東京eスポーツフェスタで見えたモンストの新しい大会の形

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1月11、12日に東京ビックサイトで開催された「東京eスポーツフェスタ」。2日間にわたり、「太鼓の達人」「パズル&ドラゴンズ」「モンスターストライク」(以下、モンスト)の大会やeスポーツ関連商品、サービスの展示が行われた。
本記事では、「モンストグランプリ」や「モンスト プロツアー」といったeスポーツイベントを展開しているモンストの模様をお届けする。

イベント初日には、小池百合子都知事が会場内を視察。モンストを体験する一幕も
プロも多数参戦!【華】獣神亭一門の監督が優勝に輝く
約90チームがエントリーした本大会は、スイスドロー形式の予選と決勝トーナメントを2日間にわたって実施。
予選、決勝を通してピックシステムを使用しないなど、モンストグランプリとはだいぶ異なるルールとなっていたが、選手たちは相手のピックを想定しないでパーティーを構成できる反面、ステージの考察力やショットの精度がより求められたのではないだろうか。
2日目の決勝トーナメントを勝ち上がり決勝戦へ進出したのは、161【cm】とSonrisaの2チーム。なお、Sonrisaのリオン選手とやみえるぅ選手は、プロチーム【華】獣神亭一門の監督を務めるプレイヤーであり注目を集めていた。
また、本大会は事前応募で誰でも参加できたこともあり、さまざまなチームが出場。中にはプロツアーで活躍するプロチームも参加しており、その中を勝ち抜いた両チームは相当の実力を備えていることは明らかだった。

161【cm】のメンバー。写真左から、やす選手、きゃべちょ選手、にしちゃん選手、うつせみ選手

Sonrisaのメンバー。写真左から、リオン選手、うなにゃ?選手、やみえるぅ選手、りんね選手
決勝戦はBo3で下記の指定ステージで実施。
- ⽔駆ける天叢雲の皇⼦
- 翠撃の隊⼠
- 機甲の蒼将
大会後の囲み取材にて「初戦は緊張したんですけど、勝った瞬間に緊張がほぐれて、練習どおりにプレイすることができました」と語ったSonrisaが、終始落ち着いたプレイで試合を展開。
1試合目の「⽔駆ける天叢雲の皇⼦」では、武蔵坊弁慶(獣神化)のストライクショットによるゲージ飛ばしや、その位置取りを見事に決めるなど、プロの監督を擁する強さを見せつけた。
続く2試合目。ここでも目立ったミスなくステージを進めるSonrisaがややリードを保って最終バトルに到達。如意棒(獣神化)で敵の一掃を狙うもできなかった場面があったが、ボスを倒し切るにはじゅうぶんなリードがあり、そのまま2連勝で優勝を決めた。

優勝したSonrisa。このメンバーで大会に出場するのは初めて、2名は大会自体が初出場ながらも東京都知事杯を手にした
モンストグランプリにはない面白さがあったスイスドロー形式
大会終了後、実況、解説としてステージを盛り上げた柴田将平アナウンサー、タイガー桜井さん、プロチーム今池壁ドンズαのなんとかキララEL選手にインタビューを実施。従来の大会とは異なる形式に、3人はポジティブな感想を話してくれた。

写真左から、柴田アナ、タイガー桜井さん、なんとかキララEL選手
――今回の大会は、予選がスイスドロー形式でした。これまでの大会とは大きく違ったルールでしたが、ご覧になっていかがでしたか?
なんとかキララEL:
実はスイスドローって知らなくて、いろんな方に「今度スイスドローらしいね」って言われても「そうなんだよ、今度スイスドローなんだよ」って知ったかぶっていたんですけど(笑)。
それがモンストに合うかどうかわからなかったんですけど、いざやってみたらこっちの方がいいなとまで思いました。
モンストグランプリはタイムアタックラウンドを抜けて5回くらい勝てば決勝大会に進めるんです。つまり、タイムアタックラウンドを抜けないと、対戦経験を積むことができないんです。それに対して、0勝の人も発生してしまうんですけど、来た方が全員5回対戦できるという対戦会としての側面も持っているのがすごく良いと思いました。
あとは、ゲーム内のマイチーム機能を使わなくても参加できる大会だったのが良かったと思います。アラブルズのKEVIN選手がファンの方とチームを組んだり、GVが普段一緒にモンストを遊んでいる人を加えて参加したり、気軽に出られますもんね。
タイガー桜井:
こういう大会をぜひもっと増やしてほしいですね。
モンストグランプリの敷居が高い理由の1つとして、タイムアタックラウンドを通過しないと、対戦を遊ばせてもらえないんです。今回は、参加したチームみんなにバトルの機会があって、モンストスタジアムの一番面白い部分を中心にプレイできるのがすごくいいなと。
僕も何回もモンストグランプリに出てるんですけど、バトルラウンドをやったことないんです。対戦したいんですけど、なかなかさせてもらえない。それを解決してくれている大会で、こういう大会からプロが生まれてもいいんじゃないかと思いました。
スイスドローで試合回数を増やせば、みんなが練習してきたことを全部出せますし。
なんとかキララEL:
モンストグランプリがタイムアタックラウンドをなくすべきというより、こういう形式があってもいいなっていう感じですね。
スイスドローであれば、例えば今回は最初に2連敗すると決勝トーナメントに進めないんですけど、そこから3戦も経験を積もうという空気さえできれば楽しい経験を生みやすいのかなと。プレイできないで帰るのは辛いですから。
試合数を稼げると、経験ができる。そういうチームが増えていくと、今後、格段とレベルが上がるんじゃないかと思います。プラスの感想しかないです。
柴田アナ:
負けたとしても思い出になりますよね。しかも、今回は一部のプロ選手も出ていましたから、もし戦えたらうれしい。
スイスドロー形式ってカードゲームの大会で多かったと思うんですけど、モンストにフィットしたなというのはすごく思いました。
これまでは、例えばホームラン競争をやって、上位だけが野球の試合ができるみたいな感じでしたから。
対戦をして帰ることができたのは、結果としては良かったんのではないでしょうか。
試合数が多いので大変な部分はありますが、小さい規模で地方でどんどんやれるのではないかと思います。
なんとかキララEL:
今後行われる対戦会などのイベントがスイスドロー形式になっていくことで、対戦経験を積めるのは良い未来しか見えないですね。
――ピックシステムがなかったのはいかがですか?
なんとかキララEL:
練習どおりのパーティーが使えるのはやっぱり良いですね。
先攻後攻でそれぞれ相手のピックを想定していくと、パーティーの構成はマックスで100種類くらいになります。それをパターン別に分けて40種類くらいまで落とし込むんです。
そして、1つのステージに対して、40種類も練習していくと、それだけで4時間くらいかかるんです。確認作業をしているという感じで練習になってるかもわからない。
プロツアーが終わる頃になってもタイムがそんなに縮まってないのは、これが理由なんです。ピック対策をいろいろしていると、さらにタイムを縮めようなんてできないんですね。
ただ、この縛りがゲーム性やドラマを生んでいるのも事実で、ピックシステムのありなし、どちらもいいところがあると思います。
――今回は若い参加者が多かった印象です。
柴田アナ:
去年の「モンストジュニアグランプリ2019」以降、若い世代が台頭してきています。
ただ、モンスターストライク スタジアムの魅力って、今のプロツアー上位3チーム(GV、4Sleepers、今池壁ドンズα)のように、年齢層が高い方も参加しているというところが、面白いところだと思うんです。
若い世代が入ってくるのはすごくいいことだと思うんですけど、今後プロを目指す30歳以上の方が、若い子ばかりで行きづらいなみたいなこともありうるのかなと思っていて。それを今年は年齢層高い世代も、上位3チームには盛り上げていってほしいなって思いますね。
――残りのプロツアーはおじさんチームに注目ですね……! 本日はありがとうございました。
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