター。
どんなヒーローでもそこそこ扱え、特定のヒーローというよりもヒーロー全員が好き。

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