だいこく噺 第六回「配信者として」

だいこく

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「ストリートファイターV」トッププレイヤー兼プロゲーマーのだいこくが綴るコラム「だいこく噺」。第六回は、格闘ゲームのプロ選手であり、1人の配信者としての一面について語ってくれた。だいこくが考える、俺流の“配信思想”はどういうものなのか。

【BACK NUMBER】
第一回「働くという事」
第二回「フランス遠征」
第三回「EVO噺」
第四回「台湾噺」
第五回「TGS2018噺」

配信者として目指すこと、やらないこと

CAPCOM Pro Tour(※)の参戦もだいぶ落ち着いたところもあり、今回は日ごろから考えていることについて書いていきたいと思います。

※CAPCOM Pro Tour:世界各地で繰り広げられているカプコン主催のプロツアー。地域ランキング大会やグローバルプレミア大会勝負結果によって、プレイヤーはグローバルランキングポイントを獲得できる。年末にポイント順位のトッププレイヤーや地域決勝大会の優勝者は、CAPCOM CUP 2018の出場枠を確保可能。

それは、今まで以上により一層気合を入れて“配信”していくことです。

 

よし。
掃除オワタ。 pic.twitter.com/dVkXbfs1Ah

— WP│DaikokuGO(だいこく) (@daikokuGO) 2018年9月28日

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だいこく選手の配信スペース

あくでも今年の目標は「最低限食べていけるほどにがんばる」ですが、配信についてはずっと悩んでいることもあり、これらを取り除かなければ気合が入らないなと思い、今回書かせていただきます(配信では何度か話したことがあるので、聞いたことある人はすみません!)。

まず、「ストリートファイターV」の配信を、“自分の配信”ではやらないことを決めました。おそらくみなさんは「ストVの視聴者が多いのになんで?」「プロなのにそれはおかしい!」……こういう意見が飛び交うと思います。

そもそも、なぜ“自分の配信”でやらないことを決めたのか。それは、ストVの配信において、どれだけ企画を練ったり、人を集めたりしても、結局自分の配信の視聴者にすることが究極的に難しいと感じるからです。

たとえば、自分が「TOPANGA」やウメハラさんのような方々が配信してない時間帯に、ストV配信で500人呼んだとします。その数時間後に先ほど挙げた著名プレイヤー・チームが配信を開始し、自身の視聴者が200人減ったとします。つまり、ここで減った200人というのは、あくまでもストV自体の視聴者であって、自分自身の視聴者ではなかった方々になります。

日本では、ストVの配信を多くの方々が視聴していると思いますが、著名な方たちが配信していないタイミングを狙って、いくら視聴者数を稼いでも、1つのタイトルの母数を取り合っているような気がして、配信者としてずっと気掛かりな部分でもありました。

ストVの配信は本当に面白いものです。むしろ、今のストV配信の人気があるのも、昔から配信を通してコミュニティを発展させ、支えてきてくれた方々の賜物だと思っています。そうした歴史や背景を分かっているからこそ、その差を縮めるのは難しいのではないかと、自分なりの結論に至りました。

 

2つの立場を切り離すことによるメリット

そしてもう1つ、「ストVのプロなのにそれはおかしい!」という意見についてもお答えします。

自分の中では、「配信者としての自分」と「プロとしての自分」を、明確に分けていければと考えています。明確に分けなければ新しいことは生まれないですし、なにより自分の思う楽しいことが出来なくなってしまうのではないかとさえ思っています。

ストVの配信だけやり続けないと、おそらく視聴者の中から「プロなのに練習せずに、そんなことやっていていいのか」……という意見を持たれる方もいらっしゃると思います。この意見について、自分の考えをお伝えします。

仮にストVにこだわり続けて、ストVの配信だけをやっていたら、配信者としての自分の可能性、新しい気付きも生まれないのではないかと自分は思っています。

配信者とプロゲーマー、世間的にはひとくくりで考えられがちですが、自分は単純にこの2つを明確に切り分けて考えています。ストVは仕事(決して悪い意味ではなく)、配信はまだまだ趣味の域、こういう考え方なら納得いただけるかなと思います。

これが、自分が考えに考えて出した結論です。

 

自分を演出していく力と目標

では、これからはどうしていくのか。

簡単にいうと、より精力的に配信を頑張って頑張ってやりつづけ、そして配信外ではストVの練習に励むということです。

現在嬉しいことに「ドラゴンクエストライバルズ」や「人狼殺」の配信をいろいろな方が視聴してくださっているので、いったんその2つのコンテンツを主軸に続けてまいります。もちろん企画として、そのほかのゲームも取り上げたいですし、「PUBG」などもすごくやりたい!

だいこく選手の「OPENREC.TV」ページ。「ドラゴンクエストライバルズ」や「人狼殺」「WiiFit」などバラエティに富んだゲームタイトルの配信を行っている。

さて、配信者としての現状は、今話したような状況ですが、正直毎日がむちゃくちゃ楽しいです。上も下もない、誰に気を遣うわけでもなくやり続けられるので、自分としては気持ちも楽です。

加えて新しく始めたゲームのコミュニティ上では、仲の良い方々と他愛もない話から、ガチの相談まですることもあり、自分自身の刺激にもなっています。ドラゴンクエストライバルズに関しては、勇者杯の一次予選を突破することもでき、ゲームの腕前も他作品で発揮することができています。こちらも成績残せるように頑張りたいです。

まあ、そのほかにも色々気になることがあると思います。

「今後どうなりたいのか? 目標としている人物は?」……配信者としてだけではなく、1人の男としてリスペクト・目標としているのがこくじんさんです。

こくじんさんは、いつもどんな配信・コミュニティの場でも、きちんと盛り上げてくれます。だれかを陥れる笑いもなく、皆を笑顔にしてくれるので、自分もこういう人になれたらと思っています。なにより、自分のような人間を叱ってくれたり、褒めてくれたりする、数少ない方です。こくじんさんの背中をしっかり見て、学べるところをたくさん吸収できたらと思っています。

「プロゲーマーとしての目標は?」……まずは12月のCapcom Cup最終予選に出場します。泣いても笑っても、そこが今年最後の本気の大会。うまく時間を使って、気合を入れつつ気負いすぎないよう頑張っていけたらと思っています。大会のレベルは、いつものプレミアのTOP8常連組がいない分、成績を上げる確率は高いと思いますし、現在調子もすごく良いので、この状態が切れないように持続して頑張っていきたいです。

来年の活動は正直見えないですが、出場できる大会があれば、勝てるように頑張っていきます。ただ、プロとしての目標は、当然Capcom Cup出場! ……と、いいたいところですが、配信者としての自分とプロとしての自分をどちらも大事にして、できる限りの最善のアクションがいつもできるように進めていきます。なんかふわふわしてますが、このことについてはまた別の機会に話せればと!

それでは、最後にまとめます。

「ストVは”自分の配信”ではやらない」
「配信者として今までの数倍がんばる、プロゲーマーとしてもがんばる」

はい、以上です。マジで頑張りますし、拙い文章なのでこの記事への意見があれば配信の際にコメントなど送ってくれると嬉しいです! 長々失礼しました、今後ともよろしくお願いします。

【プロフィール】
だいこく:ウェルプレイド所属のプロゲーマー。強気な攻めと大舞台でも萎縮しない強靭なメンタルで戦うプレイヤー。豊富な実戦経験から繰り出される一撃で数々の強豪プレイヤーを沈めている。


名前:だいこく
Twitter:daikoku_GO
Openrec:WP|だいこく
Blog:配信者だいこくのブログ

大会実績(一部抜粋)
2017年 ThaigerUppercut Championship 2017 7位
2017年 Manila Cup 2017 9位
2017年 TWFighter Major 2017 5位
2018年 ストリートファイターV ARCADE EDITION 闘会議GP大会 9位

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Capcom Cupに出場するため、そして優勝するために海外大会を遠征している猛者がいる。その名も「だいこく」。ストリートファイターVにおいてトッププレイヤーであり、強気な攻めと大舞台でも萎縮しない強いメンタルで強豪プレイヤーたちと日々戦っている。
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記者プロフィール
だいこく
ウェルプレイド所属のプロゲーマー。強気な攻めと大舞台でも萎縮しない強靭なメンタルで戦うプレイヤー。豊富な実戦経験から繰り出される一撃で数々の強豪プレイヤーを沈めている。

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