ももち×おとはす×岸大河の異色トークであの条例の話も:東京eスポーツフェスタ「eスポーツってなんだろう?」

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eスポーツの普及と関連産業の振興を目的とした、東京都主催のイベント「東京eスポーツフェスタ」が1月11日(土)、12日(日)に東京ビックサイトで開催された。
本稿では、プロゲーマーももちやゲーマーアイドルおとはすなど異色の顔合わせで行われたトークセッション「eスポーツってなんだろう?」を中心に、彼らが考えるeスポーツの期待点や懸念点を紹介する。
太鼓の達人対決は忖度なしで小池都知事の負けに
会期初日の11日はオープニングセレモニーが行われ、東京都知事の小池百合子氏が登壇。東京eスポーツフェスタの名誉委員長でもある小池氏は、「eスポーツファンにeスポーツを体感してもらうためのイベント」だと説明。また、eスポーツは新しい産業になってきており、このイベントを通じでビジネスチャンスを見出してほしいともコメントした。

スピーチの中で「ある調べでは中学生に聞いた『将来やりたい仕事』の1位がYouTuber、2位がeスポーツプレーヤーだという結果です。『日本、大丈夫か?』と思ったりもするんですけれども……」という名誉委員長らしからぬコメントをする一幕も

その後、オープニングアクトとして、小池都知事はMCの霜降り明星のせいやと「太鼓の達人」で対戦(曲は「おどるポンポコリン」)。忖度は大歓迎とコメントするも、結果はせいやの勝ち
ゲーム利用時間規制条例案のトピックも出たトークセッション
続いて、「eスポーツってなんだろう?」をテーマにトークセッションが行われた。
参加者は、MCとして東京都eスポーツ連合会長の筧誠一郎氏、フィロソフィーのダンスの十束おとは氏(以下、おとはす)、プロゲーマーのももち選手(百地祐輔氏)、ゲームキャスターの岸大河氏の4名。

セッション冒頭に筧氏から登壇者を紹介。「ゲームキャスターのパイオニア」(右:岸大河氏)、「世界大会で成績を残しつつ、現在は後輩の育成もしている」(中央:ももち選手)、「アイドルらしからぬ、光る自作PCが固定ツイート」(左:おとはす)という、わかってらっしゃる筧さんによるイントロダクション
ゲームとの関わり
最初のトピックは「ゲームとの関わり」。各人が話す流れでセッションが進行。
岸:
僕の場合は、兄の影響でゲームをプレイするようになりました。もともと、サッカー選手を目指していたこともあって、サッカーゲームをはじめ、対戦型ゲームをよくプレイしてました。その後、学校に行かなくなってしまった時期があり、そのときにオンライゲームに触れて、これをきっかけにどっぷりとゲームの世界に関わっていくようになりました。
ももち:
物心ついた頃からゲーム機があって、クラスメイトとスーファミのスト2で対戦などはしてましたが、そこまで熱中していたわけではないです。
その後、小学5年生のときに行ったゲームセンターに衝撃を受けました。スポーツや勉強だと勝てない中学生や高校生に、ゲームだと勝つことができるからです。そこからゲームをずっとやり続けて、プロゲーマーになりました。
おとはす:
私も子どもの頃からゲーム機がある生活でしたし、インドア派で家で遊ぶことが多かったこともあって、ゲームが好きになりました。その後、思春期になって学校になじめなくなる時期があって、そのときにオンラインゲームにも触れました。学校と予備校までの間の時間つぶしにゲームセンターへ行くこともしてたので、ゲームに助けられてきた人生だと思います。
各人が考えるeスポーツとは?
筧氏によるeスポーツの言葉の定義やゲームジャンルの解説があったあと、トピックは「ゲストの各人が考えるeスポーツとは?」に。
おとはす:
最近、「eスポーツ」という言葉がより前面に出てきていることもあって、(悪い意味ではなく)ビジネス的なにおいを感じるなと思います(笑)。そんなことないですか?
ももち:
えらい、ぶっちゃけますね(笑)。
岸:
ここ最近になって言ってる人はビジネスですね(笑)。
ももち:
僕は競技シーンでご飯を食べているので、eスポーツ=競技の定義に違和感はないです。とはいえ、さきほどの話にもありましたが急に出てきた言葉でもありますし、好きでやっていたゲームのプロになったので、「eスポーツプレイヤー」と言われるとなんかむず痒い感じはあります。
岸:
私はゲームセンターではなく、ネットからこの世界に上がってきたんですが、eスポーツという言葉自体は10年前くらいから耳にしている言葉ではあります。よく課金型(pay to win)のゲームはeスポーツに入れるべきか? という議論が出ますが、私は入れていいと思ってます。ルールに則った上で対戦して、勝ち負けを決めるのであればeスポーツだと思います。

トークセッションのMCは、東京都eスポーツ連合会長の筧誠一郎氏
筧:
十束さんはeスポーツの配信などに呼ばれる機会も増えてきてると思いますが、なにか心がけていることはありますか?
おとはす:
配信を見てくれているかたが、「自分もやってみたい」と思ってくれるようなプレイをするように心がけてます。eスポーツという言葉のとおり、スポーツマンシップに則ってプレイしてますね。
逆に観戦者としてeスポーツを楽しむこともあります。観戦していると(自然と)応援もしますし、一般的なスポーツと変わらないという印象ですね。
ももち:
ファンの声援がプレッシャーや緊張につながる選手もいると思いますが、僕の場合はすごく力になるんですよ。いいプレイをしたときに声援をいただいたり、拍手をもらえるとさらにいいプレイにつながるので、観客の応援は重要ですね。
岸:
応援の仕方は、日本と海外では違いがありますよね。僕が初めて行った大規模海外大会は、 オーストラリアであったオーバーウォッチワールドカップだったんですが、みんなで国旗を振るなど、ラグビーと同じような応援スタイルでした。
そういう意味では、日本の競技シーンは成り立っているかもしれませんが、観戦文化はまだ整ってないなと感じました。
筧:
ももち選手は奥さんもプロゲーマーですし、忍ismにはお弟子さんともいえる選手の方々がいらっしゃいますが、こういった方の試合を見るときの心境は?
ももち:
基本的にほかの選手の試合を見て応援することはこれまでなかったというか、どちらかというと「負けろ」と思ってました(笑)。強いプレイヤーなどは、次の対戦相手になる可能性があるので。
でも、忍ismの選手は応援するので、自分にとって新しい感覚ではありますね。大人になったんでしょうね(笑)。
ゲームに対するネガティブイメージについて
このトピックの冒頭で、筧氏は3つのネガティブファクターを提示。それは、「ゲーム脳」「ゲームのしすぎで勉強をしなくなる」「WHOが『ゲーム障害』を正式に国際疾病に認定」というもの。加えて、香川県のゲーム利用時間規制条例案についても付け加えた。
おとはす:
「ゲームのしすぎで勉強をしなくなる」は、ある種、私の人生なので否定はできません(笑)。ですが、時間を忘れて熱中したものが知識や経験になって、仕事になる時代でもあります。それを証明していきたいと思いますね(※イベント前日におとはすが投稿したツイートには、2,000をこえるいいねが)。
ゲームの利用時間制限なんてされたら思春期の私は心が死んでいたでしょう。
学校に馴染めない時支えてくれたのも、引きこもりから救ってくれたのもゲームで、今このお仕事もゲームが繋いでくれた縁あってのことです。あの頃、時間を忘れて熱中したものの記憶や経験が大きな財産となる場合もあります。— 十束おとは🎮フィロソフィーのダンス (@ttk_philosophy) January 10, 2020
ももち:
依存は対象がなんにせよ、問題があると思います。「ゲームのしすぎで勉強をしなくなる」というのであれば、条例で縛るのではなく、親の教育や指導で解決するのがいいではないでしょうか。
岸:
前提として、否定するつもりはありません。例えば、薬などが開発されて、それによっていい方向に進むのであればいいと思いますし。一方で、eスポーツ業界の多くの人がこのゲーム利用時間規制条例案について「なんだこれは」という否定的な意見を持っていると思います。ですが、業界の人はこの問題に向き合って対応していく必要があると考えています。ゲームから学ぶものもたくさんあると思いますし。
ももち:
それはそのとおりで、僕はゲームからしか学んでないぐらいです(笑)。
おとはす:
私もゲームに救われてきましたし、ゲームのおかげで今ここにいますからね。
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